細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

時間のスケール

2018-05-16 09:39:47 | 人生論

GWも終わり、研究室に新たに配属になった学生たちの研究テーマも決まりはじめ、研究室全体が少しずつ活性化してきている雰囲気を感じます。

2012年の新書のベストセラーであった内田樹先生の「日本辺境論」を読み、今は本屋で見かけて気になって買った北野武の「超思考」を読んでいる真っ最中で、様々な視点からの物の見方を学び、刺激も受けています。

上記の本からの刺激や、最近感じていることも含め、以下、時間のスケールという視点で書いてみます。

人間の生活には様々な時間のスケールがあります。毎朝の準備だって大切だし、1日も大事。1週間スパンでの計画やリズムも大事だし、1年の抱負・反省・計画等ももちろん大事。もっと長いスパンで戦略を練ったり、数十年後くらいの将来のための議論なども行うことも少なくありません。

日本辺境論にありましたが、人間は年齢を重ねると、時間の過ぎ方を早く感じるそうです。当然ですね。45年生きてきた人にとっての1年間と、5年しか生きていないこどもにとっての1年は、物理的にも相対的な長さが異なります。

内田先生は、武道における考え方を示しながら、時間についても論じています。正確な理解ではないかと思いますが、私なりに咀嚼して簡潔にしたものは以下です。AさんとBさんが剣道で闘っているとして、Aさんが繰り出した技に対して、Bさんが対応する。こういう技が来たから、このように防御して、次はこのように返す、というような思考をしない。ある技が繰り出される前の世界と、ある技が繰り出された直後の世界は異なる。ある技が繰り出された瞬間に、AさんもBさんも、そしてAさんが繰り出した技も含む新たな世界が構築される。その新たな世界に自分も新たに出生し、その世界の一部として動く。

相当に私の勝手な解釈も入りましたが、そのような考え方をすると、様々に生み出される新たな世界において、新たな生き方を始めることになるので、時間に対する考え方も変わってくるように感じます。新たに生み出されるし、次々と死ぬことにもなる。

2018年度が始まって、1ヵ月半が経過しましたが、この時期は研究室にとっては大まかにいうと研究の種まきの時期です。品質・耐久性確保も今年度はまた大きく動き始めましたし、私が新たに始めるいくつかの研究のためも含み、様々な種まきを始めています。1年、数年のスパンで研究活動をダイナミックに推進していくために、日々の種まきが重要であることをこれまでの経験で熟知しているので、種まきも一所懸命やります。

日常的に考える最大の時間のスパンは、私の場合せいぜい5年程度です。前川先生とも5年後くらいまでを見据えて、研究室をレベルアップしていくための議論をしており、実行できる作戦は次々と実行に移し始めています。

5年、10年単位での自身や組織の成長と、1週間、1日、1時間程度の短時間の生き方の連関も体得してきており、今年は自身のスポーツ活動も活発化しているので、さらに時間についての感性が高まってきています。

5月20日に大槌のヒルクライムに出ます。そのために、いろいろな時間が折り重なっていきます。

せっかく釜石、大槌に行くので、18日(金)には小佐野高架橋の視察、親友の手間本さんにも気仙沼から前職場の釜石までわざわざ来ていただいての打ち合わせ・会食もセットしました。今回は出張ではなく、プライベートで行きます。日頃のトレーニングも20日に向けて進めており、13日(日)はハードなトレーニングで追い込みました。その筋肉痛が15日(火)まで続きました。今朝は、上星川駅から上り坂を歩いて通勤し、帰りも下り坂を歩いて帰ります。レースも近いので筋肉痛が生じないように、日常の限られた時間も活用してトレーニングです。今日の夕方はカイロプラクティク。

研究・教育が本業ですが、スポーツにおいても、目標設定、日常の努力、成果の確認、を含んだ趣味として行うことで、自分自身の生き方をブラッシュアップしていく場面が増え、総合的に楽しくなる感覚を持ち始めています。

自分の生・死があちらこちらにあるようで、死を前提にした生きることの意義や、人との出会い、人と過ごす時間のあり方、などについての考え方にも影響が出始めています。