Tijuana Mood/Charlie Mingus
(RCA RGP-1168 jp.reissue)
(RCA RGP-1168 jp.reissue)
ミンガスの音楽は反抗、風刺、皮肉、冷笑などをふんだんに盛り込んだジャズであり、以前にも書いたようにミンガスははっきり言って苦手です。しかし、昔から好きな一枚があります。これが本日アップの"TIJUANA MOOD"です。カバーのエキゾティックな画像をはじめ、これはミンガスらしいのでしょうか???TIJUANAというのは“ティファナ”と発音すると思います。メキシコの太平洋岸、最北部に位置する街です。カリフォルニア在住時に何度訪れたことがありますが、国境を越える陸橋に上がってサンジエゴ、ティファナの両方の町並みを高いところからみると貧富の差が歴然としているのがわかります。ここを訪れる方は結構多いので、経験されている方も多いですよね。
さてこのミンガス、どうしていいか?これはカーティ・ポーター(as)とジミー・ネッパー(tb)、クラレンス・ショー(tp)のしまったプレイが素晴らしいからです。中でもポーターのプレイが圧倒的です。ジャズファンならモブレイの1568でお聞きになって、皆さん一目置かれている筈です。このアルバムでもA面冒頭のの"Dizzy Mood"から彼の魅力満載のブローするサックスが炸裂します。A-2の"Ysabel's Table Dance"はYsabel Morelのカスタネットを含んだエキゾティックな曲想の中アンサンブルに交錯する3者のソロが見事です。B面の"Tijuana Gift Shop"のネッパー、B-2"Los Mariachis"のショーのプレイも見逃せませんね。他のメンバーはBill Triglia(p), Charlie MIngus(b), Dannie Richmond(ds), Frankie Dunlop(perc), Lonnie Elder(voices)がクレジットされ厚いアンサンブル、ソロを充分に支えていることがわかります。
所有盤はRCAの国内盤、それも再発廉価盤ですが、ミンガスの中では最も親しみやすいアルバムに仕上がっていると思うのは自分だけですかねぇ?