猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2020/02/23 山梨県 M57, M101, M104, 馬頭星雲、燃える木、ランニングマン

2020-02-24 21:12:30 | 天体観測

この観測小屋、40年くらい前の建物ですが、壁の中にしっかり断熱材が入っているみたいです。
壁が全く結露しません。
外にグラスウールが捨てられており、それが壁の中に詰められているのだろうとのこと(友人談)。

畳間に掃き出し窓があるのですが、夜になると雨戸を閉めても冷気が入ります。
今回、掃き出し窓にカーテンレールを取り付け、カーテンをしたところ、体感でわかるくらい、ストーブの効きが良くなりました。
窓など、建物の開口部からの熱損失は一般的に30〜40%と言われていますが、納得でした。


先に現場入りしていた友人たちは赤道儀のコントローラーのプログラムを更新して、最高動作速度を12倍速まであげてくれてました。

赤道儀の動作を改善させるために、色々やりました。
ウォームホイールのグリース落としとグリース塗り直し。
ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせ調整。
望遠鏡とカウンターウェイトのバランス微調整。

巨大ニュートンのバランス調整。
ニュートンをこのように垂直に立てて、下にクーラーボックスと枕をたたんで敷き、鏡筒バンドを緩めて、鏡筒の位置を微妙にずらして、赤緯軸のバランスをとりました。




巨大ニュートンの光軸調整。
光軸調整ですが、GINJI-250FNで光軸をレーザーコリメーターでバッチリ調整しても、鏡筒の向きを変えると、光軸がズレるのを経験していました。
この巨大ニュートンでも試してみたら、やはりそうでした。
GINJI-250FNの場合、3本の押しネジと、3本の引きネジが、主鏡の裏側に均等に60度おきに配置されており、これが主鏡の固定の悪さに繋がっているのではないかとも思いました。
この巨大ニュートンの場合、押しネジと引きネジが並んだ状態で120度おきに配置されていますが、それでも向きを変えると光軸がズレます。
鏡筒は厚さ3mmのアルミ製で頑丈ですが、主鏡が多分50kgくらいあります。
向きを変えると微妙に歪むのでしょう。
光軸については妥協するしかありません。






少しずつ暖かくなってきています。
雑草の芽が少しずつ出てきています。
3月には除草剤をまいた方がいいでしょう。
今回は除草剤と除草剤散布機を観測小屋に持ち込みました。

観測小屋に物が溢れ始めたので、それらを収納する物置小屋を物色しに近くのホームセンターに行ったのですが、10万円ほどします。
それなら2バイ4材と構造用合板で自作した方が安く済むとのことで、近々3人で自作することにしました。
僕はそんなのは未経験ですが、半日もあればできるとのこと。
長さが1820mmのツーバイフォー材であれば、1本400円ほどです。
それを多用して立方体の物置小屋を作る計画です。


夜になりました。
前夜とは打って変わって風が穏やかな夜です。
これは期待できます。

まず最初に狙ったのは、この季節、最後となる馬頭星雲。
前回、南の方角の撮影がうまく行きませんでした。
今回、色々整備した結果、撮影がうまく行くのかどうか、気になるところです。
グリースの塗り直し、バランスの微調整、ウォームホイールとギアの噛み合わせ調整などなどの成果やいかに。

撮影してみると、赤道儀がうまく動かない。。。
撮影開始後いきなりなことで焦りましたが、色々やってみると、どうもプログラムが子午線ごえするとうまく動作しないらしいことがわかり、望遠鏡の向きを変えて撮影再開。

(なお、今回の写真は全てノートリミングです)

馬頭星雲
今回の撮影は馬頭星雲狙いということで、EOS 60Daで撮影しました。
巨大ニュートンはF5、f2,500mm
ISO 6400、80秒露出。
8枚コンポジット。



EOS 60Daはもはや過去のカメラになりつつあると感じます。
EOS 60Dの発売が2010年、EOS 60Daの発売が2012年。
ISO 6400でこのノイズはちょっと厳しいなぁ。

続いて、燃える木
同じくISO 6400, 80sec
4枚コンポジット
赤道儀と望遠鏡の調整を頑張りましたが、歩留まりが良いとはとても言えない。
80秒露出での歩留まり40%弱でしょうか。
贅沢を言わせてもらえば、ISO 25600が普通に使えるカメラが欲しい!!




お次はランニングマン
ISO 6400、70秒露出。




南側の空の撮影で歩留まりが悪いことを確認できたところで、今度は東の空に上がってきた回転花火銀河M101を狙いました。
やはり東の空は追尾精度がよく、130秒露出に耐えました。
ただし、回転花火銀河は(大きい割に)淡いため、130秒露出より短くすると露出時間が足りず、歩留まりが良いとは言えませんでした。
結局、今回も16枚コンポジットは叶わず、8枚コンポジットとなりました。
ISO 6400 130秒露出



回転花火銀河はAPS-Cだと画面にギリギリ収まるか、収まらないか、といったところ。
ISO 12800にできれば65秒露出でイケる上、歩留まりがさらに良くなることから、16枚コンポジットどころか、32枚コンポジットがいけたはずです。
画角的にも、フルサイズでの撮影が望ましかった (^_^;)
次回こそ!!


夜も深まったところで、ソンブレロ銀河M104が南の空に上がってきました。
狙ってみましたが、空の低い位置にあるため、鏡筒の下側1/3くらいがスライディングルーフにかかってしまいます。
しかし、試してみると、一応、写りました。
どういうこと?
ISO 6400 60秒露出。
4枚コンポジット




最後に、東の空に上がってきたリング星雲M57を撮りました。
ISO 3200 50sec
4枚コンポジット




東側にウェイトがある場合、赤緯軸が水平に近くなると、星が丸く写らなくなってくる。そしたら、ウェイトをより末梢へ2cmほど移動してやるとよい。
子午線を超えると赤道儀が正常に作動しない。
子午線を超えたらArduinoの電源を一回落とす必要がある。
などなど、赤道儀のクセが少しずつ見えてきました。

もう少し追い込むにしろ、当分はこのレベルの動作精度での撮影が続きそうです。

東の空で130秒、南の空で60秒まで露出が可能。
んー。
やはりISO 25600が使えるカメラが欲しいなぁ。
ISOだけいうならSONYのα7Ⅲだが、ステラショット に対応しているとなるとNikonのD810Aか、CanonのEOS Raか。
手元にあるTリングなどのことを考えるとCanon EOS Raが最有力。
しかし、30万円かぁ。
EOS Rを改造する分には22万円くらい?
安くはない。
けど、10年弱、使う。
悩むなぁ。。。
けど、欲しいなぁ。

コメント (2)
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2020/02/01 山梨 M3, M13, M51, M63, M64, M82

2020-02-04 22:08:14 | 天体観測

2020/01/31 (Fri)の20:30過ぎに出発。
22:30過ぎに観測小屋到着。

望遠鏡を稼働させるも星が流れてなかなか点像が得られず。
やはり現状は満足できる状態ではない。
友人が作ってくれたコントローラーはおそらく、設計者(友人)が意図した通りの信号をモーターに送っていると思われる。

正しい信号に対して、動きが正しくないのはなぜか。

いろんな原因があり得ますが、現状1番、目につくのは「機材が重すぎる」というのがあります。
巨大ニュートンだけで200kgくらい?
親亀子亀状態で巨大ニュートンに背負われている巨大カセグレンが、100kg前後か?

巨大カセグレンは、追尾(手導ガイド)に使われていたのではないかと想像しています。
焦点距離2,500mmの巨大ニュートンを撮影鏡として、それをガイドするのに焦点距離2,700mmの巨大カセグレンが使われていたのではないのか。

現状、この巨大カセグレンを使用する予定がまったくない。
ニュートンとカセグレンの焦点距離はほぼ同じ。
F値で比較すると、ニュートンがF5に対して、カセグレンがF7.7。
もし、手動ガイドするにしても、オフアキすれば巨大ニュートンだけで手動ガイドできます。
オフアキの狭い視野でガイド星が見つかればですが。。。

カセグレンを積極的に使う理由がないのです。

このカセグレンを降ろせば、駆動系への負荷が大幅に軽減されて、コントローラーの信号通りに動くのではないか。
そして、星を正確に追尾してくれるのではないのか。

この夜は、仕事疲れもあり、2:00過ぎに力尽きて寝ました。

翌朝、3人でカセグレンを下ろす算段をしました。
100kg級のカセグレンには、当然ながら、100kg級のカウンターウェイトが逆側に付いています。



片方を降ろせば、当然ながら、もう片方が重くなってバランスが崩れます。
重さが重さなので、駆動系(ウォームホイールやウォームギア)の損傷の可能性を考えると、赤経軸をクランプして作業するわけにはいかない。
クランプフリーで100kg級の機材を降ろさなくてはならない。
やり方を誤ると怪我人が出かねません。

「ツーバイフォー材でカウンターウェイトを支える台を作ろう」
とかなんとか話し合ってましたが、結局、面倒臭いので、カウンターウェイトの下に小さめの脚立をおき、その上にクーラーボックスを乗せて、カウンターウェイトの支えとしました。

カセグレンは、向きを下にすると筒先が床まで20cm程度のところまで下がるので、筒先の下に大きな枕を置いて、鏡筒バンドを緩めました。



外したカウンターウェイトの一つ。
26kgあるAXDより若干軽い印象だったので、多分20kgくらいだと思われます。
これを2枚と、その2倍の重さがあるウェイト1枚、10kgくらいのウェイト1枚、合計4枚のカウンターウェイトを外して、バランスをとりました。




余分なカウンターウェイトを外したところ。最初が迫力ありすぎだっただけに、ちょっと寂しい感じになりました。




カセグレンを降ろして、巨大ニュートンだけになりました。
このあと、推定200kgの巨大ニュートンの前後バランス(主鏡側と筒先側のバランス)を取るのが一苦労でした。
総重量が100kg以上軽くなった上、カセグレンが壁やスライディング・ルーフの端にぶつかる心配がなくなり、取り回しが大幅によくなりました。

さて、その成果は?

上弦の月の前日の晩だったので、夜の前半は月が明るい。
そこでまずは月を狙いました。
カメラはEOS 6Dです。

月面Xが見えます。
月についてはステラショットの導入補正機能が使えないので、手動で画面の中心に持ってこないといけない。
これが意外と難しかった。
なので、構図はズレてます。
(次回は、月のすぐ近くにある星でステラショット で「同期」させてから、月へ移動すれば、いい構図で撮影できるかもしれない。)

写りについては、大気の揺らぎの分だけ、シャープさを欠きました。
大口径なだけに、細かい大気の揺らぎをしっかり拾ってくれます。
月や惑星の撮影は大気の状態に写真のデキが大きく左右されますね。



月の入りは23:56だったはずですが、西にそびえる甲斐駒ヶ岳に月光が遮られて、見事な夜空となったのが22:30過ぎだったかと思います。

東の空から北斗七星が上がってきました。
北斗七星の柄杓の先にあるのはM81とM82です。
M81は見応えがありますが、前回、見事な写真を撮っているので、今回はM82 葉巻銀河 ボーテの銀河を狙いに行きました。

ISO 3200, 120sec
トリミングなし
やった!
ノータッチガイドの120秒露出で星がほぼ点像です!



トリミングしたのがこれ。
こんなに精細に細部が写るとは。。。
500mmの主鏡の威力です。
現状、主鏡が曇っているので、これを再コーティングしたら、どんな写りになるか、妄想してしまいます。




うれしいことに、ISO 3200 180秒露出でも星がほぼ点像になりました。
背景が明るくなりすぎるので、120秒露出に下げましたが、ノータッチガイドで180秒露出に耐えられることがわかったのは、大きな収穫です。




気持ちよくM82の撮影を終了し、お次は南中をすぎて西の空に沈みゆくオリオン大星雲を狙いました。
この季節最後のオリオン大星雲でしょう。
今までで最高の(低ISOの)画像が得られるに違いないと確信して巨大ニュートンを向けました。

と・こ・ろ・が、
がびーん!
まさかのブレブレです。
ISO 3200、90秒露出。
前回、ほぼ同じ方角のオリオン大星雲を撮影した際は、バッチリでした。




このあと、近くの馬頭星雲の撮影も試みましたが、同様の結果でした。
カメラが無改造のEOS 6Dなので、赤みは写っていません。
ISO 12800、60秒露出。



どうしたことでしょう?
機材が軽くなって、駆動系への負荷が減ったことで、東の空では最大180秒露出が可能になった。
これは事実です。
望遠鏡を南西に向けたら追尾が悪くなる?
なぜ?
今後、追い込んでいかなければならない課題です。
もしかしたら、ほんの少し、巨大ニュートンの方が重いバランスになっているとか?


この時点ですぐに思いつく改善策がなかったので、今夜は東の空を狙うことにしました。
結局、北斗七星周り。

M101 回転花火銀河を狙って行きました。
まずは控えめに、ISO 12800, 60秒露出。
点像です(ホッとしました)。



次は、ISO 12800, 120秒露出。
点像です(ホッとしました)。



最後に、ISO 12800, 180秒露出。
若干、星が楕円形になりかかってますが、まあ、合格ライン(ホッとしました)。
回転花火銀河がまだ比較的低い位置にあったため、街明かりを拾ってしまう(背景が明るく写ってしまう)ため、回転花火銀河の撮影は諦めました。




前回写してますが、近くのM51 子持ち銀河に筒先を振りました。
ISO 8000、100秒露出。
ノートリミング。




トリミング。
やはり、これくらい大きく写ってくれるとうれしいです。
でも、拡大した分だけ、大気の揺らぎを拾っているのが見えてきます。
子持ち銀河くらいならまだいいですが、これ以上小さい被写体だと精細さを欠きすぎて作品になりにくいかもしれません。




お次は、前回星が流れて完全敗北したM63 ひまわり銀河をリベンジ!
ISO 12800、70秒露出。
トリミング。
撮影に成功したとはいえ、精細さを欠く写りです。
大気の揺らぎがあるので仕方がないのですが、もう少しなんとかならないか。
画像処理はコンポジットとトーンカーブなど、最低限のものだけですので、ステライメージを使い込めばもっとすごい写真に仕上がるのかもしれません。



M63、最初は100秒露出を試したのですが、歩留まりが悪い。。。
なぜ?
もしかしたら赤緯が低くなると星が伸びるのか?
今後、確認していこうと思います。
というわけで、少し短く、70秒露出としました。


お次は、M3 球状星団!
明るいので、ISO 6400、30秒露出。
ノートリミング。



M3、トリミング。
つぶつぶしていて嬉しいです(^^)
これもISO 1600, 120秒露出に挑戦したのですが、歩留まりが悪かった。




お次は、初めての被写体。
M64 黒眼銀河です。
ISO 12800, 70秒。
ノートリミング。
なんとか点像になりましたが、ちょっと歩留まりが悪くなってきました。




M64、トリミング。




この夜最後は、M13球状星団。
ISO 4000, 30秒露出。
ノートリミング。




M13
トリミング




この時点でAM 5:48

力尽きて、床につきました。。。

今後の課題。

・ウォームホイールのグリース落としとグリースの塗り直し
・グリースの選定(寒さに強いグリースはないか?)
・ウォームホイールとウォームギアの遊びの調整
・ニュートンの光軸合わせ
・バランスの取り直し、もしくは東側の空を撮影する場合と、西側の空を撮影する場合で、ニュートンとカウンターウェイトのバランスを微妙にいじってみる試行錯誤
・極軸の追い込み
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