心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

母、緊急入院。

2017-06-08 | 母・父


昨日7日、母、誤嚥性肺炎の疑いで緊急入院。

老健でお世話になっている母、4日から高熱、
尿路感染とのことで抗生剤投薬するも熱が下がらず。

毎日面会に行き、状態の悪さを心配しつつ、もう少し様子を見る、とのことで。
肩で息をして苦しそうなのに、なぜ?

大丈夫なんですか?と聞くと、院長は医者ですから、と。

今日も行くと苦しそうなので、看護師の方に様子を伺うと、
「そうなんですよね、本当は検査を受けた方がいいと思うんですけど、
看護師の立場から院長には言えないんです。言うと拗ねちゃうから・・・。」

は? な? え?

そうこうしているところへ、院長がいらはったので、
苦しそうなので病院に行きたいんですが、と言うと、
「私は医者ですから、私が判断して行かなくていいと言ってるんです」と。

どういうこと?

沙於里「どう見ても、具合が悪いと思うんですけど・・。」
院長「それは私が決めることです」

一気に頭にきて、思わず、
もしこのまま病院に行かず、誤嚥性肺炎で死んだら、
どうしてあの時、病院に行かなかったかと、私は一生悔やまれます!

そしたら、院長、
あ、あ、あ、じゃ、いいです、今手続きしますから、ね、行けばいいです。

ど・・どういうこと?

スタッフの方は皆さま、とても穏やかで丁寧で、やさしい言葉をかけて下さり
私にできないことをして下さっていることに、いつも感謝と尊敬の念を抱いています。

けれど、院長のこの言動はどうにも納得がいかず、人生で久々にわなわなしています。
そして、今日知ったのは、現場のスタッフの方も現状をなんとかしたいと思っている、と。

先日の父の脱走事件と今回の出来事は、同じところで起きているような。

こういうことは、ここだけの話なのか、他の施設でもそういう現状なのか。
高齢化社会が進む中、自分も含めて、どう老いるのか、どう生き(ながらえ)るのか、
そして、どこでどう死ぬのか。

介護、医療の現場。介護制度、医療制度。家族と介護、介護される人の尊厳。
医者と看護師の立場。医者と患者の立場。

そこに、お互いの信頼と尊重があってほしいと、強く思いました。
日々感じること、学ぶこと多々多々。
めげずにいられるのは、父と母のお蔭。どこまでも親に教わることも多々。

今日のことを友人にたまらず話したら、
「なんかさ、やっぱり蛙の子は蛙なんだね、お父さんと同じことしてる~」だって。

明日は脳外科医の検査です。

(個人の体験談として、また自分の覚書として記します。)


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帯の夢

2017-03-17 | 母・父


父と母は着物が好きで、その昔はよく家に呉服屋さんがいらしていて。
父はその呉服屋の旦那と二人で飲んでは、あれこれ語り合っていたなぁと、ふと。

お母さんはもう着物を着ることもないのかなぁと、父が整理をしていて。
お前が着れそうなものを選んでくれ、と父。

残念ながら一人では着れないし、着る機会もないなぁと思いつつ、
これを機に着付けを習おうかなぁと思ったり。

帯は写真以外にもまだまだ色々あって。
一枚一枚、母と父が選んだものだと思うと感慨深く。

原爆を体験した父、疎開を体験した母。

戦後の激動と高度成長期を生き抜き、今を生きているんだと思うと、
人生は短いようで長く、長いようで短い。

私のなんて、飲み明かして語り合うほどのものもなく、
全然ちょろいなぁと、ふと。

生きてきた道のりを考えると、
尊敬と感謝の気持ちを覚えずにはいられないのでありんした。

‥と、父には面と向かっては言えないので、この場を借りて 

ありがとう。

久々に今日の1曲。
やっぱりいいなぁ

Tom Waits - San Diego Serenade
この方のサイトにあった日本語歌詞

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楽天

2017-03-06 | 母・父
           

            
ときにはへなへな~ってなってもいいんさね。
遊び心がやる気をつくる、ってもんだからさ。

そんなようなことを、母とよく話していたっけ。

2年前の6月、脳の手術中に脳梗塞をおこし、高次脳機能障害となった母。
術後しばらくは、それでもまだ冗談も言い合えて。

私:お母さんみたいな行草も書けるようも勉強しなきゃ。
母:そうね。でももう遅いけどね

母は寝床に入ってもスタンドの明かりで書の本を読んでいたらしく。

母:あなたは感覚的にはいいものを持ってるんだけど
  あと少し勉強ができたらねぇ。

そう言いながらも、私の絶対の応援者でした。
お互いにないところを刺激しあい、ライバルでした。

母にこの「楽天」を見せたら、ふふっと笑って楽しそうねと言ってくれて。

書は「正しい」だけが魅力ではなくて。
私の体温や癖、思い、生きざまが刻されているような書が書きたいものです。
母の書-「夢」のように。

私はまだまだ修行が足りないでありんす 

 (クリックで拡大します)
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母からの贈りもの

2017-03-04 | 母・父
                 高次脳機能障害となった母が書いた 「夢」



一昨日、午前中は書道教室。
午後からは父を病院に送ってから母のいる老健で面談。

元気だけど、少しづつ言葉や表情が減ってきたので、薬を減らせないものでせうかと相談。
諸事情が絡む現実に、やるせない思いの行き場もなく。

今日はそれでも母の一瞬の笑顔を見れて会話もできて。
久々に筆を渡すと、思いがけずちゃんと書けた(^_^)

何度か書くと繰り返し行動が始まるので、最初の一枚が良ろし



スタッフの方に、書道の先生だったんですよね、と言われて何かを思い出したのか、
暫く真剣な眼差しで半紙に向かっていました

猫たちが続けて亡くなり、情けないことに体調崩していましたが、
また書に戻ろうと思えるきっかけをくれたのは、やはり母でした

今を生きる母の隣にいられることに感謝です。

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家族と迎えた新年

2017-01-01 | 母・父


あけましておめでとうございます。

今年も自宅の片付けはほぼできないまま、
新年が明けてしまいました

子供の頃の年末は、掃除をしながら、
母のおせち作りのお手伝いをしたものでした。

納戸にはみかん箱や、出番を待つお正月料理の数々が並び、
玄関には毎年知人手作りのしめ縄を飾り。

新年の節目を、子供なりに神聖な時間と感じていました。


母が話してくれたことばを、毎年大晦日になると思い出します。

 お母さんが子供の頃は、元旦の朝、お袋さんが家族全員の枕元に
 新しい真っ白な下着を置いてくれていたの。
 それで子供心に、新しい年がきたんだなって思ったものよ。


そんな暮らしに憧れて大きくなったはずなのに、
年々節目が曖昧に無意味になってしまい、寂しいような
母に申し訳ないような気持ちでいます。

今年は大晦日に母が一時帰宅、
元旦はおせちとお雑煮で家族水入らずで迎えることができました。
今夜はおめかしして、久々に妹一家も一緒に、外食。

家ではあまり表情のなかった母が、笑顔で一人一人を観察する様子を
みんなで喜び合えたひと時にも感謝です 

父が用意してくれた京都のおせち。 
3人では食べきれない品数でしたが、母は食欲旺盛でよく食べてくれました。




昨年は、気持ちが停滞ぎみでしたが、そんな時間のお蔭で
今年はまた行動しようと思えるようになってきました。

今年もよろしくお願いいたします。
皆さまにとっても、穏やかで優しい日々でありますように 

新年最初の今日の1曲は、何度か登場しているこの曲。
Ed Sheeran - One

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家族

2016-10-10 | 母・父
                 「あなたと生きてこれたしあわせ」


昨日某テレビ番組で、さだまさしさんがある映像を見て
15分で詞と曲を作るというのをやっていて。

しかも、映像終わりにぴったり曲がはまって。
映像と歌を重ねると、そこにはドラマが。

人生や世の中で起きていること、その中にある悲しいや切ない、
悔しい、嬉しいやありがとう、あらゆる感情を受け止め、
いとおしむような。

最後に、さださんの「主人公」という曲を歌って。

私が高校生だった頃、レコードでよく聞いていたっけと
耳を傾けると、その頃住んでいた家のリビングの映像が浮かんできて。

そこには今の私よりも若い母もいて、私の他愛もない話を
夕飯の支度をしながら聞いている姿が。

この年になって、今さらながら、
私は母の愛に包まれていたんだなぁと、泣けてきて。
感傷ではなく、気づけたことへの感謝・・かな。

当時父は仕事が忙しく、たくさん話した記憶はないけれど
父なりに一生懸命、家族を守っていてくれたのでせう。

そんなこんな、家族を思い出した今日の1曲。
まだまだ、ちゃんと生きて行かなきゃ、ね。

さだまさし 主人公
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このひと時

2016-09-29 | 母・父

今日は午前中の教室のあと、実家の父の顔を見てから母のところへ。

今日は元気そう。
着いて私の顔を見るとすぐに手を振ってくれて。

二十人展の図録を持って行き。
最初に開いた頁は星 弘道氏。

しばらく眺めてから、佛法僧と書かれた「佛」の最後の縦の線を
「このシャープな線、いいわね。見ているとすっと背筋が伸びる感じね。」



その後も母は、しばらくこの作品を真剣なまなざしで眺めていました。

私と母の間に、書があってよかったなぁって思うひと時 
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夫婦水入らず

2016-09-03 | 母・父


先週、母のいる老健で3カ月ごとの面談。

母のいるフロアのエレベーターが開くとすぐ、リビングスペース。

右方向に、母の姿発見。
すると母も気づいて、父を手のひらを上向きにしての手招き。
来い、来いってな状況に、笑みがこぼれる。

髪を切ったら若返ったねと言ったら、ニコッと笑って「ありがとう」。

おやつの後は、父とオセロゲーム。

わかってるんだかないんだかわからないけど、真剣な顔してやってます(^_−)−☆
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母と(父も)書を楽しむ

2016-08-21 | 母・父

高次脳機能障害の母がいる老健で、
来月母も参加する「つなぐ展 母から娘へ」の作品制作現場 

父が、今を生きているという思いで「今」を書いてもらったら?というので。

小筆、細めの筆、中筆、太い筆、4本を並べて、
力強い調子で「今!」って思って書くとしたらどの筆で書く?と質問。

「そうねぇ、じゃぁこの筆で」と選んだのは、いつも愛用していた仿古堂の雅という中筆。
私としては太い筆を選んで欲しかったんだけどね

運動能力は気力にも影響するわけで、初めは何枚書いても小さく書く。

スパルタな私は何度も、「お母さん、今~!って強く思ってみて~」と。
さて、どんな「今」ができたか、9月の展覧会でお披露目します 

横で眺めていた父が、
「それともう一字書いてもらおう。 悔・・お父さんと結婚して後悔しているだろうから」。

「そんなことないと思うよ、お母さんに聞いてみたら?」
で、母に直接聞いてみた。

「そんなことないわよ、でも瞬間瞬間にはあるかもしれないけど  」

普段、頓珍漢な会話も多いのに、こういう質問にはいつも的確なのであ~る

「ね?お母さんは後悔してないよ、後悔があるのはお父さんじゃないの?」
というわけで、選手交代、父が「悔」の字を書く。



「やっぱりお母さんの線には敵わないな」

線だけではない。
私も父も、今も昔も、母には何もかにも、敵わないのでありましたとさ 




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息遣い

2016-05-28 | 母・父

先週、老健にいる母と筆遊び。

6月8日から始まる教室の展覧会に、「今」の母の書も出品させて頂くべく。

初めは文字にならなかったけど、
疲れたと言うまで、はいもう一枚、と紙を用意するスパルタ式で(^_−)−☆

少しづつ、文字も筆の弾力や勢いを思い出したようで。
以前の母の息遣いを見つけて、嬉しや。

途中から父も到着、みんなで作品を選んで。
さてさて、表具は私のお仕事。

楽しみです。
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