駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

空蝉 Round2 ~その13~

2019年06月01日 | 創作書体
完成しました空蝉一字書です。

木地は御蔵島黄楊の柾目なので、

予想していましたが、

磨いても薩摩黄楊ほどは光りませんでした。

その方が落ち着いていて良い、

と評される方もいらっしゃいますが、

ここは好みが分かれるところです。

作業は終了、

お疲れ様でした。
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明朝 ~その7~

2019年05月27日 | 創作書体
ちょっと間が空きましたね、明朝です。

字母紙の定着と

糊の水分が完全に乾くまで

待っていました。

定着が不十分ですと、

彫っている途中で字母紙が

剥がれる事があります。

また、糊の水分が木地に残っている状態で彫ると、

木地の堅さが変わり、失敗することがあります。

同じ調子で彫るための大事な準備です。



竜王です。

明朝の裏面は楷書にしました。

もちろん、朱漆を使います。

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阿里 Round 1 ~その2~

2019年05月25日 | 創作書体
阿里の飛車、角行です。

特に飛車の「ハネ」がカッコいいですね。

実戦なら勿体なくて切れなくなるかも知れません。。

また、相手の飛車ばかり追いかけそうです。

角もそうですが、

この書体が自分の作風にとても合う気がします。



制作はまだ始まったばかりです。



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空蝉 Round2 ~その12~

2019年05月22日 | 創作書体
空蝉の一字書です。

オーナー様のご指示に基づき、

面取りをしております。

面取り作業は工程としてはそれほど難しくありませんが、

駒木地と字母の大きさのバランスをとる必要があります。

バランスと言っても、

十人十色なのが難しく、

また面白いところです。

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阿里 Round 1 ~その1~

2019年05月11日 | 創作書体
一字書の字母紙制作が楽しくて止まりません。

写真の書体は阿里(あさと)と言います。

松田博行(号「呂雪」、故人)師の創作書体です。

以前からノーマル(二字)の字母紙は持っていたのですが、

素敵なこの書が狭い五角形の中に

無理に押し込められた感じがしていて、

作る気にはなりませんでした。

久しぶりに字母帳にあるこの書体を眺め、

頭の中で一字を切り出し、

駒形に納めてみると、、、、、

狭苦しい感じが消えて、

この書体が持つ個性が遺憾なく発揮できそうな気がしました。

画像編集ソフトを使って実際に字母紙を作ってみると、、、

ああ、やっぱりいい感じです。


この書体が作られたのは今から40年以上前の様です。

発信することでこの書体が埋もれることなく、

後世へ続くことを願います。












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空蝉 Round 2 ~その14~

2019年05月09日 | 創作書体
研ぎ出しが終りました空蝉書です。

字母紙を全て剥がして目止めする方法は

手間はかかりますが、

仕上がりが綺麗です。

特にごまかしが一切利かない

太字の彫り駒は、ここが見せ場ですので。。。


さて、前回のお話の続きです。

昔の話で恐縮ですが、

全国大会の県予選準々決勝で相手の人が

金将と王将を間違えて動かし、

私がその王将を桂馬で取って勝ったことがありました。

30年以上の月日が過ぎても思い出されるのは、

その時の周囲のシラケた空気感です。

相手の方は眼があまり良くありませんでした。

その駒は会場となった将棋道場所有の盛上げ駒で、

この試合のためにわざわざ用意して下さったものでした。

私にとってははじめて見る盛上げ駒でしたので、

まじまじと見た記憶があります。

しかし、今思うと盛った漆が凸凹で、

対局中にクルクル、カタカタ、、、、、

自分自身も使いにくかった事を覚えています。

当時盛上げ駒は今より貴重品で、

粗悪なものもかなり出回っていた様で、

目の利かない方々が随分と高い買い物をさせられていたと、

後から聞きました。

これって誰が悪いんですかね?

昭和なら「負けた人」でしょう。

平成なら「運営側の配慮不足」でしょうか。

令和なら「作った人も」かと思います。









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空蝉 Round2 ~その13~

2019年05月07日 | 創作書体
空蝉です。

漆を入れたところです。

色々悩みましたが、

一字書の弱点は成駒の区別、

繰り返される成銀と金将の誤認エピソードは、

対局者の心情を考えると、

絶対にあってはならないと思ってしまいます。

ゆえに今回も源平仕上げ(裏朱)としました。

駒は道具、プレー最優先です。

視野の狭い私は

「そんなの注意力が足りない人が悪い」

とずーっと思っていました。

つづく
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明朝 Round2 ~その6~

2019年05月05日 | 創作書体
明朝体の歩です。

連続する直線と、

独特の始筆、終筆に

ノロノロ運転が続いていました。

王将から始めて歩を10枚も彫りましたので、

手が覚えてきた様です。

彫る速さが上がってきました。

しかし、ここにきて考えなければ

ならない事があります。

裏面の書体をどうするか?

一般的に将棋駒裏面の書体は草書が多く、

表面の書体より崩したもの、

とするのが原則の様です。

その原則に従うと、

裏面は楷書~行書でしょうか。

今から慌てて字母紙を作ります。。

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空蝉 Round2 ~その12~

2019年05月01日 | 創作書体
前回の写真とパッと見は変わりませんが、

よく見ますと全面に目止めがしてあります。

何てことない様な作業ですが、

目止めが薄すぎると漆が木地に滲みます。

厚すぎると彫が浅いところに漆が入らなくなります。

しっかり浸透させてから、

刷毛やブラシでしっかり掻き出すのがコツです。



それからしっかり乾かすのも重要です。

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空蝉 Round2 ~その11~

2019年04月29日 | 創作書体
空蝉です。

すべての彫りが終わりましたので、

字母紙を剥がし、軽く洗って

付着しているホコリ等を落としました。

手早くやらないと木地が曲がる原因になりますので、

注意が必要な作業です。



風通しのよい日陰で乾燥させます。

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空蝉 Round2 ~その9~

2019年04月18日 | 創作書体
空蝉書の成桂です。

桂馬の価値を論じる機会が増えましたね。

例えば振り飛車では角行と左桂の活用が重要で、

その成否が局面全体の優劣に直結します、

大山、升田世代の将棋を知る人間としては、

隔世の感は否めませんが、

そこに留まると上達できませんので、

新感覚の習得に勤しんでいます。

桂馬は角行の次に敵陣に到達できる

機動性が高い界駒です。

この駒の活用が現代将棋のポイントですね。




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空蝉 Round2 ~その8~

2019年04月16日 | 創作書体
空蝉の成銀です。

一字書で実は気を付けるべきポイントはこの成銀で、

金将と似すぎるとトラブル発生の原因になります。

元奨励会の知人がいるのですが、

その方いわく

「成銀を打ってしまい、反則負けで四段昇級を逃した!」

とのこと。。。。。

駒師は肝に銘じるべきエピソードだと私は思います。

ルール上は

「そんなの間違える方が悪い」

は昭和の感覚でしょう。

勝負の邪魔をしないことが、

将棋駒の最低条件です。



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空蝉 Round2 ~その7~

2019年04月14日 | 創作書体
空蝉の龍王と龍馬です。

龍馬は実は桂馬の馬から字母紙を制作していますので、

バランスがもともと取れています。

一方、龍馬の龍はご覧のとおり、

かなり右寄りで書かれていますので、

この調整が難しいところです。

「立」の下に「木」を書く、

この偏はどれか一本を長く伸ばすのが、

書の基本らしいですが、

さすがにこれは伸ばし過ぎ?

と考えてしまいそうです。

しかし、素人判断は禁物、

そのまま字母紙に致しました。

違和感は作ってみてから判断します。



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空蝉 Round2 ~その6~

2019年03月28日 | 創作書体
空蝉書の歩兵です。

最近のPCは優秀ですね。

「うつせみ」とキーボードを打つと、

ちゃんと「空蝉」が出てくるようになりました。

学習能力が高いなー(^.^)

さて、この書体の中で私が一番好きなのはこの歩兵!

この書体が20枚も彫れるなんて幸せです、

というのは言い過ぎか。。。。



対局で、

「あー、筋ですね」と言われる歩兵の一手を指した時、

かなりの充実感を覚えますが、

皆様は如何でしょう?

どうしても勝敗のみに気持ちが行きがちですが、

こういう視点をもって対局に臨まれることをお勧め致します。

将棋がもっと楽しくなりますよ。

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空蝉 Round2 ~その5~

2019年03月20日 | 創作書体
空蝉の香車です。

スマホに「うつせみ」と入力しますと、

「打つ蝉」と出てきました。(^^)

そうですよね、空を「うつ」と読むことは、

ほぼ有りませんからね。

香車の次は歩兵です。

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