好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第8番 プレートル/ウィーン響

2023-05-07 18:25:52 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)
ブルックナー 
交響曲第8番

指揮…プレートル 
演奏…ウィーン響
好み度…4.5(5点満点)

プレートルとウィーン響は相性がいいんだろう。
プレートルの細部に拘らない浪漫的な音楽と、このオケの洗練とはちょっと違うほうを向いた情に満ちた古風で実直な重みのある響きが合っているのだろう。
洗練と言うよりはむしろ古風な重みと甘美にも似た濃い情感を感じさせるような演奏。
大きさと骨太さも兼ね備えた血の通ったロマンを感じさせるブルックナー、悪くない。
第3楽章でのウィーン響の古風なたっぷりの甘美な情を湛えた弦がまたいいし、気持ちよく吹かれるホルンもまた然り。
終楽章も弦も金管もおおらかに太く情深く響いて爽快。
ロマン的という意味では右に出る盤はないのではないだろうか。
聴くほうもある意味プレートルの演奏に完成度の高さを期待しているのではないだろうし、大きさと甘美にも似たロマンと…プレートルでなければ聴けないものが聴ける、といった印象の、1つの名盤と思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マーラー 交響曲第5番 クーベリック/バイエルン放送響

2023-05-07 18:20:11 | マーラー 交響曲(第2番「復活」 第5番)
マーラー 
交響曲第5番

指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

1981年ライブ。セッション盤から10年。タイム的には終楽章以外はこちらのほうが時間をかけた演奏となっていて、印象としても陰を漂わせて所謂マーラーらしい雰囲気が強くなっている印象を受け、深みと大きさを増したように思う。ただ、実直にこの曲の素のよさを力強く熱っぽく訴えかけてくるようなセッション盤がこちらに劣るかというとそういうわけでもなく好みの範疇かとも思う。
アダージェットは、セッション盤では他の盤に比べ明るいものであったが、この盤では静かにゆっくりと、特に激しい起伏づけはないが、このコンビらしい透明感ある弦の響きに情感が濃く漂い、開放感のある広がりも感じさせる美しいアダージェットであり、静けさの中の透き通るように重なる弦が印象的で、悲しみもほのかに加わったような感も受ける。
明るく活力があり健康的であったセッション盤よりもオケの音としてのレンジの幅、スケール感、音や情においての幅ときめ細かさ、などの点で、好みは別として、マーラーの演奏としてはこちらが上位にランクされるものと思われる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ディヒター/マズア/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2023-05-07 18:14:34 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…ディヒター 
指揮…マズア 
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管
好み度…5(5点満点)

まずはオケがマズアにしては上々出来(こんな言い方ですみません)。このオケらしい明晰な透明感に「気合い」と言っていいような活気と凛とした艶を載せて、どこか洗練味も感じさせていい。
ピアノも地を這うような重みとか陰を感じさせる情とか、そういうのではないが、凛とした中に情もまとって美しく達者。しっかり力強いがその力強さはガツンとした重く固いものではなく清清しいような何かを解き放つような、若き情熱を感じさせるようなところも感じられてオケの活気ともよく合って爽快。両端楽章の爽快かつ情の込められた力感もいいし第2楽章のこぼれるような情のこもった旋律も美しい。録音を通してピアノとオケがお互いを触発しあっていい相乗効果が生まれた演奏だったのではないだろうか。PentaToneの美しい録音(リマスタ?) も効を奏しているようにも思う。フィナーレも力強く明るく爽快。
しっかり厚いが重厚とか言うより、どこか清清しく溌剌とした、熱を帯びたような情と活気をもった充実爽快な演奏のように思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする