「文化」と「文明」 大河原 知也
ほとんどの学生が使ってきただろう英単語の覚え方として「agriculture」を「agri」と「culture」に分けて謎の言葉「agri」と文化「culture」から「農業」という意味を連想させる手法があったと思います。私はこの方法で覚えました。実際に「agriculture」の語源を調べるとラテン語で田畑を意味する「ager」耕すを意味する「cultura」からできており覚え方としてはあながち間違いではなかったようです。そして「cultura」の語源は「colo(耕す)」と「ture(~すること)」であり、耕すことという意味から「culture」=「文化」になったとされています。田畑を耕すという行為は文化を作るということになります。そして土木史と文明の第一回講義で説明があった通り「civil engineering(土木工学)」は「文明」のための工学である。「文化」と「文明」で多少違った言葉ではあるが「農業」と「土木」は切っても切れない関係にあることが読み取れます。
まず「文化」と「文明」についてです。「文化」は精神的活動およびその所産であり、「文明」は物質的所産であり、「文化」がソフトで「文明」がハードです。二つとも国を豊かにしていくための基盤といえる要素です。この両輪がしっかりしていないと国としては成立させることができません。もっと言ってしまえば国として両方が成り立っていない場合はあり得ないのです。ソフト面とハード面で両者が対等である様に感じるがそれは間違っており、「文化」をもとに「文明」が構築されていくと思います。国を車で例えると「文化」がエンジンであり「文明」がタイヤであると思います。「文化」がその車の動力源となり車の個性を作る物であると思います。「文明」はその車が目指している場所へと正確に早く着くために環境に合わせたタイヤであると思います。
「農業」と「土木」についてです。前段落で「文化」はエンジン「文明」はタイヤという関係にあると述べたのでその考えを「農業」と「土木」に適応させると「農業」がエンジンを作る作業で「土木」がタイヤを作る作業である。「農業」が作っているエンジンとは人間そのものである。大地を耕し、種を植え、収穫する作業により人間は安定して増えていくことができた。そしてこれらの考えより人間=「文化」となり、人がそれぞれ持ち合わせているものの集大成が文化だと思います。「土木」が作っているタイヤは当然ながら都市である。物質的に存在する都市が現代文明の象徴であると言えます。
私たちが勉強している土木とは「文明」を築き上げ暮らしを豊かにしていくことです。そのため、ハード面で高速道路を建設する、ダムを建設するなどという考えに陥りがちです。それだけではいい国を作っていくことはできません。日本が長い年月をかけて築き上げてきた文化をさらに私たちの今の暮らしをベースに発展させていかなくてはならないと思います。世界各国のやり取りが活発になり「農業」により「文化」を作っていくことの難しい現代では別の方法で発展させなくてはなりません。そのためには今まで通りでいいといった大衆的な向き合い方ではいけないと思います。常に周りにアンテナを張り巡らせ興味あることだけでもいいので新たな情報を仕入れ考え方をブラッシュアップさせて新たな「文化」を作っていかなくてはなりません。「文化」のレベルが上がっていったときに「文明」も高いレベルのものへと遷移していけばよいと思います。
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