Merry Christmas Ⅱ
私は、小学生の時、
近くの英会話教室に通っていた。
といっても、今あちこちにあるような、
大手の、外人講師と話すといった教室ではない。
日本人の、若い女の先生と、
10人くらいの小学生で、
アットホームに会話をするような、そんな教室だった。
ある年のクリスマス。
教室では、
授業をせず、クリスマスパーティーとし、
一人一つずつ、プレゼントを持参することになっていた。
ところが、
その話が出た日、私は風邪で欠席していた。
先生も、10人そこらの生徒だし、
特にお知らせも作らず、口頭で伝えただけだった。
その時、私にも伝えたと思っていたのだろう。
パーティーの日、
私は、いつも通りの授業だと思い、
いつもの教科書を持って、教室に行った。
妙に華やかな教室。
机も出ておらず、
床の上に皆、思い思いに座っている。
『それじゃ、みんなプレゼントを出してね。
英語の歌を歌いながら、プレゼントを回しましょう!』
私はそこで初めて、
その日がクリスマスパーティーで、
プレゼントを持参してくることを知った。
皆、「持って来なかったのかよー」と言う。
聞いていなかったことを先生に言うと、
先生は謝った。
『ごめんなさいね!連絡してなかったわね!』
私は、子供心に少し白けた感じになり、
先生に「僕、帰ります」と言った。
すると先生は、
『みんな、ちょっとだけ待ってね。
んー・・、プリーズ・ウェイト・10ミニッツ!』
10分だけ待って。
その間先生は、
教室にあった画用紙に大きな顔を書き、
色を塗り、英語の言葉を書き入れた。
そして、器用に折りたたみ・・
あっという間に、クリスマスカードを作成した。
先生のカードを加えて、
プレゼント交換は始まった。
歌を歌いながら、
止まったところのプレゼントが、その子のもの。
そして・・
私は、先生のカードが当たった。
先生は私に、開口一番 『カノンくん、ごめんなさいねー』
しかし私は、とても嬉しかった。
先生の、手作りのカード。
どこにもない、世界でただひとつのもの。
私が忘れたために生まれたプレゼントが、
奇しくも私の手に届いた。
帰り際、「先生ありがとう」と言ったら、
『カノンくんに当たって良かった』と笑ってくれた。
カードの、英語の言葉は結局わからなかった。
カードも、どこかに行ってしまった。
しかし、その後大人になり、
全国の方と、文通を始めた私。
ペンフレンドさんに、
クリスマスカードだけは、毎年送り続けた。
それは、あの時の先生の記憶が、
ずっと残っていたからだと思っている。
あのカードはもしかしたら、
私の人生で、
一番嬉しいプレゼントだったかもしれない。
先生のカード、当たって良かったです。
クリスマスになると、
カードを贈りたい、って気持ちになるんですから。
大人になった今も・・。
先生、どうもありがとう。
今年も、メリー・クリスマス!
私は、小学生の時、
近くの英会話教室に通っていた。
といっても、今あちこちにあるような、
大手の、外人講師と話すといった教室ではない。
日本人の、若い女の先生と、
10人くらいの小学生で、
アットホームに会話をするような、そんな教室だった。
ある年のクリスマス。
教室では、
授業をせず、クリスマスパーティーとし、
一人一つずつ、プレゼントを持参することになっていた。
ところが、
その話が出た日、私は風邪で欠席していた。
先生も、10人そこらの生徒だし、
特にお知らせも作らず、口頭で伝えただけだった。
その時、私にも伝えたと思っていたのだろう。
パーティーの日、
私は、いつも通りの授業だと思い、
いつもの教科書を持って、教室に行った。
妙に華やかな教室。
机も出ておらず、
床の上に皆、思い思いに座っている。
『それじゃ、みんなプレゼントを出してね。
英語の歌を歌いながら、プレゼントを回しましょう!』
私はそこで初めて、
その日がクリスマスパーティーで、
プレゼントを持参してくることを知った。
皆、「持って来なかったのかよー」と言う。
聞いていなかったことを先生に言うと、
先生は謝った。
『ごめんなさいね!連絡してなかったわね!』
私は、子供心に少し白けた感じになり、
先生に「僕、帰ります」と言った。
すると先生は、
『みんな、ちょっとだけ待ってね。
んー・・、プリーズ・ウェイト・10ミニッツ!』
10分だけ待って。
その間先生は、
教室にあった画用紙に大きな顔を書き、
色を塗り、英語の言葉を書き入れた。
そして、器用に折りたたみ・・
あっという間に、クリスマスカードを作成した。
先生のカードを加えて、
プレゼント交換は始まった。
歌を歌いながら、
止まったところのプレゼントが、その子のもの。
そして・・
私は、先生のカードが当たった。
先生は私に、開口一番 『カノンくん、ごめんなさいねー』
しかし私は、とても嬉しかった。
先生の、手作りのカード。
どこにもない、世界でただひとつのもの。
私が忘れたために生まれたプレゼントが、
奇しくも私の手に届いた。
帰り際、「先生ありがとう」と言ったら、
『カノンくんに当たって良かった』と笑ってくれた。
カードの、英語の言葉は結局わからなかった。
カードも、どこかに行ってしまった。
しかし、その後大人になり、
全国の方と、文通を始めた私。
ペンフレンドさんに、
クリスマスカードだけは、毎年送り続けた。
それは、あの時の先生の記憶が、
ずっと残っていたからだと思っている。
あのカードはもしかしたら、
私の人生で、
一番嬉しいプレゼントだったかもしれない。
先生のカード、当たって良かったです。
クリスマスになると、
カードを贈りたい、って気持ちになるんですから。
大人になった今も・・。
先生、どうもありがとう。
今年も、メリー・クリスマス!
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