駒師「日向」のブログ 本店

プレーヤー目線で作る
将棋駒作家のつぶやき

駒修理 仙佳作 天童楷書 本黄楊 彫駒 ~その3~

2024年12月26日 | 駒修理
染料の除去は終わりましたので、

次はエラー修正に入ります。

冒頭の画像、お分かりのとおり、

漆が入っていない部分があります。

この丸いタイプの穴は気泡が原因ですね。

漆を入れた後、刷毛で漆を掻き出すと、

空気も抜けます。



こちらは彫れていないです。

あっ、穴もありますね。

修正します。

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駒修理 仙佳作 天童楷書 本黄楊 彫駒 ~その2~

2024年12月22日 | 駒修理
仙佳作 天童楷書 本黄楊 彫駒です。

時間を要しましたが、

紫色の染料を取り除きました。



染料は落ちても、汚れは残ってますね。



汚れを落とすには全く違う作業が必要です。

駒が白っぽいのは表面に洗剤が残っているからだと思います。

それらを良く落として乾燥させます。

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駒修理 仙佳作 天童楷書 本黄楊 彫駒 ~その1~

2024年12月20日 | 駒修理
久しぶりに駒の修復をしたくなって入手しました、

仙佳作 天童楷書 本黄楊 彫駒です。

ご覧頂いておりますとおり、

駒に紫色の染料が付着しています。

しかも、かなりの数です。

角箱に入った駒を購入しますと、

木地と駒箱がぶつかって痛まないように、

主に紫色の布が入っていることが多いのですが、

その布に残っていた染料が、

駒に移ってしまったという症状です。





まあ、通常の方法では落ちませんが、

過去にもっと酷い状態の駒を修復した事ががありますので、

それを久しぶりに試してみようと思います。

ご参考⇒将棋駒サスペンス劇場



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古駒再生プロジェクト 9

2024年09月28日 | 駒修理
古駒再生プロジェクトの続きです。

何の事か分からない方向けに、

最初の記事のリンクを貼っておきますね。⇒

久しぶりに躍金楼さんで食事をしてきました。

冒頭の絵は、明治11年ごろの様子だそうです。

お昼は10名限定の天ぷらとお刺身の定食を頂けます。



若女将さんから、

「ご飯大盛にできますが?」

というお誘いを断腸の思いで断り、

江戸前の刺身から頂きます。

個人的にはここの味噌汁がかなり好きです。



天ぷらはその場で揚げたものが順に出てきます。

最初は魚は、鱚(きす)と海老です。うまーい♥



お次は大葉です。

ご飯の上に乗せ、たれをかけた天丼にすることを勧められます。

すみません、撮影前にかじってしまいました。



最後は甘ーいサツマイモです。

大根おろしが入った天つゆで頂きました。

東京は天ぷらを目の前で揚げて、

順々に出してくれる天ぷら屋さんが多いですが、

地方の行くと、あまり見かけなくなります。

ごちそうさまでした。
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古駒再生プロジェクト 8

2023年09月09日 | 駒修理
東京、新富町の躍金楼さんへ久しぶりに行って参りました。

前回記事古駒再生プロジェクト 7

コロナの影響で代替わりをされていましたが、

味が変わらないのは流石ですね。

お刺身と天麩羅のランチを美味しく頂きました。







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栄作 水無瀬 本黄楊 彫駒

2022年09月15日 | 駒修理
ハチワンダイningバーさんで活躍中の、

「栄作 水無瀬 本黄楊 彫駒」です。

久しぶりに修復の作業がやりたくなって、

お借りしました。







ハードワークなのでしょうか、

ややお疲れ気味のご様子です。



洗浄で付着物を落とし、しっかり乾燥させました。



表面を平滑になるまで均した後、

木目を潰すと光沢が出るだけでなく、

汚れが木地の内側に浸透しにくくなります。

また、こうしておくと、軽い汚れぐらいなら、

固く絞った濡れタオルなどでふき取りOKです。



リフレッシュしましたので、

仕事場に復帰してもらいます。
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ピンホール修理 ~その3~ 

2020年10月20日 | 駒修理
無銘の芙蓉書です。

前回記事から一年以上の間を置き、

サビ漆の乾燥を確認してから、

少し使用し、それから仕上げました。

作者が誰かは知りませんが、

無数のピンホールが発生した時の落胆した気持ちは、

駒師ならば想像に難くありません。

しかし、現代技術を持ってすれば、

ピンホールは十分挽回が可能です。

私は良い時代に生まれました。

今の駒作りは、先人たちの血と汗と涙で出来ている、

そんな気が致します。

オークションに出しました。

⇒YAHOOオークション

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大棋作 清安書 ~その6~

2020年07月20日 | 駒修理
修復完成から1年以上経過しましたが、

曲がりや割れなどの問題は発生せず、

足し駒で駒本来の機能も回復しましたので、

オークションへ出します。

使って下さる方がいると良いのですが。。。

⇒YAHOOオークション
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梅一作 書き駒 ~その4~

2020年06月29日 | 駒修理
梅一の書き駒です。

木地形成の良くないものが混ざっていましたが、

直すことは出来ませんので、



新たに作り直します。



制作の要領はほぼ盛上げ駒と同じですので、

見本をもとに書きます。



完全ではありませんが、色を揃えて完成です。


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梅一作 書き駒 ~その3~

2020年06月27日 | 駒修理
黄楊はもともと髪を梳かす「櫛」や

「印章」の材料として使われていました。

駆出しの頃、薩摩黄楊の仕入れに

鹿児島まで行ったことがありますが、

その訪問先は印材店でした。

当時もっとも高かったのは柾目で、

ハッキリ言ってそれ以外はゴミ扱いでした。
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梅一作 書き駒 ~その2~

2020年06月23日 | 駒修理
将棋駒の原型は書き駒、

諸説ありますが、それは違いない様です。

古くは竹簡なるものもありますので、

素材は竹、そこに墨で文字を書いたものが主流だったと思います。

竹は成長が早く、手に入れやすい素材、昔の麻雀牌にも使われていた様です。



研磨の技術が向上していれば、将棋駒はもしかしたら竹材が主流になっていたかも知れません。

しかし、液体の漆で文字を書くとなると竹は滲むので不向きですね。

将棋駒が「黄楊+漆」になったのは江戸時代、

多くの先輩方の試行錯誤によって、今の形が出来上がったのだと思います。

感謝しなくちゃいけませんね。


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梅一作 書き駒 ~その1~

2020年06月21日 | 駒修理
天童産の書き駒です。

天童市における伝統工芸認定は、

彫駒や盛上駒ではなく、

この書き駒に対するものと、

ある方からお聞きしたことがあります。

5年ぐらい前だったでしょうか、

天童市が書き駒職人見習いを募集しておりまして、

説明を聞いたことがあります。

見習いになる条件は天童市に永住することでした。

後継者が少なくて苦労されている様です。

私も一瞬心が揺らいだのですが、

引越し魔の私には無理と諦めました。



作者は「梅一」こと梅津作郎さんですね。

⇒天童市のガイド

大正10年生まれということですので故人でしょうか。。。(間違っていたら申し訳ありません)。







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ピンホール修理 ~その2~

2019年08月18日 | 駒修理
無数のピンホール修理をしている作者不明の芙蓉書です。

全面を目止めした後、

サビ漆ではなく漆を2度重ね塗りしました。

画像はそれを水研ぎで落としたところです。

実はピンホールだけでなく、

漆の「痩せ」も発生していましたので、

もう少し重ね塗りをすべきだったかと、

少々心配しています。

自作でこんなにピンホールが発生することはないので、

正直、加減が分かりません。



乾いたら細かいペーパーで研磨、

ピンホールが綺麗に埋まっていればよいのですが、

果たして結果は。。。。

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ピンホール修理 ~その1~

2019年07月21日 | 駒修理
芙蓉書の成香です。

かなり古く私の予想は昭和初期の作品、

骨とう品店で偶然見つけました。

作者銘が無くどなたの作品かは分かりません。

大阪駒だと思いますが、珍しい事に彫埋めです。

残念なことに、ご覧の様に無数のピンホールが発生しています。

大阪駒=彫駒というイメージですが、

どなたかが彫埋め駒制作に挑戦したのでしょうね。

失敗の原因は、

サビ漆の練り込み不足あるいはとの粉の分量が多すぎた、

といったところでしょうか。



全ての駒がこのような状態になっていますので、

修理するのは相当大変ですが、

現代の技術を使って修理してみます。

目止め剤を塗布してから、粘度の高い漆を盛ってみました。

成功するでしょうか?







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駒修理 一舟作 菱湖書 ~その2~

2019年06月15日 | 駒修理
一舟師作の巻菱湖書、銀将の足し駒を作りました。

字母は一番右側の駒から取ったのですが、

どうでしょう?

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