猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

猫五郎の、ニュートン式望遠鏡の光軸調整についての記事へのリンク

2024-04-28 20:59:27 | 天体望遠鏡
光軸調整を行う際、自分で書いた過去のブログ記事を参考にしたいのですが、バラバラに書いているので、なかなか目的の記事に辿り着かない。

ので、自分のために、自分が書いた光軸調整に関する記事へのリンクを作ってみました。

猫五郎個人の経験のみですが、他の方の参考にもなればと思います。











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BKP130の改造と光軸調整 (頭の中が無茶苦茶こんがらがる内容です)

2024-04-27 21:23:00 | 天体望遠鏡
2024/03/16 にBKP130にIRフィルター改造EOS 70Dをつけて、ホワイトバランス探しをしながらオリオン大星雲を撮影しました。
そして、BKP130の星の写りがおかしいことを改めて認識しました。
光条の分布が不均一です。

これは、撮影時にBKP130の接眼筒が鏡筒内に大きく飛び出ているためです。
下は2023/11/18の写真ですが、これをみる(写真の左上側)と、鏡筒内に接眼筒が飛び出ているのが写り込んでいます。
なぜ天体望遠鏡メーカーであるSky-Watcherがこんな設計にしたのか。
多分ですが、眼視を前提に設計したものと思われます。
一眼レフカメラのセンサーは、接眼筒の末端からフランジバックの分、遠くなります。
眼視ではフランジバックがないので、接眼筒をフランジバックの分、引き出す必要があり、接眼筒が鏡筒内に残らないのだと思います。
上の考察は、眼視の際に用いるアイピースの幅がどう効いてくるのか、考慮してませんが。。。

「BKP130 改造」とか検索すると、この手の情報が大量に出てきます。
それを参考に、僕も接眼筒を切断して、黒く塗装することにしました。

接眼筒の切断幅は、YouTubeを参考にビニールテープの幅としました。

アルミの筒を切断するのですから、ちょっと力仕事になるかと思ってました。
作業台に固定して、金鋸で切断してみると、意外や意外。
10分以内に切断することができました。
これでBKP130鏡筒内に接眼筒の先端が飛び出る問題は解決するわけですが、接眼筒の外側、見ての通り、キラキラの銀色です。
これでは星の光が乱反射してしまう。
Sky-Watcher、なぜ接眼筒の外側を黒く塗ってないのか?
やはり眼視を前提に設計しているのかなぁ。
眼視ならおそらく、影響しないでしょう。
光条がどうのとうるさいのは撮影派だけなんでしょうね。
(★★★2024/07/02追記。切り足りなかったです。焦点を合わせた位置で、まだ接眼筒の先端が鏡筒内に目立ちました。やむなく後日、5mm切り足しました。猫五郎は合計で26mmほど接眼筒の先端を切断しました。)

黒く塗装。
手元にあった油性塗料を用いました。
艶消し塗料がベストですが、実際に写真の写りで見分けはつかないんじゃないかなぁと思ってます。


カメラの焦点が合う位置は大体ですが、接眼筒を1cmほど引き抜いたあたりになります。
その位置にすると、この通り、接眼筒が鏡筒内にほとんど出なくなりました。

さてさて、ここからは光軸調整のお話です。

まず最初に、OCAL electric collimatorをご存知ない方のために。

OCAL electronic collimatorでは、
・ソフトウェアが表示する黄緑色の円と、接眼筒の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示する赤い円と、斜鏡の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示する青い円と、斜鏡に映った主鏡の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示するピンク色の十字の交点と、主鏡の中心を合致させます。

OCAL electronic collimatorでは、上記を満たすと光軸が合うことになっています。

別の言い方をすると、
・接眼筒の輪郭の円
斜鏡の輪郭の円
斜鏡に映った主鏡の輪郭の円
これら3つの円が同心円になれば、光軸が合っている、ということです。


2023/11/18にBKP130の光軸調整を行いましたが、そのときは不完全に終わり、若干心残りでした。
参考までに、その時の光軸調整結果の写真を再掲します。
このときは、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が(斜鏡に映った)主鏡に映った斜鏡の中心に来ていないことが気になりました。
また、この写真から、接眼筒が鏡筒内に大きく飛び出て写っているのがわかると思います。
(もしかしたらこのときはカメラのピントが合う位置に接眼筒を調整せずに光軸調整をしていたのかもしれませんが。。。)


さてさて、光軸調整の始まりです。
スタート地点。
つまり、調整前の状態です。
接眼筒が見えないのがうれしい (^-^)
ん?すでに光軸が結構ズレている?
いや、おそらく前回光軸調整をしたとき、接眼筒をピントが合う位置に引き出していなかったのでしょう。



これが光軸調整し終わったところ。
結局、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が、主鏡に映った斜鏡の中心に写っていない
斜鏡の中で、(この写真で)下側に目一杯寄っている。
これでは前回とほとんど同じではないか。
そこで、やり直すことにしました。
この写真の下側が斜鏡の接眼部に近い側なので、主鏡に写った斜鏡の中心に赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が移動するためには、おそらく、斜鏡の引ネジをもっと引けば良いのではないかと考えました。

斜鏡の引ネジを締める方向(時計回り)に回して、斜鏡をスパイダーの近くまで寄せてから再度、光軸調整を行なったのが、これ。
ほとんど変わらんではないか!
じゃぁ、僕の考えが間違っていたのかもしれない。
斜鏡の引ネジを緩めて(反時計回りに回して)、斜鏡をスパイダーから大きく離してみたらどうなるか。

斜鏡の引ネジを緩めて、斜鏡をスパイダーからかなり離してみました。
引ネジを緩めすぎて、斜鏡が主鏡に落下しないか気をつけながら行いました。
その状態で光軸調整を行なった結果が、下の写真です。
どうやっても光軸が合いませんでした。
そもそも、斜鏡の輪郭と赤い円(赤いカメラではない)がどうやっても一致しない。
ただし、僕が予想した通り、斜鏡の引ネジを緩めると、主鏡の中に映った斜鏡の中で、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が上側に移動しました。


今度は逆に、斜鏡がスパイダーに接するまで引ネジを目一杯締め上げてみることにしました。
が、念には念を入れて、引ネジを締め上げて斜鏡を引き上げ切る途中で、もう一度止めて、中途半端な位置で再度光軸調整を試みました。
その写真がこれ。
赤いカメラが主鏡に映った斜鏡の中で、より中心に移動してきたのがわかります。
が、これ以上、光軸調整ができませんでした。
これでは、主鏡の輪郭と青い円が全く重なっておらず、ダメダメです。
ので、この位置もハズレだったということです。



斜鏡がスパイダーにくっつくまで引ネジを締め上げた時の写真です。
斜鏡の輪郭と赤い円がほぼ一致しています。
これなら光軸調整がやりやすい。
ただし、斜鏡がスパイダーに押し当たったままでは斜鏡の押しネジを使った光軸調整ができないです。
なので、ほんの少し引ネジを緩めて、押しネジで光軸調整を行うことにしました。

斜鏡の光軸調整後。
依然、主鏡に映った斜鏡の中で、赤いカメラが下側に偏っています。
なお、斜鏡をこの位置に固定すべく、引ネジを強く締めたら、スパイダーが歪んで光軸がまたズレました。
斜鏡を手で持ってひねり、スパイダーの歪みを修正しました。

最後に、主鏡の引ねじを使って、カメラの中心がピンクの十字の中心に来るように調整して終了です。

なお、主鏡の中心円を示すドーナツ状のシールと、ピンク色の十字の中心が若干ズレているのがわかりますか?
ピンク色の十字の交点は、主鏡の輪郭を示す青い円の中心と一致します。
つまり、主鏡の中心円のシールの位置がズレているということです。
主鏡の中心円のシールはメーカーが貼付したものだったと思います。
自分で貼り付けた記憶がないです。
このサイズの円のシール、僕は持ってないと思いますし。。。
なお、OCAL electronic collimatorのマニュアルには、こんなことが書いてあります。

You will find that the centre of the primary mirror (usually marked by a ‘donut' sticker or other mark) is also now perfectly aligned with the camera lens. 
If it is not, it is probably that the ‘donut' sticker is not precisely in the centre of your primary mirror (see Appendix B).

つまり、主鏡の中心円がズレていることは、よくあることなんですかね???



結局、接眼部差し込んだ赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が、主鏡に映った斜鏡の中心に来ない。。。
これでいいのだろうか??

斜鏡の引ネジをうまく調整すれば、赤いカメラを主鏡に映った斜鏡の中心に持ってくることは可能でしょう。
しかし、それだと斜鏡の輪郭と赤い円がズレる。
主鏡と青い円もおそらく重ならないでしょう。

ふと、自分の過去の記事を思い出しました。
そうだった。
主鏡に映った斜鏡の輪郭は、主鏡の輪郭同心円にならないのが正解でした。
斜鏡がオフセットされている、つまり、中心からズレた位置にあるためです。
斜鏡の断面は円ですが、主鏡の中心からズレた位置に配置されているので、同心円になりません。
よくよく見直すと、OCAL electronic collimatorのマニュアルに載っている写真でもそうなってました (-_-;)


また、斜鏡に映る赤いカメラの中心は、主鏡(青い円)の中心に来るべきなのです。
(下の図では、「接眼筒の輪郭の円」と「光軸修正アイピースの先端円」と光軸修正アイピースの反射鏡」は同心円になる)



赤いカメラが斜鏡の輪郭ギリギリまで寄ってしまうのは、赤いカメラが接眼筒の面積全てを占めているから、つまり、大きいからでしょう。
フルサイズセンサーは赤いカメラ(OCAL electronic collimator)よりもかなり小さいので、問題ないでしょう。
ですが、この小さな斜鏡とあっては、フルサイズセンサーではケラれないとしても、周辺減光が厳しく、現実的にはAPS-Cで撮影することになるのではないでしょうか。


ここで話しがおしまい、とはなりませんでした。
オマケがついてきました。


昼飯時だし、これで一旦終了しようかと思って、BKP130を持ち上げて横に抱えたときです。
青い円を見てください!!
(映っているのは、壁にかけてあったポリ袋です)
暗くて見えづらいかとは思いますが、主鏡の輪郭と青い円がズレたのがわかるでしょうか?
つまり、鏡筒を持ち上げたことで、鏡筒が歪み、光軸がズレたことを意味します。
これを、些細なズレとするか、問題であるとするか。。。悩ましいところです。

BKP130を光軸調整していた時の状態に戻した時の写真です。
主鏡の輪郭と青い円が再び一致しました。



うーむ、つまり、ニュートンの光軸調整は、撮影する時と同じ状態で行わないとダメだということですね。。。
今回は、BKP130を赤道儀から下ろし、鏡筒バンドを外した状態で光軸調整を行いましたが、鏡筒バンドで締め上げたら、光軸が変化するということです。

GINJI-250FNで、望遠鏡の向きを変えただけで光軸がズレることを経験で知っています。
GINJI-250FNの光軸の実際 参照してください
GINJI-250FNは鏡筒の強度に対して、主鏡がやらた重いので仕方がないかと思ってました。

BKP130は軽い筒なので、そういう心配はあまりしないでいいのかな、と勝手に思い込んでました。
が、幻想でした。

ニュートン式望遠鏡は、やはり鏡筒の強度が大きな問題ですね。
カーボン鏡筒にしたいですが、、、高額です。




あぁ、今日も家に持ち帰った仕事が一つも進まなかった。。。

2024/07/31追記
未だ、光軸調整を極められたと思ったことは一度もありません。
猫五郎の光軸調整のその後の軌跡をリンクにまとめました。
コメント (5)
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2024/04/12 山梨 夜桜 M90, M109、巨大ニュートンは光軸調整が必要

2024-04-14 17:44:24 | 天体観測
2024/04/06(Sat)の山梨は曇りと雨でした。
友人たち4人(僕を合わせて5人)で観測を予定していましたが、涙を飲みました。

次の土曜日(2024/04/13)は、僕が仕事(呼出当番)です。
代休とかありません。
2024/04/13の朝8時から仕事。

つまり、土曜日の未明までは自由(物は言いよう)

行ってまいりました。

埼玉では桜の満開が過ぎつつある状況。
山梨はどうでしょうか。
標高が高い分だけ開花が遅れるとするなら、今が最盛期ではないかと期待。


まずは巨大ニュートンでの撮影を安定させること。
巨大ニュートンでの自動連続撮影が軌道に乗れば、あとは自由に動けるので、夜桜星景撮影に行けます。

ただ、今の時期は、赤道儀での放置自動撮影するには微妙なんです。

狙うなら今が花の北斗七星周囲の銀河群か、乙女座銀河群
いずれも23時過ぎに子午線にかかってしまいます。
夜空が十分に暗くなった22時過ぎに撮影を開始したら、長時間撮影ができない。

西の空で迎撃するとして、被写体が子午線を超えてくるまで何もしないのは貴重な時間がもったいない。

夜桜星景から始めれば良くね?

早い時間は、もしかしたら桜並木にまだ人がいるかもしれない。
EOS 6D+SAMYANG XP14mm 合計20万円越えの機材を放置プレーして、持って行かれたら泣きます orz
だから、夜の浅い時間に行きたくない。

それに、夜桜星景写真は初めての領域なので、手こずって時間を取られると、巨大ニュートンの撮影が中途半端になってしまう可能性があります。

まずは巨大ニュートンを起動させ、試運転も兼ねて東の空で試し撮りして、本命が西の空に入ったところで自動連続撮影を軌道に乗せ、そこから夜桜撮影という段取りにしました。

東の空にあり、じゃじゃ馬 巨大ニュートンの試運転に向いた被写体。
やはり北斗七星付近が良いでしょう。
比較的大きくて形が良い銀河。
M109にしました。

巨大ニュートンとガイド鏡VIXEN 1200mm F15のピントだけバーティノフマスクで合わせてから、時間が惜しいので、天の赤道付近でのキャリブレーションをせず、当然、夜空解析(ガイドアシスタント)もすっ飛ばし、ぶっつけ本番でM109のオートガイド開始。

それでも星の動きが最も少ない天の北極付近ですので、この通り、この赤道儀にしては最高レベルのオートガイドをしてくれました。
ターゲットグラフの中心にガイド星が集中しているし、この精度の高さならガイドグラフの縦軸を1"にしても良かったくらいです (^_^)

M109
EOS Ra ISO6400, 150sec
4枚コンポジット
右下からの光条がM109を照らしているのがわかるでしょうか?
北斗七星のフェクダの光条です。
これは画像処理の仕様がないかもしれません。

ところで、前々からほんの少し気にしていたことなんですが、下の画像は上の写真の四隅を等倍で切り出した画像です。
星の伸び方が不均一。
光軸がずれている証拠です。


乙女座銀河群が子午線に近づいてきたところで、巨大ニュートンを西の空へ向けました。
時間が惜しいので、ガイドアシスタントによる夜空解析を行うかどうか迷いました。
結局、やりました。
乙女座銀河群は星の動きが大きい天の赤道付近だから、オートガイドによる星の追尾エラーが大きくなりがちです。
大量の失敗作を作っては効率が悪すぎるので、夜空解析をして、最適なパラメーター値をえてから勝負に挑むことにしました。

オートガイド直前のキャリブレーション。
当然、天の赤道、子午線付近で行いました。
赤緯軸のバックラッシュがほとんどない動作をしました。

ガイドアシスタントの結果。
今夜はシンチレーションも悪くない。
DEC backlash compensationが660msec!

backlash resultsは、絶好調!
なぜだ?
この赤道儀が苦手な西の空ではないか。
原因は何だ?



巨大ニュートンにちょっと手を加えました。
それは、小亀のBKP130の向きを変えてみたんです。
今回が右の写真。
今までは左の写真の状態でした。
なぜ上下逆にしたかというと、今までの状態だと、巨大ニュートンを子午線の西側、かつ、南の空に向けると、BKP130がスライディングルーフにかかってしまって、写真撮影ができなかったんです。
上下反転させると、巨大ニュートンで撮影できていれば、BKP130でも撮影できる、という状況ができるんです。
この重心の移動が良いことをしてくれたのではないでしょうか?
となると、次回、気になるのは子午線の東側でのバックラッシュがどう変化するかということです。

ガイドアシスタントは、「安心して撮影しなさい!」と太鼓判を押してくれました。
では、早速撮影。
ガイドアシスタントをしていた位置に近かったM90を選択しました。

まずはオートガイドが安定するのを数分間待ちます。
その結果がこれ。
素晴らしいではないですか。
天の赤道付近でこの精度のオートガイドであれば文句なしです (^_^)
安心して、自動撮影を開始し、夜桜撮影に向かいました。


現場に着くと、無人。
街灯が2本。
邪魔だけど、こればかりはどうにもなりません。
密かに「他人の夜桜星景撮影を邪魔しないか?」というのも杞憂に終わりました。

さて、どう撮影しようか?
心の準備なしで来たので、現場で撮影計画を考えるという・・・。
まずは、普通に星景撮影。
星のくるくる写真(star trail photo)を撮る時の設定では、桜並木が真っ黒いシルエットになってしまって、写す価値がありません。



桜並木に露出を合わせるとこんな感じ。
SAMYANG XP 14mm, F4, ISO 3200, 2min
桜並木であることはわかるけど、ちょっと暗いピンクで、うーむ、いまいち。
もうちょっとピンクが明るく写るまで露出したいけど、そうすると夜空が明るくなりすぎる。

一応、数枚、試し撮りして明合成したのがこれ。
悪くはない。
ので、これで行くことにしました。

ところが、写真の神様がいたずらをしました
絞りをF4にしたはずなのですが、何かの拍子にF10になってしまってしまってたんです。
この設定では、桜が真っ黒なシルエットとしてしか写りません。
2.4時間ほど撮影した結果がどうなったかというと。。。
おぉぉ!
キレイに写ったではないか (^_^)

ISO 3200, 120secでは本来、桜が写らないのですが、時折、自動車が通過したことで、いい具合に桜がライトアップされ、星空もいい具合になったということです。
ちなみに、自動車が通過したカットがこれ。
光が強い箇所は、おそらく自動車を運転していた人が、夜桜を見るために停車したんだと思います。


F値が4から10にどうやって変わったのか、まったく理解できません。
最初に星空に露出を合わせた時は、当然ながら、F値ではなく、露出時間の方を短くして撮影していました。
本当に、写真の神様のいたずらだと思ってます。

この間、自動撮影させ続けていたM90は、こんな感じに写りました。
焦点距離2475mm, F5
EOS Ra, ISO 12800, 130sec, 60枚コンポジット合成
60枚コンポジットなだけあって、非常に高画質?
いや、実は、もう一手間、加えてあります。

これが、C-RAW撮影したM90を素直にコンポジット合成して、いつもの僕の画像処理を行った画像です。
トリミングしてあります。
ものすごくノイジーではないですか。
銀河の淡い腕のグラデーションがノイズで割れている。。。
60枚コンポジットして、この程度の画質にしかなりませんでした。
正直、びっくりでした。
子午線の東西どちらか一方のみで、一晩で撮影できる限界は100枚程度かと思います。
地平線に近づくと、大気が厚くなる分だけ、画像が不鮮明になりますから、子午線付近から撮影を開始しても、使えるのは3時間程度が限界でしょう。
これではEOS RaでRAW撮影する限り、どんなに頑張ってもノイジーな画像にしかならないことを意味します。

そこで、やむなく、Adobe Camera RAWのAI ノイズ低減機能を使用してみました。
その結果を60枚コンポジットしたのがこれ。
グラデーションがスムーズで、ノイズ割れがない。
スムーズすぎて、ちょっと気持ち悪いですが、気になるなら、ノイズ低減の程度を低く設定すれば良いだけのこと。

JPEG画像をコンポジットしたようにも見えるのが気になりますが、きっと、JPEGと異なり、ディテールを維持しつつ、ノイズを低減しているのだと思います。
その根拠は「天下のAdobe様のやることですから、安っぽい処理はしていないだろう」しかありませんが。。。
AI ノイズ低減処理は1枚あたり30秒近くかかります。
ので、60枚に30分弱かかりました。
(少し古くなりましたが、core i7 第10世代です)
これだけ待たされてJPEGと大差なかったら詐欺です
天下のAdobeがそんなことをするはずがない!と信じてます。
僕の目が育つことで、いずれは確認できることだと思います。

で、しつこいですが、M90の写真の四隅の等倍画像がこれ。
60枚コンポジットのおかげで、四隅の星の伸びはM109の時と比較してだいぶ均一に見えます。
が、不均一であることは間違いない。
光軸調整が必要なようです。


原因はわかってます。
これがOCAL electronic collimatorでのぞいた斜鏡の画像。
ほんの、ほんの少しですが、赤い円が、斜鏡の輪郭とズレているのがわかるでしょうか。
これが原因だと思います。
ただ、これ、2時間くらいかけて、ここまで調整したんです。
この時は集中力が切れて、「これ以上の調整は無理!」と諦めたんです。

光軸調整に再挑戦して、改善すればいいですが、最悪の場合、現在よりも悪い結果になる可能性があります。
うーむ、悩ましい。
現状、写野の中心部は十分に許容範囲の画質であると思っています。
光軸調整、やるなら本当に気持ちに余裕がある時でないと、やったことを後悔しそうで怖いです。
でも、余裕がある時に、頑張ってみようと思います。
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ぷるぷる軟骨ソーキ汁の作り方 (猫五郎式)

2024-03-23 18:32:12 | 沖縄
大学が沖縄でした。
沖縄で美味しいと思った食べ物、いっぱいありますが、そのうちの一つが軟骨ソーキ汁です。
ソーキ汁のソーキは骨がついたソーキであることがほとんどです。
それはそれで美味しい。
ぷるぷるの軟骨ソーキ汁は少数派ですが、とても好きでした。

北谷の浜屋の軟骨ソーキそばも最高!
学生時代の行きつけでした。

沖縄では時々作っていたのですが、埼玉に戻ってきて、一番困ったのは軟骨ソーキが手に入らないこと。
隣町のデパートで売られているので、たまに買い出しに行ってましたが、手間ですし、入荷が1週間に1度だけなので、タイミングを逃すと買い逃します。

2年ほど前から、近所のスーパーで軟骨ソーキを扱い始めました。
おかげでいつでも作りたいときに作れるようになりました。

子どもに作り方を残すためにも、このブログに作り方をアップしようと思いました。

正統派、沖縄ソーキ汁の作り方とだいぶ違うと思います。
正統派、沖縄ソーキ汁よりもかなりコッテリ、濃厚豚骨です。
一番の違いは、油抜きをする際の煮汁を捨てない点です。
猫五郎式、油抜きに氷が必要なので、用意してください。

時間がかかります。
半日がかりなので、時間的に余裕のあるときにやってみてください。


まずは軟骨ソーキを煮るための煮汁
圧力鍋にお湯を入れ(量は適当です。今回は1.5リットルくらい?肉を入れた時に溢れない程度の量)、粉の煮干し出汁(沖縄は鰹出汁だと思います)と醤油料理酒(沖縄では泡盛だと思います)とおろし生姜を適当に加えます。

適当、適当ですみません。
男の料理なもので。。。
醤油は、心持ち少なめがいいです。
煮干し出汁と、後から加える昆布から結構味が出るので、醤油を加え過ぎるとしょっぱくなります。
適当にいうと、大さじ1くらい?
仕上がった時に塩味が薄いと思ったら、その時点で加えてください。

今回、ちょっと粉煮干出汁を入れすぎました。。。

軟骨ソーキ、毎回1.5kgから2kg程度、用意してます。
煮込めば小さくなるし、ケチ臭く食べたくないので。

お湯が沸騰する直前くらいに軟骨ソーキを鍋に入れます。

圧力鍋の蓋をしてシューシュー言わせます。
この写真のように、ある程度派手にシューシュー言わせてください。
このシューシューの勢いがないと、いつまで経っても軟骨がぷるぷるになりません。
とりあえず40分くらいやって、蓋を開けてみて、足りなければ10分くらい足してください。
やり過ぎると軟骨がぷるぷるを通り過ぎて、とろ〜んとなって、流れ出てしまいます。

軟骨がぷるぷるになったら、煮汁を出します。

サランラップで水道の水が煮汁に入らないようにして、周囲を流水で冷やします。

煮汁が人肌よりぬるくなったら、煮汁と周囲に氷を加えて冷やすと、このように脂が固まります。

固まった脂を捨てます。


あとは煮汁を軟骨ソーキの入った鍋に戻して、大根、にんじん、椎茸、昆布などを加えて、煮込むだけ

出来上がった
煮汁が濃厚豚骨です。
ここまで濃厚豚骨なソーキ汁は沖縄で食べたことがありません。
油抜きの煮汁を捨ててないのでどうしても濃厚になってしまいます。
ただ、僕的に、油抜きの煮汁を捨てるのがもったいなくてできないんです。。。

小ネギを乗せるとアクセントになります。
濃厚な味なので、コッテリが苦手な人は途中で島とうがらしを加えて味変させないと辛いかもしれません。
島とうがらし、泡盛を買ってきて、中にしこたま唐辛子を突っ込んでおけば1ヶ月で出来上がります。


今回は、いろいろやることが溜まりすぎて、でも、コロナワクチンで体がだるくて、現実逃避で作ってしまいました。
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2024/03/16 山梨 オリオン大星雲でIRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス調整 スピンドル銀河

2024-03-22 20:36:30 | 天体観測
またしても仕事のあとに出発。

GPV予報が微妙。
22時頃から曇り始め、未明4時前に晴れてくる予報。
どうなんでしょう。
でもまあ、心が行きたいと言っているのですから、行きましょうかね。
本当は学会発表の準備とか仕事の勉強とか資格更新の準備とか、平行して読んでいる本が3冊あったり、録画してあるテレビ番組が2年分あるとか、やることが山積していて頭がおかしくなりそうなんですが、そういうストレスを溜め込んだ時ほど現実逃避がしたくなる。
これは学生時代からずっとそう。
死ぬまで変わらないんじゃないでしょうか。

到着するも、出発が遅れたため、温泉には入れず。
この一週間の、そしてこの日の労働の疲労もあり、月齢6で月が明るく、それに追い打ちをかけるような微妙なGPV予報で気合が入らず、外で赤道儀をセットアップする気力が出ませんでした。
この夜はスライディング・ルーフを開くだけで準備万端の巨大ニュートンのみで行くことにしました。


ピント合わせをしてから最初のオートガイド。
夜が浅いので子午線の西の空。
ガイドアシスタントを控えているので天の赤道付近。
なかなか良いではないか。


ガイドアシスタント
なんか、「ガイドカメラのピント合わせ、もうちょっとちゃんとやれよ」という表示、どうやっても出てしまう。
F15の暗い望遠鏡をガイド鏡として使うということは、そういうことなんでしょうね。
バーティノフマスクを使っているので、これ以上ピントを追い込むことはできません。
そしてDECのバックラッシュは最悪レベルであると。

おぉ。。。
過去最悪レベルのバックラッシュですな。
でもまあ、極軸は追い込んであるのだし、一方向ガイドはできるのだからいいんでないの。
この巨大赤道儀、本当に動作が安定しませんね。
原因は絞り込んであるのですが、素人レベルではどう修理のしようもない。



ガイドアシスタント後のオートガイド。
ガイドアシスタントをかけるのはけっこう時間のロスになります。
それでも、その夜空のシンチレーションを解析して、PHD2に最適な動作修正値を割り出してくれるので、ガイドアシスタント解析をした後はオートガイドの精度が良くなります。
やる価値があると思います。
もっとも、一晩のうちにもシンチレーションが変化するので、怪しいと思ったら繰り返し行う必要があり、それがちょっと鬱陶しく感じることもあるんですけどね。。。



今夜のミッションは終盤を迎えたオリオン大星雲でIRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランスを調整することです。
まずは巨大ニュートン+EOS Raで記念撮影
手抜きではないんです。
月齢6の月が明るいので、こんなもんで勘弁してください。


RaはAWBですが、Camera RAWで現像すると適正色温度は6350Kとな??
前回とは色温度が根本的に異なるではないか。
被写体がだいぶ違うからなぁ。
でも、被写体によって適正色温度が3550Kだったり、6350Kだったりするとなると、手動によるホワイトバランス調整作業は、けっこう手強いのかもしれない。


BKP130にIRフィルター改造EOS 70Dを取り付けて撮影を開始します。
先週末の結果をもとに、4100K A1 G9 ISO 3200からスタートしました。

20:29
4100K A1 G9 ISO 3200 80sec
ヒストグラムのまとまりは悪すぎはしない。
けど、全体的に赤味がかっている。


20:40
4200K A1 G9 ISO 3200 80sec
(拡大表示したままスクリーンショットしてしまったようで。。。)
色温度を4200Kにアップしてみたら、ますます赤味がかってしまった。


20:48
4300K A1 G9 ISO 3200 45sec
露出オーバー気味なので、露出時間を半分に減らしてみました。
4300Kにしてみるとますます赤味がかってしまいます。


20:51
4200K A1 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げたことでヒストグラムはまとまりつつあります。



20:55
4200K A1 G7 ISO 3200 45sec
グリーン(G)値を下げてみたら、ヒストグラムで緑が左側から出てきてしまいました。


21:18
4200K A1 G9 ISO 3200 45sec 02
G9に戻しました。



21:19
4100K A1 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げてみました。
4200Kと比較して大きな変化はないように見えます。



21:22
4000K A1 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げてみると、全体的に青味がかってきました。
(でもまあ、僕の好み的には、これがベストかなぁ。)

21:24
3900 A1 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げると、ますます青味がかってきました。
また、ヒストグラムでブルー(B)が右側から出てきました。

21:26
3900K A3 G9 ISO 3200 45sec
ブルー(B)が主張してきたので、それを抑えるべくアンバー(A)側に少し振ってみました。
ヒストグラムのまとまりがよくなった
写真の色も、若干良くなったように見えます。


21:29
3800K A3 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げてみました。
再びブルー(B)が主張し始めました。


21:33
3700K A5 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げつつ、アンバー(A)側に振ってみました。
グリーン(G)がヒストグラムの左側に出てきてしまった。


21:35
3400K A5 G9 ISO 3200 45sec
色温度を一気に3400Kまで下げてみた。
案の定、ブルー(B)が主張し始めた


21:37
3300K A8 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げて、アンバー(A)側に振ってみた。
ブルー(B)を抑え込めてません。


21:40
3200K A9 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げ、アンバー(A)側に最大限振ってみました。
アンバー(A)を最大値にしてもブルー(B)を抑え込めてないので、3200Kはダメだということがわかります。
でもまあ、個人の好みによっては、この写真の色合いが今までの中でベストとする人もいそうです。


21:57
NGC2237 3200K A9 G9 ISO 6400 45sec
オリオン大星雲が低くなりすぎたため、色温度とホワイトバランス補正をそのままに、バラ星雲にNGC2237向けてみました。
月が明るすぎて、バラが写りません。
そして、この設定では果てしなくブルー(B)が勝ってしまいます。
やはり被写体ごとにホワイトバランスが大きく異なるということでしょう。



このあと22:00過ぎにはバラ星雲も低くなりすぎました。
で、南の空が若干晴れていたので、スピンドル銀河NGC3115に巨大ニュートンを向けてみました。
なぜスピンドル銀河かというと、この巨大ニュートンが南を向いたときに写せる最も低い天体だと思われるからです。
巨大ニュートンをスピンドル銀河に向けてみると、鏡筒の先端がギリギリスライティングルーフにかからない。
というわけで、撮影しようかと思ったら、VIXENのガイド鏡もBKP130も屋根にかかってしまってオートガイドができない。
そういうわけで、ISO 25600 15secでたくさん撮影してコンポジットすることにしました。
天の赤道付近ですので、ノータッチガイドの難易度が一番高い。
15秒露出で70枚撮影して、使えたのは30枚ほどでした。
歩留悪いですね。



トリミングしたスピンドル銀河



このあと獅子座のトリオを狙ってみましたが、いよいよ雲が出てきて、ダメでした。
24時頃に一旦撤収。

AM4:00前から再び晴れる予報だったので、それまで眠って、3:30頃からちょくちょく空を見上げましたが、結局最後まで晴れることはありませんでした。

翌朝、行きつけの森のパン屋さんでパンを買って、帰路に着いたのでした。





で、結局、オリオン大星雲のホワイトバランスはどれが一番良かったのよ?ということが問題です。
僕的には4000K A1 G9 ISO 3200 45secかなぁ。。。
ヒストグラム、見た感じ、両方ともベストというのは一枚もありませんでした。
だから、難しい。


さらに問題を複雑にする困った事情が発見されました。
Camera RAWで現像するときに、EOS 70Dで撮影時に設定した色温度と、Camera RAWでの現像するときに表示される撮影時の色温度が若干ズレるんです。
うーむ。。。

色温度は撮影時にどんな値に設定しても、RAW現像する際にどうとでもなりそうだから、撮影時は大まかに合わせておいて、結局、家に帰ってパソコンで処理する際に微調整するのが良いのかもしれません。

となると。。。50枚コンポジットする時は、予め50枚分、Camera RAWで色温度を弄らなければならないのね。。。

まだ結論ではありませんが、こんなに手間暇かかるのであれば、純正の天体撮影カメラを買うことをお勧めします。

現状、キャノンが天体撮影カメラを販売してないので、如何ともし難い。
そのせいで、EOS Raの中古が50万円で売られてます。
EOS Ra、25万円くらいで買いました。
当時は高いなぁと思ってましたが、こんなことなら3台買っておけばよかったかもしれません。

今までのペースから予測すると、次の「a」シリーズが発売されるのは2025年か、2026年になりそうです。
それまでIRフィルター改造EOS 70Dで遊んでましょう。

あとは、次の「a」シリーズがいくらになるかですよね。
カメラは高額化の一途を辿っています。
次、35万円を覚悟しなくてはならないかもしれません。
場合によっては40万円を超えることもあるでしょう。

それまでお金を貯めておかなくちゃ。。。



おまけですが、この夜のオリオン大星雲の写真をコンポジットしたのがこれ。
そんなに明るい月ではなかったですが、オリオン大星雲と月が近かったので、月明かりの影響が大きかったですね。

そして、これが有名なBKP130の写りの特徴なんでしょうね。
BKP130鏡筒内に飛び出した接眼筒の尻尾の影響が大きいでしょう。
接眼筒がギラギラの銀色なのも良くない。

フランジバックが短いミラーレスの、キャノンのRシリーズにすれば接眼筒をより外側に繰り出すことになるので、解決するかなぁ、とか思ってBKP130の接眼筒を切断せずにいました。

しかし、よくよく考えてみるとBKP130専用コマコレクターを使っているので、RマウントにマウントアダプターをつけないとRaのセンサーからコマコレクターまでのフランジバックが変わってしまうのでダメですね。

これでBKP130の接眼筒を切断する決心がつきました。
あとはそれがいつになるかですが。。。

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2024/03/9, 10 M61, M63, M84, M86, M96 子午線越えの撮影はできない Photoshopで自動整列するなら「位置の変更」がいい

2024-03-21 21:13:01 | 天体観測
仕事が終わってから帰宅し、家族と夕飯を食い、風呂に入ってから出発。
現地入りしたのが23時過ぎ。
速攻、巨大ニュートンを起動します。
この夜は、あまり深く考えずに子午線を超えてきた乙女座銀河群を狙うべく、巨大ニュートンを西の空へ向けました。

起動作業のルーチン
まずは巨大ニュートンとBKP130とガイド鏡のVIXEN f=1200mm D=80mmにそれぞれバーティノフマスクをつけてピント合わせから開始します。

口径50cm f=2475mm 巨大ニュートンの焦点合わせ。
カメラはEOS Ra


ガイド鏡 VIXEN D=80mm, f=1200mmの焦点合わせ
カメラはASI 174 MM mini


BKP130のピント合わせ
カメラはIRフィルター改造EOS 70D


一番最初のキャリブレーション。
西の空


ガイドアシスタント
バックラッシュが大きすぎてDECは一方向ガイドになると。
ガイドカメラのピントが甘いと言われても、バーティノフマスクで合わせてるので、これ以上の改善は無理です。
キャリブレーションをやり直せとのことだけど、これもバックラッシュが大きいから、妥協が必要。
でも、確かにRAステップが13(理論値12)に対して、DECステップが16(理論値6)ですから、何かがいつもと違うはず。
でも、この時はすでに日を越していて時間が惜しかったので、撮影を優先しました。


バックラッシュ測定
西の空なので、こんなものでしょう。


この夜はひたすらM61を狙いました。
なぜかって?
子午線を超えてきたばかりの天体で、適当に望遠鏡を向けただけで、深い意味はありません。
僕はまだ経験が浅く、乙女座銀河群のどれを撮っても新鮮に感じます。
M61、小さいけど綺麗な銀河ですね。
次回はEOS 70Daで挑戦かな?


朝になり、望遠鏡の改良作業。

今までVIXEN f=1200mm D=80mmにはEOS kiss X5をつけていました。
EOS kiss X5はメーカー公証の必要電圧が7.2ボルトですが、実は5ボルト電源でも動作します。
(だからUSB電源1つで動作します)
なので今まで、EOS kiss X5用のカプラーに5Vの電圧を供給していました。

このたび、VIXEN f=1200 D=80mmをガイド鏡として使うことになり、ASI 174MM miniをカメラとして取り付けました。

余ったEOS kiss X5用の電源をBKP130に取り付けたEOS 70Dに回したのですが、EOS 70Dが動作しませんでした。

EOS 6D、EOS Ra、EOS 60Da、EOS 70Dに共通のバッテリーパックLP-E6の定格出力はEOS kiss X5と同じ7.2Vですが、サードパーティー製のDR-E6互換のDCカプラーをUSB電源1つに繋いで電源供給しても動作しません。
動作させるためにはUSB電源を2本繋げなければなりません。

キャノン純正の「DC COUPLER DR-E6」のACアダプター「AC-E6N」や「AC-E6」の定格出力は8Vです。
なので、EOS 70Dに回す電源の電圧を8Vに上げました。

今まで友人任せで、そこら辺の事情はノータッチでしたが、このたび、中身を見せてもらいました。
供給される12ボルト電圧を降圧するチップが組み込まれてました。
DC-DC降圧電源モジュールというチップだそうです。
青いプラスチック部品の上についているボリューム(マイナスネジ)を回すと出力電圧がいじれます。


作業のあとは昼飯。
新しい店を開拓しました。
2年くらい前から気になっていた店。
いつも前を通過してて、知ってはいたのだけれど、なかなか行く機会がありませんでした。
ビーフシチューを美味しくいただきました。
季節の果物を使ったスイーツも売りらしく、デザートにいちごパフェをいただきました。
パフェ食べたの、いつ以来だろう (^_^;)

午後に友人が2人合流し、計4人で観測しました。
この観測小屋、4人までならなんとか布団を敷けます。

今夜も乙女座銀河群を狙います。
日暮からスタンバッていたので、東の空でスタート。
しかし、なかなかスッキリ晴れてくれず、ガスが流れる空となりました。
最初のキャリブレーション
おぉ、やはり東の空の方が正常動作します。

M96
淡いですね。
これは空を選ぶ銀河ですね。
もう少し条件が良い空で狙いたい。


ガイドアシスタントをかけました。
東の空であってもバックラッシュが大きいと。。。
はて、キャリブレーションからわかりませんでした。
うーむ、この赤道儀の動作、把握しきれていません。
シンチレーションは昨夜とほとんど同じレベルであるよう。



M84, M86付近
f=2475mmの視野にずいぶんとたくさんの銀河が収まるんですね。


オートガイドはこんな感じ。
悪くはない。
星が丸く写ってくれてるので、まあよし。

天頂付近に来たM63ひまわり銀河
1度まともな写真が撮りたいと思ってました。
EOS Ra ISO 6400, 140sec, 35枚コンポジット

トリミングして、M63銀河をアップにするとこんな感じでした。
いやぁ、こんなに構造がしっかり見えるんですね。
この夜の夜空、正直、そこまでいいと思ってませんでした。
ここまで解像したら十分満足です。
ただ、、、35枚コンポジットしてもこんなにノイジーなんですね。
スムーズな画像を得るためには最低100枚?
子午線のどちらか一方となると、一晩に撮れるのはせいぜい60枚くらいではないでしょうか。
しかも、ずっといい夜空でなければならない。
かなりハードルが高いですね。

M63撮影中に子午線越えしました。
子午線の東側のガイド
F15の暗いガイド鏡にも関わらず、ライブでM63が見えてしまう。
ASI 174MM mini、いいガイドカメラだと思います。


子午線の西側のオートガイド
日を越したあたりで、ガスが多くて他の友人たちは諦めて寝てしまいましたが、天頂付近のM63のあたりだけが晴れてました。
このグラフを見る限り、シンチレーション、良かったようですね。


撮影終了時の空は若干、シンチレーションが悪化したよう。
ターゲットグラフのバラツキの変化を見るとわかりやすい。
同じ修正動作をしていてもシンチレーションが変わればオートガイドの精度が変化する。
シンチレーション、一晩でものすごく変動しますよね。
この夜のようにガスが流れていたり、雨雲が去ったあととかは、ほんとシンチレーションが一定しません。
天体撮影はものすごく粘り強さを要求される趣味だと思います。


子午線前後の画像を明合成で重ねてみました。
画像が微妙に回転してしまっていて、完全に重ね合わせることができません。
つまり、極軸がズレた。
極軸合わせ自体は、極限まで追い込んであります。
ただ、この望遠鏡が重すぎて、振り回すと極軸が微妙に動きます。
赤道儀の強度の問題というべきか。

それでも東西のガイドアシスタントを見比べると、極軸からのズレは0.1分角とか0.2分角。
かなり精度の高い極軸合わせがなされていると言っていいでしょう。
それにもかかわらず、画像を重ねるとこれだけのズレが観察される。
写真を撮るときは子午線の東西どちらかのみで勝負するしかないということですね。

今回、M63の写真を35枚ほどコンポジットしたのですが、Photoshopの自動整列機能で位置のずれを調整しました。
自動整列機能を使って重ね合わせた画像の位置のずれを調整したのち、「差の絶対値」の機能を使って、その精度を確認してみました。
納得のできる精度だと思います。
これなら安心して位置合わせを任せられる。



ただし、注意があります。
レイヤーを自動整列させる時に下のような画面が出てきます。
通常は「自動設定」を選択するところでしょうが、それでやると周辺部に結構なズレが生じます。
複雑な作業はさせず、単純に平行移動のみで位置調整させる「位置の変更」がいいです。
単純な並行移動のみで対応できないほど画角がズレている場合は、コンポジットを諦めた方がいい画像が得られると思います。



この裏方で、外にVIXEN GP + BLANCA-80EDT + ×0.8レデューサー + IRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス探しをしていた、、、と。
忙しかった。。。

これだけの作業量を並行して行えるのもリモートデスクトップをフル活用しているからに他なりません。
2月に新しいWi-Fiルーターを小屋に取り付けました。
これのおかげで野外のGP+BLANCA-80EDT+EOS 70Dも、巨大ニュートンも、一台のノートパソコンでこたつの中から撮影を監視することができました。
氷点下6度の夜でしたから、リモートデスクトップをフル活用しなかったら体力的にも厳しかったでしょう。



明け方の光景。
ついついこの時刻まで頑張ってしまいますが、全てが中途半端で、毎回不完全燃焼です。
が、人間の能力って限りがあるし、時間も限られる。
夜空に至ってはこちらの都合とは無関係。
そんな条件の中、やれることをやったと思います。


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2024/03/09 IRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス探し

2024-03-20 15:11:45 | 天体観測
複数の望遠鏡で並列撮影をし始めて、カメラが足りなくなってきました。
まともなのはEOS Raのみ。
EOS 60Daはさすがに厳しくなってきました。
ノイズが半端ないので、ISOを下げて、長時間露出するとなると時間がかかってしまっていけない。
月に何度も遠征できるわけではないので、少しでも効率を上げたい。
EOS 6Dは、僕的にボックス蹴られが気になります。
EOS 6DもEOS 60Daも発売が2012年。
EOS 60Daの元となるEOS 60Dに至っては2010年発売。
6Dも60Daもそろそろサブ機になってもらってもいい頃でしょう。

しかし、カメラが高くなりましたね。
Canonのフルサイズ機 現行機種で一番安いEOS R8で23万円程度。
(RPは除外しました。。。)
ちょっとハードルが高い。

友人にEOS 70Dを勧められました。
中古で購入してIRフィルター改造してはどうかと。
中古が3万円台
改造費用 1.5万円程度。
お試しにはいいのではないかと。
BKP130とかVIXEN ED81Sとかフルサイズがちと厳しい望遠鏡もあることだし。

ヤフオクで入手した直後に室内で試し撮りした写真がコレ

IRフィルター改造後の写真がコレ

星雲が発するHα線が656nmで、IRフィルター改造は「ダストリダクション機能を残して760nm付近までの波長感光を確保します」とのこと。

ヒトの視覚は、波長の長い光を赤色光として感じとるが、その上限は 760 - 830 nm 付近とされ、それより波長の長い光は知覚できない(Wikipediaより)そうなので、赤い光が写り込みやすく改造されていると解釈しています。

それじゃあ、普通のカメラが捉えられる光は、可視光よりも狭いということなのね?

試しにEOS 60Daで撮ってみたのがこれ。
あれれ?
割と普通の色だぞ?
これはどういうことなのか。
改造を請け負ってくれた人に質問したら、過去にEOS 60Daの修理を請け負った際にEOS 60Daの中身をみたら、CMOSの構造(フィルター以外)は通常機と全く同じだったのでCanon基準に基づいて『ホワイトバランス』のみを調整しているのではないかとの個人的な推測を教えてくれました。
(「だったらキャノン、とっとと次の「a」シリーズを出してくれよ」と思ってしまうのは星見屋のわがまま?)


観測小屋の外の風景をIRフィルター改造したEOS 70Dで撮ってみたらこんな感じになりました。
やはり赤っぽい。
ちなみに、オートフォーカスがおかしくなってます。
フィルターを交換するとピントが合わなくなるようです。



ホワイトバランスを適当に調整してみたらこんな感じになりました。
(ピントはマニュアルで合わせました。)
まだ赤っぽいけど、ホワイトバランスを調整すれば普通の色に近づけることができそう。


というわけで、この夜はBLANCA-80EDTに笠井の×0.8レデューサを介してIRフィルター改造したEOS 70Dを取り付け、ホワイトバランス探しをすることにしました。
赤道儀は、モーターを17HS3401S(1アンペア)から17HS8401(1.7アンペア)にパワーアップしたVixen GPです。

被写体は乙女銀河ぐんのM96です。

まずはオートホワイトバランス(AWB)で撮影。
 ISO 3200 120sec 色温度5500K
赤かぶりしてます。
ヒストグラムでRedが分離している。

ISO 3200 120sec 色温度7000K
ヒストグラムでますますRedが分離してしまった

ISO 3200, 120sec 色温度2500K
今度はBlueのヒストグラムが分離

ISO 3200 120sec 色温度4000K
RGBのヒストグラムが集まってきました。

ISO 3200 120sec 色温度4500K
色温度4000KのときRGBの中心にあったRedが右側に出てきました。

ISO 3200 120sec 色温度4200K
だいぶRGBが集約してきました。

ISO 3200 180sec 色温度4200K
露出時間を120secから180secに延したらGreenが左に離れてしまいました。
つまり、同じ被写体であっても、露出時間が異なれば、適切なホワイトバランスが異なるということです。
なんてこったい。
EOS RaやEOS 60Daはこれを自動でやってくれる。
そこら辺がメーカー純正ということなのでしょう。

ISO 3200 180sec 色温度4300K
色温度4200Kとほとんど変わりませんが、Redがほんの少し主張してます。

このあとはホワイトバランス補正を試してみました。
ホワイトバランス補正(カメラ撮影設定画面の「WB補正/BKT設定」で、グリーン(G)-マゼンダ(M)、ブルー(B)-アンバー(A)を調整できます。
G-M、B-A方向にそれぞれ9段階ずつ調整できます。

ISO 3200 180sec 色温度4200K M5
最初にマゼンダ側に5段階、寄せてみました。
そしたら、グリーンのヒストグラムが離れていってしまいました。

これはいかんということで、今度はグリーン側に振りました。
ISO 3200 180sec 色温度4200 G5
RGBのヒストグラムが集まってきました。

もう一息、RGBのヒストグラムを集約するために今度は、
ISO 3200 180sec 色温度4200 G9
さらにいい感じになってきました。


ISO 3200 180sec 色温度4100 G9
今までで一番いい感じかもしれません。
しかし困った。
G9はグリーンの補正の限界値なので、これ以上、グリーンのヒストグラムを右に寄せることができません。
これが調整の限界です。


いい感じになったところで、再び120秒露出を試してみたくなりました。
ISO 3200 120sec 色温度4100 G9
ヒストグラムの具合も写真の色合いも、割といいのではないでしょうか。



今度はブルー(B)-アンバー(A)方向の調整をかませてゆきます。
まずはアンバー(A)側に振ってみました。
ISO 3200 120sec 色温度4100K A3 G9
Redのヒストグラムが右側に出てきました。
写真も赤かぶりしています。


今度はブルー(B)側に振ってみます。
ISO 3200 120sec 色温度4100 B3 G9
今度はブルー(B)のヒストグラムが主張してきて青被りしてしまいました。



ISO 3200 120sec 色温度4100 B1 G9
若干青被りしているように見えます。
結局、ブルー(B)-アンバー(A)方向の調整はせず、ISO 3200 120sec 色温度4100 B0 G9が一番いいように思います。


次は、ISO 3200 120sec 色温度4000K G9
大きくは変わらないような。。。


ISO 3200 120sec 色温度4000 B1 G9
青被りがひどくなった

ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9
一番まし?

ここで再び露出時間を180秒に延してみました。
ISO 3200 180sec 色温度4000 A1 G9
悪くないが、若干黄色がかっているような。。。

ISO 3200 120sec 色温度3900K A1 G9
悪くはないが。。。

気分を変えて、球状星団M3に向けてみました。
ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 90sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 40sec 色温度4000K A1 G9

この夜撮ったオリオン大星雲の撮って出しがこれ。
ISO 3200 75sec AWB


Adobe Camera RAWでRAW画像を開いた時の画面がこれ。
撮影時のAWBの色温度は4250K
色かぶり補正は、グリーン(G)-マゼンダ(M)のようです。


RAW現像してみたのがこれ。
色温度を3550Kにして、グリーン(G)寄りに補正するとRGB3色のヒストグラムが見事に重なりました。


このオリオン大星雲をいつもの画像処理してみたのがこれ
(もうちょっと全体を明るくした方が良かったか)


ん〜、色温度4000K A1 G9ではないのか?
EOS 70Dの色温度は100K単位でしか調整できないので、色温度3550Kは無理。
だけど、次の機会に色温度3500Kと3600Kは試さないわけにはいかないでしょう。

ちなみに、Adobe Camera RAWで現像したのが2024/03/17なので、色温度3550Kを試すのは4月以降になりそうです。

なお、ステッピングモーターを17HS8401に交換してパワーアップしたVixen GPですが、オートガイドが大暴れでした。
レデューサを使ってf=384mmだったのであまり目立ちませんが、少なくとも、モーターがパワーがない17HS3401Sだった時より酷い。
それともウォームギアとホイールの調整の問題か?

あと、BLANCA-80EDTと笠井の×0.8レデューサ、相性がイマイチですね。
四隅の星が僕の許容限度を超えて伸びてます。
次回はKenko Close-up lens No.4で自作したレデューサで撮ってみるか?
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腹筋を鍛えるとランニングが安定する

2024-03-02 13:54:24 | 健康・身体

2023年9月頃から、毎朝の出勤前筋トレに上体起こし(いわゆる腹筋運動)20回を加えました。

体幹を安定させるためです。

 

脊柱(背骨)は椎骨が積み上がってできた柱です。

積み木(椎骨)を積み上げて高さ1mのを作ってみてください。

非常に不安定です。

人間の脊柱は、脊柱起立筋が主に背側からガッチリ支えています。

普通に立ったり歩いたりする分にはこれで十分です。

 

しかし、激しく運動すると、脊柱起立筋だけで脊柱を安定させるのが難しくなります

脊柱が前屈み方向に不安定になる分には、脊柱の背側にある脊柱起立筋が頑張ることで姿勢を立て直すことができます。

しかし、背中が反る方向の不安定性を拮抗するには、脊柱起立筋だけでは不十分です。

脊柱(背骨)が反る方向の不安定性が生じたとき、脊柱の前方にある腹筋が踏ん張ると、脊柱が安定します

つまり、脊柱を安定させるためには、脊柱の前後に支えを設けてやる必要があるのです。

 

腹筋が収縮すると、それ以外にもちょっといいことがあります。

腹筋が収縮すると腹圧が上がります。

腹腔は、前方と側方を腹筋背側を脊柱と腰背筋群下側(尾側)を骨盤上側(頭側)を横隔膜によって囲まれています。


背側と骨盤は圧を逃す余地がないです。

腹筋が収縮して前方と側方から発生した腹圧は、上方(頭側)の横隔膜方向へ逃げ場を求めます

上方(頭側)に向かった力は、腰を伸ばす方向に働きますので、腰にかかった上下方向(頭尾側方向)の圧を軽減してくれます。

もっと細かくいうと、固くて丈夫な椎骨にかかる圧が軽減されても何も恩恵はありません。

恩恵があるとしたら、圧を逃すためのクッションである椎間板にかかる負担を軽減するのに、腹圧が役立ちます。

腹圧なんて大した圧ではありませんので、椎間板にかかる圧力が軽減されるといっても、ほんの少しだと思われます。

しかし、無ではありません

 

ランニングであれば、着地の際に発生する上下方向(頭尾側方向)の衝撃が脊柱を不安定にします。

ランニングの着地で足首や膝にかかる衝撃は体重の2.4倍と言われています。

足底筋膜膝関節股関節椎間板の弾力、そして腰部脊柱の生理的湾曲がランニングの着地の衝撃を和らげて吸収すべく機能します。

(脊柱とは直接関係ありませんが、人間の足関節、膝関節や股関節は、四足歩行動物と比較して関節面が非常に大きくなっています。これも関節にかかる大きな衝撃を分散させるための工夫です。)

腹圧による椎間板への圧力軽減作用は、そうしたさまざまな工夫の一つだと言えます。

(これだけ長々と説明していますが、実は、腹圧が椎間板へのストレス軽減となるとする根拠を示した論文を僕自身はまだ読んでません。整形外科医からの受け売りです。ごめんなさい)

 

長々と説明しましたが、とにかく、激しい運動をする場合、体幹を安定させるために腹筋力が必須の要素となります。

そうしないと腰を痛めるし、体幹が不安定だとそれを相殺するために他の部分が頑張ることになるため体力の消耗が進みやすくなります。

崩れた体幹バランスを回復させるより、そもそも体幹バランスが崩れないようにすることが最もエネルギー効率がよいです。

持久系スポーツであろうと、格闘技のような瞬発系のスポーツであろうと、これは共通です。

 

僕の場合はランニングがメインなので、ランニングベルトなる物にも手を出してみました。

CHRIOのパフォーマンスアップ腰用ベルト

腰痛ベルト、腰痛サポーターを最小限に細くした物だと考えればいいと思います。

腰痛ベルト・腰痛サポーターは腰部に巻くことで、腹圧が前に逃げることを防ぎます

腹筋がない人に、人工的に腹筋を与えるように働きます。

(ハードタイプだと直接腰の上下方向を支える機能も持ち合わせます)

腹筋がまだ弱かった頃にこのパフォーマンスアップ腰用ベルトをつけて走ったら、体幹が安定するのを感じると同時に、走り終わった後の疲れが軽減するのを感じました。

現在は、腹直筋が盛り上がり、腹筋が割れているので、パフォーマンスベルトを必要としなくなりましたが、多分、今でも装着して走れば楽に感じると思います。

だから、ランニングを開始したばかりの人たちにおすすめです。

走り続けさえしていれば必要最小限の筋肉がついてきますが、筋肉がつくまではランニングで腰痛を発症するリスクがあります。

ある程度、ランニングに必要な筋肉がつくまでの間、ちょっとしたサポートに利用するといいと思います。

ただ、これ、¥8,800とかなり値が張るのが難点です。

上体起こしですが、腹筋があまりない人がいきなり回数をこなすと腹筋以外の筋肉が頑張ることとなり、無理がかかって、かえって腰を痛めます。

「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」

上体起こし腹筋運動と腰痛発生との関連について

 

椎間板のダメージを蓄積するようなので、膝を立てて、20回という上限を設けて続けています。

しかし、改めてこれらの記事を読んで、上体起こしの体幹屈曲の前半と、体幹伸展の後半部分だけでもいいかな?とこの記事を書きながら思い直しているところです。

つまり、上体起こしの、上体を起こす直前(背中が床を離れる直前)まででやめておく、ということです。

(その際、足は空中に持ち上がってしまって問題ないです。)

実際やってみると、これだけに絞って行い、回数を増やした方が腹直筋の収縮幅が大きく、鍛えられそうです。

 

 

出勤前の筋トレを開始してからまもなく丸8年間が経過しようとしています。

始めた当初は出勤前の心の余裕のなさから、1分間のみで始めたことでしたが、その後、筋力が付くにつれて、それ相応の筋トレにどんどん切り替えて、内容を増強してきました。

アラフィフにして、まさか自分の腹筋が割れる日が来ようとは、夢にも思ってなかったです。

これからも少しずつ、その時点の自分に最適な筋トレに調整していきたいと思っています。

 

 

現在の出勤前筋トレ

・仰臥位での足上げ運動 左右100回ずつ

・上体起こし20回 (明日からは上体起こしの初動部分のみを30回にするかも)

・スタンダード・スクワット100回

・30度の傾斜をつけたストレッチボードの上で、閉眼片足立ち 左右100秒ずつ(平衡感覚を鍛える目的)

 

(これらが終わったら5kgの通勤カバンを背負って1.1kmジョギングして出勤)


(追記)
早速、新しい方法をやってみました。
今までの上体起こしは、足が持ち上がらないように掃き出し窓の下枠に足のつま先を引っ掛けて行っていましたが、それをやめました。

足が浮くようになると、当然上体が起き上がりません。
つまり、腹筋を収縮させても背中が地面から離れません。
僕の場合、足が浮いてしまいますが、ネットサーフィンをしていて、一番近いのは「クランチ」と呼ばれている腹筋運動だと思います。

やってみての実感ですが、これはキツイ!
(直前に足上げ運動を左右100回やっているというのがありますが)
今までより腹直筋の収縮幅が大きく、今まで以上にギューっと収縮させるため、あっという間に筋力が限界に達して、攣りそうになります。
一回あたりの腹直筋収縮時間をまだ模索中ですが、一回2秒でもキツイです。
3-5回やる毎に休憩を10秒ほど置かないと続けられない。
上体起こし以上の効果が期待できそうだと感じています。

以後はこの方法でやっていこうと思います。
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2024年2月 巨大ニュートンの主鏡 洗浄

2024-02-25 15:57:03 | 天体望遠鏡

2022/06/18に再コーティングした主鏡を取り付けてから2年近くが経過しました。

主鏡、結構汚れてきました。

レンズ洗浄液やらアルコールやら高性能洗浄スプレー3310(工業用)など、もろもろ主鏡をきれいにする努力はしてきましたが、なかなか満足のいく結果は得られず、少しずつ汚れが蓄積してました。

 

ここ一年間ほど、望遠鏡の動作は安定したにも関わらず、いまいち良い写真が撮れていない。

シンチレーションに恵まれないため、という可能性を第一に疑っています。

しかし、もしかしたら、、、主鏡の汚れが関与している余地があるのかもしれない。

 

主鏡を一度、取り外して洗浄してみたい。

しかし、この主鏡、金属の枠と合わせて50kg前後あるものと思っています。

正確な重量を測れてませんが、(そうか、観測小屋に体重計を持ち込めば良いのか!)26kgのAXD本体の2倍くらいありそうに感じています。

1人ではとても取り外しできない。

もちろん、再度、主鏡を組み付けることも1人ではできない。

 

友人に助力を願いました。

外すにあたって、いろいろ準備があります。

50kgの主鏡を外すと望遠鏡の前後バランスが崩れます。

また、望遠鏡とウェイトのバランスも崩れます。

主鏡を外しても望遠鏡の対物端が落下しないように、脚立にロープをかけて支えを作ります。

主鏡を外してウェイトが落下しないように、ウェイトの下にも支えを置きます。

(この写真、ちょっと歪んでいるのは、スマホのパノラマ撮影機能を使って撮影したためです)

 

男2人が必死になって重量物を扱っているので、外す瞬間の写真はありません。

外すにあたって、元に戻す時の向きがわかるように、主鏡の金属枠と望遠鏡本体にマジックで印をつけました。

 

外した主鏡(とその金属の枠)

 

主鏡を畳に向けてひっくり返します。

金属の枠の厚さ(5mmくらい?)があるので、主教が直接畳に接する心配はありません。

光軸調整を行う引ネジを全て外すと主鏡裏側の円盤が外れます。

円盤の向きがわからなくならないように、金属の枠と、円盤の引ネジの穴の一つにマジックで印をつけました。

 

黒い紙と、主鏡を金属枠に押し付けて固定するネジを受ける3枚のアルミ版を外すと主鏡本体(ガラス)が露出します。

 

主鏡の金属枠を外します。

 

出てきた主鏡。

大きいです。

ガラスの厚さが75mmもあります。

が、やはり主鏡本体よりも金属の枠の方が重たいです。

主鏡本体は多分ですが、15kg弱ではないかと感じます。

主鏡は冷たいので、すぐに結露しました。

 

水道水をかけて、食器洗い用の中性洗剤で洗います。

 

レンズクリーニングペーパーで表面を撫でて、汚れを端に寄せます。

 

水道水をかけて、洗剤を流します。

水が流れ落ちるように、主鏡の片側を高くして傾斜をつけてあります。

(主鏡の下、手前は2×4材が1本、奥側は2本積み重ねてある)

 

おぉッ!きれいになった。

けど、このまま乾燥させると水垢が残ってしまう。

 

薬局で売っている精製水を流してリンスします。

 

次に、早く乾くように無水エタノールを流します。

 

しばらく乾燥させて、完全に乾き切るのを待たずに元の状態に組み上げました。

朝、望遠鏡の中を覗くと、普段から結露していることがあるので、少々濡れていてもいいだろう、と。

望遠鏡の乾燥空気装置をつけっぱなしにして寝ても、翌朝、結露していることすらあります。

この場所はこの主鏡にとって、けっこう過酷な環境なのかもしれません。

理想的には望遠鏡部屋に除湿機を置いて、ずっと除湿していればいいのでしょうけれど、なんせ建物が古いので、一ヶ月単位で除湿機を回しっぱなしにするには、電気系統に一抹の不安を覚えます。

 

2人で主鏡を巨大ニュートンに組み付けました。

指を挟んで怪我をしないかヒヤヒヤしました。

うっかり足の上に落としたら骨折しますし、破損したら代わりとなる主鏡はおそらくないでしょう。

 

そのあとは、主鏡を垂直に立てて、光軸調整を行いました。

調整後が下の写真。

完璧ではないですが、最低限の用を成してくれるでしょう。

 

Ocal electronic collimatorのソフトウェアがすぐにフリーズするので、かなりイライラしました。

おそらく全世界のユーザーがイライラしていることだろうと思って、自宅に戻ってから確認すると、新しいソフトウェアが公開されている。

早速ダウンロードしました。

次回はもう少しストレスが減ることを期待しています。

 

 

早速、主鏡洗浄の効果を確認したいところでしたが、うっすらとモヤのかかったシャキッとしない夜空でした。

作品を狙いに行く夜空ではないですが、少なくとも動作チェックはできるし、光軸調整ができているかの確認も行うことができます。

 

まずは子午線を越えたばかりのベテルギウスでピント合わせ。

バッチリです。

 

お次はf=1,200mm, F15のガイド鏡のピント合わせ。

同じくベテルギウスで。

 

最初のキャリブレーション

西の空だし、まあ、こんなものでしょうか。

 

子午線の西側、天の赤道付近での最初のガイド。

Periodic errorが見てとれます。

 

ガイドアシスタントの結果

おお、極軸のずれが観測されなかった!

 

バックラッシュもほとんどない!

 

写真は、というとこんな感じ。

EOS Ra

ISO 2500, 300 sec

四つ端の小さな星の伸び具合はほぼ均一になってます。

僕にとっては許容範囲。

今度、コマコレクターを使ってみようかな?

 

ガイドアシスタントで極軸のずれが観測されなかったので、遊び心でDECガイドをキャンセルしてみました。

4分半まで素晴らしい動作でしたが、何やらガクッとした動きがあったらしく、写真はブレ写真となりました。

何によるギャップなのか、現場を取り押さえれてませんが、この巨大赤道儀、時々こういうガクッとした動作をします。

撮影の大きな支障にはなっていないのですが、気になります。

この現象の原因、今後、究明できるかな?

場合によっては、こなれて自然に消滅してしまうかもしれません。

 

素敵な夜空を待ちたいと思います。

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VIXEN GP赤道儀の分解整備 シリコングリースを使ってはいけない!

2024-02-13 21:21:46 | 天体望遠鏡

前回の記事の僕のつぶやき(「GPの分解整備ねぇ。時間の確保ができるかなぁ」)を耳に留めてくれた友人がおりまして、早速、やることになりました。

ほんと、感謝、感謝 (^_^)

 

ステッピングモーターを外します。

次にDECのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする六角ネジが2本ありますので、その2本を外します。

(その2本の六角ネジの間にあるイモネジは、ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせを緩くするためのイモネジです。)

 

次にウォームギアが入っているケースをDEC軸に固定している左右の六角ネジ2本を外します。

 

外すとウォームギアとウォームホイールが露出します。

ちょっとピンボケ写真ですが、RAでも同じものが出てきますので。

 

DECのウェイトシャフトを外して、その根元にある目盛環を抑えるねじ込みリングを外します。

 

目盛環を外したところ

 

DECのクランプを外します。

 

DECの軸がガタつかないように、ウェイトシャフト側にねじ込みリングがあります。

このねじ込みリング、弛まないようにイモネジがあります。

DEC軸のねじ込みリングには押さえのイモネジが1本ありますので、そのイモネジを緩めてから、ねじ込みリングを外します。

(RA軸のねじ込みリングは押さえのイモネジが3本あります。)

 

次にアリミゾを固定している六角ネジ2本を外します。

 

DECのアリミゾが外れるとウォームホイールが露出します。

 

DEC軸のウェイトシャフト側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。

 

DECのねじ込みリングが外れたところ。

 

DECのねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。

 

ウェイトシャフト側のねじ込みリングを外すとDECの軸とウォームホイールを引き出すことができます。

 

DEC軸が外れたところ。

 

DECのウォームホイールのウェイト側にプラスチックリングがあるので外します。

 

DECのウォームホイールを外します。

 

DECのウォームホイールのアリミゾ側にもプラスチックリングがあります。

 

DECのウォームホイールの両端にあるプラスチックリングは全く同じものであるようです。

 

DECの極軸窓が付いている部品をRAに固定している六角ネジ2本を外します。

 

DECの極軸窓がついた部品が外れたところ。

 

RAのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする2本の六角ネジを外します。

 

ウォームギアを入れたケースを固定している東側の六角ネジを外します。

 

ウォームギアを入れたケースを固定する西側の六角ネジを外します。

 

RAのウォームギアとそのケースが外れて、ウォームホイールが露出します。

 

極軸望遠鏡は捻れば外れます。

 

極軸望遠鏡を外すところ

 

極軸望遠鏡の目盛環を外します。

 

RAの極軸望遠鏡側を抑えるねじ込みリングが緩まないように3本のイモネジでRA軸に固定されています。その3本のイモネジを緩めます。

 

極軸望遠鏡側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。

 

ねじ込みリングが外れたところ。

DECと同様、ねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。

 

赤道儀の土台からRA軸を抜き取ります。

 

DECと同様、RAのウォームホイールの両端にプラスチックリングが付いています。

 

RAのウォームホイールを外します。

 

RAのウォームホイールの極軸窓側のプラスチックリングを外します。

 

パーツクリーナーで部品についた古くて硬くなったグリースを落としてゆきます。

 

綺麗になったパーツ

 

古い、硬くなったグリース。

これでは動きが渋かったわけです。

 

ウォームギアをケースから取り出すためには、まず端っこのナットを外します。

 

外したナットの付いていた黒い部品を手で回して外します。

 

ウォームギアが外れます。

 

ウォームギアの両端に金属のリングが付いてます。

 

分解したウォームギアとそのケースを並べたところ。

このセットはDECとRAで全く同じ部品が使われています。

 

あとはグリースアップして、逆の手順で組み立てればいいだけです。

ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせ調整だけ少しコツがいりますが、慣れの問題かと。

 

サクサクと組み上がったのですが、、、組み上げの過程でくるくるに回っていたDECもRAも、組み上がってしばらくしたら、固着して回転しなくなりました。

何が一体どうしたのか、さっぱり理解できませんでした。

 

どうも低温耐性のシリコングリースが柔らかすぎたようです。

シリコングリースが柔らかすぎて、赤緯軸、赤経軸を回転させているうちに濾し出されて、ウォームホイールが固着してしまったようです。

使ったのは、Shin-Etsu Silicon GREASE、信越化学工業 汎用シリコーングリース 低温潤滑用 です。

今更よくみると、「使用期限2024年9月」と書いてあります。

用途に「輸送機器」「音響機器の各種部品の軸受け」「ギヤ摺動部の潤滑」などと書いてあります。

 

 

苦労してRAとDECのウォームホイールを外しましたが、DECのウォームホイールに傷が付いてしまいました。

耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨して傷を消したのですが、組み上げようとしたらウォームホイールがハマらない。。。

なぜだかよくわかりませんでしたが、やむなく再度、耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨を行って、それでも入らず、もう一回、180→320→600→1000→1500と研磨を行ったところ、すっぽりと入るようになりました。

 

二度目は普段バイクの整備に使っている デイトナガレージの「万能グリース」を使用しました。

ステアリングヘッド、ホイール等のベアリング分に最適

回転部、軸受の他、潤滑を必要とする箇所に使用してください

と書いてある。

使用温度は-20℃〜120℃

 

今度はロックしませんでした。

グリースの種類がこんなに致命的に大事だとは存じませんでした。

良い勉強になりました。

 

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2024/01/12 山梨 電気容量アップ オフアキやめてみた 適正露出をするにはどうするか New Nikkor 200mm F4デビュー

2024-02-04 18:35:49 | 天体観測

仕事が終わってから出発。

到着は夜中になりました。

気温は氷点下6℃

関東平野とは違います。

 

すでに日を越している。

天文薄明が5時として、時間がない。

この状況でやりたいことがありました。

それは巨大ニュートンのガイド方法を変えることです。

今までほとんどオフアキでやってきました。

しかし、オフアキだとオフアキのプリズムの影が写り込むんです。

下の写真の底辺と上辺を比較してください。

底辺の真ん中に影が写り込んでいるのがわかると思います。

M33の撮影でこれが画像処理の足を引っ張るんです。

M33 の淡い腕がこの影にかかると非常に厄介。

 

今回は、オフアキをやめて、巨大ニュートンに乗っけてあるVixenの1200mm F15(口径80mm)のアクロマートをガイド鏡として、オートガイドを試みることにしました。

F15ですので暗い。

果たしてガイド星は見つかるのか?

実際にオートガイドできるのか?

ガイドカメラには、オフアキに使っていたASI 174MM miniを選びました。

1200mmですから元より視野が狭い上、暗い。

ガイドカメラとしてはセンサーが大きく、画素サイズも大きいASI 174MM miniが適任です。

 

日を越しているので東の空が暗い。

今宵は東の空に登ってきたM51、子持ち銀河を狙うことにしました。

 

いつものように子午線の付近、今回は東側、かつ天の赤道付近でキャリブレーションします。

この赤道儀が比較的得意な東の空なので、気持ちよく直交したグラフです。

(キャリブレーションステップ数が微妙ですが)

 

ガイドアシスタント。

1200mm F15とASI 174MM miniで、今回が初めてのガイドアシスタントなので、0.52、0.80という最小移動検知量が何を意味するのか、現時点で判断しかねます。

東の空なのでバックラッシュは(この赤道儀にしては)非常に小さい。

グラフを表示するまでもないでしょう。

 

PHD2のカメラの設定がOn Cameraで、赤道儀の姿勢がPHD2に送られていないので、M51に向けてから再度キャリブレーション。

キャリブレーションステップが理論値から大きく外れています。

 

オートガイドはまあ、許容範囲ということで。

露出時間3秒ですが、捉えられるガイド星の数が少ない。

視野が狭いし、暗いし、仕方がないのかもしれません。

もう少し露出時間を伸ばしても良いですが、改善はあまり期待できなさそう。

とりあえずガイド星をしっかり見つけてくれるだけでよしとしましょう。

でも、次回は露出時間6秒を試してみようかな?

空の状態によってはそれの方がうまくいくこともあるでしょう。

 

M51、子持ち銀河

ISO 6400, 300sec

20枚くらいコンポジットしたと思います。

なかなか良い写りをしてくれました。

が、まだノイジー

 

トリミング

 

撮影終盤、ガイド星を見失った時がありました。

ガイド星を見失った状態でしばらく放置して観察してみた結果がこれです。

綺麗に赤経方向にのみブレている。

ターゲットグラフを見る限り、極軸はほぼ完璧に調整されていると思って良さそう。

ならば次回、DECガイドをOFFにしてみるか?

それを試す価値があると思わせてくれるほど見事なグラフです。

赤経グラフはある程度の規則をもって上下しています。

Mの字状に見えます。

これがこの赤道儀のPeriodic Errorなのでしょう。
PHD2に内蔵されているマックスプランク研究所で発案されたPredictive Periodic Error Correction機能がこれを完璧に捉えてくれると嬉しいのですが、現実のオートガイドを見ていると、それほど頼りになるものではなさそう (^_^;)

 

あっという間に天文薄明になってしまいました。

毛布N warm super 4枚やシーツを一式、洗濯してきたので、気持ちよく眠りにつきました。

 

 

5時間ほど眠って、朝10時過ぎに起床。

今回のメインミッションは観測小屋の電気容量をアップすることです。

前回2024/01/06に望遠鏡3台を稼働させた上で電子レンジを使ったら、ブレーカーが落ちて望遠鏡3台のセットアップをやり直す羽目になったからです。

友人が来るとき、外で2-3台望遠鏡を出していますから、今後も同じ状況になることが予想されます。

 

電気容量アップの申し込み手続きはネット上でできました。

工事は平日でないとダメなので休みをもらいました。

午前11時過ぎに東京電力の作業員が来ました。

ブレーカーのカバーを外して、凝固しました。

携帯電話で会社に連絡をして「⚪︎⚪︎がひとつしかないんですが、容量アップできますか?」みたいなことを聞いています。

半世紀近く前のものですので、無理もない話だと思います。

幸いにして無事、容量アップできました。

ただし、20アンペアまで。

30アンペアにできないか聞いてみたのですが、電柱から小屋への配線が細すぎて、30アンペアにするためには工事が必要だそうです。

ブレーカーも交換しないとダメだとか。

今回はとりあえず20アンペアに容量アップできただけでよしとしました。

 

今まで、あまり深く考えずに電気を使ってました。

20アンペアで、電圧が100ボルトですから、2000Wまで使えることになります。

この際、どれくらい電気を使っているのか、調べてみました。

下の写真は冷蔵庫。

85Wであるようです。

 

500Wの電子レンジの動作電力が1000W

こたつが600W

冷蔵庫 85W

蛍光灯 38W

山善の床暖マット70W

電気毛布(広電) 55W、(山善)40W

合計1793W

 

これに赤道儀の消費電力や、レンズヒーターが加わるわけです。

意外と余裕がない。

というか、よく今まで1500Wでもっていたものだ。

1000Wも食う電子レンジが問題

電子レンジ以外は問題ない。

電子レンジを使わない選択?

ない、ない。

凍える夜に温かくて美味しいコンビニレンチンメニューは幸せ以外の何者でもないのです。

電気毛布は寝る時だけなのでよしとするとして、電子レンジを使う時はコタツを消さないと危ない

巨大ニュートンをコントロールするパソコンの前に敷いてある床暖マットも消すべし。

 

とにかくめでたく電気容量をアップできて、最低限のミッションを完遂。

しかし、新月期なのだし、今夜は晴れる予報なのだし、撮影しない手はないでしょう。

しかし、翌朝8時から職場の待機当番なのです。

翌朝8時までに絶対に帰宅していないといけない

それでも日を越してから帰路につけば良いではないか。

 

 

今宵もしつこくM33から。

前回二晩とも不本意な出来だったので。

 

西の空のキャリブレーショングラフは相変わらずといった感じ。

最小移動検知量は昨夜より少し改善。

今宵の方が良い写真を撮れる可能性があるということ。

にしても・・・・backlash compensation値が420msec?!!

こんな小さな値、東の空でも出たことがあったかどうか。

 

Backlash results。

むっちゃ綺麗なグラフ。

こんなグラフを偶然であっても出せる実力があったのね。。。

しかし、じゃあなぜキャリブレーショングラフの直交エラーが大きいの???

わけわかりませんが、とにかく撮影に突入。

 

M33のオートガイドグラフはこんな感じ。

ご機嫌はなかなかよさそう。

 

オフアキをやめてみた成果はどうかというと、こんな感じ。

オフアキプリズムの影がない! (^_^)

気持ちいいです。

 

画像処理した結果がこれ

前回よりさらに悪くね?

そうなんです。

露出しすぎました。

ISO 6400、360秒露出

前回2024/01/05と2024/01/06の夜は、ISO 6400, 240秒露出でした。

いくらなんでも露出しすぎです。

 

安い液晶画面でみているので、時々こういうミスをする。

こんなミスはもう二度としたくない。

どうすればいいか。

露出をいろいろ変えて、ヒストグラムを比較すれば一番いい露出を決めることができる。

ヒストグラムをどうすれば表示できるか?

撮影に使っているのはWindows 10が入った古いmini PC。
Windows 10に標準搭載されているソフトに写真のヒストグラムを表示できるものはなさそう。

僕が知っている写真のヒストグラムを表示できるフリーソフトといえばCanonのDigital Photo Professionalくらいでしょうか。

重そうなので、果たしてこの古いパソコンで動くかどうか。

次回、試してみることとします。

 

 

この夜はさらにもう一つの挑戦をしていました。

友人のおすすめでNew Nikkor 200mm F4を入手しました。

New Nikkor 200mm F4 ?

知るはずもない。

1974年発売のレンズです。

リンクを参照してください → 第八十七夜 new Nikkor 200mm F4

EOSで使える200mm単焦点レンズって、実はほとんどないんですね。

あってもとても高い。

焦点距離200mmの望遠鏡はなお高い。

New Nikkor 200mm F4なら千円から手に入ります。

とりあえずお試しでヤフオクで¥1100で入手してみた次第です。

New Nikkor 200mm F4 + EOS 60Daを無銘の200mm F4のガイド鏡と並列同架してOnstep GPに載せました。

 

今宵のOnstep GPの機嫌は悪くなさそう。

 

まあ、こんなものでしょう。

 

GPの分解整備ねぇ。

時間の確保ができるかなぁ。

 

成果。

ISO 1600, 300 sec

F4開放で撮影しました。

20枚以上コンポジットしたと思います。

初めての画角。

楽しい (^_^)

次回はISO 3200に上げて、F5.6かF8まで絞ってみようかな?

 

この夜は、機材の動作が安定していたので、リモートデスクトップで、こたつの中から全てを把握できたので、比較的楽な撮影ができました。

 

今回はちゃんと日を越す前に撤収作業に入りました。

AM 1:15に小屋を出発。

セブンイレブンで、セブンスイーツの「とろけるティラミス」を食べて気合を入れました。

AM 3:31 自宅到着。

荷物の片付けをしていたら、子どもが部活の試合で遠征するために早起きしてきたので、家族で朝飯を食べることができました。

流石に二日間連続だったので、昼過ぎまで目が覚めませんでした。

職場からの呼び出しがなかったのが本当に幸いでした。

 

何かとうまくいきませんが、この失敗を今後に活かそうと思ってます。

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2024/01/06 山梨 赤道儀3台同時撮影に挑戦 ブレーカーが落ちた (T_T)

2024-02-04 15:17:50 | 天体観測

昨夜はたくさん失敗を犯しました。

今夜こそスムーズな撮影がしたい。

昨夜不発のVixen GP+EVOSTAR72EDⅡに加えて、日中のうちにEQ6proにBLANCA-130EDTを乗せてセットアップしておきました。

つまり、巨大ニュートンと合わせて、3台の赤道儀を同時に扱おうという作戦です。

初めての作戦になります。

巨大ニュートンと他2台は20mほど離れているし、靴を履いて小屋からでる必要があります。

GP+EVOSTAR72EDⅡはリモートデスクトップでコントロールしましたが、EQ6pro+BLANCA-130EDTは現場のノートパソコンでコントロールしました。

やっていて頭が混乱しないか、ちょっと心配でした。

 

RAW撮影する場合、ノイズがひどいので、画像処理をする上でどうしても枚数が必要になります。

今までのように、一晩のうちに、一つの望遠鏡で次々と被写体を変えてゆく撮影方法ではダメです。

望遠鏡1台あたり、一晩に撮影する被写体を絞り込んで、枚数を稼ぐ必要がある

 

あまり複雑なことは考えたくなかったので、巨大ニュートンはこの夜もM33三角座銀河を狙わせました。

手順は基本的に昨夜と同じです。

 

子午線の西側、天の赤道付近でキャリブレーション。

なかなかよし

 

そのまましばらくオートガイドさせます。

オートガイドのグラフの振れ幅が大きい。

振れ幅が大きいが上下均一に振れているので、今思うと、露出時間を6秒にすべきだったのでしょう。
シンチレーションが悪くて、ガイド星がゆらゆら揺れて、PHD2が振り回されていたのでしょうから。

 

ガイドアシスタントで赤道儀の動作と夜空の解析。

うーむ、最小移動検知量の値が非常に大きい。

この夜のシンチレーションは悪いようです。

ガイド星が画面の端っこすぎてバックラッシュが測定できないとの表示が出ました。

バックラッシュはだいたい見当がつくので、この夜は先を急ぎました。

 

子午線を超えてきたM33に巨大ニュートンを向けてキャリブレーション

よくはないが、最悪ではない

 

オートガイドはこんな感じ。

露出時間は4秒にしました。

シンチレーションの割に、頑張っているのではないでしょうか。

 

 

昨日より枚数を稼いだはずなのに、写りが劣ります。

カメラはいつものEOS Ra

シンチレーションに敗北。

こういう夜は巨大ニュートンを諦めて、巨大ニュートンの背中に乗せてあるBKP130で撮影すべきなのでしょう。

 

あまりに写りが悪いのでちょっと気分を変えて北のM81を狙ってみました。

疲れていたのか、guideグラフを記録するのを忘れました。

写りの良い写真だけセレクトしてコンポジットしたので、少し満足できる写りになりました。

 

 

 

お次はEVOSTAR72EDⅡ。

昨夜不発だっただけに頑張って欲しいところ。

 

まずは木星でピント合わせ。

 

200mm F4のガイドスコープに取り付けたStarlight Xpress LodeStarのピント合わせ

 

キャリブレーション

 

ガイドアシスタント

赤緯軸のバックラッシュはかなり大きい模様
しかし、やはりEVOSTAR72EDⅡにレデューサーをつけて焦点距離357mmですので、シンチレーションには強そうな印象。

まだまだ使い始めたばかりで、過去のデータと写真の積み重ねがないので、なんとも言えませんが。

 

バックラッシュのグラフ

 

EVOSTAR72EDⅡで何を狙おうかと空を見回したのですが、雲が出てきてしまって被写体選びに困りました。

オリオン大星雲を撮らせたのがこれ。

カメラはEOS 60Daです

 

だいぶ西に傾いてしまったM31は結局1枚しか撮れませんでした。

結局、EVOSTAR72EDⅡはこの夜も不発に終わったのでした。

 

EQ6pro+Kasai BLANCA-130EDT+Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサー

昼間のうちにピントを大まかに合わせようとしたら、なんと、Kenko Close-up lens No.4で自作レデューサーを使うと接眼部を伸ばし切ってもピントが合わない!

ピントが合うためにあと1mm足りませんでした。

延長筒を使ってことなきを得ました。

 

ガイドカメラには昨夜、給電が追いつかず動作しなかったASI290MM miniを使用。

今回はちゃんとUSBハブに給電したので動作しました。

 

子午線の東側、天の赤道付近のEQ6proのキャリブレーション

 

天の赤道付近でのオートガイド
焦点距離700mmくらい(?)ですが、それでもグラフが暴れています。

グラフの縦軸のスケールをいつもの2秒にできない。。。

ターゲット表示でも的を絞れていない感じ。

均一にバラけているので、オートガイド自体は正常動作している印象

 

ガイドアシスタント

「極軸が大きくずれているので、修正せよ。」

はて?PoleMasterで極軸を合わせたのですが?

このあと再度、極軸をPoleMasterで調整したのでした。

EQ6proの極軸窓、加工がちょっと雑なんです。

若干、アダプターが微妙に浮く箇所があって、しっくりこない。

やはりこういう結果になるんですね。。。

 

「ガイドカメラのピントをしっかり合わせましょう!」

バーティノフマスクを使ってピントを合わせてるんですけど・・・。

つまり、バーティノフマスクでピントを合わせてあっても、星像がまとまらないほどシンチレーションが悪いということでしょうか。

一応、再度バーティノフマスクを使って、ピント出しをしたのでした。

 

バックラッシュグラフは合格点

まあ、東の空ですから。

でも、なんとなくグラフの線がフニャフニャなのが気になる。

 

というわけで、極軸を再度合わせたり、ガイド鏡のピントを再度調整したりしているうちに、随分時間を失ってしまいました。

結局、M81+M82を狙わせました。

雲が微妙にあって、それくらいしか狙えるものがなかったというのが正直なところです。

結果はこれ

レデューサー、つけるべきではなかったです。

普通に撮影すべきでした。

 

使ったカメラはEOS 6Dですが、BLANCA-130EDTに自作レデューサーをつけると蹴られますね。

延長筒が必要だし、蹴られるし、フルサイズで撮影するのであれば、Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサは使う価値はないというのが結論でしょうか。

 

ほんの少しトリミングをしたのがこれ。

それでも小さい。

 

23時過ぎには雨がパラつきました。

粘りましたが、2時過ぎには雲がたくさん出てきてしまって、撤収を余儀なくされました。

 

雲が流れていて空の状態が安定しなかっただけでも大変だったのですが、実は、今宵のメインイベントというか、一番大きな事件は21:55に起きました。

やっとこさ、3台とも撮影が軌道に乗ったことを確認し、少し遅い夕飯を食べようと、電子レンジを使ったその時です。

ブレーカーが落ちました

 

全て吹っ飛んだとは申しませんが、キャリブレーション当たりからやり直しでした。

これはたまらん。

今まで小屋の電気は15Aの契約でしたが、20Aに増やそうと決意した瞬間でした。。。

 

新しいことを始めるにあたり、これでもかというくらい、トラブルに見舞われまくってます。

めげずに頑張るつもりです。

 

帰り際、近所の神社に立ち寄りました。

今年は良い写真がたくさん撮れますように

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2024/01/05 山梨 M33のRAW撮影、八ヶ岳くるくる写真 失敗いろいろ

2024-01-14 12:41:20 | 天体観測

正月休みも終盤です。

17:30頃、小屋に到着。

 

赤道儀コントロール用のパソコンのモニターの向きを変えたら、急に何も映らなくなりました。

焦りました。

モニターの接続ケーブルを抜き差ししたり、電源を入れ直したりしているうちに10分ほどでモニターが復帰。

原因はわかりませんが、近い将来、本格的に故障することを想定しなければならないでしょう。

モニターがなければ何もできません。

今回、復帰してくれたから良かったですが、復帰しなかったらどうすべきだったか。

 

いくつか選択肢があります。

一つは、今回持ってきたmini PC用の携行型モニターを使うこと。

次に、リモートデスクトップで手持ちのiPhoneかiPadをモニターがわりに使うこと。

(ただし、これを最初からやるためには、パソコンが起動とともにWi-Fiに接続するように予め設定しておかなければなりません)

 

気を取り直して作業を進めます。

まずは明るく輝いている木星でピント合わせです。

手作りしたバーティノフマスクが毎回大活躍

 

 

次に望遠鏡を西の空に向けてから天の赤道と子午線付近でキャリブレーション

なぜ西の空かというと、暗くなって早い時間帯は東の空は街明かりの影響で使えない。

西の空もまだある程度明るいのですが、撮影するなら天頂から西の空と、この望遠鏡では相場が決まっているのです。

キャリブレーション結果で「RAとDECが直交しないよ」との表示が。

よくある原因として、以下の三つの原因を挙げている。

 

・極軸が大きく外れている

・DECの大きなバックラッシュ

・RAの大きなperiodic error

 

この巨大ニュートンの赤道儀、西の空でバックラッシュが大きいので、こういう結果になるのはある程度許容しないといけない。

オートガイドを続けているうちにバックラッシュがなくなって、一方向ガイドに落ち着くので、それを待ってから撮影開始です。

が、やはり気持ちのいいグラフではないので、あと2回、キャリブレーションをやり直しました。

 

キャリブレーションが終わったらそのままガイドアシスタントを起動してPHD2に赤道儀の挙動と夜空のシンチレーションの状態を認識させます

最小移動検知量が比較的小さい値なので、シンチレーションは悪くない。

Backlash compensationが適応される範囲に収まっているので、今夜のこの赤道儀の調子は悪くない。

 

バックラッシュグラフ

西の空なんで、これでもいい方なんです。

 

巨大ニュートンのこの夜の狙いはもう少しで天頂付近で子午線を超えてくるM33にしました。

M33三角座銀河、RAWで撮影するのは初めてのことになります。

M33に向けてからPHD2でキャリブレーションした結果がこれ。

今夜、西の空に向けた赤道儀のご機嫌は良いようです。

 

ガイドグラフはこんな感じ

 

M33 三角座銀河

ISO 6400、240秒、20枚コンポジット

RAWだと比較的細部が残りますが、20枚程度ではノイジーな画像になりますね。

今までJPEGだったので8枚以上コンポジットするメリットをあまり感じずにここまできましたが、20枚でこれだけノイジーとなると、一体何枚コンポジットすればいいんだろう?

本当はもっと撮影できていたはずだったのですが、Star Trail撮影に行ったり、GP赤道儀のセットアップに離れていた間に巨大赤道儀のウェイトが脚立に当たってて、ブレブレ写真を4-5枚撮ってました。

脚立が押されてくれていたからよかったけど、脚立が壁とかに押し付けられて、動けない状態になっていたら赤道儀が壊れていたかもしれなかったので、焦りました。

 

M33を撮影する合間に八ヶ岳一望スポットでStar Trail撮影開始。

21:59にセットしましたが、月の出が0:26に迫っており、今夜はあまり長い時間はできないかもしれません。

 

23:18からM1 カニ星雲を狙います。

しかし、シンチレーションが悪化して、写った星がボヤボヤすぎて、このまま撮り続けるべきか悩みました。

ISO 6400, 240sec、10枚コンポジット

やはりぼやぼやで、カニ星雲の赤い雷みたいな線がほとんど見えませんでした。

しかも、GP赤道儀のセットアップに離れている間にガイド星を見失い、1時間くらい、ブレた写真の山を作っていたという。。。

 

M33とM1撮影中に、Onstep化したGPとEVOSTAR72EDⅡのセットアップにかかってました。

これが難渋した。

なぜか赤緯軸が動かない。

モーター自体はウィンウィン動こうとして、タイミングベルトがプルプルするが、赤緯軸の動作に至らない。

寒さでグリースが硬くなりすぎたか?

あれこれいじっていたら、結局、配線の接触不良だった

手作りOnstep GPは配線の接続部が緩みやすいので、要注意です。

Onstep GPの動作が戻ったことで、撮影をしようかと思ったら、今度はガイドカメラのASI 290MM miniがうんともすんとも言わない。

故障か?!

結構高価なカメラだからショックです。

やむなく手持ちにStarlight Xpress LodeStarに切り替えました。

LodeStarは問題なく使えそうでした。

写真は、M42付近でLodeStarのピントを合わせた時の画像です。

撮影を開始しようかと思ったら、、、明るい月が高くなってました。。。

この夜は、Onstep GP + EVOSTAR72EDⅡは成果ゼロ

 

八ヶ岳一望スポットにEOS 6D + SAMYANG 14mmを回収しに行きます。

レンズを触ると暖かい。

レンズヒーターが暑過ぎる。

こんなに暖かくなくて良い。

次回はレンズヒーターの温度を「低」に設定しよう。

レンズヒーターに使っていた大きめなモバイルバッテリーMPB-32000の残量表示が2%!

EOS 6D用に使っていた大きいモバイルバッテリーMPB-52800の方は寒さにやられて液晶画面が死んでました。

でも、とりあえず撮影は継続できていたよう。

その成果がこれ。

 

部屋に戻ってからASI290MM miniをノートパソコンに接続してみると動作する。

ホッとしました。

何が問題だったのか。

おそらく給電が追いつかなかったのでしょう。

そういえば撮影カメラEOS 60Da、Onstep、ASI290MM miniを繋いだUSBハブ、給電式を使ってなかった。。。

つまり、こういうことです。

 

Q「なぜUSBハブにACアダプタがついているの?」

A「USB機器が電力不足で動作しない場合があるからです」

 

ASI290MM miniの消費電力はLodeStarよりずいぶん大きいということでもあります。

この夜はトラブル続きでまともな撮影ができず。

一つ一つの経験から学び、次に活かしたいと思います。

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PoleMasterの赤道儀取付アダプター Vixen ビクセン GP/GPD用が、GPの赤緯軸と干渉する

2024-01-01 17:33:40 | 天体望遠鏡

2023/12/17にPoleMasterを初めてVixen GPで使いました。

真っ暗な中の作業は苦難の連続でした。
 
Polemaster のソフトウェアの扱いはとてもわかりやすかったです。
PoleMasterのカメラ画像がパソコンモニターで全画面表示されない点が不便(不親切)と感じますが。。。それ以外はとても良いと思います。
 
問題はその手前の手順。
Polemaster のGP赤道儀用アダプターをGP赤道儀の(極軸望遠鏡の先端にある)極軸窓に取り付ける段階でした。
 
アダプターを極軸窓に差し込むのですが、綺麗にハマらない。
端っこが少し浮くんです。
その状態でPoleMasterをアダプターに取り付けても、PoleMasterのカメラが北極星の方角を向かない。
 
極軸が正しく調整された状態で赤経軸を回転させれば、PoleMasterの写野が回転する中心と、天の北極が一致します。
 
アダプターが傾いているということは、赤経軸を回転させればカメラの写野の中心が天の北極の周囲に円を描くように移動してしまいます。
 
なぜGP専用に設計されたアダプターが極軸窓にキレイにハマらないのか?
あれやこれや30分ほど格闘しているうちに、何かの拍子にアダプターがピタリと極軸窓にハマりました!
 
PoleMasterのソフトウェアの手順に従い、極軸の調整を済ませました。
 
撮影を開始すべく、ステラショットで目標天体を導入する操作をしました。
 
赤緯軸が途中で動作を停止して固まりました。
 
なぜだ?!
どこか接触不良でも起こしたか?
まずはステッピングモーターの電源ケーブルが引っ張られて抜けてないか?
ステッピングモーターの電源ケーブルの接続部が緩んでないか?
ケーブルの両端をチェック。
 
次に、Onstepコントローラはどうか。
所詮、自作したコントローラです。
氷点下の過酷な環境です。
故障したかも。
こういうことも見越して、Onstepコントローラ、予備機を2つ持ってきてたんです。
 
ところが、3台のコントローラすべてが同じところで動作を停止する。
コントローラが3台とも故障?
絶対ないとは言いませんが。。。
 
赤緯軸が停止した状態で赤緯軸のクランプを解除して、手で赤緯軸を動かそうとしたら、動かない!
赤緯軸が何かにぶつかって動かない。
暗闇の中で原因を探ると、PoleMasterのアダプターが回転する赤緯軸と干渉してました。
下の写真の通り、極軸窓から見える赤緯軸はなぜか波打った形状をしている。
 
 
アダプターを純正のまま使用するのであれば、アダプターは赤緯軸と干渉しないように取り付け、PoleMasterで極軸を合わせたら、アダプターを毎回外さなければならないということです。
面倒くさい!
アダプターはGP専用であり、他の赤道儀には用のない代物なのだから、GPにつけっぱなしにさせて欲しいものです。
アダプターはイモネジ2本でGPの極軸窓に固定する仕組みです。
これがまた結構面倒くさい。
 
というわけで、赤緯軸と干渉しないようにアダプターを削ってみました。
 
新品のアダプターがこれ。
 
サンダーで削って赤緯軸と干渉しないようにしたアダプターがこれ。
 
 
送料込みで5千円するんだから、赤道儀の動作に干渉しない製品をお願いしたいものです。
せめて干渉することについて注意書きをつけてくれれば寒空の下、時間を無駄にせずに済んだものを。。。
 
まさかEQ6proでも干渉するのだろうか?
EQ6proは山梨の天体観測小屋に置いてあるので、すぐには確認できませぬ。
コメント (4)
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2023/12/17 野辺山で天体観測 Onstep GP赤道儀のオートガイド初陣

2023-12-30 18:44:26 | 天体観測

友人の友人が野辺山宇宙電波観測所の近くに天体観測小屋を入手したという。

友だちの友だちはお友だち、ということで行ってきました。

野辺山は標高1340m前後。

ぶっちゃけ、僕が過去に天体観測した地点で、麦草峠と那須岳の峠の茶屋駐車場を除く全てを凌駕する標高です。

僕の天体観測小屋に至っては標高600mなので比較になりません。

空の青さが違う。

 

野辺山宇宙電波観測所の45mパラボナアンテナが八ヶ岳を背景に見えます。

野辺山宇宙電波観測所、僕が高校生の地学部の時に見にきたのが初めてのことでした。

まさかこんな形で再び縁ができようとは。

JAXA 臼田宇宙空間観測所に第一線は譲ったのかもしれませんが、見るたびにパラボナアンテナの向きが変わっており、まだまだ現役のようです。

 

友人の友人の観測小屋はスライディングルーフ小屋と、宿泊小屋の組み合わせ。

素敵です。

入手したばかりで、宿泊小屋とスライディングルーフ小屋の間をLANケーブルで結んだり、邪魔な木を切り倒したりと本格稼働の準備がどんどん整ってきているところでした。

 

標高が高いのはいいことなのですが、厳しい環境でもあります。

16:33の気温が氷点下3度でした。

真夜中には氷点下10度を下回ることを覚悟しないといけない。

今回はフル装備で臨みました。

5年ぶりくらいに白金カイロも持ってゆきました。

 

案の定、寒い!

夜になると車が凍りつきました。

 

この夜は氷点下10度には至りませんでしたが、氷点下8度まで下がりました。

幸にしてこの夜の天体撮影の大半は、休憩小屋の中からできました。

15年前まで借家アパートで使っていた古いWi-Fiルーターを持ってきてリモートデスクトップで撮影したためです。

ただし、外においたノートパソコンに霜が降りて、画面の動作が少しおかしくなりました。

ノートパソコンに死なれると痛すぎる。

この経験、次回に生かす予定です。

 

今回僕が持ち込んだ機材はonstep化したGP赤道儀と中古で入手したEVOSTAR72EDⅡ。

GP赤道儀を中古で入手して、1年半前にOnstep化したにも関わらず、ほとんど使えてませんでした。

唯一使ったのが西村彗星の時でしょうか。

作ったからには使い込んであげないと。

 

僕としてはかなり珍しいことに明るいうちにセットアップできたので、月を撮影してみました。

EVOSTAR72EDⅡの焦点距離は420mm(F5.8)

それに0.85倍レデューサーをつけて357mm(F4.9)。

カメラがEOS 60Daなので1.6倍して、571mm相当の画角になります。

月がずいぶん小さいです。

こんなに焦点距離が短い望遠鏡は初めてなので、新鮮です。

風が強かったこともあり、シャープさに欠けます。

 

暗くなって最初に狙ったのがスバル M45

EOS 60Da

ISO 3200、300秒、8枚コンポジット

うっかりしてて、JPEG撮影

画面右の星が若干楕円形になってます。

スケアリングの問題かと。

 

トリミングしたのがこれ。

EOS 60Da、やはりノイズが多いですね。

 

M45のオートガイド

東の空です。

うーむ、ひどい。

縦軸2秒ではグラフが場外へはみ出してしまいます。

しかし、こんなもんで星がしっかり丸く映るんですね。

短い焦点の望遠鏡って、そんなものなのでしょうか。

今まで超・長焦点でのオートガイドで散々苦労してきた身には驚きでした。

 

適当に撮っても、割とまともに写ることが確認できましたが、やはりここは焦らず基本に立ち返って、PHD2のガイドアシスタントでGP赤道儀の動作解析を行うことにしました。

その結果がこれ。

なに・・・バックラッシュ測定、頓挫?

ガイド鏡の焦点合わせ、最善を尽くしたつもりなのですが。。。

 

なんてこったい。

赤緯軸のオートガイドは実質的に一方向ガイドですな。

南北どちらの方向に一方向ガイドすればいいのか、PHD2が表示してくれない。

こんなんで星がよく丸く写るもんです。

なぜだろう?

 

お次に撮影したのはM42

ISO 3200、180秒、8枚コンポジット

これもうっかりJPEG撮影。

画面右の星が流れているのはスケアリングの問題なので、ご容赦。

スケアリング、多分、カメラ回転装置の問題です。

M4ネジを手で回して固定するだけですし、そのネジが細くてあまり力をこめて回せない。

この夜の結果を受けて、カメラ回転装置は今後、使わない方針となったのでした。

この写野は新鮮です。

オリオン大星雲の周囲に広くガスが広がっているのがうっすらと確認できます。

次回はもう少し露出して、周囲のガスを炙り出したいです。

 

お次は馬頭星雲と燃える木

ISO 3200、300秒、8枚コンポジット

RAW撮影

これまたこの画角は新鮮です。

60Da、やはりノイズが目立つので、次回はRaで撮影してみたいです。

画面左上の星の青い滲みはなんだろう?

 

お次はバラ星雲

ISO 3200、360秒、8枚コンポジット

RAW撮影。

星の密度がすごいですね。

 

この夜は写したい対象が東の空に多かったのですが、GPの動作チェックを西の空でもやりたい。

西の空、子午線付近、天の赤道付近でガイドアシスタントを起動しました。

うーむ、バックラッシュ測定、またしても失敗。

 

これで、東の空でも西の空でもバックラッシュが大きすぎるとの結果になりました。

このパターンは初めてのことです。

今まで僕が経験してきたのは、「東の空はバックラッシュ測定がうまく行くのに、西の空でバックラッシュが大きい」というものでした。

これは、、、どうしたらいいのでしょう?

というか、GPも分解整備しないとダメ?

面倒くさいなぁ。

 

何はともあれ、この状態で果たして西の空で星は丸く映るのだろうか?

それが問題だ。

というわけで、西の空に入ってきたM78にEVOSTAR72EDⅡを向けてみました。

オートガイドのグラフがこれ。

完全なる一方向(南方向)ガイドですな。

 

M78

ISO 3200、360秒

一応、星が丸く写ってます。

オートガイドができているということです。

 

GP赤道儀、バックラッシュがとても大きな個体を掴んだようです。

星は丸く写るよう。

でもこれ、今回、極軸がよく合っていたことが良いことをしてくれていたことは間違いないでしょう。

ガイドアシスタントの解析結果で東の空では>2.1分角、西の空では>0.8分角

これもまた悩ましい測定結果で、東西の空で極軸のズレが変わってくることをどう解釈すれば良いのか。

PHD2のガイドアシスタントの限界?

それとも望遠鏡を大きく振ると極軸がズレる?

 

いずれにせよ、GP赤道儀を実践投入できて、しかも、オートガイドが使えるレベルであることが確認できた記念すべき夜となりました。

 

今回がPoleMasterの初陣でした。

中古で入手したものです。

使いやすいです。

が、またしても予期せぬドタバタ劇が待ってました

それは記事を改めて書こうかと思います。

 

 

野辺山、風が強いです。

吹きっさらしな感じです。

夜、布団の中にいて、台風かと思うような風の音でした。

あと、スキー場の明かりが邪魔をしてくれます。

野辺山は雪があまり降らないので、夜通し人工雪を撒いて整備しているようです。

小屋の前はだだっ広い畑なのですが、1kmとか先のLED街灯が意外なほど眩しい。

望遠鏡にフードをつけた方がいいかもしれません。

 

この夜は空が良くなかった。

M78の写真は撮って出しなのでわかりやすいかと思います。

 

それでも、野辺山に観測地点ができてくれてうれしい限りです。

氷点下の環境で電気が使いたい放題、暖かい小屋があって、ストーブとこたつに当たりながら天体撮影ができるのは最高です。

しかも、24時間営業のコンビニやホームセンターが車で10分以内にある標高1350mなんて、全国探しても他にないんじゃないかな?

これであとは温泉があれば最高ですが、そこは求めすぎということで。

 

今後が楽しみです。

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