心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

急がば回れ&継続は力なり。

2009-03-30 | 書の話
                         (半紙)



以前、職場のお仲間だったgeenさんから書を習いたいんだけど、と連絡があり、
とりあえず家にある資料から、どんな書風が好きなのか知りたいので~と遊びに来てもらい。

お母様もモノづくりをされる方だったり、ご本人もイラストを描いたり写真も撮るgreenさん。
独特のセンスを持っていて「普通の書はやなの。アートな書が書きたい」なぞとおっしゃる 

話を聞きながら、木簡をやってみたら?と何枚か書いてみる。
だけど、どうもしっくりきていないらしい。

書とあまりご縁がなかった人にとって、古典の原本を見ても、ピンとこないのかも・・と
じゃあ「鳥歌花舞」の句を、色んな鳥がいろんな情景で歌い舞う様子を思いながら
書いてみて~と。


                  
                   green さんの作品(半紙)


たとえば、筆勢、筆圧、墨量、潤滑、直(線)曲(線)、緩急・・の変化をつけるべし~
な~んて、ことばで言っても難しいようなので、作品を作るときはイメージして~と。

どんな鳥? どんな場所? どんな歌? どんな舞い? ってまずはイメージする。
イメージできなかったら、音楽を聞いてみる。
クラシック、レゲエ、JAZZ、ロック、シャンソン、ボサノバ・・

まずは目を閉じて、心もからだも音楽に預けてみる。
で、からだ中にその音楽が満ちてきたら、書いてみる。
そうすると案外書けたりする。

でもね、ほんとは大事なことはやっぱりまずは基本を学ぶこと 
書の基本、そして書の命は、線。 線を学ぶべしし~。

字は日常的に誰もが書いているので、すぐ書けるような気がしちゃうけど、
なかなかどうして・・思うような字は書けないのであ~る 

急がば回れ。二兎を追うもの一兎をも得ず。継続は力なり。
兎と亀の話じゃないけど、下手な鉄砲数打ちゃ当たるじゃないけど、
当たるまでまずは素直な気持ちで、裸になって書いて書いて書きまくるのだ~ 

書は(も)、地道な日々の積み重ねができないと、その先はないような。
いつか自分らしい作品が書きたいっていう強い思いがあれば、きっとそれもまた楽しや 


続けられるか否か、それは書に限らず、これからの自分の生き方にも繋がるような。
まずはLet’s 臨書なのだ~。マイペースでよいからね 

待ってま~す。




    左:小鳥が軽やかに歌うような  右:ヨチヨチ歩きのペンギンが・・?
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清水路石先生から雅印が届き・・

2009-03-27 | 書の話
                    左下のはなんとローマ字筆記体!



昨年末お邪魔した日本書道学院展の会場で、偶然お話を伺うことができた
清水路石先生から、先日突然お電話を頂き。。

勝手に先生の作品と顔写真を 12/26のブログ でご紹介してしまったので
あわわ・・お叱りを・・と緊張して 


すると先生から、思いがけず嬉しいお言葉を・・
たまたまご子息が、拙ブログでの清水先生の記事を見つけて下さったそうで、
「記事にしてくれてありがとう」と。

うわぁ…そんなそんな…と恐縮の至り 

そして、記事のお礼と、来月ある展覧会のお祝いに~と印を速達で4つもお送り下さり。
もぉ。。鳥肌もので感激しました 

繊細で透明感があり、また爽やかで遊び心のある印影に、しばし見入っておりました。
なんと言ってもローマ字筆記体には、びっくり!
抽象作品にも合いそうです♪





早速お電話して御礼申し上げ。

先生からのお手紙には
「私の考える書は、筆の使い方を研究し、様々な雰囲気の線を引く技術を腕に覚え込ませ、
又、古典を臨書研究し二つ以上の古典を自分なりに融合させ自分の書作品を作る事と
考えています。」と。

私も臨書は書を学ぶ上でも、自分の作品を作る上でも、そして私を生きる上でも
基本であり、またヒントがたくさん隠れている宝の山だと思っています 

一度ゆっくり書の話をしたいと思っています・・とのお言葉を頂き、夢見心地心待ちに
そしてこのご縁に感謝致しつつ、今後ともご教示頂ければ幸いです。

清水先生 本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
 清水先生のHPは→ こちらから 



そして。。今日は、清水先生とのご縁を結んでくれた母の誕生日 
仕事はお休みして、早起きして日帰り温泉の旅に出かけてきま~す 






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石鼓文の線と造形

2009-03-11 | 書の話
      
             

蘭秀会にもいらして下さっているKさんの作品。
某公募展(ん?なぜ奎星展と書けないのかと自問自答→ええい書いてしまえ~ )に、
石鼓文の一節の臨書作品を出品され、準特選を受賞されました~!
おめでとうございま~す

よくこんな・・複雑で見たこともないような文字なのに。。
強い線、造形の面白さ、全体のバランス、文字と文字の響き合い・・・に
しばし佇み。。

最初の文字の天を掴もうとする両手、その次はその手の方向を示し
3つ目の文字は、なんだか重たいものを持たされて歩いているような姿
その下の文字は身軽に軽快に歩き、その下は大きな目でその左の文字を眺め。。

最後の文字の後ろ足? 向かって右下側になびいた線が、何とも色っぽく
それでいて全体を包んでいるようで・・

なんともいえない偶然の出会いのような、心地よさを感じて

石鼓文や金文、甲骨文は、線や造形力を鍛えてくれる。

なぜなら、もともとは骨や鋳物に彫られた文字ゆえに直線的だったり、
強くて単純で素朴な線だったりするから。

それに、文字の意味や形がわからない分、逆に美しい型にはまった形や、
意味に頼ることなくも負けることもなく、自由に表現できるような気がするから。

う~ん。私も書いてみたくなりました~!
展覧会が終わったら、またじっくり勉強しよ~っと。

Kさん! たくさんの刺激をありがとうございます
そして、受賞おめでとうございます!



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書いても書いても・・

2009-03-01 | 書の話
                         2×6尺 (部分)



今日は気持ちのいい朝。
天気は悪いし、腰とか背中とかは痛いんですけどね

昨日は午前中から深夜2時頃まで、ずっ~と書いてた。
ただひたすら・・う~ん・・とにかくよく書いた  

猫2匹は、私が書いてる部屋のソファーに並んで寝て
横着そうに見下ろしつつ、おきばりやす~って呆れ顔でした 

一応邪魔しちゃいけないってわかっているようで、
紙と紙の間を、ぬきあし差し足で通る姿に和ませてもらい。

書いても書いても粗が見え
書いても書いても満足とはいかず
書いても書いても完成はなく 

昨夜は、できたかも!って思って寝たのに
今朝起きて、部屋中呪文の札のようにぶら下がる作品群を見ると
何かが違う・・とまたため息。。

おっし!
今日も気合と集中の儀式をしたら、始めるのだ~! 





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日々是精進なり・・

2009-02-28 | 書の話
                       3×6尺(部分)



以前は年に何度か書いていた3尺×6尺(90cm×180cm)。
普段の半紙や半切と違って、この大きさの空間を掴むには
まだウォーミングアップ中・・

やっぱりだめですね・・普段からおっきいものも書いてないと
感覚的に体力的に、紙の大きさに負けちゃう。。

ここんとこ、書展で大きな作品ばかりを見てきたものだから、
半切に書いていたら、なんか小さいって気がしてきて。
おっし! 
久々に2×6尺とかにも書いてみようって紙を広げるも思うように書けず

料理もしばらくサボると、どんどん作ることから遠ざかったり
洋服もしばらく買わずにいると、何を買っていいんだかわからなくなったり・・

きっと何でもそうなのかも~って思うわけです 

全く・・日々是精進でございますね~ 

なかなか普段の生活の中で大きい作品を書くのは、場所の確保やら気力やら・・
えいや~ってそれなりの心の準備も必要ではありまするが、
この「書けない」って現実を体感したってことで、
これからはもう少し書くべし・・!と、反省しきりをしつつ
今日明日と、作品作りに励みまする。。。

がしかし・・墨磨り機フル活動するも、墨が追いつかないど~




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書は時間を表現すること・・

2009-02-04 | 書の話
                       豊口 和士氏の作品



先日の展覧会のギャラリートークで、豊口氏がこんな話をされていて。
ふむふむ・・と思ったので、ご紹介。

篆刻というのは、方寸の中で彫った部分と彫らない部分があり。
彫った部分には時間の運動があり、彫らない部分には時間の運動がない。

けれどその、時間の運動のない=彫っていない部分にも意味があるのだと。
つまり、書や絵画で言うところの余白の部分。

先日の豊口氏の作品は、そんな余白、余韻を感じさせる作品。。
タイトルはこの2点で一つの作品 「作品2009 Ⅰ・Ⅱ」
右の作品の太い縦の線の左側下には、土のはね返りのような点点・・

跳ね返っている時間の運動が確かにそこにあり、けれどその運動の意味は
何も書かれていない余白(運動のない時間)の部分がないと生きてこないわけで。

その余韻というか、見えない聞こえない、あるいはにおわない・・部分を
いかに余白、空間でもって表現するか・・そして感受するか。

白を生かすか、白を攻めるか、それはそのときの作品によって違ってくる。
そして、余白のきいた作品だけではなく、墨で一杯に書かれた作品にも、
実は意識された白(運動のない時間)があるわけで。

そう考えると書は、時間を表現するゲイジュツなんだ・・と改めて思った


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展覧会に向けての錬成会

2009-01-30 | 書の話
                      「春眠不覚暁・・・」
                   沙篁さんにと参考に書いた作品



昨日は朝10時から午後3時半頃まで、書道教室があり。
4月の展覧会に向けて、午後からは錬成会。

それぞれ取り組んでいる作品を、人目のある中で書いてみるというのは
この教室では初の試みでもあり、どうなることやらと少々心配だったけど
思いのほか、皆さん集中して書いたり、それぞれの作品製作を体感したりと
充実した時間となりました~。

  
        Kさんの書く姿を真剣に拝見

 
          それぞれに集中して
 
 
       皆さんが見守る中力強く! そして・・     


         書き上げたのは「輪廻転生」


          人生七十古希稀・・・

 
    いつも歌がでるKさん              横作品は初めてというKさん

人がいる中で書くというのは、なかなか勇気のいるものでもある。
でも、人目を忘れてしまうくらいの集中力を養うこともたまには必要かなと。
それをひとつ越えられたら、作品にそれぞれの魂が見えてくるような。

裸になれるか、なれないか・・。
お習字ではなく、作品として何かを訴える表現ができるかどうか。

誰かが見てるから書けないなんて思っているうちは
作品に本当の自分は見えてこないって思う 

さらけ出せたら 

作品を書くということは、本当の自分を探すこと、見つけること。
そして、それが見えてきたときの、何ともいえない快感と興奮は
何にも代えがたい喜び!って思う 

皆さんの作品に期待しつつ、私も作品作りを楽しみたいです 


錬成会のあと、Sタウン誌の事業のAさんと編集部のUさんと久々の会食。
もう20年近くお付き合いを頂いていて、ずっと私なぞを見守っていて下さり。
いつも励まされておりますですそしていつも深謝しておりますです 

あれこれ話は尽きず、帰宅は10時。
長い充実した一日でした~。


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何かひとつこと

2008-12-26 | 書の話
                     刻字篆書千字文 (部分) 




先週末出かけた日本書道学院展の入り口すぐに展示されていた刻字の千字文。
清水路石先生の作品。

近くに寄って拝見すると、あ・・! 刻字なんだ!・・と。
しかも 篆書 !

あまりにしつこく眺めていたら、たまたま近くにいらした書の光(確か・・)の
編集長さんがお声をかけて下さり 
その作品の作家さんが今こちらにいらっしゃいますよと。

母は随分前から存じ上げていたようで、いくつになってもおきゃんな女学生のように
清水先生に話しかける。 あ・・また始まったとばかりに 

一方先生は淡々とお話になり。
「僕は、刻字というのは彫る事に重きを置いてばかりでは駄目。
本当は、書としての作品がきちんとしたものでなければ駄目だと思うんです。」

そうおっしゃり、まずは篆書の千字文の一字一字を調べる所から始め、
そして半紙に何度も練習をし、書としての文字を体に覚えさせてから刻するのだと。

仕上がるまでは何年もの年月を要されたそう。

ベニヤの合板のため、うっかりすると不本意にめくれてしまうとのことで、
それはそれはもう・・細心の注意力と集中力が必要ってこと 

私なぞ一生かかっても無理そう。。。

何かひとつこと・・。
それがなかなかできないんだけど、なんか気持ちの中にビビビっとくるものがありました。

清水先生に、心から敬意を表しつつ。


 ←清水先生と作品
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自分とは何者かを探す旅

2008-11-24 | 書の話



年を重ねるごとに、1年が早く感じる・・。
もう年賀状の季節、来週はもう師走。。。

来春の蘭秀会書展の作品づくりも始まり~
普段勉強している古典の臨書から創作と、参考作品をあれこれ・・と書いてみる。

あくまでも参考なので、それぞれの個性がどう表現されていくかが楽しみ!

書展というのは往々にして、その会の先生の書体、書風一辺倒で、
あ・・・そうねって流して観て終わり・・なんてことも多く。
いかに先生と同じに書けたかで、上手・下手が囁かれたり・・。

本当は、作品にお手本はいらないって思う 
自分が何を書きたいか、どんな表現に挑戦したいか、まずはそれと向き合うことが大事。
それなくして、本当の感激はないような気がする。

できない、わからないって決めつけないで、脳や心を刺激して、
自分を探してみるべししし~ 

書は人なり。
書を学ぶ目的は、キレイな字が書けるようになることばかりじゃない。

自分とは何者かを、探す旅。
そして自分以外の誰かをも、許容できる心を探す旅。

本当の今の自分を探しに・・裸になって、真剣勝負で作品と向き合っていたいものです 

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見えないものの無限の深さ

2008-11-09 | 書の話
                         金文 (半紙)



金文の一字。
↓の右側の手書きのようなところが、それらしき文字。
意味は不明。。

 ←原本 


人は、時に今見えているものだけを信じる余り
本質を見落としたり、大事なものを見失ったりすることもある・・と。

けれど、目に見えないものを信じるっているのには勇気がいる。
はたまた、目に見えているのに、気づいてないってこともあったり。


見えてるものの中に、見えないものを見る。
そして、見えないものの中に、何を感じるか・・。

見えるものよりも、見えないものの無限の深さを感じ取ろうとする心・・

その心を探したくて、私は「書」に惹きつけられているかな・・と、ふと 


すっかり冬めいた寒い今日のオススメの1曲は・・Tracy Chapmanの 
 All that you have is your soul

'All that you have is your soul.' ・・

'最後まで持っていられるものは 自分の魂だけ'・・

心の垢が落ちてくような・・彼女の歌声をじっくりと聴いてみて下さいませ

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