細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

めぐまれた環境

2010-03-20 06:13:40 | 研究のこと
とかく人間は文句ばかり言いがちで,自分の置かれた環境の良いところを忘れがちです。特に,いろんな人のおかげで今の環境があることを忘れ,その環境にいることを当たり前と思い込んでしまうため,文句ばかりになるのでしょう。

今日は午後に,研究室を今年卒業する学生たちが10名くらい遊びに来ます。明日からベトナムに出張するので,超急ぎの仕事は朝早起きして片付けていました。

朝5時ごろに,ソンさんの投稿論文の査読修正の最終作業を行っていました。査読に対する修正がほぼ完了し,編集委員会に投稿します。高炉スラグの論文で,私が指導した研究では初めての英文ジャーナルです。査読は好意的であったと認識しており,査読への修正には最善を尽くしましたし,読者に読みやすいように再構成もしたので,いい形になったと思っています。採択されることを切に祈ります。

ソンさんが私と一緒に研究しているのにはいろいろと理由がありますが,横国のインフラ管理学プログラムで修士の学生として来日し,縁があって私が指導をし,その後,留学生の特別プログラムに応募し,文科省の国費留学生として博士課程の学生として再び来日しました。博士課程の学生として来るときは,私と一緒に研究したい,と志望してやってきたので,それは偶然ではありません。

が,インフラ管理学プログラムや,特別プログラムを構築し,運営されてきた先人たちの努力があって,私とソンさんは一緒に研究をすることができています。この特別プログラムは,言うまでもなく,我が師匠の岡村甫先生たちが東大で企画し,フレームを作り上げられたものであり,その恩恵を私どもも強く受けているわけです。

現在,私は博士課程3年のソンさんと,1年のウスマンさんの二人の留学生を指導しています。日本人学生も非常に多く,この状況は実はとても恵まれた状況なのだと再認識しました。

たくさんの優秀な日本人の学生たちと一緒に研究できるのも,いろいろな方の努力の結果,我々が活動する場を整備してきてこられたことによります。

環境を生かすのは我々です。もちろん,環境だけよくて結果が出るわけではなく,私だってこの恵まれた環境を生かすべく,自身が真にやるべきであると思うことを全力でやっているつもりです。

学生に常々言っている,環境を生かすか生かさないかは各自次第,ですが,学生に言うだけでなく私自身が常に実践を意識しているつもりです。

ソンさんは,JCIの年次論文集にもAEでの高炉スラグコンクリートの詳細な分析を投稿し,採択されました。だいぶ調子が出てきたように思うので,学位論文のとりまとめはもちろん,もう少し研究を進めてもらいたいと思っています。目標は高く,帰国までにもう1本,ACTに投稿でしょうか。

ウスマンさんは,表層品質がテーマですが,少しずつ研究が前に進み始めたように思います。22年度の前半は,「すべて失敗してもよい」と伝えていますので,頭でっかちにならずに失敗から学びながら,たくましく育ってもらえればと思います。まだまだ種まきの状態です。

学生たちも,私のポジティブなエネルギーに惹かれていると思うので,それを自覚して,頑張らないといかんですな。明日からは,学部1年生9人を含む学生20人を引率して,ベトナム,ハノイへ見学会です。大仕事ですが,ポジティブエネルギーではっちゃけてきます。

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