駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

篁輝書 ~その3~

2025年01月04日 | 将棋駒製作
篁輝書です。

微小ですが、

使用によって漆の一部が剥離したり、

彫埋め部分に着いたキズなどを修復しています。



ついでに、他の彫埋め駒も修復中です。

手元にある駒が多すぎるので、

今年は幾つか売りに出そうと思っています。


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使用後の木地の変化について ~その1~

2023年11月07日 | 将棋駒製作
ハチワンダイningバーさんでお使い頂いております、

山上作の錦旗書・彫埋め駒です。

使用後の状態を確認しましたところ、

桂馬2枚が湾曲してました。

画像中央2枚の桂馬ですが、

成桂馬側に向かって、

両側が湾曲しているのが、

お分かりになるでしょうか。

主たる原因は湿気だと思いますが、

天然木を使用している以上、

仕方の無い現象です。

しかし、実際に自分が所有している駒が、

この様に変化したのは初めてで、

これは研究材料になります。

ハチワンダイningバーさんで、

拙作をご使用いただけるのは、

11月末までとなります。

研究にご協力頂きました皆様に、

この場をかりて感謝申し上げます。
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篁輝書 ~その2~

2023年08月22日 | 将棋駒製作
篁輝をメンテしています。

彫り埋め駒は、盤と接する面積が一番大きいので、

その分汚れやすいのが難点ですね。

ちょっとしか使ってないのに、

結構汚れていました。



あんまり上手く彫れていなかった、

駒尻の銘をついでに直します。

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篁輝書 ~その1~

2023年06月15日 | 将棋駒製作
何年前でしょうね、、、

随分昔に作った「篁輝(こうき)」をリメイクしました。

彫駒で作ったのですが、

どうにも、こうにも気に入らず、

倉庫行きとなってました。

当時の私の力量が足りないのが原因で、

駒は悪くありませんので、

何とか復活できないかと考え、

彫ったところを埋めました。



彫駒の時は酷かったですが、

彫刻の「線」は出てたので、

埋めたら、プレーに支障がないレベルにはなりました。

多分、この篁輝書は彫駒には合わないんですね。

使用見本としてすぐ使うので、

鏡面仕上げはしていません。
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彫埋めの風景

2023年06月10日 | 将棋駒製作
業販用の彫埋め駒を作っています。

錆漆を乾燥させているところです。

3組同時に作ってますので、

結構な数ですが、

同じ工程を3組分同時にできるので、

作業効率は良くなります。

失敗した場合は目も当てられませんけどね。

ちなみに左上の金銀は、

普段使用している彫埋め駒の修理です。



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新木地

2021年12月04日 | 将棋駒製作
手元の黄楊材を木地師さんにカットして頂き、

新しく6組ほど本組を揃えました。

この黄楊材は手元で5年ぐらい乾燥させました。



当たり前ですが、材の状態によって適度な乾燥の年数は異なります。

一時期躍起になって仕入れた黄楊材は、

これですべて駒木地になりました。

あとは、ただひたすらに作るだけです。





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梅心子

2021年08月21日 | 将棋駒製作
新しく彫刻刀を入手しました。

「梅心子」といいます。

⇒梅心子のHP

現在の店主が七代目とのことですから、

創業はいつなんでしょうね?

なんだか良さそうぐらいの感覚で、

試しに入手してみました。





刀の裏面に銘が入っていますね。

柄がありませんので、自分で用意します。

と言っても私のやり方は居たって簡単、



どこにでもあるビニール紐をくるくると巻き付ければ完成です。

切れ味はシャープというより滑らかですね。

細かい部分も良く彫れます。

手になじむにはもう少し時間が要りそうです。






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初心者用将棋駒英文表示

2021年04月06日 | 将棋駒製作
オークションに出ていた初心者用の駒です。

しかも、英文表示ですね。

将棋を指すようになって何十年にもなりますが、

今でも時々駒の利きをうっかりすることはあり、

初心者にとってはそれは頻繁にあることでしょうね。

うっかりミスで負けると悔しいものです。

この駒はその気持ちに寄り添って作られたものでしょう。

苦労の跡も窺えますし、

書き駒ですが、これを漆で書くのは大変だっただろうと思います。



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失敗に学ぶ ~その3~

2021年03月16日 | 将棋駒製作
ネットで見つけた画像です。

偶然にもまた無銘の初代光匠書ですね。

思いの他、失敗した作品の情報がありますので、

その原因と改善方法を私なりに分析してみます。

駒づくりをされている方のお役に立てれば幸いです。

本当は自分の作品で紹介できればいいのですが、

失敗した画像を保存しておらず申し訳ありません。

また、シリーズ化できそうなのでタイトルは

「失敗に学ぶ」に改めました。



さて、画像の駒、そもそもきちんと彫れていないので、

アマチュアの方の作品だと思います。

その課題解決は前回記事(⇒失敗に学ぶ~その2~)を参照頂くとして、

ここでは錆漆(さびうるし)の問題についてのみ

コメントすることと致しましょう。

彫埋め駒は、彫刻刀で彫った部分を、

砥の粉と漆などを混ぜてペースト状にした錆漆で埋め、

それを平滑になるまで研磨して作ります。

研磨をしたときに、錆漆が平滑に仕上がらず、

ポロポロいいますか、

バラバラと剥がれ落ちてしまったのが画像の駒です。

考えられる原因は以下のとおりです。

複数該当している可能性もあります。

1.砥の粉が多すぎる(これは確定、そもそも錆漆が白っぽい)

2.錆漆の練り込みが足りない

3.錆漆内の気泡が抜けていない

4.錆漆の配合バランスが悪い(水か漆、あるいは両方とも不足)

5.錆漆の乾燥不足


失敗の数だけ間違いなく成功に近づいています。

無銘のあなたにエールを贈ります。
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失敗に学ぶ ~その2~(旧題:線の出し方)

2021年03月08日 | 将棋駒製作
ネット上で見つけた彫埋め駒の画像です。

NHK杯でお馴染みの初代光匠書ですかね。

無銘らしく、おそらくアマチュアの方の作品だと思います。

王将、玉将共にタテ棒の線が曲がっていますね。

一字書はそもそも字が大きいので、

彫刻の巧拙が如実に現れてしまいます。

「うまく行かなかったから、埋めちゃえ!」って考えて、

埋めると余計に目立ちます。

画像を見た限りですが、

考えられる原因は以下の7つのどれか、

或いは複数だと思います。

1.字母紙が厚すぎる

2.字母紙が不鮮明

3.印刀の刃の角度が鋭角すぎる

4.印刀が研げていない

5.印刀の刃幅が小さすぎる

6.印刀の運びに勢いがない(少しずつ彫っている)

7.よく見ていないまま感覚だけで彫っている

何方か存じませんが、最初はみーんな下手っぴです。

上達するには相応の失敗量が必要です。頑張れ!
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彫埋駒 源平仕上げ

2019年03月30日 | 将棋駒製作
ネットで見つけた画像です。

最近この手の話題が多いですね。

将棋ブームの影響なんでしょうか、

将棋駒を作る方も増えた様な気がします。

問合せも多いですし。。。

さて、冒頭の画像に目を戻して頂きましょう。

巻菱湖書の彫埋駒、源平仕上げですね。

作者銘がありませんので、

おそらくアマチュアの方の作品だと思います。

いいですねぇ~こういう試み、

私は好きです。

かなり苦戦した痕跡が

あちこちにありますね。

一般的に彫り埋め駒に使用するのサビ漆ですが、

駒木地に触れる漆の量が多いので、

かなり丁寧に目止めをして、

必要ないところには、

出来る限り漆を触れさせないのが

制作のポイントかと思います。

そこに注意していれば、

苦労は少なかったかもしれません。



裏側は、、、、

どうなんでしょう、

サビ漆ではなく、

朱漆の重ね塗りに見えますね。

そうだとしたら、

なかなか大変な作業です。



買い手が現れるといいですね。


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サビ漆の滲み

2019年03月24日 | 将棋駒製作
ネット上で見つけた画像です。

彫埋駒ですが、

ご覧のとおりサビ漆が滲んでいます。



他の駒も同様ですね。

サビ漆が導管を通って滲むケースは、

サビ漆の作り方と目止めのやり方、

双方に問題があることが多いですね。

サビ漆の作り方は基本はあるものの、

人それぞれです。

私は

①との粉

②生漆

③水

です。

これにテレピンや樟脳油を併用すると滑らかになるので、

私も当初はそうしていたのですが、

油が目止めを溶かすのか?

滲み易いので8年ぐらい前にやめました。

また生漆ではなく普通の漆を使っていると、

サビ漆の乾燥が早いため油で延ばす必要に迫られます。

それも原因ではないでしょうか。

駒づくりは試行錯誤の連続です。

自分の失敗経験が後進の方々の役に立つと信じて、

今後も発信を続けます。

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彫のガタつき

2019年01月26日 | 将棋駒製作
前回同様ネット上で見つけた彫駒の画像です。

アマチュアの方の作品だと思います。

少し画面に近づいて見ると分かると思います。

所々に滑らかに彫れていないところがありますね。

天然木材を相手にしていますので、

必ず発生するものと考えた方がいいと思います。

従って、一回彫って終わりとせず、

入念にチェックして、

仕上げをされることをお勧めします。

それだけで作品の出来栄えがかなり良くなりますよ。

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失敗に学ぶ ~その1~(旧題:誰もが通る道)

2018年11月10日 | 将棋駒製作
オークションで偶々見つけた画像です。

おそらくアマチュア初心者の作品だと思います。

作者銘は「泰三」さんとの事です。

早く作ってみたかったのでしょうね。

誰もが通る道ですのでそのお気持ちはよく分かりますが、

はやる気持ちを抑えて、まず印刀をよく研ぐこと。

黄楊よりも柔らかく安い木地で

失敗も含めたくさん練習をしてからの方がよかったですね。

初心を思い出させて頂きました。感謝。。

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作業用ケース

2018年10月06日 | 将棋駒製作
作業用ケースを新調しました。

ご覧の様に駒を置いた時、

「枕」のおかげで木地が直接

ケースに触れない様になっていますので、

綺麗な状態で漆や目止めの乾燥が出来ます。

ロール芯を半分にカットしたものでもいいですが、

耐久性を考えるとやはり木製の方がいいですね。



物づくりは道具次第で作業効率に大きな差が出ます。

これから駒作りをされる方のご参考になれば幸いです。。

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