細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

友達

2012-03-12 11:02:48 | 人生論

3月6日は一日高知にいたのですが,昼前から安芸に向いました。目的は一つ。

小松又十郎さんというおじいさんに会いに行きました。今回でお会いするのが2回目です。

1回目は,私が27才だった11年前の3月,イタリアへの一人旅の帰り,ローマから成田への飛行機の中で隣になり,とても楽しくおしゃべりしました。

小松さんが高知の方,ということで,私の師匠が土佐高出身,東大野球部最多勝ピッチャーの岡村甫先生,ということを話すと,もちろん小松さんは岡村先生のことを知ってました。そこから話が弾んでいきました。小松さんは絵を描くのがお上手で,絵を描く仲間たちとイタリアを訪れた,という話でした。

おそらく住所など連絡先の交換もしていたのでしょう。その後,年賀状のやり取りが始まりました。毎年,とても素敵な絵(出漁,などの絵が多い)が付いた年賀状を送ってくださり,私も家族の写真が付いた年賀状をお送りし,ほんの一言ですが添えて,交流が細々と続いていました。

高知には時々出張に行きますが,なかなか安芸にまで足を伸ばす時間が取れず,一度お会いしたきりでした。

今回はチャンス!と思い,年賀状でも安芸に行けるかもしれません,と書いてお送りしましたが,直前までそれ以上のやり取りはありませんでした。

出張に出かける前日の4日,小松さんのお宅に電話しました。奥様と思われる方が出てお話しましたが,小松さんは入院されているとのこと。6日には退院できるか微妙だ,というお話でした。そのまま,出張に出発しました。

5日に,高知工科大学で岡村先生とお話している途中に電話がかかってきました。小松さんからでした。まだ退院できるか分からない,とのこと。私がぜひお会いしたい,安芸まで行きますよ,といって電話を切りました。

翌朝,6日の朝,小松さんから電話がかかってきました。退院できた,安芸でお会いしましょう,とのことでした。

桂浜へ行った後,レンタカーで安芸へ向いました。奥様も一緒に出てこられて,安芸で一番眺めのよい,ホテル「タマイ」の眺望レストランで,昼食をご一緒しました。

無理に退院されたようです。お元気そうでしたが,2回目の対面で非常に楽しいおしゃべりができました。

小松さんは,中学校の教師を全うされ,数学の教師,野球部の監督,美術の先生もされていたのでした。絵も本当にお上手で,小さい画集をプレゼントしていただきました。長女に見せたらすごく喜んでおりました。

話は弾みましたが,お体も心配なので,1時間半ちょっとで終わりにし,またお会いしましょう,ということで別れました。

なぜ,ローマからの飛行機の中であれほど話が弾んだのか,分かりました。教員という仕事に本当にやりがいを感じられる,その性分が引き寄せあったのでしょう。

長期出張から帰宅後,長女に画集をプレゼントしました。すごく喜んで,小松さんに二人でお手紙を書きました。長女と,私と一通ずつ。長女が折り紙で作った小さな封筒にそれらを入れて,昨日,お送りしました。

長女も,「いいなあ,私にはそんなお友達,いないよ。欲しい。」と言ってましたが,「これでもう小松さんとお友達だよ」と言うとうれしそうにしていました。家族で四国に旅行に行き,その際にお会いできるといいです。

またお会いできるかもしれないし,もうできないかもしれない。でも,永遠に私の中で生き続ける会話であり,お友達です。小松さん,元気になってください。安芸の浜を一緒に散歩したいです。


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