Canadian Suite/The Oscar Peterson Trio
(Limelight LS86010)
(Limelight LS86010)
多作のOPには本当にいろんなスタイルの企画ものが存在しますね。メインはノーグラン、クレフ、ヴァーヴの諸作が何と言っても有名だろう。このレーベルだけでも、アイデアマンのグランツの好企画が目白押しですよね。晩年は、このレーベルを追従したと考えられるパブロから膨大な録音が出ています。確かに、素晴らしい録音で聴かせるこのレーベルは魅力ですが、総じてB&Wの老人ジャズメンをカバーに大きくあしらったジャケットデザインは興ざめとしか言いようがないと考えているのは自分だけでしょうか?このverve時代とパブロ時代の間できらりと光る存在感を示しているのがライムライトの諸作だと思います。本日はこのライムライトの中でも名盤の誉れ高い"Canadian Suiteをアップいたします。
以前にも述べたかも知れませんが、~組曲(suite)と名打たれたアルバムにはあまり面白いものがないのが通説と感じていますが、トロントの自宅で完成に一年を要したという当アルバムは、カナダの大西洋岸から太平洋岸に至る光景をピアノトリオであらわした企画で出来もすばらしいと思います。メンバーはレイとシグペンのレギュラートリオです。A面には"Ballad to the East"から大都市トロントを表現したという"Hogtown Blues"の4曲、B面では広大なプレーリーから風光明媚なカナディアンロッキー等が題材としてとりあげられ、B-1の"Blues Of The Prairies"やB-2の"Wheatland"等の名演が聴かれます。いずれもOP本来のブルースフィーリングが根底に流れ、"Wheatland"のように限りなく美しいスローナンバーも同時に楽しめますね。ライムライトの中でも異色のアルバムですが完成度の高さではナンバーワンだろうと思います。
所有盤は個人的には大好きな"We Get Request"の次に購入したものです。30年前に石丸電気のワゴンセールで1000円前後だったと思います。新品でこの値段はやはり再発かな?分厚い盤のステレオ録音で、レイのベース、シグペンのシンバルもタイトに録られていていいですね。やはり名盤にふさわしい仕上がりです。