好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 リヒテル/マゼール/パリ管

2021-08-07 21:20:56 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…リヒテル
指揮…マゼール
演奏…パリ管
好み度…5(5点満点)

オケの覇気ある響きがすごい。
厳しいと言えば厳しいのだが、硬くならずに華やかな力感となって、しかも低弦はじめいろんな音が効果的に響いて飽きさせない。
もはや完全に伴奏というものではない。
力のないピアノだったら潰されてしまいそうなくらいだがリヒテルのピアノだから負けずにすんでいる。
リヒテルのピアノはどちらかといえば硬派に緊張感を感じさせるもので、このオケに力負けせずにしっかり響き、叙情部には媚びない情感を感じるようである。
他盤に比べオケが強いが、ピアノが埋もれているというのではなく、両者対等に、あるいは一体となって、ブラームスはこういう「ピアノつき交響曲」を書きたかったのではなかろうか、とも思うし、この曲でしか感じられないような重厚にして美しく華やかな世界を聴かせている演奏のように思う。ピアノつき交響曲万歳ではないかとも思う。
オケの迫力と言う点ではギレリス/ヨッフム盤あたりを連想するがオケに圧するような激しい重厚感というより分厚く覇気に満ちた華を感じ、ピアノは力強い迫力より叙情味を感じるといったところか。
両者相まって威風堂々たる覇気に圧倒される感があるが、第3楽章なんかはしっかり響きながらもかなり美しい。この楽章は2本目のチェロの存在感が結構あるのが珍しく、でもこれも綺麗だと思うし、細かところでは冒頭のホルンとピアノが一緒になった残響も何ともよかったりする。
リヒテルもいいが、窮屈にならない緊張感の中に華も情も力感もあるオケの響きを聴いているとマゼールってやっぱすごかったんだな、と思わせる盤のように思う。

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