駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

八代目駒権作 宝玉

2011年09月30日 | 駒権書体
オークションで見かけました

「八代目駒権作 宝玉書」です。

何かのコマーシャルではありませんが

「見てるだけ~」なのですが、

ちゃっかり写真は頂いちゃいました。


八代目駒権師の事は詳しく知りませんが、

色んな書体を創作されていたのでしょうね。

この宝玉という書体も初めて見ました。

有名な蜀紅に比べると幾分略していますので、

ミドルグレードぐらいになるのでしょうか?

「安清くずし」にも似ている様な気がします。


駒権書体の一覧ってどこかにないですかねぇ?


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関根女流五段 引退

2011年09月28日 | 日向のひとりごと
関根女流五段(贈:六段)が引退されましたね。

蛸島さんや山下さんと共に一時代を築かれた、

女流将棋会発展の功労者だと思います。

残念ながら将棋を見たことはなく、

並べたこともありませんが、

随分と普及に活躍されていたのは存じています。

小生の知人が現在指導棋士をしていますが、

それは関根女流の推薦がきっかけだったとのこと。

そういう地道な活動が今の将棋会を

支えているのだと思います。

引退されても普及は出来ますので、

今後も変らないご活躍をお祈りいたします。

そういえば、矢倉で有名な関根九段の奥様でしたね。

思い出しました。。


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紫電書 ~その8~

2011年09月27日 | 創作書体
香車から王将まで、一気に下彫りを済ませました。

まるで筋彫りした様に見えますね。

あ、筋彫りとは以前紹介しました阪田好の裏面のような彫り方を言います。





そのまま彫ればいいじゃん?

と思うかも知れませんが、こうする理由があります。

彫るときは「刃先」を意識しています。

刃先は木地に入ってしまい見えなくなりますので、

「木地のこの辺に刃先があるな」

と想像しながら彫っています。

浅彫りの場合は、それが木地の盛り上がり具合で

容易に想像できるといいますか、かなり見えますので、

下彫りをする必要がありません。

ところが深彫の場合は木地に深く印刀が入り

刃先の所在が分かり難くなり、

上手く薬研彫りにならないケースが発生します。

それを修正していると結局時間を要することとなり、

両者の手間はそれほど変らない結果となります。

小生の結論としては、綺麗に仕上がりやすい

下彫りを施した方が良いと考えています。


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磨けば光る!!! ~その8~

2011年09月26日 | 磨けば光る!!!
昨日の続きです。

結論は「木地の良し悪し」なのですが、

それでも何とかしたいと思いますよね。

写真をご覧下さい。

駒の左半分に「瀬戸磨き」を施しました。

その光具合の違いがお分かり頂けると思います。


瀬戸磨きは凸凹している木地の表面を

瀬戸物を使って「平らに潰す」方法で、

厳密に言えば磨きではないのでしょうね。

元々は下駄職人さんがやっていた方法の応用らしいです。


小生の場合、お客様のご指定或いは観賞用駒以外実施していません。

将棋を指すのにここまでキラキラらせる必要はありませんので。。。


ただ、よーく見ると、それでも木地表面に小さな凸凹が

見えると思います。残念ながらこれが木地の差でしょうね。


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磨けば光る!!! ~その7~

2011年09月25日 | 磨けば光る!!!
ご質問が多かった「磨き」に関して書きますね。

写真は作業の途中を納めたものです。

過去の失敗作を鏡面仕上げをしている最中ですが、

実はこの木地はこの位が限界だと思います。


よくピカピカに光っている木地がありますが、

結論から先に言うとあれは木地が良いんです。

鏡面になるには幾つかの条件があり、

その一つが「木目の詰まり具合」です。

一概には言えませんが、

高級木地になればなるほど

木目の詰まり具合は良くなっています。

この木地は本黄楊柾目ですが、

中国南方の暖かい地方で採れたもので、

木目はあまり詰まっておらずこの程度までしか光りません。

なお、当たり前ですが、

指すには何ら問題なく、駒音も良い立派な駒木地です。

つづく

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女流王将戦@都城

2011年09月24日 | 日向のひとりごと
今年もこの季節が参りました。

女流王将戦都城大会です。

今年は、清水さんではなく弟子の石橋さんですね。

師匠の仇を弟子が打つ!

という構図ですかね。

もちろん、観戦に行くつもりです。

詳細はコチラ↓




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ねこまど一字書 ~その5~

2011年09月22日 | 一字書
作業と作業の合間で作っているねこまど一字書です。

子供たちに将棋を教える際に使うため、

まとめて4組購入しました。

その中から木目の良いものを選りすぐって

1組の彫駒を作ろうと思います。

写真に納めたような「銀目」模様が

結構な割合で混ざっています。

キラキラしていてかなり綺麗です。

白椿も悪くないですね。



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珍しい将棋駒

2011年09月21日 | 日向のひとりごと
YAHOOオークションを見ていたら

珍しい将棋駒が出品されていました。

木地はなんでしょうねぇ???

高級な駒箱などによく使われる

黒柿でしょうか?

木地に黒色の模様が出ていますので、

字が黒かったら読みにくいですね。

だから朱漆を使用しているのでしょう。

全部が成り駒みたいで豪華ですね。

写真は相当に使い込まれた跡がありますが、

新品はとても綺麗だったと思います。

何かの記念品かも知れません。

実用的な駒ではありませんが、

でもこういう物を作りたくなる気持ちは

よく分かります。

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紫電書 ~その7~

2011年09月20日 | 創作書体
昨日の続きです。

ようやく歩兵の表面が彫り終わりました。

太字は一字書で慣れているのですが、

これだけの画数を彫るのはけっこう骨が折れます。

また、この書体には独特の丸みがあちらこちらに有り、

その部分を彫る手間がかかります。


色んな方から情報を頂き、調べたところ

この書体の作者は肥塚一登實さん(号:駒富)

であることが分かりました。

印刀では表現し辛い部分があり、

個人的には盛上駒向けの書体に思います。

今回は彫駒らしく直線重視で彫っています。

先は長いですが、頑張ります。。。

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紫電書 ~その6~

2011年09月19日 | 創作書体
亀の様にゆっくりですが、一歩ずつ進んでいます紫電書です。

何故歩みが遅いかといいますと、

彫りに通常の倍近く手間が掛かっているからです。

太字の場合、この写真の様に彫ります。

先に中をくりぬいておきます。

こうしないと彫り跡が綺麗になりません。

また、彫刻刀もすぐに切れなくなります。

大変ですが、お待ち頂いているお客様のために

ひたすら前進あるのみです。

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禽将棋駒 ROUND3 ~その1~

2011年09月18日 | その他の将棋
常に気分転換が出来るものがないと

作業を続けることが出来ません。

特に趣向物がその役目を引き受けてくれます。

通常はオーダーでしか作らない禽将棋駒ですが、

無性に作りたくなり、字母紙を貼りました。

木地は御蔵島黄楊の板目です。

かなり古い木地ですので、堅くて苦労します。

完成はいつになることやら。。。


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師匠からの手紙 ~その20~

2011年09月17日 | 錦旗・水無瀬・源兵衛清安
ご要望にお応えして、写真をアップに致しました。。。






届いた作品を見た師匠から電話が鳴る。

恐る恐る電話に出る。

最初の第一声で作品の良し悪しが分かる。

誉められるか、指摘されるか。。。


誉められたら、それはダメだった時、

そう兄弟子が言っていた。

指摘する所が多すぎると

師匠は言葉を失ってしまい、

結局曖昧な誉め言葉を不詳の弟子に下さる。


逆に指摘されたら、それは良かった時。

残る課題が数えるに足りることを意味する。



師匠の第一声は、

「目止めが利きすぎだねー。。。」





正直ホッとした。

その後は、その原因を丁寧に解説、

対策をレクチャー頂いた。

話を聞きながらその志の高さ、

物づくりに対する飽くなき探究心、

出来上がりに対する妥協なき姿勢を

ヒシヒシと感じた。


「あーこの人の弟子で良かった」

そう思うことは今までも度々あったが、

今回も新鮮な気持ちでそう感じた。


幸いにも今回は目止めに関する指摘だけだった。

青野九段による検分を残すのみとなった。

つづく


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師匠からの手紙 ~その19~

2011年09月16日 | 錦旗・水無瀬・源兵衛清安
ようやく完成しました錦旗書です。

当初10月末が納期でしたが、

事情により9月23日までに師匠へ提出することになりました。

師匠から支給された良い木地と

由進師が制作された素晴らしい字母紙を使いましたので、

個人的にもかなり満足しています。



まずは師匠のチェックを受けます。

ここが第一関門です。

ダメだったら木地代金を払い、戻してもらうつもりです。

多分大丈夫だと思います。。。今回はちょっと自信あります。


その後、第二関門があり、

プロ棋士の青野照市九段の検分を受けます。

果たして結果は。。。。

また報告します。

完成した日は、



これで乾杯です。

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師匠からの手紙 ~その18~

2011年09月15日 | 錦旗・水無瀬・源兵衛清安
研ぎ出しが終わり、最終工程の磨きを行っています。

所謂「小生流の仕上げ」になるのですが、

そのやり方には幾つかのバリエーションがあります。

ちょっと写真をご覧下さい。

一番右は、何にもしていない状態です。

その隣(右から2番目)は、

「粉落とし」と小生が勝手に呼んでいる仕上げです。

ツヤはありませんが、素朴で手触りがサラサラしています。

ご自分で仕上げたいお客様にはこの状態でお渡しします。

その次(右から3番目)は、

「乾拭き仕上げ」です。

かなり目の細かい布で丁寧に乾拭きしたものです。

あまりツヤツヤしたのがお好みではないお客様には

この状態でお渡しします。

最後に一番左の状態が「本磨き」です。

全面を特殊な研磨剤を使用して磨きます。

今回の錦旗書はこの状態で納めます。

更に上の「特別美麗仕上げ」というのもありますが、

個人的にツヤツヤしすぎているのは嫌いなので、

今回は割愛します。

また、荏油で仕上げる方法もあり、本当に好みの問題です。


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師匠からの手紙 ~その17~

2011年09月14日 | 錦旗・水無瀬・源兵衛清安
続いて全ての面にペーパーを掛けたところです。

木地の「面」は全部で7面(表・裏・側面2・駒尻・剣先2)

ありますが、全て研磨します。

とても重要な作業です。

そして、その後は面取りです。

面取りのタイミングは駒師によって違うと聞いたことがありますが、

小生はこの段階で面取りを済ませています。

駒は再び粉だらけになっています。

残りは「仕上げ磨き」だけです。

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