新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

お城と温泉の四国旅行記(その12)

2013-11-01 23:55:34 | 旅行記

「お城と温泉の四国旅行記(その11)」のつづきは道後温泉本館からお送りします。


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現地で書いた記事「松山といえば…」のとおり、


狙っていた「霊の湯 2階席」は満席とのことで、しばらく待ってはみたものの、しびれを切らして (なんたって、行列に並ぶのが嫌い な私ですから…)、すぐに入れるという「神の湯 2階席」でお風呂に入ってきました。


という状況でした。
夕方5時ちょい前と、道後温泉の旅館・ホテルに泊まっている人たちが「夕食前に一風呂浴びようか」という、ある意味「最悪の時間帯だったのかな? などと考えつつ、行列の中から重要文化財「道後温泉本館」を至近から眺めたり、写真を撮ったりして無聊を慰めておりました。

道後温泉本館てっぺんには、振鷺閣(しんろかく)と呼ばれる「櫓」があって、そのまたてっぺんでは「白鷺」が羽を広げていました。


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道後温泉の縁起として、


足に傷を負い苦しんでいた一羽の白鷺が岩間から噴出する温泉を見つけ、毎日飛んできてその中に足を浸していたところ、傷は完全に癒えてしまい、元気に飛び去ったというものです。これを見た人たちは大変不思議に思い、入浴してみると、爽快で疲労を回復することもでき、また、病人もいつのまにか全快したことから、盛んに利用されるようになりました。


という「白鷺の伝説」があるそうで、


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宝珠とともに、白鷺道後温泉のシンボルになっているようです。
それは良しとして、ひとつの疑問が湧き上がりました。
それは、道後温泉本館の玄関(一般人用)は西を向いているのに、振鷺閣の上の白鷺を向いていること
上に写真を載せましたけど、どう考えても


この事情の考察は後ろに廻しまして、先に進みます。


   


着替えの下着しか持ってきておらず、タオルも石けんも無い私は、「貸しタオル・石けんセット@60(円)」でも良かったのですが、せっかくですから「貸しバスタオル@200(円)」と併せて「オリジナルタオル@210(円)」(石けん付き)を購入しました。


そして、「神の湯」に入浴


湯加減は熱からず温からずで、私の好み


ところが、「松山といえば…」で書いたいたように「お風呂も洗い場もかなりの混雑で、洗い場が空くのを待って、お湯にジッと浸かったり、半身浴してみたりと、ずっとお風呂に入っているのは、ちょいときつい…


もっとも、その分、「道後温泉の湯」を思う存分味わったわけで、お湯上がり、浴衣を着て大広間でお茶を飲みながら、開け放たれた窓から入ってくる風にあたるのは最高の気分でした


こうして小一時間道後温泉本館で過ごし、外に出ると、空にはが浮かんでいました。


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そして、心に決めました。「明日も来よう そして、霊の湯 2階席』を体験しよう」と。


   


翌日、朝食後のコーヒーを飲みながらあたふた「松山といえば…」を仕上げた後、ホテルをチェックアウトして(荷物を預け)、再び道後温泉へと向ったのでありました。


そして道後温泉駅から道後温泉本館までは、前日とは違ったルートで…。


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それにしても、堂々とした建物デス


でもって、朝10時ちょい前と、こんな中途半端な時間なら、すんなりと入場できるかと思いきや、この日も行列ができていました

もっとも、前日と比べれば行列は短いし、待っている人たちの多くが「霊の湯 3階席」を希望していたようで、私はそれほど待たずに入場できました
高いチケットというのか、高い席というのか、値段の高い方から売れていくなんて、道後温泉本館ブランド力たるや、大したものだと思いましたです


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さて、「霊の湯」はどうだったかといいますと、石けんリンスインシャンプー備え付けされていることを除けば、基本的に「神の湯」と同じでした。
400円の料金差だけのValueの差があるのでしょうか?


浴衣、湯上がりの休憩場所(部屋は別)、そしてお茶せんべいは同じで、お風呂自体もさほど違いません。「石けんリンスインシャンプー」と貸しタオル400円差は大きいと思います。
ですが、「霊の湯」コースでは皇室専用施設の「又新殿(ゆうしんでん)」の見学(単体だと250円)ができて、かつ、「霊の湯」だけでなく「神の湯」にも入れることを考え合わせれば、リーズナブルかもしれません。価値観の違う人もいらっしゃるでしょうけれど。


せっかくですので、私は、フルコースを体験してきました。


「霊の湯」に入った後、お茶を飲んでしばしくつろいだ後、前日に続いて「神の湯」に入ったのですが、この日の「神の湯」は前日の芋洗い状態とは打って変わってガラガラ

「霊の湯」よりもゆったりと入浴できました


まだ太陽が昇りきらない時間だというのに、2回も温泉に入って浴衣を着て大広間で足を伸ばしてのんびりするなんて、、、、至福…


   


皇室専用施設の「又新殿(ゆうしんでん)」


手前から、玄関の間、御次の間、玉座の間となっており、その隣に警護の人が控える武者隠しの間があります。
建築様式は桃山時代風の優雅なもので、畳は備後表の高麗縁、欄間にはしめどり、いかるがの透彫り、天井は高麗張りの桐の3枚重ね、ふすまは金箔に極彩色の枝菊が描かれている豪華絢爛なもの。そして建具類は、全て極上の漆が用いられた輪島塗りで、建築以来一分の狂いも生じない建てつけとなっています。
また、浴槽は、御影石の中でも最上のものとされている香川県の庵治石を用い、正面の湯釜に大国主命、少彦名命の両神像を刻んだ宝珠があります。


というもので、昭和天皇が入浴された際には、「御影石の浴槽」檜の板を並べ&敷き詰めて、「檜風呂」に仕立てたのだとか(檜の板が浴室に立てかけてありました)。


この又新殿の入口は、お馴染みの「一般人」の入口とは反対側にありまして、こんな風情です。


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写真の右側、柵で閉ざされているのが又新殿の玄関、その名も「御成門」です。

「一般人」の入口のある「神の湯本館」瓦葺きなのに対して、こちらは銅板葺き。屋根の重なりが威厳たっぷりです


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と、ここで、振鷺閣のてっぺんの白鷺の向きのことを思い出しました。


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どうして白鷺は、道後温泉本館正面を向いていないのか


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もし、白鷺が正面を向くと、又新殿の御成門側に尾を向けることになります(又新殿側から白鷺は見えませんが)。それでは皇族に失礼だし、かといって、正面に尾を向けるのは、いくらなんでも異様きわまりありません
そこで、窮余の策として、白鷺を横に向けた…という事情ではないかと想像します。
実際どうなのかは判りませんけど…


そうそう、道後温泉本館内部は撮影禁止です。
なんてったって、公衆浴場なんですから…。


つづき:2013/11/02 お城と温泉の四国旅行記(その13)

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