超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

チェリビダッケが止まらない

2019-04-02 19:27:30 | 無題
セルジウ・チェリビダッケのDGデッカ録音全集が届く。ブルックナーとブラームスがメインディッシュなのは当然として、今回、シベリウスの2番と5番、リヒャルト・シュトラウスのドン・ファンや英雄の生涯、ティル・オイレンシュピーゲル、死と変容などを立て続けに聞いた。
チェリビダッケが振ると、何気ない曲が超大作に激変する。恰幅がよく、構えが大きい音楽絵巻へと曲ががらりと変わるのだ。こんなすごい曲だったのかと再発見させられること数知れずである。このスケール感、只者ではない。果てしない広場で思う存分暴れている、そんな演奏なのだ。
チェリビダッケが禅が好きなのは今ひとつわからないが、龍安寺の庭に永遠を見る、それと同じことを演奏の場で実現したかったのだろう。確かに無限の時間がせき止めらねずに解き放たれ、自由を存分に謳歌している、そんな演奏である。独善的とかわがままとか言われるが、芸術ではわがままは最高の美徳ではないか。スタジオ録音を嫌ったチェリの生録音を大量に貯め続けた彼の息子は敬服に値する。複製技術時代の芸術のアウラを甘受できるのは、その録音のお陰だからだ。
永遠の時が流れる禅寺で大暴れするような演奏

コメント
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