エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

魂中心?

2015-04-07 07:59:40 | エリクソンの発達臨床心理

 

 ルネッサンスは、人間中心の時代です。

 Young Man Luther 『青年ルター』p191下から8行目途中から。

 

 

 

 

 

宇宙の調和を失うことが何だというでしょうか? 人が自分自身が中心だと感じられるようになったのですからね。フィチーノは、偉大なフィレンツェは、ローレンツのプラトン・アカデミーの言いだしっぺですが、それをハッキリさせました。その彼が言うには、人間の魂とは「それ自体、あらゆる理性や理性に連なるもののひな形を伝えて、自分自身を再創造します。人間の魂は、あらゆるものの中心であると同時に、あらゆる力を持っています。魂はあらゆるものになりますし、あらゆるものから離れずとも、あらゆるものを貫き通すことができます。というのも、魂は物事を本当に結びつけるからです。このようにして、魂は自然の中心と呼ぶに相応しい。」、と。

 

 

 

 

 ルネッサンスの時期でも、人間中心でも、魂は認めていたんですね。でもその魂は、理性中心だったのかもわかりませんね。

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時期を失うことの損失

2015-04-07 05:21:04 | エリクソンの発達臨床心理

 

 心の発達にも、身体の発達のように、時期がある。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p27の第3パラグラフ9行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、眼が正しい時期に発生しだせば、もう1つの時間の要因によって、発達の臨界期が決まってきます。「一つの器官がその発達の初期に妨害されなくてはならないのは、完全に抑圧するためか、あるいは、全体的に作り替えるためです」(ストッカード、1931)。もし、その器官がよく発達する時期を失してしまえば、よく発達しないままの存在に運命づけられているだけじゃぁなくて、同時に、さまざまな器官の秩序全体が危険にされされます。「急に芽を出した部分が抑えつけられると、その発達がしばらく抑えられがちになるだけではなくて、その他の器官に対する優位性を未熟なまま失うことによって、その抑えつけられた器官が優勢になることを取り戻すことができないために、ずっと変質したままになります」。

 

 

 

 

 いったん発達する時期を失うと、それを取り戻すことがとっても難しい。これは身体の事ばかりではなくて、心のにも当てはまります。

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子どもの貧困 No.4

2015-04-07 03:50:47 | エリクソンの発達臨床心理

 

 子どもの貧困。今日はその4回目。

 それは、子どもの遊びから感じることです。休み時間、私は、なるべく、屋外や体育館で遊ぶようにしています。長縄跳び、ドッヂボール、リレー、バトミントン、卓球…。一番子どもたちにリクエストが多いのが、鬼ごっこ。特に氷鬼。

 何故なんでしょうか?

 それは、追いかけてもらいたいからです。鬼ごっこをやる時、「鬼はおじさんね」と、ジャンケンもしないうちから、私が鬼、ということに決まってます。「おじさん、鬼で良いよ」と私も応じます。

 氷鬼。いったん捕まえても、捕まえてない子にタッチされちゃえば、逃げられる。捕まえても、捕まえても、きりがない感じ。でもね、子どもたちは何度追いかけられても、追いかけてほしい感じです。

 鬼ごっこ、氷鬼も、イナイ・イナイ・バーの1つ。そのヴァリエーションでしょ。一度見失った相手を、もう一度見つける遊び。追いかけてもらいたいのは、見失った相手を見つける、というのを自分がするのじゃなくて、自分がしてもらうことですね。探す、追いかけるのは、自分じゃなくて、相手になりますもんね。見失った母親を追いかけるのじゃなくて、母親代わりの鬼に追いかけてもらいたい…。

 そういう子どもは、じっくりと親と時間を共にしていないことが多いのでしゃぁないのかなぁ。少しの時間でもいいから、自分の話に耳を傾けてもらうことがあまりないのじゃないのかなぁ。大人が忙しそうにしているから、大人が疲れているようだから、「邪魔しちゃいけない」と感じて、健気に「いい子」を演じているのじゃないのかなぁ…。

 子どもたちが、子どもたちが満足できる感じの時間を、大人たちからプレゼントされてない。この時間をプレゼントされてない、というのが、今の子どもたちの根源的な貧困だと、私は確信しています。

 

 

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