
『不安社会を生きる』、4月に読了。内橋克人著。文春文庫。2002年6月刊。
流れるような文章。しかし、その中身は決して心地良いものではない。言葉の端々に、内橋さんの強い怒りが感じ取れる。
「利が利を生むマネー」による“マネー資本主義”批判(p.8)。地域通貨の対極の発想。賃金体系を総入れ替えする「分社化」(p.16)、ある意味国鉄もそうか?
「単調なグローバル・スタンダード(国際基準=アメリカ基準に合わせることを至上とする)」であり、「市場競争原理至上主義」(p.69)。
竹中・小泉(p.34)に代表されるような、アメリカ後追いの路線(p.24)(今、ニュースで、目立ちたがりで、○行の、アホ知事に衆院選立候補を大牟田の親分さんが依頼しただの、ましてや、アホ知事が総裁選に立候補を依頼されただのと自慢げに語っている・・・何なんだこの国の政治は!! アホ府知事の資金集めパーティーに招待されたこのアホ知事は「(アホ府知事が)坂本龍馬に見えてきた。僕は勝海舟でいい」といったとか。厚かましいにもほどがある)。アメリカにおいて「オン・コール・ワーカー」(p.24)という失敗した雇用形態を、今、後追いしているこの国。悪しきカンバン方式が人間労働にまで及んでいる。「こともあろうに、このような意味での多様化を指して「選職の時代」の到来とはやしたてた経済企画庁長官がいたが、高度失業化社会において「職を選ぶ時代の到来」とは、よくもいったり、と私は考える。」(p.39) これは約10年前(!!)の内橋さんの怒気を含む言説。
「定期貯金をするのであれば、それを取り崩して株式を買いなさい。もっとリスクに挑戦して下さい・・・。/政策ミスを認めようとせず、徒(いたずらに)に国民をリスクに駆り立てるこのような政府を信用することができるだろうか。」(p.113)。
