好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マーク/東京都響/尚美学園第九合唱団 他

2020-03-14 15:15:16 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン
交響曲第9番「合唱」

指揮…マーク
演奏…東京都響
合唱…尚美学園第九合唱団 他
好み度…5(5点満点)

これはいい。日本のオケ、合唱団、ソリストによる演奏だから…なんて思う方がいたとしても、だまされたと思って聴いてみるといいと思う。
例えばマタチッチとN響の73年とかより断然お薦めである。
オケは心地よい力感と自然な深みを帯びた重みも漂わせてよく鳴り、厚く元気な弦に木管や金管の絡み加減もスケール感も感じさせて心地よい。
弦は艶と覇気を感じさせるし管楽器もティンパニもいい感じで鳴って、どこかヨーロッパの名の通ったオケのCDといわれたって、いい響きだなぁ、なんて思いながら聴いたと思う。
第1楽章から、ライナーノートでは「軽妙な音楽」なんてあるが、そんな響きではなく堂に入った響きで、第3楽章もどうして美しい。ついでにいえばライナーノートでは第2楽章は「山道をスポーツカーで走るかのような爽快さ」第3楽章は「ワルツを聞いているような、踊れそうなほどの雅趣」とあるが、そんな軽そうなものではなく、第2楽章はここぞというときのティンパニもしっかり力強く、快活でむしろ緊張感も湛えた力強い音楽だし、第3楽章も深刻さはないが明るい雲上をゆくような優しく明るい美しさであり、ある意味ため息がでるくらいに美しい。
終楽章のソロも失礼ながら日本人ということでちょっと心配もあったが、うまいしちょっと控えめな録音が程よく、合唱は微妙な表現力とかは一流どころに及んでいないのかもしれないが、声量と活き活きと明るい覇気十分、広がりも感じさせて十分好ましい。終楽章中盤の少し早めのテンポはその合唱の明るい力強さとマッチして、また、元気な合唱に負けずに管弦楽もしっかりからんで、せわしくならずに、中だるみ感なく、スケール感を伴ったたたみかけるような熱さになっている。フィナーレなんかは結構感動的ですらある。
スケール感、力感、透明感、素朴な美しさ、熱さ、上っ面でない響き、そういったものを感じさせる、巷で名盤と呼ばれる盤たちと並べたって遜色ない、そんな盤のように思う。

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