Dark Beauty/Kenny Drew
(Steeple Chase RJ-6011 Jp.reissue)
(Steeple Chase RJ-6011 Jp.reissue)
SteepleChaseは1970年代という、ジャズの一時的衰退に合わせてヨーロッパに移り住んだジャズメンの録音を行うことでのし上がって来た新興レーベルですよね。デンマークのジャズ愛好家ニールス・ウィンターが設立したレーベルで、この時代をリアルタイムで聴いて来た自分にとっては比較的身近なレーベルです。パウエル、デックス、マクリーンなどのビッグネームの録音の他、ピアノトリオではケニー・ドリュー、デューク・ジョーダン、テテ・モントリューなどの好録音があります。中でも、白基調のカバーのジョーダンの"Flight to Denmark"と本日アップの黒基調のドリューの"Dark Beauty"は当時のジャズ喫茶でもとも良く知られたSteeple Chase盤であったと言っても過言ではないと思います。
メンバーは言うまでもないかも知れませんが、Kenny Drew(p), Niels-Henning Ørsted Pedersen(b), Albert Heath(ds)のトリオです。この時代のDrewの演奏のなかでは最も快活と言える一枚で、Pedersenの超然テクニックも冴えてますね。個人的に気になるのがヒースのドラムスです。なんでこんなにバスバスの音なんでしょう???"Tete!"でもこのドラムスなんですよね。レコーディングエンジニアFreddy Hanssonの好みなんでしょうが・・・。ドリューの得意のパターン、すなわちイントロからピアノのみのルバートで出て途中からリズムをかぶせてスィンギーな演奏にうつるパターンが聴けるB-1の"It Could Happen to You"が有名ですよね。A面のタイトル曲"Dark Beauty"やマイルスのA-4"All Blues"も好きですが、やはりIt Could~"から大好きな"Love Letters"、ラテンリズムの"Silk Bossa"と続くB面が好きですね。
所有盤は、ジャケの丈夫さを考え、当時あえて買った国内再発盤です。学生時代のジャズ喫茶全盛期を思い出す一枚ですね。