好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブルックナー 交響曲第5番 ホーレンシュタイン/BBC響 

2023-11-19 13:11:15 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第5番

指揮…ホーレンシュタイン 
演奏…BBC響 
好み度…4.5(5点満点)

ホーレンシュタインもBBC響もいつも安定して名演を披露するといったタイプではないように思う、ただ、ときに飛びぬけたような演奏をすることも確かだと思う。
この演奏はそんな演奏の1つなのだろうと思う。
もともと指揮者もオケも、ときに思い切った力感を感じさせるタイプと思っているし、ライブの熱と臨場感もよいほうに作用して、お行儀のよい演奏にはない血の通った奥行きと力強さを感じさせる演奏のように思う。
世評もホーレンシュタインが晩年に遺した名盤の1つとの位置づけのようである。特に終楽章でこれだけ熱を感じさせる盤もちょっとないのではないだろうか。
フィナーレも大きく、美しさとか技量とかを聴く盤ではないと思うが、この曲の熱と力を聴くにはよい盤と思う。


ブルックナー 交響曲第8番 ヴァント/バイエルン放送響

2023-11-19 13:10:18 | ブルックナー 交響曲(第3番/第5番/第8番)

ブルックナー
交響曲第8番

指揮…ヴァント 
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

ベルリンフィルとの録音よりだいぶ前の録音ということになる。ベルリンフィルとの盤では鉄壁のような厚い重さと完成度がいかにもブルックナーの王道という感を与えたが、こちらは王道然とした完成度の代わりに、ヴァントの、この曲への熱が、若い分だけストレートに、テンポの揺れとなって、あるいは歌となって、あるいは熱の込もった響きとなって、あふれ出ているような、そんな印象を受ける。第3楽章ですらほんのり明るく瑞々しい活力を感じるよう。
厚く熱を帯びながらも透明感を漂わせるバイエルンの響きもいいし随所で低弦が骨太な活力をもって心地よく響き、金管も耳に尖らずしかし団子にならずよく鳴っている。終楽章の力感もいいし、ヴァントのブルックナーは、気の効いた内声とか印象的なテンポの設定とかが特にあるわけではないのだけれど、一音一音ががっちり美しい。力強い信念を感じるような。ヴァントの実直はブルックナーと相性がいいな、と改めて感じる。バイエルンのいいところも出て、厚く清らかに活きた力感にも満ちたブルックナーらしい名盤の域かと。


ブラームス 交響曲第1番 ボールト/BBC響

2023-11-19 13:08:53 | ブラームス 交響曲第1番

ブラームス
交響曲第1番

指揮…ボールト 
演奏…BBC響
好み度…4(5点満点)

ライブ盤。録音はまずまず、ロイヤルアルバートホールというホールの特質もあるかもしれないがやや残響は多め。
以前聴いたロンドンフィルとの演奏ががっちり隙のない演奏だった印象と比べると全体的にやや大味な印象を受けるが、かえって野性味だったり勢いを感じさせるところはある。ライブというところもあるかもしれないしBBCというオケの性質もあるかもしれない。
全体的に細かな配慮が効いた感じではないし、第2楽章なんかは深みも情緒も感じられないが、特に両端楽章での豪快な金管はじめ思い切り良く鳴るオケとフィナーレ凱歌の重量感ある力強さなんかはなかなか捨て難い。演奏後の聴衆もかなり盛り上がっている(イギリスあるいはこのホールでの演奏会ではこういう盛り上がり多いかな…)。
ちょっとがさつな感は受けるが重い勢いある雰囲気がなかなか他にありそうでない、それなりの魅力は感じさせる盤。