先週の皇居東御苑(旧江戸城)(記事はこちら)につづいて、きょうは東京国立博物館(トーハク)に梅を観に行ってきました。
今日のトーハクは、結構な賑わいで、、っつうか、上野公園全体がかなり賑わっていました。
さて、私はトーハクに入場するなり、表慶館の南側を通って休館中の法隆寺宝物館へ。
ここがトーハクの「梅スポット」でして、さっそく梅の香りが
紅梅も悪くはないけれど、やはり私は白梅の方が好きだな…
でも、アップにすると、どこの梅か判らない…
ホントに今日、トーハクで撮った写真でございます。
ツンツンと上を向いた枝が梅らしくて、大変によござんす
外の「リアル梅」だけでなく、梅関連の美術品もごっそりと観られるところがトーハクならでは
でして、まずは野々村仁清の「色絵梅花文茶碗」。
紅梅は「朱」、白梅は「金」で表現されていて、かなり華やかです。
一方、同じ仁清の作品、重文の「色絵月梅図茶壺」では、白梅は「黒」、、、、
に見えますが、元々は「銀色」だったそうな。
ちょうど今、ミュージアムシアターでは、「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺 八橋蒔絵螺鈿硯箱」が上演中で、私も、きょう、観てきました。
、「日本工芸の名宝 色絵月梅図茶壺 八橋蒔絵螺鈿硯箱」は、壺や硯箱の中に入って、外の絵付けが中に透き通って見えたら、どんな風だろうか? という趣向は面白かったのですが、総じていえば、これまで観たミュージアムシアター
で観た作品の中では、一番あっさりしていた
ような気がしました。
それはともかく、「色絵月梅図茶壺」では、日本の美術作品ではよく見られるように月に加えて、白梅も銀で表現されていたことを知りました。
さらに、絵画の銀や銀箔と同様、陶芸でも、時間
が経てば銀が黒く変色
することも初めて知りました。(下の写真はミュージアムシアター
の外に展示されていた「色絵月梅図茶壺」の展開図)
絵師の方々、銀は時を経ると真っ黒に変色してしまうことを知らなかったのでしょうかねえ…
それは知りつつも、敢えてその時だけでも銀の輝きを欲したということなのでしょうか?
さて、トーハクの「総合文化展」では、上記の「色絵梅花文茶碗」「色絵月梅図茶壺」だけでなく、梅がらみの作品がどっさり
とりわけ、近世の日本画コーナーは、
梅だらけぇ~
この中では、現秋田県知事のご先祖筋にあたる佐竹義躬の「紅梅椿図」に目を惹かれました。
佐竹氏といえば、江戸時代初頭、常陸から出羽(秋田)に移封され、その後を受けて常陸には御三家の一つ、水戸徳川家が本拠を構えたわけですが、その水戸徳川家きってのスーパースター(?)、徳川光圀(いわゆる黄門様)の直筆の書状も展示されていました。
説明板によれば、
この書状は紀州藩士渡邊若狭守にあてたもので、来訪の礼を述べ併せて手紙を届けた使者が持参した刀を刀工伊賀守金道に渡すことを依頼している。
だそうですが、まったく読めませぬ…
ところで、ますます話が逸れますが、徳川家の「葵紋蒔絵野弁当」なる調度品が展示されていました。
「三つ葉葵」の紋所が、これでもか とばかりに散らされた豪華
なこの調度品、説明板を見ると、
「Picnic Set」とあります
転記しますと、
野弁当は、大名のピクニックセット。花見や観楓などの行楽や、道中のための飲食器一揃である。酒器や重箱、飯椀・汁椀から、多くは茶を点てる道具まで含むため、茶弁当ともいう。箱側面の上部につけた金具に棒を通して肩に担ぎ、持ち運んだ。
だそうです。
なんとも優雅なことで…
話を「梅」に戻すと、やはり鈴木春信の「風流四季哥仙・二月水辺梅」は良いなぁ…
石灯籠に片肘をついたツンデレ系の女の子が何ともよろしいのですが、「梅」を描いた浮世絵版画といえば、私が鈴木春信に勝るとも劣らず敬愛
する歌川廣重のこちらの作品を見逃すことはできないでしょう。
かのファン・ゴッホが模写したことでも知られる「名所江戸百景・亀戸梅屋敷」です。
ちなみに、私が今使っている飯茶碗は、梅の図柄でございます。
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