ベートーヴェン
交響曲第3番「英雄」
指揮…クーベリック
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)
硬派で、ほの暗くがっちりした重みをもった強烈な響きの英雄。
クーベリックとバイエルンに聴かれるような明るさや透明感はなく、ウィーンフィルに特有の軽妙な気品を帯びた艶はない。
その響きは明るさや流麗ではなく、硬い重さとほの暗さを帯び、第1楽章等硬骨な大きさと、ときに悲痛な叫びを響かせているようであるし、終楽章の重い影を思わせるような力強さと大きさはなかなか聴かれないもののように思う。
テンポはゆっくりで第1楽章の反復無しで約56分、流麗さはないが曲全体の中で「ここ」と決め打ちされたような強奏部での迫力は印象的で、随所での金管の響きは圧するような重さと大きさとときに切迫感を持つ。ここで聴かれるほの暗くも美しく不調和すれすれのような重量感もウィーンフィルならではかもしれない。
一聴クーベリックとウィーンフィルの両者のよさが出ていないように思えるが、そういう先入観をリセットして聴けば、これくらいほの暗い硬骨な重みと大きさと情感を感じさせる英雄も稀有なのではないだろうか。
全集のベルリン盤と同じ年のライブのようだが、同じ指揮者が同じ年に同じ曲をやって、こうも違うものか(全集が悪いというのではない、タイプが違うという意味で)とも思う。
交響曲第3番「英雄」
指揮…クーベリック
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)
硬派で、ほの暗くがっちりした重みをもった強烈な響きの英雄。
クーベリックとバイエルンに聴かれるような明るさや透明感はなく、ウィーンフィルに特有の軽妙な気品を帯びた艶はない。
その響きは明るさや流麗ではなく、硬い重さとほの暗さを帯び、第1楽章等硬骨な大きさと、ときに悲痛な叫びを響かせているようであるし、終楽章の重い影を思わせるような力強さと大きさはなかなか聴かれないもののように思う。
テンポはゆっくりで第1楽章の反復無しで約56分、流麗さはないが曲全体の中で「ここ」と決め打ちされたような強奏部での迫力は印象的で、随所での金管の響きは圧するような重さと大きさとときに切迫感を持つ。ここで聴かれるほの暗くも美しく不調和すれすれのような重量感もウィーンフィルならではかもしれない。
一聴クーベリックとウィーンフィルの両者のよさが出ていないように思えるが、そういう先入観をリセットして聴けば、これくらいほの暗い硬骨な重みと大きさと情感を感じさせる英雄も稀有なのではないだろうか。
全集のベルリン盤と同じ年のライブのようだが、同じ指揮者が同じ年に同じ曲をやって、こうも違うものか(全集が悪いというのではない、タイプが違うという意味で)とも思う。
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