猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

EQ6proのDECのバックラッシュの調整方法 (猫五郎 式) How to adjust EQ6pro backlash in DEC

2022-11-23 18:40:54 | 天体望遠鏡

EQ6proのDECのバックラッシュが大きいことはよく知られたことのような気がします。

僕なりのDECのバックラッシュの調整方法をご紹介します。

 

最初に、ウォームシャフトが入っている部分(ケースと言えばいいのか)を固定している4本の六角ネジを緩めます。

 

以後、赤道儀を北極星に向けて、ホームポジションをとっている体(てい)でお話しします。

南側の芋ネジを緩めます。

南側の芋ネジは、締め付けるとウォームギアとウォームシャフトの噛み合わせを、緩める役目を担っています。

 

次に、北側の芋ネジを緩めます。

北側の芋ネジは、締め付けるとウォームホイールとウォームシャフトの噛み合わせをキツくする役目を担っています。

 

次に、ウォームシャフトの西側(基板側の上)にある黒い丸蓋をカニメレンチで外します。

 

黒い丸蓋を外すと、ウォームシャフトの西側のベアリングを固定するリングスクリューが見えてきます。

 

ウォームシャフトの西側のベアリングを抑えるリングスクリューをカニメレンチで緩めます。

 

DECモーターを外します。

もし、RA軸のバックラッシュも一緒に調整するなら、RAのモーターも外します。

 

最初に、北側の芋ネジをゆっくりと、それ以上締められないところまで、軽く締めます。

 

ウォームシャフトとホイールがキツく噛み合っているので、DEC軸を東西に振ろうとしてもビクともしません。

バックラッシュ、ゼロの状態ですが、シャフトとホイールがキツく噛み合って、シャフトが回転しない状態でもあります。

(僕の場合はベルトドライブ化してあるので)プーリーを指で触って、プーリーが回転しなくなっていることを確認します。

そうしたら、北側の芋ネジをほんの少し(15度程度?)緩めます。

すると、プーリーが指先で軽やかに回るようになります。

 

プーリーが軽ろやかに回転することを確認したら、南側の芋ネジを締めます。

あまりキツくは締めてません。

南側の芋ネジを締めてから、再度、プーリーが軽やかに回ることを指先で確認します。

 

そうしたら、六角レンチで4本の六角ネジを締め付けて、ウォームシャフトが入ったケースを固定します。

そして、再度、この状態で、プーリーが軽ろやかに回ることを指先で確認します。

 

次に、手でDEC軸を優しく東西に回転させます。

すると、黒い丸蓋を外して露出したDECのウォームシャフトの西端が出たり引っ込んだりするのが見えます。

 

ウォームシャフトの西側のベアリングを抑えているリングスクリューを少しずつ締め込んでいきます。

リングスクリューをキツく締めると、ウォームシャフトの東側のベアリングに、プーリーが押しつけられて、プーリーが回転しなくなります。

(標準仕様の歯車でも同じ症状が出るかどうかは確認していません)

プーリーが指で触って、軽やかに回転するところまで、リングスクリューを緩めます。

(多分、20度から40度くらいリングスクリューを緩めることになるかと思います。)

 

あとは、黒い丸蓋をして、モーターを取り付けて、完了です。

DEC軸を手で東西に振ると、若干、遊びがまだ残っていると思います。

これがバックラッシュの量を表すわけですが、現時点で猫五郎は、これをゼロにすることができていません。

しかし、これで十分、実用に耐えるはず、と思っています。

(2022/11/23時点でまだ実戦投入しておらず、確認を取れていません。)

 

この方法の問題点としては、遠征先でやるにはちと手間だということでしょうか。。。。

 

2022/11/29追記

上記で行ったDEC軸のバックラッシュ調整ののちに残った遊び、僕の機体では馬鹿にならない量でした。

友人のEQ6proを触らせてもらうと、まったくと言っていいほど、ガタ(遊び)がありません。

というわけで、さらに頑張ることにしました。

しかし、僕の方法では、いくら頑張っても、これ以上の調整ができない。

DEC軸を手で南北に回すとウォームシャフトの端が、ウォームギアとシャフトの噛み合わせの遊び(ガタ)の分だけ、飛び出ては、引っ込みます。

 

頭を捻りまくって、苦し紛れの解決策を思いつきました。

ウォームシャフトの軸の端の動きを物理的に制限して仕舞えばいい。

ウォームシャフトの端の黒い丸蓋の内側には、シャフトの軸が収まる空間がくり抜かれています。

そこにM5 外径12mmのワッシャーを入れてみました。

 

こんな感じ。

 

M5ワッシャーを4枚入れてみたところ、DEC軸の遊びがほぼほぼ無くなりました。(^_^;)

 

こんな裏技でDEC軸の遊びを無くしている人は他にいないのではないかと想像しています。

早く、星空の下でバックラッシュ測定を行いたいです。

 

その結果はこちら

2023/12/08 山梨 ベルトドライブ化したEQ6proのバックラッシュ測定 野外リモートデスクトップでコタツでぬくぬく天体観測大作戦


2024/08/02追記
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EQ6proを¥5,000弱でベルトドライブ化する方法 How to belt drive EQ6pro

2022-11-21 13:23:31 | 天体望遠鏡
English page this way.

How to belt drive EQ6pro - 猫五郎の写真日記

Ifyoudon'tknowhowtomakeEQ6protopiecesandassembleitagainintooriginalshape,youshouldseethispagefirst.(ItisinJapanesebutIthinkyoucandoitlookingtothepictures,st...

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EQ6pro

2013年購入当時は新品で19万円前後と比較的安価、搭載できる重量が15kg(実際はもっと乗っけている)、頑丈で故障しない。

世界で広く使われている赤道儀ですが、じゃじゃ馬です。

特にDECのバックラッシュの調整が難しく、これに辟易して手放したという話をよく耳にします。

ベルトドライブ化されたEQ6Rは搭載重量が20kgになり、バックラッシュも小さいと評判です。

 

何度か分解整備してみて、思いました。

ベルトドライブ化できるんでね?

最初に考えたのが、歯車に直接タイミングベルトをかけること。

でも、どのサイズのタイミングベルトもあいませんでした。

左から3GT、2.5GT、2GT

タイミングプーリーと歯車は根本的に規格が異なるということでしょう。

 

で、次に考えたのが、歯車をタイミングプーリーに交換してみること。

でも、困ったことに、ウォームシャフトの歯車の歯数が47なんです。

モーターの歯車の歯数は12なので、これは同じ歯数のタイミングプーリーがあります。

48歯のタイミングプーリーはありますが、47歯のタイミングプーリーは、普通は存在しないです。

なぜこんな変な数にしたのか。。。

48歯にするということは、純正のコントローラーSynscanが使えなくなるということです。

じゃあ、もはやOnstepでコントロールしようか、というわけで、友人の力を借りてやってみました。

これで最低限の条件は揃った。

 

でも、今まで通りEQ directケーブルを使って、EQMODでコントロールできないか。

EQMODを色々みてみると、EQMODフォルダの中のSetup EQASCOMを開くと、こんな画面が開く。

Mount Optionsのプルタブをクリックすると、Custumという項目があり、それを選択して、プルタブ右の工具ボタンを押すと、、、

 

な、なんと、EQ6proで48:12=4:1の設定があるではないか。

というわけで、今まで通り、EQ directケーブル経由でStella shot2でコントロールできることがわかりました。

 

あとは歯数12と48のタイミングプーリーと、2GTのタイミングベルトを入手する。

タイミングベルトの長さがわからん。

適当にいろんな長さのものを発注しました。

モノタロウやアマゾンでも探しましたが、なかなかちょうどいいものが見つからない。

中国のアマゾン、AliExpressをのぞいてみると、簡単に見つかりました。

しかも、安い!

今回、12歯のタイミングプーリー5つ、48歯のタイミングプーリー5つ、2GT 幅4mm 長さ164mmのタイミングベルトを10本、購入して送料込みで¥5,000弱でした。

タイミングベルトは結果的に158mmから162mmの長さのものが良いことがわかりました。

DEC軸では、158mmではギリギリでした。これ以上短いとハマりません。

RA軸は162mmがギリギリ。これ以上長くすると調整できません。

モーター用の歯数12の2GTプーリーのボアは5mmです。

 

ウォームシャフトに取り付ける歯数48の2GTプーリーのボアは12mmです。

 

2GTのタイミングベルトは、160mmか162mmあたりがいいと思います。

 

ウォームシャフトの47歯の歯車を収める空間が、48歯のタイミングプーリーを収めるには狭いです。

 

 

なので、プーリーの外側を切り落としました。

 

 

幅6mmのベルトをかけたところ。

幅6mmだとはみ出て、筐体と干渉するので、幅4mmのものを買い直しました。

 

筐体と干渉するので、内側も少し削りました。

 

そしたら、こんな風におさまりました。

 

なお、注意点として、プーリーとベアリングが直接、接しないようにプーリーをシャフトに取り付けてください。

場合によっては、プーリーの切断面をさらに削って薄くする必要があります。

プーリーがベアリングに直接接すると、その摩擦で特にRAの恒星時追尾がおかしくなります。

 

モーターが入っている筐体への通用口も狭かったので、金属やすりで削って歯車の通路を広くしました。

 →

 

ベルトをモーターに取り付けた12歯のタイミングプーリーに引っ掛けるのがなかなか苦労です。

このように、釣り糸で引っ張って、極軸望遠鏡の穴から覗きながら、プーリーにベルトをかけました。

ベルトがピンピンに張るようにモーターのネジを固定したら、釣り糸の輪っかを切って、引き抜きました。

 

ここまで、すんなり行ったわけではありません。

最大の難関は、ウォームシャフトを外すことでした。

ウォームシャフトのベアリングを固定している輪っか状の内ネジが外れなかった。

どうも緩みどめが塗布されていたようで、カニメレンチでびくともしませんでした。

しまいにはカニメレンチでネジが舐めてしまいました。

 

 

途方に暮れて友人に相談すると、「茹でろ」と。

なんの冗談かと思いましたが、その通りにする私。

 

外れました。

 

緩みどめの説明書を読むと、外す時は100℃で熱しろと書いてある。。。

 

内ネジが舐めてしまったので、ヤスリで削って、形成する必要がありました。

ところで、このネジの名称を存じません。

どなたか、ご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントででも教えていただけると嬉しいです。

 

結果はどうだったか。

PHD2のキャリブレーション。

美しすぎませんか?

僕のEQ6proで、こんなに綺麗なキャリブレーションのグラフをかつてみたことがないです。

 

PHD2のオートガイドのグラフ。

グラフがキザギザだって?!

グラフ左端のRMS errorの値を見てください。

赤経 0.18px (0.36")、赤緯 0.12px (0.23")  !!!!!!

グラフの縦軸も見てください。

縦軸、なんと0.5px (1")なんです!!!!

ターゲットでも、ガイド星の動きが中心に集約されていることがわかると思います。

こんなオートガイド、僕のEQ6proで可能だったんだ?!!

Oh ! My god !!! な結果でした。

 

ただ、これで全て万歳かというとそうでもなく、バックラッシュが確認されました。

 

なので、もう少し、僕の戦いは続きます。



2024/08/01追記
48歯のプーリーの加工がなかなか面倒でした。
最終的には、下の製品を用いました。
横の突起がない分だけ、構造がシンプルで、加工の手間も少なくて済みます。





2024/08/02追記
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2022/10/29 山梨 望遠鏡動作で極軸がズレることを確認 DECギアの整備が必要

2022-11-04 17:37:00 | 天体望遠鏡

戦いは続きます。

2022/10/28の夜は、ほぼすべて東の空で撮影をしていました。

本日は、西の空を攻めます。

この赤道儀と望遠鏡、東の空の方が動作が安定する傾向があります。

西の空ではどうか。

 

西の空、子午線近く、天の赤道近くでキャリブレーションをかけます。

まあ、こんなもんでしょう。

 

ガイドアシスタントを行うと、、、ななんと!

極軸がズレている!!!

信じがたいですが、望遠鏡を大きく振るだけで極軸がズレることがわかりました。

赤道儀の固定が甘いということでしょうか???

それとも赤道儀の固定の仕組みに致命的な構造的問題???

今後、毎回、ガイドアシスタントをかけることで、極軸の変化をみて、クセをつかむ必要がありそうです。

 

そして困ったのがバックラッシュ。

西の空ではバックラッシュが大量に検知されました。

ガイドアシスタントでは、DECを一方向(現時点では南方向)ガイドにしなさいと。。。

東の空でのバックラッシュ測定では綺麗なグラフばかりでした。

この時は思いつきませんでしたが、再度東の空でバックラッシュ測定をして、東の空でも同じような大きなバックラッシュが出るようなら、DECの駆動系に変化が出たことを意味します。

東の空でバックラッシュが小さければ、DECの駆動系に変化は生じていないかもしれない。

けど、いずれにせよ、DECのギアになんらかの問題が存在することだけは間違いなさそうです。

 

とはいえ、一般論としては、極端に極軸が合っていないわけではない。

撮影に入ります。

 

特に根拠はありませんが、DECのガイド、ガイドアシスタントのアドバイスを無視して、両方向ガイドにしたままにしました。

 

日中にちょっと邪魔な木を切り倒しました。

木を切り倒したことで見えるようになった西の空にM13が見える。

まだこの時期、M13、見えたんですね。

西の空にだいぶ傾いているので、急いで撮ってみました。

ISO 6400, 30sec, 4枚コンポジット+α

満足のいく写りではないですが、悪くはない。

 

M13は天の赤道から外れるので、キャリブレーションをやり直しました。

すると、赤経RAのキャリブレーションステップが17?!!赤緯DECのキャリブレーションステップが13!

DECのキャリブレーションステップが理論値の2倍になるのは、バックラッシュが大きいためと理解できます。

しかし、RAのキャリブレーションステップがこんなに多くなるのは初めてのことです。。。

何が起きているのやら。

 

望遠鏡を夏の大三角形に向けてM71を撮影。

ISO 12800, 20sec, 4枚コンポジット。

M71、初めて撮ったような気がします。

球状星団だそうですが、散開星団と言われてもそう思ってしまうほど星の密集が少ないです。

今考えると、ISOを少し下げて露出時間を長くした方が、多分、もっと星が小さくシャープに写ったのではないかと思います。

 

PHD2のオートガイドの設定がOn cameraなので、赤緯が大きく変わるとキャリブレーションをやり直す必要があります。

M71を撮影するにあたり、やり直してみました。

今度は、赤経・赤緯ともにキャリブレーションステップ数に異常なし。。。

それ自体は悪いことではないが、先ほどのキャリブレーションと大きく異なる。

赤道儀の動作が不安定だということでしょうか???

 

DECを双方向ガイドにしたままですが、オートガイドはそんなに悪くないように見えます。

西の空に向け直すにあたり、RAガイドアルゴリズムをPPECから使い慣れたヒステレシスに変更しました。

 

近くにあったM27アレイ星雲

ISO 6400, 50sec, 8枚コンポジット

 

M15球状星団

ISO 6400, 20sec, 4枚コンポジット

 

M15を撮影した時のオートガイド。

かなり良い。

 

M2球状星団

ISO 3200, 60sec 2枚コンポジット
M2球状星団、M15より大きく見えますね。知りませんでした。

 

M2のオートガイド

かなり良いガイド。

 

この夜、一緒に観測していた友人に、三角座近くにあるARP273なる特殊銀河の存在を教えてもらいました。

なんでも小さい被写体らしいので、2500mmで撮影してみてほしいと。

試してみました。

撮影に先立ち、ARP273に向けてからキャリブレーション。

悪くはない。というか、正常。

 

ARP273

ISO 12800, 120sec, 8枚コンポジット

あまりにも小さい!

 

トリミングしても小さい!

これはASI 224MCくらいで撮影しないと厳しい。

 

次回から、気軽にEOS RaをASI224MCやASI294MCと取り替えられるように、こんなものを発注しました。

楽しみです。

 

この夜はRAのガイドアルゴリズムをヒステレシスにして撮影していました。

検知したズレの何%の修正動作をさせるかを決定するaggressivenessですが、今まで僕は最高が100%であると勝手に思い込んでいました。

ところが、試しにやってみると100%以上の値も受け付けることが判明しました。

この夜、こんな小技も覚えました。

ターゲットを表示します。

この場合、ガイド星の動きは、赤緯方向のバラつきが小さく、赤経方向に大きくバラついています。

aggressivenessを120%から200%にしてやると、、、

 

赤経方向の修正量を大きくすることで、ターゲット表示の赤経方向のバラツキが小さくまとまりました。

(グラフの縦軸のスケールを2倍にしてあるので、グラフの上下変動が大きくなっているように感じるかもしれません)

ただ、それでも赤経方向のおおよそ90秒周期の波を打ち消すに至っていません。

これだけ規則的な変動ですので、PPECの方がオートガイドの精度が上がるかもしれません。

 

ARP273のすぐ近くにあるM33三角座銀河に望遠鏡を向けました。

ARP273のすぐ近くなのでキャリブレーションをかける必要はないのですが、かけました。

キャリブレーションステップ数は大きく問題ないようですが、説明がよくわからぬ。。。どういうことでしょう?

 

オートガイド自体はそんなに悪くない。

 

ISO 12800, 300sec, 8枚コンポジット

なんとも味気ない写りです。

 

それもそのはず。

とにかく湿気の多い夜で、望遠鏡びしょ濡れになりました。

(主鏡は結露してません)

JPEG撮って出しだとこんな感じです。

 

作品を撮るための空ではない。

すでに日を越しました。

西の空の子午線と天の赤道付近で再度キャリブレーションをかけます。

まあ、概ねこんなものでしょう。

 

ガイドアシスタントをかけると、、、極軸、よくなっているではないか。。。

この夜のスタートのときは、>3.4分角ではなかったか。

>0.8分角に改善しているのは、なぜだ???

やはり望遠鏡を振り回すと極軸が動くと考えるべきなのかもしれません。

 

バックラッシュ。

うーむ、今夜最初にやったときと、概ね同じ傾向ではあるのものの、形が一致しない。

やはりDECギアになんらかの不都合が生じていると考えるべきでしょう。

分解するしかありませんが、DECギアボックスの中身を僕はじっくりみたことがないので、作った友人に立ち会ってもらうしかないでしょう。

 

この夜最後に、しつこい僕は、再度極軸を追い込みました。

今度は赤道儀の固定ネジを強く締めるつもりで。。。

方位角のドリフトアライメント。

 

根性の>0.2分角。

しかし、よく考えると、落ち着いて警告通り、再度キャリブレーションをやり直してからドリフトアライメントをやり直した方が良かったのかもしれません。

疲れ切っていて、頭が回っていなかった。。。

 

オートガイドの赤経のグラフをみると、どれもこれも約90秒周期の変動が認められます。

ウォームギアの回転周期は120秒なので、それではない。

この赤道儀固有の周期変動なのでしょうか。

いずれにせよ、これだけしっかりとして安定した変動ですから、PPECで最適な設定値を探り当てれば、かなりいいオートガイドができる可能性があります。

 

おそらく、西の空と東の空で、PHD2の設定値が異なるように思います。

 

この夜の成果。

望遠鏡を振り回すと、極軸が微妙に動くことがわかった。

それでも極軸をできる限り合わせた方が、おそらくオートガイドが安定しそうである感触を得た。

極軸を合わせてあれば、DEC方向のガイドは安定するので、あとはRA方向の周期的な変動に適合した設定値を探すことが今後の課題である。

DECギアになんらかの問題が発生している。

(これは昨夜の成果だが)本気で撮影する場合は、主鏡の光軸を被写体ごとに調整し直す必要がある。

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2022/10/28 山梨 巨大赤道儀の極軸の追い込み 続き 過去最高のオートガイド(^^) 4分間までならDECのオートガイドはいらないかも ニュートンの主鏡は簡単に動く

2022-11-03 17:56:00 | 天体望遠鏡

前回の続きです。

しつこくてすみません。

でも、前回、家に帰ってから思い直しました。

この赤道儀、据付型であり、移動する予定がありません。

一回は極限まで極軸を追い込んでみたい。

 

前回は、望遠鏡の向きを変えると主鏡が動くことを確認して終了しました。

到着と同時に、笠井トレーディングのAlineで光軸が大まかに合っていることを確認しました。

レーザーコリメーターのレーザーが主鏡の中心に当たるように調整します。

主鏡の押し引きネジで、レーザーの反射光をコリメーターの的の中心に持って来ただけでは、状況は前回と変わりません。

なので、主鏡の押しネジをすべて緩め、引きネジをすべて引き切りました。

主鏡のセルをできる限り鏡筒に押し付けた状態で光軸を調整すれば、望遠鏡の向きを変えた時の主鏡の動きを最小にできるのではないかと考えたわけです。

 

幸い、天気に恵まれました。

まずは子午線と天の赤道付近でオートガイドしてみました。

すると、過去最高の精度のオートガイドができました。

縦軸を1.5秒にしてあるので、ギザギザに見えるかもしれませんが、RMS error 赤経0.35”、赤緯0.27”。

この赤道儀でこれほどの精度でオートガイドができるとは全く期待してませんでした。

赤経のガイドアルゴリズムはPPECです。

PPEC、ハマる時はハマるよう。

 

望外のオートガイドがいきなりできた。

にも関わらず、極軸の追い込みをやるかどうか、、、。

一瞬迷わないでもなかったのですが、1回は自分ができる限り、最高に極軸を追い込んでみたい。

そう思いました。

 

ドリフトアライメントツールで高度のズレを確認します。

結果は、当然ながら、前回と同じです。

 

高度を調整するネジは赤道儀周囲に6本。

直径10mm以上になりそうな太いネジです。

試行錯誤して、赤道儀の南側を数mm、持ち上げて前傾姿勢にすると極軸が合うことがわかりました。

高度が合ったところ。

 

方位角を確認してみると、少しズレていたので、これも修正。

 

よろこんで赤道儀の6本の固定ネジを締めたら、高度が高くなってしまいました。

なので、適当にほんの少しだけ極軸が低くなるように赤道儀の南側を上げて、固定ネジを締め直したところ、うまく行きました。

ここら辺はもはや勘でやるしかないので、根性というか、意地でやってました。

 

ガイドアシスタントで確認すると、極軸、最高の調整がなされたことが確認できました。

据付型で、極軸を完璧に合わせることができる、ということを確認しました。

僕自身、ここまで極軸を追い込んだのは、初めての経験になります。

一度合わせて仕舞えば、そんなに簡単にズレない、と思いたい。

 

極軸の調整が終わった頃には日を越してました。

東の空に上がってきたオリオン大星雲に向けました。

オートガイドはこんな感じ。

最高ではないが、悪くはない。

 

M42オリオン大星雲

ISO3200, 240sec 4枚コンポジット+α

今更ですが、ISO 6400, 120secとISO3200, 240secとでは、後者の方が繊細な写りをしますね。

オートガイドがうまくいっていることが前提になりますが。

 

写り込んだ衛星の軌道もほとんど真っ直ぐ。

続いてオリオン座のM78に望遠鏡を向けました。

湿気が多いためか、背景が暗く写りません。

ISO 12800, 180sec

 

強引に画像処理したのがこれ。

細部が潰れてしまいました。

もっと空の状態が良い時に撮り直したいです。

 

M78、星が楕円です。

オートガイドは(最高でもないが)悪くない。

ピントがズレたかと思い、ピントをやり直しますが、改善しません。

10sec露出で撮影してみると、やはり星が楕円です。

つまり、こういう望遠鏡だということです。

ちょっと向きを変えただけで、主鏡が動く。

何を今更。

5年くらい前にこのこと、このブログの記事にしてます。


GINJI-250FNの光軸の実際 - 猫五郎の写真日記

2014/05/10の夜空。天気予報、快晴。GPV予報、快晴。月が明るいので、星雲撮影には向かないにしても、GINJI-250FNの光軸修正の成果確認と、惑星撮影にはいいだろう。夕食の...

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GINJI-250FNではそれ以来、被写体を変えるたびに光軸調整をしているではないか。

この巨大ニュートンも同じだったというだけのこと。

被写体ごとにいちいち光軸を合わせ直すか?

GINJI-250FNの光軸調整は小さな足台が有ればできますが、この巨大ニュートンは高さ2.5mの脚立の上に登って降りてを繰り返さねばならない。

うーむ。

LRGB撮影している皆さんのように、一つの天体で何時間も露出するのであればそれもいいかもしれません。

とりあえず、この夜は何も対処しないことにしました。

あえて対策を挙げるなら、主鏡セルの中で主鏡の側面を固定する8本(?)のポリカーボネートネジを締め込むことでしょうか。

 

気分を変えて、望遠鏡を大きく北へ向けました。

M81、M82をセットで撮ってみました。

ISO 12800, 200sec, 8枚コンポジット

画角的に狭い。

画の端に来たM81の腕が画像処理で消えてしまいました。

 

遊びで、DECのガイドをキャンセルしてみました。

 

DECのグラフは上のような感じではありますが、そのまま撮影したM81

ISO 12800, 240sec, 4枚コンポジット。

なんと、星がまん丸です。

しかし、もしもISO 6400, 480secで撮影してみたらどうでしょう?

上のグラフを見る限り厳しいように思います。

しかし、4分間露出であれば、DECのオートガイドなしでそこそこイケるということです (^_^)

 

M81渦巻銀河の腕をもう少し写し込みたいところでしたが、あいにくと空の状態が悪く、ちょっと厳しかった。

JPEG撮って出しだとこんな感じです。

RAW撮影すればもう少し画像処理で粘ってくれたりするのでしょうか?

この場所、標高600mしかありません。

空がもう少し安定する標高1000m以上であれば、こういう悩みが少なくなるのでしょう。

でも標高1000mになると寒いし、道路が凍るので行き帰りに気を使います。

どちらがいいのでしょうか。。。

 

AM4:00を回りました。

オリオン大星雲が子午線を超えました。

この夜最後に、西の空に望遠鏡を向けました。

オリオン大星雲

ISO 6400, 180sec

主鏡が結露したかと思いましたが、確認すると、結露してませんでした。

「今宵はもう寝なさい」と言われたような気がしたので、この夜は寝たのでした。

 

 

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