約1か月ぶりに東京国立博物館(トーハク)に出かけてきました。
お目当ては、「日韓国交正常化50周年記念」と銘打たれた「ほほえみの御仏 -二つの半跏思惟像-」。
トーハクでは「古代ギリシャ 時空を超えた旅」展も開催中ですが、古代ギリシャ展の方は9月19日までのロングランなので、きょうは古代ギリシャ展をパスして、総合文化展(本館と平成館の考古展示)とミュージアムシアター「洛中洛外図屏風 舟木本(後期)」そして「二つの半跏思惟像」展を観てきました。
この「二つの半跏思惟像」展、フライヤー(入手に苦労
しました)によれば、
半跏思惟像は、仏教の母国・インドに始まり、中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。日本や朝鮮半島では6世紀から8世紀の間に多くの像がつくられ、そのなかには古代仏教彫刻の傑作といわれる仏像があります。奈良県の中宮寺門跡に伝わる国宝の半跏思惟像はその一つで、優しく微笑む顔は誰もが知るところです。また、韓国国立中央博物館所蔵の金銅製の半跏思惟像は、国宝78号として広く親しまれています。日本と韓国に同じ姿の優れた仏像が残るのは、両国の古代から続く交流の深さを物語るといえましょう。
この度、東京国立博物館では、中宮寺門跡と韓国国立中央博物館の2体の半跏思惟像を同時に展覧する特別展「ほほえみの御仏 -二つの半跏思惟像-」を開催します。日本と韓国の仏像の美を堪能するまたとない機会となります。
だそうで、一足先(5月24日~6月12日)に韓国国立中央博物館で、やはりこの二体の半跏思惟像を「展覧」する「韓日国宝半跏思惟像の出会い」が開催済みです。
TVニュースでやってました…
この展覧会、説明板を除くと、展示されているのは、ホントに中宮寺門跡の半跏思惟像と韓国国立中央博物館の半跏思惟像の2体のみ
近年稀な、展示点数の少ない特別展かもしれません
ところで、「半跏思惟像」というのは、
左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐り、右手を頬に沿えて思案する仏像
のことで、私、電車の中でリアル・ツイン半跏像を観たことがあります
ほら
「半跏思惟像」ならぬ「半跏スマホ像」とでもいいましょうか…
冗談はさておき、「ほほえみの御仏 -二つの半跏思惟像-」は、予想以上に面白かった
とりわけ「韓国国宝78号 半跏思惟像」は、写真やTV画面
では、へぇ~
止まりだったのですが、現物のステキ
なことといったありませんでした
ちょっとだけ微笑んだお顔のなぁ~んと可愛らしいことか
「韓国国宝78号 半跏思惟像」(もうちょっと愛嬌のあるお名前をつけてもいいんじゃないのか?)は、写真写りが良くないのかなぁ…
ところで、日本を代表する半跏思惟像といえば、もそうですが、広隆寺の「木造弥勒菩薩半跏像(宝冠弥勒)」を忘れることはできません(広隆寺訪問記はこちら)
でも、今回の「日韓弥勒菩薩ご対面」には、広隆寺の「木造弥勒菩薩半跏像(宝冠弥勒)」の影がまったくの無いのはどうしたことでしょうか?
甲乙付けがたい名作たちなのに…(私、個人的には広隆寺の半跏思惟像の方が好み
です)。
いろいろ考えるに、中宮寺の半跏思惟像は日本製であることが確実な一方で、広隆寺の半跏思惟像は日本製 or 朝鮮半島製の両論があるかもしれませんな…
と、こちらのサイトに、こんな記事
がありました
日本で有名な半跏思惟像といえば、中宮寺のほかに京都・広隆寺のものがある。「広隆寺の弥勒菩薩」として親しまれている。なぜ今回の展覧会には出品されないのか。記者発表会ではそんな質問も出た。
主催者側の説明によると、広隆寺の弥勒菩薩はアカマツ製。当時の日本の仏像はクスノキ製がほとんどだったので、異例だ。朝鮮半島からの伝来仏ではないかという説も根強くある。
今回の展覧会は、古代の両国の文化交流を考えようというのがねらい。6世紀に韓国でつくられた像と、その影響を受けて7世紀に日本でつくられたことがはっきりしている像を並べることに意義があるという。「百済から習った仏像づくりを50~60年かけて日本化した」(大橋名誉教授)のが中宮寺門跡の像であり、両方の像を見比べながら類似や違いを味わってほしいというわけだ。
ですって
大当たりぃ~
宝塚記念でもこの調子で当たってくれたらよかったのに…
それはともかく、「ほほえみの御仏 -二つの半跏思惟像-」の会場では、2:1くらいの比率で観客が中宮寺の半跏思惟像の周りに群れていましたが、ホント、「韓国国宝78号 半跏思惟像」はお薦めです
会期は7月10日(日)までです。
ぜひ、生で「韓国国宝78号 半跏思惟像」にご対面されることをお薦めします