細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

杞憂

2017-10-19 12:16:28 | 人生論

人間とは、本当にくだらないことをいろいろ気にする生き物だな、と今回も改めて感じました。

今回は、社会人になってからは初めてのアメリカ出張でした。欧州、アジア、アフリカへの出張は数多く行ってきましたが、アメリカは本土に来ることすら15年以上前のことです。

という事情もあり、少し今回の出張にはいろいろなことが以前から、また直前にも気になっていました。

アナハイムにはロサンゼルスからどうやって行けばよいのか。ディズニーランドエクスプレスというバスで行けるようだけど、どこで乗り、降車したところからどうやってホテルにたどり着けるのか。出張終盤に人を訪ねようと思っていたけれど段取りができないまま出発してしまった。ということもあり出張終盤のホテルを予約せずに来てしまった。今回の英語での発表ファイルは、フォーラムの主査の指導を受けながら作ったが、ホテル到着後に最終指導を受けることになっておりやや気が重い。ホテル到着後、チップのための1ドル札がない。ACI秋季大会には学生の時を除いて実質初めての参加で、楽しめるのだろうか。

などなど、普段の私の思考回路からするとおよそ考えられないような、どうでもよいことにも不安を感じている状況でした。

結論としては、一つ一つ、対応策を調べて手を打っていけばすべて解決することばかりなので、余計な心配をすることは何の得にもなりません。結果的には、学会そのものもいろいろ吸収もできたし、発表ももちろんしっかりやったし、主査の先生の顔を立てることもできたしご指導もたくさんいただいたし、たくさんコミュニケーションしたし、新しい知人もそれなりにできました。

何も考えずに楽観的に行く、ということではなく、予想される状況に対して適切に準備をし、不安要素を着実に取り除きながら、悠然と行く、ということかと思います。

今回、上記のような思考回路に陥ったのにはいくつか理由はあるのでしょうが、まあ一つの経験として良い方向に解釈しようと思います。

本日、学会が終わり、ロサンゼルス空港の近くのホテルに移動しました。ここで二泊。ジムで30分ほど走ってきました。学会中は会食が多くお酒を飲む日ばかりでしたが、ここから二泊はお酒なし。毎日体操もしています。

明日の最終日は、大林組の建設現場を視察します。

ホテルでの空いた時間で、土木史のレポートの採点やら、各種の仕事。読書も気ままにしており、岡潔さんの「数学を志す人に」を岡先生らしい悠然としたリズムに惹きこまれて読んでいます。数学を志すわけでは全くありませんが、人間、について非常に深い考察が大変勉強になります。