冬がきてから立ち枯れていた竜胆(リンドウ)に芽が出ました。
乱視の私が眼鏡を外しても緑色の芽ははっきりと見えるのに、我がカメラに収めると、何が映っているのかわからなくなり、さらにブログに取り込むとまったくわからなくなるので、画像は割愛します。
スノードロップは四輪目が咲きました。地植えにしてしまったので、下を向いたまま顔を見せてくれません。じつに健気で奥ゆかしい花です。
昨日も今日もいい天気だったので、布団を干しました。
夜はさすがに冷え込んできますが、お風呂に入って身体を温め、冷えないうちに布団にもぐり込むと、布団はほんのりと暖かさを保っていて、気持ちがいい。
顎のあたりまで引き寄せると、お日様の匂いがします。
暑くなればなおのこと、少しでも暖かくなると、こういう楽しみはなくなります。冬は寒さが身体にこたえるので好きではないけれど、陽に当てた布団のぬくもりは寒いときならでは、の極楽です。
ところが、昼間は暖かくなっても、夜明け前の気温は我が地方ではまだ氷点下です。
朝日は七時前に出るというのに、昨朝も今朝も十時を過ぎないと暖かいと感じる気温にはなりません。ことに私は体調が以前とは違うので、十時ごろまではできるだけ動かぬようにしています。
昼になるとようやく暖かくなって、外を歩くか、という気になります。久しぶりに富士川沿いを散歩することにしました。
庵を出たら沈丁花(ジンチョウゲ)の甘い香りが漂っていました。
こちらはそろそろ桜と選手交代です。花の少なかった季節に咲いていてくれてありがとう。
とくにどこを目指す、というアイデアも浮かばなかったので、万歩計が五千歩を示すところ(そこまで行って帰ってくると、一万歩になる)まで行ってみようと歩き出しました。
今日昼の富士川上空です。夕方には曇ってしまったので、少し雲があります。
枯れ草色一色だった土手には若草が萌え出て、うっすらとした緑色に変わってきました。
ただし、川べりは風が冷たい。
富士川と坂川との合流点に架かる御體橋(おたいばし)で坂川を渡ると、流山市です。しかし、この時点では庵を出てからまだ二十分足らず。二千歩しか歩いていません。
のんびりと釣り糸を垂れている人と、のんびりと泳ぐカルガモの群れを交互に見ながら、しばし思案ののち、去年暮に訪ねた天形星(てんぎょうせい)神社まで行くことにしました。
御體橋から二十五分の行程です。ここでようやく五千歩に達しました。
天形星神社の拝殿と拝殿手前にある岩本大明神(右)の祠。
岩本大明神とは江戸時代の旗本・岩本石見守正倫(まさみち)のことです。正倫の姉・富子が十一代将軍・家斉の母ですから、将軍の叔父ということになります。
しかし、そういう縁故で出世して、挙げ句、神様として祀られるようになった、というのではありません。軍馬を育てる牧の監督官として指揮をとりながら、この地方の農民たちにとっては善政を敷いたので、農民たちから神と崇められるようになったのです。
天形星神社前には黒猫殿がいました。前に訪ねたときにも会っています。
最初、テキは知らんぷりをしていました。私のほうでも被毛も同じ、いる場所も同じですから、前に見た黒猫殿に違いないとは思いながらも、一度見ているだけですから、絶対に同じ猫殿だ、と断言する自信はありません。
寝そべっている植え込みに近づき、鞄から餌の入ったタッパーウェアを取り出して、カタカタと音をさせると、知らんぷりだったのが一転、ニャーと鳴いて近づいてきました。
家に帰ってから調べると、前にきたのは去年の十二月四日。三か月前です。よくぞ憶えていてくれました。
餌を食べるのに一心不乱で、こちらを見向きもしない黒猫殿のために、餌の山をもう一山つくっておいて、天形星神社をあとにすると、かなり急な下り坂があり、すぐ急な上り坂があります。上り詰めたところに墓石が見えました。
アレ、こんなところにお寺があったかしらん、と訝りつつ足を踏み入れてみたら、近くにあるはずの金乗院(こんじょういん)の墓所でした。お寺は少し離れたところにあって、去年八月に訪ねていました。
墓所は高台の上にあります。風雨を遮るものが何もないためか、墓石はことのほか風化が烈しいようで、刻まれた文字はほとんど読みとることができません。後ろに回ると、一つだけ「明和二年(1765年)寂 松ヶ崎村云々」と読み取れる卵塔がありました。僧侶の墓ですが、法名は読めません。
金乗院。真言宗豊山派のお寺。無住です。
金乗院のある高台を下って行くと、野々下水辺公園脇に出ました。
坂川の始まるところです。坂川沿いに下って行けば、じきに富士川の合流点に出て、くるときに渡った御體橋を過ぎて、富士川沿いに道を辿ると、やがて我が庵……という段取りですが、セカセカ歩いていると汗をかくほどの暖かさだったので、脇道にそれて見知らぬ道をグニャグニャ、と。
川に向かって高台を下っているので、川から離れると、また上り坂です。
わりと交通量の多い道路の向こう側、地図のようなものが見えたので、近づいてみると、「芝崎小鳥の森」とありました。
流山市が管理していて、十種類ぐらいの鳥が観察できるようですが、この日は何もいないようでした。管理しているといっても、所有者から土地を借りて公園にしているらしいので、いわゆる市立公園とは趣が異なるようです。
そのせいかどうか、径らしきものがあることはありますが、落ち葉に埋め尽くされていて、径の消えかかっているところもありました。
正面入口から入りましたが、「→南側入口」という標示に従って歩いて行くと、急な下り階段の先にはこんな入口。この先は畑の中を通る径になっていて、標識は何もないので、知らない人は入ってこれません。
球春到来。前ヶ崎の野球グラウンドでは少年たちの試合がありました。
↓この日の参考マップです。
http://chizuz.com/map/map85491.html