今日、10月4日は、鞆の浦の鞆中学校、鞆小学校での防災授業でした。日帰り出張で、一日に中学校、小学校での防災授業は結構タフでした。
鞆中学校では、中学2年生を対象に、家庭科の授業で防災授業。現代は、家庭科の教科書に家具固定が載っている防災の時代なのです。
今年度、鞆の浦の研究を担当する学部4年生の平塚君と、昨年度の担当であった修士1年の石橋さんとの三人で実施しました。中学校2年生の12名(1名欠席)を対象とした授業で、
・なぜ家具固定が重要なのか(細田)
・家具固定の適切な方法の説明や、家具固定以外にもたくさんある、住まいの危険な環境を改善する方法(石橋、平塚)
を教えた後、家庭科の教室で過去の横浜国大の担当学生が固定した家具を用いて説明したり、様々な家具固定のグッズを回覧したりしました。
授業のおさらいプリントが、生徒の家庭で何らかの対策が実践されるように、可能な範囲で工夫した内容となっており、今後、意識の変わった生徒たちが、できればご家庭で家族と協力・対話しながら、一つでも二つでもチャレンジしてもらえればな、と願っています。そのサポートを、我々研究チームが続けていければと思っています。
この授業が11:50スタートで12:40終了。
その後、小学校の校長先生に迎えに来ていただいて、車で小学校へ移動。徒歩では結構時間のかかる距離です。
小学校で三人で給食をいただいた後、14時からの土砂災害の防災授業の準備。
今年は鞆小学校で大きなチャンスをいただきました。4年生の担任の先生が、総合的な学習の時間で、生徒たちのリクエストも踏まえ、防災について勉強を開始されていました。何と20時間(1時間は45分の授業に相当)を使って、土砂災害について勉強をしていくそうです。その5時間が終わったところで、私たちの研究チームと連携することになりました。
今日は、2時間を使いましたが、私たちとの連携が始まる初回だったので、土砂災害のメカニズムを理解し、補強工法の効果について理解する実験を行いました。
鞆で発生する可能性のある崖くずれと土石流のそれぞれについて実験をしました。実験については極めて秀逸な参考書があり、これらの実験の準備を平塚君が一所懸命やってくれました。
写真は、がけ崩れの実験を行っている様子です。がけ崩れが起きにくいように、アンカー工法で補強した場合の実験でもかなり盛り上がっていました。
キーワードとしては、風化、氷河、重力、なども使いながら、なぜ日本では崖くずれが起きやすいのか、なども説明しました。
実験はやはり楽しいようで、生徒たちもかなり熱心に勉強していました。
土石流の実験は、平塚君が作った実験装置をみんなが囲んで観察する、というスタイルでしたが、これも好評でした。
砂防堰堤の役割についても、実験の後に説明を行い、質問も受け付けて授業は終了しました。
私と平塚君は始発列車でやってきたので、授業が終わった後はやや放心状態でしたが、校長室にて今後の方針について打ち合わせしました。
私は二週間後の10月25日に再訪して、今度は、鞆のハザードマップも踏まえた上で、避難というものについて多角的に考え、議論していく内容にチャレンジすることになりそうです。研究担当の平塚君は、私よりもっと足繁く通って、総合的な学習の授業に入り込む見込みです。
4年生の担任の先生以外にも、熱心な先生も議論に加わり、盛り上がり、今後がますます楽しみになっています。
11月の中旬には、福山市の教育委員会の方々も視察する公開授業も予定されているそうで、ぜひ、担任の先生を中心にこの総合的な学習をチャレンジングな、魅力的なものにしていければと思っています。
明日は大学の開講日(秋学期の講義開始日)です。明日は、大学院と学部の二つの講義を開始します。例の土木史の講義は来週に開講です。