フルサイズセンサーは赤いカメラ(OCAL electronic collimator)よりもかなり小さいので、問題ないでしょう。
ですが、この小さな斜鏡とあっては、フルサイズセンサーではケラれないとしても、周辺減光が厳しく、現実的にはAPS-Cで撮影することになるのではないでしょうか。
ノイズが半端ないので、ISOを下げて、長時間露出するとなると時間がかかってしまっていけない。
ヤフオクで入手した直後に室内で試し撮りした写真がコレ
ISO 3200 120sec 色温度5500K
EOS 70Dの色温度は100K単位でしか調整できないので、色温度3550Kは無理。
だけど、次の機会に色温度3500Kと3600Kは試さないわけにはいかないでしょう。
2023年9月頃から、毎朝の出勤前筋トレに上体起こし(いわゆる腹筋運動)20回を加えました。
体幹を安定させるためです。
脊柱(背骨)は椎骨が積み上がってできた柱です。
積み木(椎骨)を積み上げて高さ1mの柱を作ってみてください。
非常に不安定です。
人間の脊柱は、脊柱起立筋が主に背側からガッチリ支えています。
普通に立ったり歩いたりする分にはこれで十分です。
しかし、激しく運動すると、脊柱起立筋だけで脊柱を安定させるのが難しくなります。
脊柱が前屈み方向に不安定になる分には、脊柱の背側にある脊柱起立筋が頑張ることで姿勢を立て直すことができます。
しかし、背中が反る方向の不安定性を拮抗するには、脊柱起立筋だけでは不十分です。
脊柱(背骨)が反る方向の不安定性が生じたとき、脊柱の前方にある腹筋が踏ん張ると、脊柱が安定します。
つまり、脊柱を安定させるためには、脊柱の前後に支えを設けてやる必要があるのです。
腹筋が収縮すると、それ以外にもちょっといいことがあります。
腹筋が収縮すると腹圧が上がります。
腹腔は、前方と側方を腹筋、背側を脊柱と腰背筋群、下側(尾側)を骨盤、上側(頭側)を横隔膜によって囲まれています。
背側と骨盤は圧を逃す余地がないです。
腹筋が収縮して前方と側方から発生した腹圧は、上方(頭側)の横隔膜方向へ逃げ場を求めます。
上方(頭側)に向かった力は、腰を伸ばす方向に働きますので、腰にかかった上下方向(頭尾側方向)の圧を軽減してくれます。
もっと細かくいうと、固くて丈夫な椎骨にかかる圧が軽減されても何も恩恵はありません。
恩恵があるとしたら、圧を逃すためのクッションである椎間板にかかる負担を軽減するのに、腹圧が役立ちます。
腹圧なんて大した圧ではありませんので、椎間板にかかる圧力が軽減されるといっても、ほんの少しだと思われます。
しかし、無ではありません。
ランニングであれば、着地の際に発生する上下方向(頭尾側方向)の衝撃が脊柱を不安定にします。
ランニングの着地で足首や膝にかかる衝撃は体重の2.4倍と言われています。
足底筋膜、膝関節、股関節、椎間板の弾力、そして腰部脊柱の生理的湾曲がランニングの着地の衝撃を和らげて吸収すべく機能します。
(脊柱とは直接関係ありませんが、人間の足関節、膝関節や股関節は、四足歩行動物と比較して関節面が非常に大きくなっています。これも関節にかかる大きな衝撃を分散させるための工夫です。)
腹圧による椎間板への圧力軽減作用は、そうしたさまざまな工夫の一つだと言えます。
(これだけ長々と説明していますが、実は、腹圧が椎間板へのストレス軽減となるとする根拠を示した論文を僕自身はまだ読んでません。整形外科医からの受け売りです。ごめんなさい)
長々と説明しましたが、とにかく、激しい運動をする場合、体幹を安定させるために腹筋力が必須の要素となります。
そうしないと腰を痛めるし、体幹が不安定だとそれを相殺するために他の部分が頑張ることになるため体力の消耗が進みやすくなります。
崩れた体幹バランスを回復させるより、そもそも体幹バランスが崩れないようにすることが最もエネルギー効率がよいです。
持久系スポーツであろうと、格闘技のような瞬発系のスポーツであろうと、これは共通です。
僕の場合はランニングがメインなので、ランニングベルトなる物にも手を出してみました。
CHRIOのパフォーマンスアップ腰用ベルト
腰痛ベルト、腰痛サポーターを最小限に細くした物だと考えればいいと思います。
腰痛ベルト・腰痛サポーターは腰部に巻くことで、腹圧が前に逃げることを防ぎます。
腹筋がない人に、人工的に腹筋を与えるように働きます。
(ハードタイプだと直接腰の上下方向を支える機能も持ち合わせます)
腹筋がまだ弱かった頃にこのパフォーマンスアップ腰用ベルトをつけて走ったら、体幹が安定するのを感じると同時に、走り終わった後の疲れが軽減するのを感じました。
現在は、腹直筋が盛り上がり、腹筋が割れているので、パフォーマンスベルトを必要としなくなりましたが、多分、今でも装着して走れば楽に感じると思います。
だから、ランニングを開始したばかりの人たちにおすすめです。
走り続けさえしていれば必要最小限の筋肉がついてきますが、筋肉がつくまではランニングで腰痛を発症するリスクがあります。
ある程度、ランニングに必要な筋肉がつくまでの間、ちょっとしたサポートに利用するといいと思います。
ただ、これ、¥8,800とかなり値が張るのが難点です。
上体起こしですが、腹筋があまりない人がいきなり回数をこなすと腹筋以外の筋肉が頑張ることとなり、無理がかかって、かえって腰を痛めます。
「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」
椎間板のダメージを蓄積するようなので、膝を立てて、20回という上限を設けて続けています。
しかし、改めてこれらの記事を読んで、上体起こしの体幹屈曲の前半と、体幹伸展の後半部分だけでもいいかな?とこの記事を書きながら思い直しているところです。
つまり、上体起こしの、上体を起こす直前(背中が床を離れる直前)まででやめておく、ということです。
(その際、足は空中に持ち上がってしまって問題ないです。)
実際やってみると、これだけに絞って行い、回数を増やした方が腹直筋の収縮幅が大きく、鍛えられそうです。
出勤前の筋トレを開始してからまもなく丸8年間が経過しようとしています。
始めた当初は出勤前の心の余裕のなさから、1分間のみで始めたことでしたが、その後、筋力が付くにつれて、それ相応の筋トレにどんどん切り替えて、内容を増強してきました。
アラフィフにして、まさか自分の腹筋が割れる日が来ようとは、夢にも思ってなかったです。
これからも少しずつ、その時点の自分に最適な筋トレに調整していきたいと思っています。
現在の出勤前筋トレ
・仰臥位での足上げ運動 左右100回ずつ
・上体起こし20回 (明日からは上体起こしの初動部分のみを30回にするかも)
・スタンダード・スクワット100回
・30度の傾斜をつけたストレッチボードの上で、閉眼片足立ち 左右100秒ずつ(平衡感覚を鍛える目的)
(これらが終わったら5kgの通勤カバンを背負って1.1kmジョギングして出勤)
2022/06/18に再コーティングした主鏡を取り付けてから2年近くが経過しました。
主鏡、結構汚れてきました。
レンズ洗浄液やらアルコールやら高性能洗浄スプレー3310(工業用)など、もろもろ主鏡をきれいにする努力はしてきましたが、なかなか満足のいく結果は得られず、少しずつ汚れが蓄積してました。
ここ一年間ほど、望遠鏡の動作は安定したにも関わらず、いまいち良い写真が撮れていない。
シンチレーションに恵まれないため、という可能性を第一に疑っています。
しかし、もしかしたら、、、主鏡の汚れが関与している余地があるのかもしれない。
主鏡を一度、取り外して洗浄してみたい。
しかし、この主鏡、金属の枠と合わせて50kg前後あるものと思っています。
正確な重量を測れてませんが、(そうか、観測小屋に体重計を持ち込めば良いのか!)26kgのAXD本体の2倍くらいありそうに感じています。
1人ではとても取り外しできない。
もちろん、再度、主鏡を組み付けることも1人ではできない。
友人に助力を願いました。
外すにあたって、いろいろ準備があります。
50kgの主鏡を外すと望遠鏡の前後バランスが崩れます。
また、望遠鏡とウェイトのバランスも崩れます。
主鏡を外しても望遠鏡の対物端が落下しないように、脚立にロープをかけて支えを作ります。
主鏡を外してウェイトが落下しないように、ウェイトの下にも支えを置きます。
(この写真、ちょっと歪んでいるのは、スマホのパノラマ撮影機能を使って撮影したためです)
男2人が必死になって重量物を扱っているので、外す瞬間の写真はありません。
外すにあたって、元に戻す時の向きがわかるように、主鏡の金属枠と望遠鏡本体にマジックで印をつけました。
外した主鏡(とその金属の枠)
主鏡を畳に向けてひっくり返します。
金属の枠の厚さ(5mmくらい?)があるので、主教が直接畳に接する心配はありません。
光軸調整を行う引ネジを全て外すと主鏡裏側の円盤が外れます。
円盤の向きがわからなくならないように、金属の枠と、円盤の引ネジの穴の一つにマジックで印をつけました。
黒い紙と、主鏡を金属枠に押し付けて固定するネジを受ける3枚のアルミ版を外すと主鏡本体(ガラス)が露出します。
主鏡の金属枠を外します。
出てきた主鏡。
大きいです。
ガラスの厚さが75mmもあります。
が、やはり主鏡本体よりも金属の枠の方が重たいです。
主鏡本体は多分ですが、15kg弱ではないかと感じます。
主鏡は冷たいので、すぐに結露しました。
水道水をかけて、食器洗い用の中性洗剤で洗います。
レンズクリーニングペーパーで表面を撫でて、汚れを端に寄せます。
水道水をかけて、洗剤を流します。
水が流れ落ちるように、主鏡の片側を高くして傾斜をつけてあります。
(主鏡の下、手前は2×4材が1本、奥側は2本積み重ねてある)
おぉッ!きれいになった。
けど、このまま乾燥させると水垢が残ってしまう。
薬局で売っている精製水を流してリンスします。
次に、早く乾くように無水エタノールを流します。
しばらく乾燥させて、完全に乾き切るのを待たずに元の状態に組み上げました。
朝、望遠鏡の中を覗くと、普段から結露していることがあるので、少々濡れていてもいいだろう、と。
望遠鏡の乾燥空気装置をつけっぱなしにして寝ても、翌朝、結露していることすらあります。
この場所はこの主鏡にとって、けっこう過酷な環境なのかもしれません。
理想的には望遠鏡部屋に除湿機を置いて、ずっと除湿していればいいのでしょうけれど、なんせ建物が古いので、一ヶ月単位で除湿機を回しっぱなしにするには、電気系統に一抹の不安を覚えます。
2人で主鏡を巨大ニュートンに組み付けました。
指を挟んで怪我をしないかヒヤヒヤしました。
うっかり足の上に落としたら骨折しますし、破損したら代わりとなる主鏡はおそらくないでしょう。
そのあとは、主鏡を垂直に立てて、光軸調整を行いました。
調整後が下の写真。
完璧ではないですが、最低限の用を成してくれるでしょう。
Ocal electronic collimatorのソフトウェアがすぐにフリーズするので、かなりイライラしました。
おそらく全世界のユーザーがイライラしていることだろうと思って、自宅に戻ってから確認すると、新しいソフトウェアが公開されている。
早速ダウンロードしました。
次回はもう少しストレスが減ることを期待しています。
早速、主鏡洗浄の効果を確認したいところでしたが、うっすらとモヤのかかったシャキッとしない夜空でした。
作品を狙いに行く夜空ではないですが、少なくとも動作チェックはできるし、光軸調整ができているかの確認も行うことができます。
まずは子午線を越えたばかりのベテルギウスでピント合わせ。
バッチリです。
お次はf=1,200mm, F15のガイド鏡のピント合わせ。
同じくベテルギウスで。
最初のキャリブレーション
西の空だし、まあ、こんなものでしょうか。
子午線の西側、天の赤道付近での最初のガイド。
Periodic errorが見てとれます。
ガイドアシスタントの結果
おお、極軸のずれが観測されなかった!
バックラッシュもほとんどない!
写真は、というとこんな感じ。
EOS Ra
ISO 2500, 300 sec
四つ端の小さな星の伸び具合はほぼ均一になってます。
僕にとっては許容範囲。
今度、コマコレクターを使ってみようかな?
ガイドアシスタントで極軸のずれが観測されなかったので、遊び心でDECガイドをキャンセルしてみました。
4分半まで素晴らしい動作でしたが、何やらガクッとした動きがあったらしく、写真はブレ写真となりました。
何によるギャップなのか、現場を取り押さえれてませんが、この巨大赤道儀、時々こういうガクッとした動作をします。
撮影の大きな支障にはなっていないのですが、気になります。
この現象の原因、今後、究明できるかな?
場合によっては、こなれて自然に消滅してしまうかもしれません。
素敵な夜空を待ちたいと思います。
前回の記事の僕のつぶやき(「GPの分解整備ねぇ。時間の確保ができるかなぁ」)を耳に留めてくれた友人がおりまして、早速、やることになりました。
ほんと、感謝、感謝 (^_^)
ステッピングモーターを外します。
次にDECのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする六角ネジが2本ありますので、その2本を外します。
(その2本の六角ネジの間にあるイモネジは、ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせを緩くするためのイモネジです。)
次にウォームギアが入っているケースをDEC軸に固定している左右の六角ネジ2本を外します。
外すとウォームギアとウォームホイールが露出します。
ちょっとピンボケ写真ですが、RAでも同じものが出てきますので。
DECのウェイトシャフトを外して、その根元にある目盛環を抑えるねじ込みリングを外します。
目盛環を外したところ
DECのクランプを外します。
DECの軸がガタつかないように、ウェイトシャフト側にねじ込みリングがあります。
このねじ込みリング、弛まないようにイモネジがあります。
DEC軸のねじ込みリングには押さえのイモネジが1本ありますので、そのイモネジを緩めてから、ねじ込みリングを外します。
(RA軸のねじ込みリングは押さえのイモネジが3本あります。)
次にアリミゾを固定している六角ネジ2本を外します。
DECのアリミゾが外れるとウォームホイールが露出します。
DEC軸のウェイトシャフト側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。
DECのねじ込みリングが外れたところ。
DECのねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。
ウェイトシャフト側のねじ込みリングを外すとDECの軸とウォームホイールを引き出すことができます。
DEC軸が外れたところ。
DECのウォームホイールのウェイト側にプラスチックリングがあるので外します。
DECのウォームホイールを外します。
DECのウォームホイールのアリミゾ側にもプラスチックリングがあります。
DECのウォームホイールの両端にあるプラスチックリングは全く同じものであるようです。
DECの極軸窓が付いている部品をRAに固定している六角ネジ2本を外します。
DECの極軸窓がついた部品が外れたところ。
RAのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする2本の六角ネジを外します。
ウォームギアを入れたケースを固定している東側の六角ネジを外します。
ウォームギアを入れたケースを固定する西側の六角ネジを外します。
RAのウォームギアとそのケースが外れて、ウォームホイールが露出します。
極軸望遠鏡は捻れば外れます。
極軸望遠鏡を外すところ
極軸望遠鏡の目盛環を外します。
RAの極軸望遠鏡側を抑えるねじ込みリングが緩まないように3本のイモネジでRA軸に固定されています。その3本のイモネジを緩めます。
極軸望遠鏡側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。
ねじ込みリングが外れたところ。
DECと同様、ねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。
赤道儀の土台からRA軸を抜き取ります。
DECと同様、RAのウォームホイールの両端にプラスチックリングが付いています。
RAのウォームホイールを外します。
RAのウォームホイールの極軸窓側のプラスチックリングを外します。
パーツクリーナーで部品についた古くて硬くなったグリースを落としてゆきます。
綺麗になったパーツ
古い、硬くなったグリース。
これでは動きが渋かったわけです。
ウォームギアをケースから取り出すためには、まず端っこのナットを外します。
外したナットの付いていた黒い部品を手で回して外します。
ウォームギアが外れます。
ウォームギアの両端に金属のリングが付いてます。
分解したウォームギアとそのケースを並べたところ。
このセットはDECとRAで全く同じ部品が使われています。
あとはグリースアップして、逆の手順で組み立てればいいだけです。
ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせ調整だけ少しコツがいりますが、慣れの問題かと。
サクサクと組み上がったのですが、、、組み上げの過程でくるくるに回っていたDECもRAも、組み上がってしばらくしたら、固着して回転しなくなりました。
何が一体どうしたのか、さっぱり理解できませんでした。
どうも低温耐性のシリコングリースが柔らかすぎたようです。
シリコングリースが柔らかすぎて、赤緯軸、赤経軸を回転させているうちに濾し出されて、ウォームホイールが固着してしまったようです。
使ったのは、Shin-Etsu Silicon GREASE、信越化学工業 汎用シリコーングリース 低温潤滑用 です。
今更よくみると、「使用期限2024年9月」と書いてあります。
用途に「輸送機器」「音響機器の各種部品の軸受け」「ギヤ摺動部の潤滑」などと書いてあります。
苦労してRAとDECのウォームホイールを外しましたが、DECのウォームホイールに傷が付いてしまいました。
耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨して傷を消したのですが、組み上げようとしたらウォームホイールがハマらない。。。
なぜだかよくわかりませんでしたが、やむなく再度、耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨を行って、それでも入らず、もう一回、180→320→600→1000→1500と研磨を行ったところ、すっぽりと入るようになりました。
二度目は普段バイクの整備に使っている デイトナガレージの「万能グリース」を使用しました。
ステアリングヘッド、ホイール等のベアリング分に最適
回転部、軸受の他、潤滑を必要とする箇所に使用してください
と書いてある。
使用温度は-20℃〜120℃
今度はロックしませんでした。
グリースの種類がこんなに致命的に大事だとは存じませんでした。
良い勉強になりました。
仕事が終わってから出発。
到着は夜中になりました。
気温は氷点下6℃
関東平野とは違います。
すでに日を越している。
天文薄明が5時として、時間がない。
この状況でやりたいことがありました。
それは巨大ニュートンのガイド方法を変えることです。
今までほとんどオフアキでやってきました。
しかし、オフアキだとオフアキのプリズムの影が写り込むんです。
下の写真の底辺と上辺を比較してください。
底辺の真ん中に影が写り込んでいるのがわかると思います。
M33の撮影でこれが画像処理の足を引っ張るんです。
M33 の淡い腕がこの影にかかると非常に厄介。
今回は、オフアキをやめて、巨大ニュートンに乗っけてあるVixenの1200mm F15(口径80mm)のアクロマートをガイド鏡として、オートガイドを試みることにしました。
F15ですので暗い。
果たしてガイド星は見つかるのか?
実際にオートガイドできるのか?
ガイドカメラには、オフアキに使っていたASI 174MM miniを選びました。
1200mmですから元より視野が狭い上、暗い。
ガイドカメラとしてはセンサーが大きく、画素サイズも大きいASI 174MM miniが適任です。
日を越しているので東の空が暗い。
今宵は東の空に登ってきたM51、子持ち銀河を狙うことにしました。
いつものように子午線の付近、今回は東側、かつ天の赤道付近でキャリブレーションします。
この赤道儀が比較的得意な東の空なので、気持ちよく直交したグラフです。
(キャリブレーションステップ数が微妙ですが)
ガイドアシスタント。
1200mm F15とASI 174MM miniで、今回が初めてのガイドアシスタントなので、0.52、0.80という最小移動検知量が何を意味するのか、現時点で判断しかねます。
東の空なのでバックラッシュは(この赤道儀にしては)非常に小さい。
グラフを表示するまでもないでしょう。
PHD2のカメラの設定がOn Cameraで、赤道儀の姿勢がPHD2に送られていないので、M51に向けてから再度キャリブレーション。
キャリブレーションステップが理論値から大きく外れています。
オートガイドはまあ、許容範囲ということで。
露出時間3秒ですが、捉えられるガイド星の数が少ない。
視野が狭いし、暗いし、仕方がないのかもしれません。
もう少し露出時間を伸ばしても良いですが、改善はあまり期待できなさそう。
とりあえずガイド星をしっかり見つけてくれるだけでよしとしましょう。
でも、次回は露出時間6秒を試してみようかな?
空の状態によってはそれの方がうまくいくこともあるでしょう。
M51、子持ち銀河
ISO 6400, 300sec
20枚くらいコンポジットしたと思います。
なかなか良い写りをしてくれました。
が、まだノイジー
トリミング
撮影終盤、ガイド星を見失った時がありました。
ガイド星を見失った状態でしばらく放置して観察してみた結果がこれです。
綺麗に赤経方向にのみブレている。
ターゲットグラフを見る限り、極軸はほぼ完璧に調整されていると思って良さそう。
ならば次回、DECガイドをOFFにしてみるか?
それを試す価値があると思わせてくれるほど見事なグラフです。
赤経グラフはある程度の規則をもって上下しています。
Mの字状に見えます。
これがこの赤道儀のPeriodic Errorなのでしょう。
PHD2に内蔵されているマックスプランク研究所で発案されたPredictive Periodic Error Correction機能がこれを完璧に捉えてくれると嬉しいのですが、現実のオートガイドを見ていると、それほど頼りになるものではなさそう (^_^;)
あっという間に天文薄明になってしまいました。
毛布N warm super 4枚やシーツを一式、洗濯してきたので、気持ちよく眠りにつきました。
5時間ほど眠って、朝10時過ぎに起床。
今回のメインミッションは観測小屋の電気容量をアップすることです。
前回2024/01/06に望遠鏡3台を稼働させた上で電子レンジを使ったら、ブレーカーが落ちて望遠鏡3台のセットアップをやり直す羽目になったからです。
友人が来るとき、外で2-3台望遠鏡を出していますから、今後も同じ状況になることが予想されます。
電気容量アップの申し込み手続きはネット上でできました。
工事は平日でないとダメなので休みをもらいました。
午前11時過ぎに東京電力の作業員が来ました。
ブレーカーのカバーを外して、凝固しました。
携帯電話で会社に連絡をして「⚪︎⚪︎がひとつしかないんですが、容量アップできますか?」みたいなことを聞いています。
半世紀近く前のものですので、無理もない話だと思います。
幸いにして無事、容量アップできました。
ただし、20アンペアまで。
30アンペアにできないか聞いてみたのですが、電柱から小屋への配線が細すぎて、30アンペアにするためには工事が必要だそうです。
ブレーカーも交換しないとダメだとか。
今回はとりあえず20アンペアに容量アップできただけでよしとしました。
今まで、あまり深く考えずに電気を使ってました。
20アンペアで、電圧が100ボルトですから、2000Wまで使えることになります。
この際、どれくらい電気を使っているのか、調べてみました。
下の写真は冷蔵庫。
85Wであるようです。
500Wの電子レンジの動作電力が1000W
こたつが600W
冷蔵庫 85W
蛍光灯 38W
山善の床暖マット70W
電気毛布(広電) 55W、(山善)40W
合計1793W
これに赤道儀の消費電力や、レンズヒーターが加わるわけです。
意外と余裕がない。
というか、よく今まで1500Wでもっていたものだ。
1000Wも食う電子レンジが問題
電子レンジ以外は問題ない。
電子レンジを使わない選択?
ない、ない。
凍える夜に温かくて美味しいコンビニレンチンメニューは幸せ以外の何者でもないのです。
電気毛布は寝る時だけなのでよしとするとして、電子レンジを使う時はコタツを消さないと危ない。
巨大ニュートンをコントロールするパソコンの前に敷いてある床暖マットも消すべし。
とにかくめでたく電気容量をアップできて、最低限のミッションを完遂。
しかし、新月期なのだし、今夜は晴れる予報なのだし、撮影しない手はないでしょう。
しかし、翌朝8時から職場の待機当番なのです。
翌朝8時までに絶対に帰宅していないといけない
それでも日を越してから帰路につけば良いではないか。
今宵もしつこくM33から。
前回二晩とも不本意な出来だったので。
西の空のキャリブレーショングラフは相変わらずといった感じ。
最小移動検知量は昨夜より少し改善。
今宵の方が良い写真を撮れる可能性があるということ。
にしても・・・・backlash compensation値が420msec?!!
こんな小さな値、東の空でも出たことがあったかどうか。
Backlash results。
むっちゃ綺麗なグラフ。
こんなグラフを偶然であっても出せる実力があったのね。。。
しかし、じゃあなぜキャリブレーショングラフの直交エラーが大きいの???
わけわかりませんが、とにかく撮影に突入。
M33のオートガイドグラフはこんな感じ。
ご機嫌はなかなかよさそう。
オフアキをやめてみた成果はどうかというと、こんな感じ。
オフアキプリズムの影がない! (^_^)
気持ちいいです。
画像処理した結果がこれ
前回よりさらに悪くね?
そうなんです。
露出しすぎました。
ISO 6400、360秒露出
前回2024/01/05と2024/01/06の夜は、ISO 6400, 240秒露出でした。
いくらなんでも露出しすぎです。
安い液晶画面でみているので、時々こういうミスをする。
こんなミスはもう二度としたくない。
どうすればいいか。
露出をいろいろ変えて、ヒストグラムを比較すれば一番いい露出を決めることができる。
ヒストグラムをどうすれば表示できるか?
撮影に使っているのはWindows 10が入った古いmini PC。
Windows 10に標準搭載されているソフトに写真のヒストグラムを表示できるものはなさそう。
僕が知っている写真のヒストグラムを表示できるフリーソフトといえばCanonのDigital Photo Professionalくらいでしょうか。
重そうなので、果たしてこの古いパソコンで動くかどうか。
次回、試してみることとします。
この夜はさらにもう一つの挑戦をしていました。
友人のおすすめでNew Nikkor 200mm F4を入手しました。
New Nikkor 200mm F4 ?
知るはずもない。
1974年発売のレンズです。
リンクを参照してください → 第八十七夜 new Nikkor 200mm F4
EOSで使える200mm単焦点レンズって、実はほとんどないんですね。
あってもとても高い。
焦点距離200mmの望遠鏡はなお高い。
New Nikkor 200mm F4なら千円から手に入ります。
とりあえずお試しでヤフオクで¥1100で入手してみた次第です。
New Nikkor 200mm F4 + EOS 60Daを無銘の200mm F4のガイド鏡と並列同架してOnstep GPに載せました。
今宵のOnstep GPの機嫌は悪くなさそう。
まあ、こんなものでしょう。
GPの分解整備ねぇ。
時間の確保ができるかなぁ。
成果。
ISO 1600, 300 sec
F4開放で撮影しました。
20枚以上コンポジットしたと思います。
初めての画角。
楽しい (^_^)
次回はISO 3200に上げて、F5.6かF8まで絞ってみようかな?
この夜は、機材の動作が安定していたので、リモートデスクトップで、こたつの中から全てを把握できたので、比較的楽な撮影ができました。
今回はちゃんと日を越す前に撤収作業に入りました。
AM 1:15に小屋を出発。
セブンイレブンで、セブンスイーツの「とろけるティラミス」を食べて気合を入れました。
AM 3:31 自宅到着。
荷物の片付けをしていたら、子どもが部活の試合で遠征するために早起きしてきたので、家族で朝飯を食べることができました。
流石に二日間連続だったので、昼過ぎまで目が覚めませんでした。
職場からの呼び出しがなかったのが本当に幸いでした。
何かとうまくいきませんが、この失敗を今後に活かそうと思ってます。
昨夜はたくさん失敗を犯しました。
今夜こそスムーズな撮影がしたい。
昨夜不発のVixen GP+EVOSTAR72EDⅡに加えて、日中のうちにEQ6proにBLANCA-130EDTを乗せてセットアップしておきました。
つまり、巨大ニュートンと合わせて、3台の赤道儀を同時に扱おうという作戦です。
初めての作戦になります。
巨大ニュートンと他2台は20mほど離れているし、靴を履いて小屋からでる必要があります。
GP+EVOSTAR72EDⅡはリモートデスクトップでコントロールしましたが、EQ6pro+BLANCA-130EDTは現場のノートパソコンでコントロールしました。
やっていて頭が混乱しないか、ちょっと心配でした。
RAW撮影する場合、ノイズがひどいので、画像処理をする上でどうしても枚数が必要になります。
今までのように、一晩のうちに、一つの望遠鏡で次々と被写体を変えてゆく撮影方法ではダメです。
望遠鏡1台あたり、一晩に撮影する被写体を絞り込んで、枚数を稼ぐ必要がある。
あまり複雑なことは考えたくなかったので、巨大ニュートンはこの夜もM33三角座銀河を狙わせました。
手順は基本的に昨夜と同じです。
子午線の西側、天の赤道付近でキャリブレーション。
なかなかよし
そのまましばらくオートガイドさせます。
オートガイドのグラフの振れ幅が大きい。
振れ幅が大きいが上下均一に振れているので、今思うと、露出時間を6秒にすべきだったのでしょう。
シンチレーションが悪くて、ガイド星がゆらゆら揺れて、PHD2が振り回されていたのでしょうから。
ガイドアシスタントで赤道儀の動作と夜空の解析。
うーむ、最小移動検知量の値が非常に大きい。
この夜のシンチレーションは悪いようです。
ガイド星が画面の端っこすぎてバックラッシュが測定できないとの表示が出ました。
バックラッシュはだいたい見当がつくので、この夜は先を急ぎました。
子午線を超えてきたM33に巨大ニュートンを向けてキャリブレーション
よくはないが、最悪ではない
オートガイドはこんな感じ。
露出時間は4秒にしました。
シンチレーションの割に、頑張っているのではないでしょうか。
昨日より枚数を稼いだはずなのに、写りが劣ります。
カメラはいつものEOS Ra
シンチレーションに敗北。
こういう夜は巨大ニュートンを諦めて、巨大ニュートンの背中に乗せてあるBKP130で撮影すべきなのでしょう。
あまりに写りが悪いのでちょっと気分を変えて北のM81を狙ってみました。
疲れていたのか、guideグラフを記録するのを忘れました。
写りの良い写真だけセレクトしてコンポジットしたので、少し満足できる写りになりました。
お次はEVOSTAR72EDⅡ。
昨夜不発だっただけに頑張って欲しいところ。
まずは木星でピント合わせ。
200mm F4のガイドスコープに取り付けたStarlight Xpress LodeStarのピント合わせ
キャリブレーション
ガイドアシスタント
赤緯軸のバックラッシュはかなり大きい模様
しかし、やはりEVOSTAR72EDⅡにレデューサーをつけて焦点距離357mmですので、シンチレーションには強そうな印象。
まだまだ使い始めたばかりで、過去のデータと写真の積み重ねがないので、なんとも言えませんが。
バックラッシュのグラフ
EVOSTAR72EDⅡで何を狙おうかと空を見回したのですが、雲が出てきてしまって被写体選びに困りました。
オリオン大星雲を撮らせたのがこれ。
カメラはEOS 60Daです
だいぶ西に傾いてしまったM31は結局1枚しか撮れませんでした。
結局、EVOSTAR72EDⅡはこの夜も不発に終わったのでした。
EQ6pro+Kasai BLANCA-130EDT+Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサー
昼間のうちにピントを大まかに合わせようとしたら、なんと、Kenko Close-up lens No.4で自作レデューサーを使うと接眼部を伸ばし切ってもピントが合わない!
ピントが合うためにあと1mm足りませんでした。
延長筒を使ってことなきを得ました。
ガイドカメラには昨夜、給電が追いつかず動作しなかったASI290MM miniを使用。
今回はちゃんとUSBハブに給電したので動作しました。
子午線の東側、天の赤道付近のEQ6proのキャリブレーション
天の赤道付近でのオートガイド
焦点距離700mmくらい(?)ですが、それでもグラフが暴れています。
グラフの縦軸のスケールをいつもの2秒にできない。。。
ターゲット表示でも的を絞れていない感じ。
均一にバラけているので、オートガイド自体は正常動作している印象
ガイドアシスタント
「極軸が大きくずれているので、修正せよ。」
はて?PoleMasterで極軸を合わせたのですが?
このあと再度、極軸をPoleMasterで調整したのでした。
EQ6proの極軸窓、加工がちょっと雑なんです。
若干、アダプターが微妙に浮く箇所があって、しっくりこない。
やはりこういう結果になるんですね。。。
「ガイドカメラのピントをしっかり合わせましょう!」
バーティノフマスクを使ってピントを合わせてるんですけど・・・。
つまり、バーティノフマスクでピントを合わせてあっても、星像がまとまらないほどシンチレーションが悪いということでしょうか。
一応、再度バーティノフマスクを使って、ピント出しをしたのでした。
バックラッシュグラフは合格点
まあ、東の空ですから。
でも、なんとなくグラフの線がフニャフニャなのが気になる。
というわけで、極軸を再度合わせたり、ガイド鏡のピントを再度調整したりしているうちに、随分時間を失ってしまいました。
結局、M81+M82を狙わせました。
雲が微妙にあって、それくらいしか狙えるものがなかったというのが正直なところです。
結果はこれ
レデューサー、つけるべきではなかったです。
普通に撮影すべきでした。
使ったカメラはEOS 6Dですが、BLANCA-130EDTに自作レデューサーをつけると蹴られますね。
延長筒が必要だし、蹴られるし、フルサイズで撮影するのであれば、Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサは使う価値はないというのが結論でしょうか。
ほんの少しトリミングをしたのがこれ。
それでも小さい。
23時過ぎには雨がパラつきました。
粘りましたが、2時過ぎには雲がたくさん出てきてしまって、撤収を余儀なくされました。
雲が流れていて空の状態が安定しなかっただけでも大変だったのですが、実は、今宵のメインイベントというか、一番大きな事件は21:55に起きました。
やっとこさ、3台とも撮影が軌道に乗ったことを確認し、少し遅い夕飯を食べようと、電子レンジを使ったその時です。
ブレーカーが落ちました。
全て吹っ飛んだとは申しませんが、キャリブレーション当たりからやり直しでした。
これはたまらん。
今まで小屋の電気は15Aの契約でしたが、20Aに増やそうと決意した瞬間でした。。。
新しいことを始めるにあたり、これでもかというくらい、トラブルに見舞われまくってます。
めげずに頑張るつもりです。
帰り際、近所の神社に立ち寄りました。
今年は良い写真がたくさん撮れますように
正月休みも終盤です。
17:30頃、小屋に到着。
赤道儀コントロール用のパソコンのモニターの向きを変えたら、急に何も映らなくなりました。
焦りました。
モニターの接続ケーブルを抜き差ししたり、電源を入れ直したりしているうちに10分ほどでモニターが復帰。
原因はわかりませんが、近い将来、本格的に故障することを想定しなければならないでしょう。
モニターがなければ何もできません。
今回、復帰してくれたから良かったですが、復帰しなかったらどうすべきだったか。
いくつか選択肢があります。
一つは、今回持ってきたmini PC用の携行型モニターを使うこと。
次に、リモートデスクトップで手持ちのiPhoneかiPadをモニターがわりに使うこと。
(ただし、これを最初からやるためには、パソコンが起動とともにWi-Fiに接続するように予め設定しておかなければなりません)
気を取り直して作業を進めます。
まずは明るく輝いている木星でピント合わせです。
手作りしたバーティノフマスクが毎回大活躍
次に望遠鏡を西の空に向けてから天の赤道と子午線付近でキャリブレーション。
なぜ西の空かというと、暗くなって早い時間帯は東の空は街明かりの影響で使えない。
西の空もまだある程度明るいのですが、撮影するなら天頂から西の空と、この望遠鏡では相場が決まっているのです。
キャリブレーション結果で「RAとDECが直交しないよ」との表示が。
よくある原因として、以下の三つの原因を挙げている。
・極軸が大きく外れている
・DECの大きなバックラッシュ
・RAの大きなperiodic error
この巨大ニュートンの赤道儀、西の空でバックラッシュが大きいので、こういう結果になるのはある程度許容しないといけない。
オートガイドを続けているうちにバックラッシュがなくなって、一方向ガイドに落ち着くので、それを待ってから撮影開始です。
が、やはり気持ちのいいグラフではないので、あと2回、キャリブレーションをやり直しました。
キャリブレーションが終わったらそのままガイドアシスタントを起動してPHD2に赤道儀の挙動と夜空のシンチレーションの状態を認識させます。
最小移動検知量が比較的小さい値なので、シンチレーションは悪くない。
Backlash compensationが適応される範囲に収まっているので、今夜のこの赤道儀の調子は悪くない。
バックラッシュグラフ
西の空なんで、これでもいい方なんです。
巨大ニュートンのこの夜の狙いはもう少しで天頂付近で子午線を超えてくるM33にしました。
M33三角座銀河、RAWで撮影するのは初めてのことになります。
M33に向けてからPHD2でキャリブレーションした結果がこれ。
今夜、西の空に向けた赤道儀のご機嫌は良いようです。
ガイドグラフはこんな感じ
M33 三角座銀河
ISO 6400、240秒、20枚コンポジット
RAWだと比較的細部が残りますが、20枚程度ではノイジーな画像になりますね。
今までJPEGだったので8枚以上コンポジットするメリットをあまり感じずにここまできましたが、20枚でこれだけノイジーとなると、一体何枚コンポジットすればいいんだろう?
本当はもっと撮影できていたはずだったのですが、Star Trail撮影に行ったり、GP赤道儀のセットアップに離れていた間に巨大赤道儀のウェイトが脚立に当たってて、ブレブレ写真を4-5枚撮ってました。
脚立が押されてくれていたからよかったけど、脚立が壁とかに押し付けられて、動けない状態になっていたら赤道儀が壊れていたかもしれなかったので、焦りました。
M33を撮影する合間に八ヶ岳一望スポットでStar Trail撮影開始。
21:59にセットしましたが、月の出が0:26に迫っており、今夜はあまり長い時間はできないかもしれません。
23:18からM1 カニ星雲を狙います。
しかし、シンチレーションが悪化して、写った星がボヤボヤすぎて、このまま撮り続けるべきか悩みました。
ISO 6400, 240sec、10枚コンポジット
やはりぼやぼやで、カニ星雲の赤い雷みたいな線がほとんど見えませんでした。
しかも、GP赤道儀のセットアップに離れている間にガイド星を見失い、1時間くらい、ブレた写真の山を作っていたという。。。
M33とM1撮影中に、Onstep化したGPとEVOSTAR72EDⅡのセットアップにかかってました。
これが難渋した。
なぜか赤緯軸が動かない。
モーター自体はウィンウィン動こうとして、タイミングベルトがプルプルするが、赤緯軸の動作に至らない。
寒さでグリースが硬くなりすぎたか?
あれこれいじっていたら、結局、配線の接触不良だった。
手作りOnstep GPは配線の接続部が緩みやすいので、要注意です。
Onstep GPの動作が戻ったことで、撮影をしようかと思ったら、今度はガイドカメラのASI 290MM miniがうんともすんとも言わない。
故障か?!
結構高価なカメラだからショックです。
やむなく手持ちにStarlight Xpress LodeStarに切り替えました。
LodeStarは問題なく使えそうでした。
写真は、M42付近でLodeStarのピントを合わせた時の画像です。
撮影を開始しようかと思ったら、、、明るい月が高くなってました。。。
この夜は、Onstep GP + EVOSTAR72EDⅡは成果ゼロ
八ヶ岳一望スポットにEOS 6D + SAMYANG 14mmを回収しに行きます。
レンズを触ると暖かい。
レンズヒーターが暑過ぎる。
こんなに暖かくなくて良い。
次回はレンズヒーターの温度を「低」に設定しよう。
レンズヒーターに使っていた大きめなモバイルバッテリーMPB-32000の残量表示が2%!
EOS 6D用に使っていた大きいモバイルバッテリーMPB-52800の方は寒さにやられて液晶画面が死んでました。
でも、とりあえず撮影は継続できていたよう。
その成果がこれ。
部屋に戻ってからASI290MM miniをノートパソコンに接続してみると動作する。
ホッとしました。
何が問題だったのか。
おそらく給電が追いつかなかったのでしょう。
そういえば撮影カメラEOS 60Da、Onstep、ASI290MM miniを繋いだUSBハブ、給電式を使ってなかった。。。
つまり、こういうことです。
Q「なぜUSBハブにACアダプタがついているの?」
A「USB機器が電力不足で動作しない場合があるからです」
ASI290MM miniの消費電力はLodeStarよりずいぶん大きいということでもあります。
この夜はトラブル続きでまともな撮影ができず。
一つ一つの経験から学び、次に活かしたいと思います。
2023/12/17にPoleMasterを初めてVixen GPで使いました。
友人の友人が野辺山宇宙電波観測所の近くに天体観測小屋を入手したという。
友だちの友だちはお友だち、ということで行ってきました。
野辺山は標高1340m前後。
ぶっちゃけ、僕が過去に天体観測した地点で、麦草峠と那須岳の峠の茶屋駐車場を除く全てを凌駕する標高です。
僕の天体観測小屋に至っては標高600mなので比較になりません。
空の青さが違う。
野辺山宇宙電波観測所の45mパラボナアンテナが八ヶ岳を背景に見えます。
野辺山宇宙電波観測所、僕が高校生の地学部の時に見にきたのが初めてのことでした。
まさかこんな形で再び縁ができようとは。
JAXA 臼田宇宙空間観測所に第一線は譲ったのかもしれませんが、見るたびにパラボナアンテナの向きが変わっており、まだまだ現役のようです。
友人の友人の観測小屋はスライディングルーフ小屋と、宿泊小屋の組み合わせ。
素敵です。
入手したばかりで、宿泊小屋とスライディングルーフ小屋の間をLANケーブルで結んだり、邪魔な木を切り倒したりと本格稼働の準備がどんどん整ってきているところでした。
標高が高いのはいいことなのですが、厳しい環境でもあります。
16:33の気温が氷点下3度でした。
真夜中には氷点下10度を下回ることを覚悟しないといけない。
今回はフル装備で臨みました。
5年ぶりくらいに白金カイロも持ってゆきました。
案の定、寒い!
夜になると車が凍りつきました。
この夜は氷点下10度には至りませんでしたが、氷点下8度まで下がりました。
幸にしてこの夜の天体撮影の大半は、休憩小屋の中からできました。
15年前まで借家アパートで使っていた古いWi-Fiルーターを持ってきてリモートデスクトップで撮影したためです。
ただし、外においたノートパソコンに霜が降りて、画面の動作が少しおかしくなりました。
ノートパソコンに死なれると痛すぎる。
この経験、次回に生かす予定です。
今回僕が持ち込んだ機材はonstep化したGP赤道儀と中古で入手したEVOSTAR72EDⅡ。
GP赤道儀を中古で入手して、1年半前にOnstep化したにも関わらず、ほとんど使えてませんでした。
唯一使ったのが西村彗星の時でしょうか。
作ったからには使い込んであげないと。
僕としてはかなり珍しいことに明るいうちにセットアップできたので、月を撮影してみました。
EVOSTAR72EDⅡの焦点距離は420mm(F5.8)
それに0.85倍レデューサーをつけて357mm(F4.9)。
カメラがEOS 60Daなので1.6倍して、571mm相当の画角になります。
月がずいぶん小さいです。
こんなに焦点距離が短い望遠鏡は初めてなので、新鮮です。
風が強かったこともあり、シャープさに欠けます。
暗くなって最初に狙ったのがスバル M45
EOS 60Da
ISO 3200、300秒、8枚コンポジット
うっかりしてて、JPEG撮影
画面右の星が若干楕円形になってます。
スケアリングの問題かと。
トリミングしたのがこれ。
EOS 60Da、やはりノイズが多いですね。
M45のオートガイド
東の空です。
うーむ、ひどい。
縦軸2秒ではグラフが場外へはみ出してしまいます。
しかし、こんなもんで星がしっかり丸く映るんですね。
短い焦点の望遠鏡って、そんなものなのでしょうか。
今まで超・長焦点でのオートガイドで散々苦労してきた身には驚きでした。
適当に撮っても、割とまともに写ることが確認できましたが、やはりここは焦らず基本に立ち返って、PHD2のガイドアシスタントでGP赤道儀の動作解析を行うことにしました。
その結果がこれ。
なに・・・バックラッシュ測定、頓挫?
ガイド鏡の焦点合わせ、最善を尽くしたつもりなのですが。。。
なんてこったい。
赤緯軸のオートガイドは実質的に一方向ガイドですな。
南北どちらの方向に一方向ガイドすればいいのか、PHD2が表示してくれない。
こんなんで星がよく丸く写るもんです。
なぜだろう?
お次に撮影したのはM42
ISO 3200、180秒、8枚コンポジット
これもうっかりJPEG撮影。
画面右の星が流れているのはスケアリングの問題なので、ご容赦。
スケアリング、多分、カメラ回転装置の問題です。
M4ネジを手で回して固定するだけですし、そのネジが細くてあまり力をこめて回せない。
この夜の結果を受けて、カメラ回転装置は今後、使わない方針となったのでした。
この写野は新鮮です。
オリオン大星雲の周囲に広くガスが広がっているのがうっすらと確認できます。
次回はもう少し露出して、周囲のガスを炙り出したいです。
お次は馬頭星雲と燃える木
ISO 3200、300秒、8枚コンポジット
RAW撮影
これまたこの画角は新鮮です。
60Da、やはりノイズが目立つので、次回はRaで撮影してみたいです。
画面左上の星の青い滲みはなんだろう?
お次はバラ星雲
ISO 3200、360秒、8枚コンポジット
RAW撮影。
星の密度がすごいですね。
この夜は写したい対象が東の空に多かったのですが、GPの動作チェックを西の空でもやりたい。
西の空、子午線付近、天の赤道付近でガイドアシスタントを起動しました。
うーむ、バックラッシュ測定、またしても失敗。
これで、東の空でも西の空でもバックラッシュが大きすぎるとの結果になりました。
このパターンは初めてのことです。
今まで僕が経験してきたのは、「東の空はバックラッシュ測定がうまく行くのに、西の空でバックラッシュが大きい」というものでした。
これは、、、どうしたらいいのでしょう?
というか、GPも分解整備しないとダメ?
面倒くさいなぁ。
何はともあれ、この状態で果たして西の空で星は丸く映るのだろうか?
それが問題だ。
というわけで、西の空に入ってきたM78にEVOSTAR72EDⅡを向けてみました。
オートガイドのグラフがこれ。
完全なる一方向(南方向)ガイドですな。
M78
ISO 3200、360秒
一応、星が丸く写ってます。
オートガイドができているということです。
GP赤道儀、バックラッシュがとても大きな個体を掴んだようです。
星は丸く写るよう。
でもこれ、今回、極軸がよく合っていたことが良いことをしてくれていたことは間違いないでしょう。
ガイドアシスタントの解析結果で東の空では>2.1分角、西の空では>0.8分角
これもまた悩ましい測定結果で、東西の空で極軸のズレが変わってくることをどう解釈すれば良いのか。
PHD2のガイドアシスタントの限界?
それとも望遠鏡を大きく振ると極軸がズレる?
いずれにせよ、GP赤道儀を実践投入できて、しかも、オートガイドが使えるレベルであることが確認できた記念すべき夜となりました。
今回がPoleMasterの初陣でした。
中古で入手したものです。
使いやすいです。
が、またしても予期せぬドタバタ劇が待ってました。
それは記事を改めて書こうかと思います。
野辺山、風が強いです。
吹きっさらしな感じです。
夜、布団の中にいて、台風かと思うような風の音でした。
あと、スキー場の明かりが邪魔をしてくれます。
野辺山は雪があまり降らないので、夜通し人工雪を撒いて整備しているようです。
小屋の前はだだっ広い畑なのですが、1kmとか先のLED街灯が意外なほど眩しい。
望遠鏡にフードをつけた方がいいかもしれません。
この夜は空が良くなかった。
M78の写真は撮って出しなのでわかりやすいかと思います。
それでも、野辺山に観測地点ができてくれてうれしい限りです。
氷点下の環境で電気が使いたい放題、暖かい小屋があって、ストーブとこたつに当たりながら天体撮影ができるのは最高です。
しかも、24時間営業のコンビニやホームセンターが車で10分以内にある標高1350mなんて、全国探しても他にないんじゃないかな?
これであとは温泉があれば最高ですが、そこは求めすぎということで。
今後が楽しみです。