Paul Togawa/4
(Mode MOD-LP#104)
(Mode MOD-LP#104)
先日、ブログ仲間のbassclefさんがmodeのRichie Kamucaをアップされておられましたが、改めてEva Dianaのカバーイラスト、そうあの例の肖像画カバーのすばらしさを再認識しました。この記事に触発され、今日はとってもマイナーなmode盤をアップしてみます。国内盤もトイズファクトリーから、見事な再発カバーと分厚いビニルで発売されましたのでお持ちの方もおられるかもしれませんね。この日系2世のドラマーPaul Togawaについては、あまり知られていないですが、LAの生まれで、第2次世界大戦中はアリゾナに抑留されていたといいます。ここでカタログによるメールオーダーで初めてのドラムセットを購入したと言います。いかにもアメリカ的ですね。52年にはライオネル・ハンプトン楽団でもプレイした実力者でもありますね。モードレーベルの新人発掘プロジェクトに乗って57年に録音されたこのアルバムは、おそらく自分の知る範囲では彼の唯一のリーダーアルバムであると思われます。モード盤のEvaのイラストで描かれた日本人カバーというのも極めて異色で貴重だろうとおもわれます。
演奏は3人の優秀なサイドメンにおんぶにだっこのスウィンギーな演奏が続きます。メンバーはこれまたフィリピン系のアルト奏者、Gabe Baltazar、2曲のオリジナルを提供したスウィンギーなピアニストのDick Johnston、そして重厚なwalking bassで知られる名手、Ben Tuckerのカルテットです。全編を通じて軽やかで良く唄うGabeのアルトが大きくfeatureされ、2人の東洋系ミュージシャンにちなんだA-1の"Oriental Blues"で幕をあけます。続く、"Lover Man", "It's Alright With Me"もなかなかに聴き応えがありますね。B-2の"Love For Sale"もGabe, Johnstonの好演が光りますね。そしてラストの"Ben's Blues"はタッカーのオリジナルでいきなり彼の長いWalking Bassが提示されます。やはりこの音量豊かなベースはブルースには最高ですね。
所有盤は、モード30枚のなかの1枚でオリジナルモノ盤です。何枚リリースされたのかもわかりませんが、もちろんブルーバックでEvaのイラストなどモードの特徴をきちんと残した好アルバムと言えると思います。