昨日、11月14日に、朝一番の便で山口宇部空港に入り、一日、山口県の官学共同研究のミーティングや現場実習に参加させていただき、夜は四人の少人数で濃厚に議論を深めました。非常に楽しかったです。
その中で、「監督」という言葉について議論を深めました。まだまだ深める必要がありますが、記録に残しておく意味も含めてブログに要旨をまとめておきます。
公共工事を進めていく上で、発注者の中の監督職員が大きな役割を担います。国土交通省では監督官と言ったりもしますが、「監督」をする発注者の職員です。
発注者にはいろいろな役割の人がいますが、監督職員とは別に、検査を行う役割の人もいます。工事の出来栄えを検査し、合否を出す人です。
監督職員は、検査官とは異なりますが、どういう役割を果たす人でしょうか?
英語では、supervisor といいます。
大学で大学院生などの研究を指導する、指導教員も supervisor です。私も、supervisor なわけです。
supervisor とは、実際に研究を行う人や、公共工事であれば工事を行う施工者を、適切に結果が出るように導く役割を持ちます。あくまで研究や工事の主役は、大学院生や施工者であり、そのコーチ役、と言った方がよいでしょうか。
野球の監督は、英語では supervisorとは言いません。manager です。これは、ホテルの支配人と同じで、指揮権を持ちます。
supervisor と manager は明確に異なるのに、日本語では同じ「監督」という言葉を使っています。ここにも、問題の根源があるようにも感じます。
監査、監視、などのように「監」という言葉が現代ではあまりいいイメージを伴いません。どうしても、監督する側が、施工する側を見下すような語感を、現代のわれわれは持ってしまいます。
supervise と advise は共通する部分を持っていますので、よく調べていませんが、語源をともにするのでしょう。
大学の教員は、実際に最前線で研究を行う大学院生と同じ知識を持つ必要は必ずしもありませんが、大学院生が適切な方向に研究を進めて行けるように、アドバイスしたり、困った状況を打開してあげる必要があります。そのために、どのような見識や能力が必要か、想像していただけるのではないでしょうか。研究指導は容易ではありません。
品質確保の委員会(350委員会)では、「性能」や「品質」などの言葉についても深く考察を行っていますが、「監督」という言葉なども含めて、本来のあり方を、言葉の適切さも含めて深く議論を重ねていきたいと思います。
今日、15日の土曜日の午前は、二宮さんと二人で、山口県のひび割れ抑制システムの運用前後の構造物を二つ見て回り、システム運用前の構造物で様々なひび割れが多発している橋台を題材に、工夫して動画コンテンツを撮影しました。主演が二宮さんで、私が監督です。かなり良い仕上がりかと思いますので、品質確保チャンネルへのアップをご期待ください。
これから、新幹線で福山に移動して、いろいろと予定が詰まっています。
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