桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

与野のオオカヤ(大榧)を見に行く

2010年11月05日 21時28分54秒 | のんびり散策

 昨四日は一か月に一度(正確には四週に一度)の通院の日でした。
 先月は講習に出ていたので、指定されていた七日には行けず、十二日に薬だけもらいに行って、二十一日に診察を受けました。これまでは朝八時に行って採血、九時から受診という手はずであったのが
、臨時だったせいか、十一時半に行って採血、受診は午後一時から、と変更になりました。

 四週に一度であれば、次回は今月十八日のはずでした。ところが、前回の帰り際、担当医が「次はまた元に戻しましょう」というのを、「診察日は……」と付け足してくれればすぐに合点が行ったのに、いってくれなかったものですから、私は元通り八時出勤と思いながら診察室を出たのです。

 しかし、なんとなく引っかかるものがありました。処方箋が出てくるのを待っている間、引っかかりが解消しなければ、戻って、「何を、(元に戻すの)ですか?」と訊ねようと思っていたところ、処方箋を見て合点が行きました。
 次回の診察日が四週間後であれば、二十八日分の薬と書かれているはずのところに、十四日分としか書かれていなかったからです。
 処方箋を渡してくれた、おちょぼ口のナースが「次わーあ」と、幾分哲学的な表情で念押ししてくれたのが昨四日午前十一時半の出勤でした。

 通院の帰りは恒例の遠くへ行く日です。
 石岡も行き、栃木、古河、佐倉と行ってしまったあと、上野から行ける(ちょっと)遠いところは即座に思いつかなかったし、これまでとは違って、病院を出るのが午後一時半という決して早い時間ではないので、与野のオオカヤ(大榧)を見に行くことにしました。
 すでに見た市川・本八幡の千本公孫樹、小岩の影向(ようごう)の松の二本と同じように、日本の銘木100選のうちの一本であり、国指定の天然記念物です。



 上野から京浜東北線に乗り、赤羽で埼京線に乗り換えて南与野で降りました。
 南与野で降りるのは十数年ぶりです。仕事で埼玉大学を訪ねたとき以来で、景色の明確な記憶はありませんが、コンビニや多少の店ができたほか、駅前の風景は変わっていないように思えました。



 うっすらと記憶に残っている埼大大通りの欅(ケヤキ)並木。十数年経っているので、ちょっとは高くなったのでしょうか。

  

 南与野駅から徒歩十分。正面に山門が見えましたが、オオカヤと思えるほどの高木は見えなかったので、どこにあるのだろうと背伸びしながら歩いていたら、参道を外れた右手に聳えていました。

 これはデッケェー! と圧倒されます。樹齢は推定一千年。樹高21・5メートル、根周り13・5メートル。駐車場になっている空き地が狭いので、カメラを引き切れず全容を写すことができません。



 大榧の樹下には金毘羅天堂がありました。



 妙行寺の山門と本堂。
 日蓮宗のお寺です。開創年代は不明。カヤの樹はこの山門の右手、金毘羅天を祀るお堂の境内にあります。



 本堂後ろにあるモッコク(木斛)。こちらは樹齢六百年。
 上部は枯死してしまっています。頑丈そうな鉄製の支柱と張り巡らされたワイヤに支えられて命を保っています。幹周3・4メートル、樹高19・7メートル。埼玉県指定の天然記念物。



 山門横の板石塔婆。梵字は阿弥陀如来を示すキリーク。その下に正元二年(1260年)の銘が彫られています。日蓮宗の寺院なのに、なぜに阿弥陀如来かといえば、古名は心浄寺といって、臨済宗の寺院だったからです。

 このあと圓乗院というお寺を目指すことにしました。



 私が歩いているのはさいたま市中央区。百万都市であるのに、野菜の直売所があったり、地場チェーンと思われるコンビニでも野菜の種を売っていました。道路沿いは家が建て込み、マンションなどもあって、農地などは見えなかったのですが、漂う雰囲気は田園地帯です。
 この店の前に苗を売るコーナーがあって、苗を買うために与野へきたわけではないが、ハーブの苗でもあれば、一鉢二鉢なら荷物にもならぬと思って巡ったのですが、ハーブ類はありませんでした。

 さほど広いわけでもない野菜直売所ですから、とくだん変わったところはありませんが、私にとっては予期せぬ店だったので、急に愉しくなって、野菜や柿などをためつすがめつしながら、三十分近く過ごしてしまいました。
 柿は富有柿とも次郎柿とも書かず、ただ「柿」でした。まかり間違っても千疋屋などでは決して売らないような風体がよい。

 

 心惹かれつつも買うのを断念した玉葱の苗(上)。五十本入って¥400。十本入りがあったら買ったかもしれません。
 下の画像の中央は空豆、その右横はスナップ豌豆(えんどう)の苗。ともに一鉢¥50。こちらも手を伸ばしかけたり引っ込めたり……。



 妙行寺から徒歩二十分で安養山西念寺円乗院に着きました。
 建久年間(1190年-99年)、畠山重忠が現在地から3キロほど離れた道場(どうじょう)村(現在のさいたま市桜区道場)に創建した真言宗智山派のお寺ですが、慶長年間(1596年-1615年)に現在地に移建されたと伝えられています。



 多宝塔。塔中央にはお釈迦様の真骨が奉安してあるそうです。塔の高さは30メートル、高野山、根来寺に次ぐ大塔だそうです。



 大日堂と与野七福神の一つ大黒天。



 本堂前の千代桜。エドヒガンの変種で、開花は四月初旬。樹齢三百年。樹高5・3メートル。



 万霊塔。
 もしかしたらアントニオ・ガウディがきていたのではないかと思ってしまいました。納骨堂だそうです。
 向こう側にも石仏が林立しています。このお寺の誇りとするところは先の多宝塔だそうですが、私はこっちに興味を惹かれました。



 帰りは一駅大宮寄りの与野本町まで歩いて電車に乗りました。



 妙行寺でモッコクの実を拾ってきました。ツバキ科の樹木だそうで、なるほど椿と同じような、堅そうな殻に覆われていますが、大きさは椿の実の四分の一から八分の一程度。豆菓子みたいです。

 樹木図鑑によると、千葉県以西の温暖な地に生育する樹木で、実は直径1・5センチとありましたが、私が収穫したものはどれも1センチそこそこしかありませんでした。