Kelly At Midnite/Wynton Kelly
(Vee Jay LP 3011)
久々にケリーを聞いてみる。自然に身体を揺さぶられるスウィング感はいつ聞いても健在ですね。本日は、Vee Jayに吹きこまれた3枚のうちでは、最も渋味溢れる仕上がりになっていると思われる"Kelly At Midnite(裏解説ではなぜか見慣れたat midnight....になっている)をアップいたします。名盤の誉れ高いアルバムで皆さんのライブラリには当然ある筈ですが、裏解説で"The Jazz Review"誌のエディター、ナット・ヘントフが書いた有名なマイルスのケリー評が載っていることでも知られています。以下に掲載しておきますね。
"Wynton's the light for a cigarette, He lights the fire and he keeps it going. Without him there's no smoking"
さてアルバムはいずれもマイルスバンドの一員であったプレイヤーからなるトリオです。ケリー、チェンバースとくればジミーコブですが、ここではフィリー・ジョーが使われてますよね。これがこのアルバムの好き嫌いをはっきりさせていますよね。ジミー・コブの堅実なドラミングは当然治まりがいいのですが、フィリー・ジョーのうるさいとまでいわれた奔放でダイナミックなドラミングがポイントになっています。サイドAのケリーのオリジナル"temperance"が『動』を強調しているのに対して、続くBabs Gonzalesの"Weired Lullaby"では見事なまでに『静』をあらわしケリーのピア二スティックな魅力を横溢させている、最もすきなトラックです。もちろんB面もいいですが個人的にはA面ですね。
所有盤はVee Jayのブラックラベル、再発のステレオ盤です。ケリーのピアノ、難解じゃないし、自然に揺さぶられるスウィング感、こんなピアニストはそのあともであってないなぁ・・・。