駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

磨けば光る!!! ~その8~

2011年09月26日 | 磨けば光る!!!
昨日の続きです。

結論は「木地の良し悪し」なのですが、

それでも何とかしたいと思いますよね。

写真をご覧下さい。

駒の左半分に「瀬戸磨き」を施しました。

その光具合の違いがお分かり頂けると思います。


瀬戸磨きは凸凹している木地の表面を

瀬戸物を使って「平らに潰す」方法で、

厳密に言えば磨きではないのでしょうね。

元々は下駄職人さんがやっていた方法の応用らしいです。


小生の場合、お客様のご指定或いは観賞用駒以外実施していません。

将棋を指すのにここまでキラキラらせる必要はありませんので。。。


ただ、よーく見ると、それでも木地表面に小さな凸凹が

見えると思います。残念ながらこれが木地の差でしょうね。


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磨けば光る!!! ~その7~

2011年09月25日 | 磨けば光る!!!
ご質問が多かった「磨き」に関して書きますね。

写真は作業の途中を納めたものです。

過去の失敗作を鏡面仕上げをしている最中ですが、

実はこの木地はこの位が限界だと思います。


よくピカピカに光っている木地がありますが、

結論から先に言うとあれは木地が良いんです。

鏡面になるには幾つかの条件があり、

その一つが「木目の詰まり具合」です。

一概には言えませんが、

高級木地になればなるほど

木目の詰まり具合は良くなっています。

この木地は本黄楊柾目ですが、

中国南方の暖かい地方で採れたもので、

木目はあまり詰まっておらずこの程度までしか光りません。

なお、当たり前ですが、

指すには何ら問題なく、駒音も良い立派な駒木地です。

つづく

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磨けば光る!!! ~その6~

2011年08月09日 | 磨けば光る!!!
字母紙製作用に購入した駒です。

字母紙のコピーは頂きましたので目的は達成です。


さて、この駒、小生のところでは

もう活躍できる場面がありません。

何方か愛棋家のところへ嫁がせるべく

オークションへ出品しようと考えています。


何も手を加えず、「未使用品」として出品するのが

一番手間がかからず良いのですが、

化粧(面取り、本磨き)ぐらいはやった上で

送り出したいと思います。

面取りは駒の破損を随分防ぎますし、

磨きは汚れを防ぎます。

これだけで、駒の傷み具合がかなり違います。

磨きは大変ですが、面取りぐらいなら

サンドペーパー1枚でどなたでもできますよ。

お試しあれ。


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磨けば光る!!! ~その5~

2011年08月08日 | 磨けば光る!!!
いつか作ってみたいと考えているのが、

「天童上彫り」です。

字母紙作りのために色んな駒師の作品を

コピーさせて頂いていますが、

未だ手彫りの作品に出会ったことはありません。

量産用に開発された書体ですから

わざわざ手彫りにする意味はなく、

出会わないのは当たり前ですね。

ただ、大変見やすく、個人的には

非常に良い書体だと思っています。

いつか自作してみようと思います。

さて、写真はコピーが終わった晴月作を

磨いているところです。

薩摩黄楊ですので、磨くと本当によく光ります。

ちなみに使用しているのは専用ケースで、

こうやって作業すると磨き漏れはもちろん、

他の駒に紛れたりすることが防げます。


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磨けば光る!!~その4~

2010年12月09日 | 磨けば光る!!!
ということで、全ての駒を磨き終えました。

何のために?と聞かれたら、

「自分で遣うため」なのですが、

そればかりではありません。


何て言うんですかねえ。。。。

木が持っている能力を最大限に引き出すのが、

駒師の責任だと考えています。

命ある樹木を切り倒し、人間の遊び道具にする訳で、

その責任は制作者が果たすべきかと思います。

そう考えると、できる限り木地は無駄にしたくなくて、

変わった模様も気にならない程度であれば、

避けずに使用しています。

「もっと良い木地使えばいいのに」と

人からよく言われますが、

そういう性分なので仕方ありませんねぇ。

もちろん、そんな考えを他人に押し付ける気持ちはありません。

この駒もあちらこちらに個性的な模様がありますが、

それはそれで良いものです。

磨けば光ります!!


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磨けば光る!! ~その3~

2010年12月05日 | 磨けば光る!!!
歩2枚を作っています。

中彫りって画数が少ないので、そうですね。。。。

感覚的には銘彫りの半分ぐらいの作業に感じます。

さて、出来るだけ真似して彫ってみましたが、

機械のようには出来ませんねぇ

どうしても彫りが鋭くなってしまいます。

機械彫りは、おそらく一般的にプロッターと言われる

彫刻機を使用しているのだと思います。

ちょっと調べましたが、この彫刻機ってピンキリですね。

高いのは300万円以上しますが、

安いのはその10分の1ぐらいでした。

まあ、小生には無縁のものですが。。



目止めをすれば次は漆入れになります。

一番右の駒の漆がガサガサですので、

一緒に直してあげる予定です。

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磨けば光る!! ~その2~

2010年12月04日 | 磨けば光る!!!
(前回からの続きです)

早速全面の研磨からやり直しです。

丁寧に丁寧に#600のペーパーで表面を整えます。

中国産とは言え本黄楊の新品ですから、

磨けば必ず光るはず!!

と念じながら作業開始です。

すると最初の関門が現れました。

皆様から見て写真右側手前の駒です。

木地の厚みが極端に薄いのです。

こういう駒が2枚入っていました。

材料が木ですので、多少の差は仕方ありませんが、

流石にこのレベルは許してもらえませんねぇ。

指した時の違和感がかなりあります。

ということで、この駒は木地から作り直します。

そしてお次は、写真左側です。

漆が上手く入っていなくて、白黒になっています。

これは漆を入れなおせば直りますが、

カシュー漆ですので、ホームセンターへ

買いに行きます。

なんだか、とっても高い買い物になってきたなあ。。。。

(つづく)

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磨けば光る!! ~その1~

2010年12月02日 | 磨けば光る!!!
ちょっと前置きが長くなります。

先日とある将棋大会に参加しました。

地方の小さな大会なのですが、25年ぐらい続いている

地元では有名な将棋イベントです。

そこで用意された駒が全てプラスチック製でした。

まあ、それだけならまだいいのですが、

数種類のプラ駒が混ざり合っているんです。

まあ、これもよくある事で、

普通といえば普通なのかも知れませんが、

不揃いの駒で将棋を指していると、

駒師としてはなんとも寂しい気持ちに

なるものです。。。

手元に自作の駒は一応持っていたのですが、

とても出せる雰囲気ではなく、8局全て、

最後までその不揃いプラ駒で指しました。

冴えない気分で指しながら、

機械彫りの「中彫り駒」ぐらいなら、

持ち出してもあまり違和感ないかななんて考えていました。

勿論、相手の方の了解を得た上ですが。。。

自作を遣うと流石にいやらしいので、

こちらからは出せないですが、

他の方の作品ならいいかな~なんて。

しかも機械彫りならどこにでもあるので、

相手の方もあまり気を使わなくて済むでしょう。


そこで、ネットで購入したのがこの駒です。

写真は小生が磨き直した後です。

結果はこうなるって話なのですが、、、お付き合い下さい。



中国黄楊を使っていますが、価格は約5,000円です。

価格が価格ゆえ、あまり期待していませんでしたが、

手元に届いた駒を見てびっくり!!

その期待も更に下回る出来栄えに、駒師魂が燃え上がる

のでした。(つづく)

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