好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 ジュリーニ/バイエルン放送響

2020-05-09 17:19:07 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…ジュリーニ
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

ゆったりめのテンポの中、バイエルンの美音が厚く響き、スケール感を感じさせる、全体的におおらかに謳うような雰囲気も心地よい、感銘深く聴かせる名演のように思う。
ウィーン盤ほど遅さは感じない。タイムを見てみるとこちらは第1楽章が15:05、終楽章が18:49、ウィーン盤が第1楽章が15;49、終楽章が19;46。単純に1分違うとこれくらいは印象が変わるものなのか、あるいはウィーン盤のほうが響きや雰囲気が重く感じられ、こちらはライブの熱気あるいは推進力をほのかに持つからなのか、終楽章など聴いていても、ウィーン盤で「遅い」と感じたものが「ゆったりおおらかな大きさ」になっているようにも思う。フィナーレの輝きもこちらが上。
透明感を感じさせるような厚く力強い響きの中にほどよいほの暗さやもたれるようなブラームスっぽい重ったるさ(悪い意味でない)も漂わせ、おおらかに歌い重みのあるスケール感を感じさせる、正統ではあるが例えばヴァントの堅固な正統とは趣を異にする、聴き応えのあるブラ1である(ヴァントが聴き応えないという意味ではないです)。
※ちなみにロサンゼルス盤との比較ではロサンゼルスは第1が18:53(反復あり)、終楽章が18:34。細かな長短はあれこれあれど、とにかく響きが、どちらも明るめながらバイエルン盤のほうが重さ深みで勝る。オケの響きは、クーベリックとのときやバーンスタインとのときとも違うように聴こえ、このオケは自らの響きのよさを保ちながら固執せず、指揮者の特性をしっかり吸収してよい形で表現してみせる、という点では最も優れたオケのように思う。ネットにこの盤の感想としてジュリーニ云々よりとにかくバイエルンが凄い、といったものがいくつかあったが、そんな面も確かにあるかもしれない。とはいえ、やっぱりジュリーニの大きなおおらかさがいい方向に出ていることもこの演奏の大きな要素であることも間違いないと思う。

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