好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 アルゲリッチ/シャイー/ベルリン放送響

2015-05-21 23:23:52 | ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番

ピアノ…アルゲリッチ
指揮…シャイー
演奏…ベルリン放送響
好み度…4.5(5点満点)

併録のコンドラシンとのチャイ1があまりに有名だが、個人的にはどちらかといえばこちらのほうを推したい。
出だしから何か雰囲気があり、瑞々しく回転の速いアルゲリッチのピアノは適度な力感も伴って快演の予感を感じさせる。
シャイーとベルリン放送響のオケも、ついていけていない、などの声も聞くが、そうとも思われず、出だしの低弦の響きなど、この演奏に聴くものを引き込んでいくような響きである(この低弦の響きは全編にわたって印象的でこの演奏によい雰囲気を与えていると思う)。
アルゲリッチのピアノは滴る水滴のような瑞々しさと激しい情を同居させながら、
重くならず暗くならず、緊張感に満ちた、美しくも激しく鋭いラフ3の雰囲気をつくっている。
ここではロシア的かどうかは関係ないように思える。
カデンツァは大カデンツァではないが、重厚長大な雰囲気の演奏ではないので、むしろこちらのほうが合っている気もする。
第1楽章は高い緊張感のもと、息をのむ激しさと美しさの連続、2
第2楽章ではピアノの入り等で劇的な側面も持たせているのも印象的。
終楽章も激しさと美しさは健在のまま燃焼度高くこの曲を締め括っている。
ロシアの風景とか関係なく、大曲然とさせることもなく、むしろ熱さをコンパクトに集約して、類まれな緊張感と燃焼度を以って駆け抜けた名演奏だと思う。
これだけの熱さと完成度を同居させたライブ演奏というのもそうはなかろうかと思う。録音も優秀。
瑞々しいばかりの美しさと、同居する激しさ、アルゲリッチの魅力を感じられる1枚であり、この曲の名盤でしょう。


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