裏山では落葉樹の紅葉が始まりだした。
森の中は静寂に包まれ、
空気は澄んでいて、
自然の色彩は疲れた心を落ち着かせてくれた。
以前はよく歩いたっけ。
最近はクマが里山まで来ているらしく、
歩けないのが残念だ。
ブログ友リコさんからのご紹介の、
この本は、
ドイツの森林管理官であった、
ペーター・ヴォールレーベンさんが書いた本である。
2015年発刊でベストセラーになり、
様々な言語に訳され世界中で高い評価を受けているという。
ドイツの方々は、
とても森好きだそうです。
ドイツの樹木、
ブナ・ナラ・モミ・トウヒ・シラカバ・カラマツ・サクラなど、
日本になじみの深い木々など40種類以上、
動物類も、
クマ・ヒグマ・ウマ・イタチ・リス・コウモリ・フクロウや、
小さな虫など、
これまた40種類以上登場している。
樹木が、
人間と同じように感情を持ち、
社会的なコミュニティを持つ生き物で、
森林社会にも助け合いがあると、
著者はいう。
だから、
街路樹などは人的に植えられた木々であるため、
お互いに助け合いができず、
ストリートチルドレンのようだといわれるほど、
木々への愛がいっぱい詰まっている。
木々の寿命は長いので、
人間など僅かな部分しか見てないと言われるが、
確かにそうである。
私は以前、
屋久島で紀元杉(樹齢3000年)を見てきた。
この、
3000年の木の前に立った時、
人間など本当に小さな存在なのだと、
つくづく感じさせられた。
この屋久杉までの年月でなくも、
200~300年などという木は周りにいっぱいある。
私たちが、
人生で味わう以上の年月を、
木々は体験しているのですよね。
それに、
自然のままであった原生林が破壊されると、
元に戻るのには、
500年の年月がかかるそうだ。
だから、
森のことをとらえるには、
人間の80年や90年の智慧だけでは、
ダメなのでしょうね。
この本の本文は(前書きがある)、
私が管理している森の中に、
古いブナの木が集まっているところがある。
という書き出しから始まるのだが、
ブナの記述がとても多い。
ブナの木肌は松などより再生率が高く、
200歳になっても幹の表面はなめらかのものが多いとか。
1本のブナは5年ごとに少なくても3万の実を落とすとか。
(最近では気候変動の影響で2年から3年ごとになりつつある)
でも成熟した木に育つのは少ないらしいなど、
興味深いお話がいっぱい。
ブナの美しい木肌は絵心を誘います。
ブナの葉の特徴は、
側脈の終端が鋸歯の凹部に入ってるって、
若いころ教えていただきました。
↓
普通の葉は凸部に入ってますよ。
桜などの葉脈見てくださいね。
(写真3枚はネットからの借用です)
リコさん、
良いご本のご紹介ありがとうございました。
樹木好きさんへお勧めです。