猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2024/04/12 山梨 夜桜 M90, M109、巨大ニュートンは光軸調整が必要

2024-04-14 17:44:24 | 天体観測
2024/04/06(Sat)の山梨は曇りと雨でした。
友人たち4人(僕を合わせて5人)で観測を予定していましたが、涙を飲みました。

次の土曜日(2024/04/13)は、僕が仕事(呼出当番)です。
代休とかありません。
2024/04/13の朝8時から仕事。

つまり、土曜日の未明までは自由(物は言いよう)

行ってまいりました。

埼玉では桜の満開が過ぎつつある状況。
山梨はどうでしょうか。
標高が高い分だけ開花が遅れるとするなら、今が最盛期ではないかと期待。


まずは巨大ニュートンでの撮影を安定させること。
巨大ニュートンでの自動連続撮影が軌道に乗れば、あとは自由に動けるので、夜桜星景撮影に行けます。

ただ、今の時期は、赤道儀での放置自動撮影するには微妙なんです。

狙うなら今が花の北斗七星周囲の銀河群か、乙女座銀河群
いずれも23時過ぎに子午線にかかってしまいます。
夜空が十分に暗くなった22時過ぎに撮影を開始したら、長時間撮影ができない。

西の空で迎撃するとして、被写体が子午線を超えてくるまで何もしないのは貴重な時間がもったいない。

夜桜星景から始めれば良くね?

早い時間は、もしかしたら桜並木にまだ人がいるかもしれない。
EOS 6D+SAMYANG XP14mm 合計20万円越えの機材を放置プレーして、持って行かれたら泣きます orz
だから、夜の浅い時間に行きたくない。

それに、夜桜星景写真は初めての領域なので、手こずって時間を取られると、巨大ニュートンの撮影が中途半端になってしまう可能性があります。

まずは巨大ニュートンを起動させ、試運転も兼ねて東の空で試し撮りして、本命が西の空に入ったところで自動連続撮影を軌道に乗せ、そこから夜桜撮影という段取りにしました。

東の空にあり、じゃじゃ馬 巨大ニュートンの試運転に向いた被写体。
やはり北斗七星付近が良いでしょう。
比較的大きくて形が良い銀河。
M109にしました。

巨大ニュートンとガイド鏡VIXEN 1200mm F15のピントだけバーティノフマスクで合わせてから、時間が惜しいので、天の赤道付近でのキャリブレーションをせず、当然、夜空解析(ガイドアシスタント)もすっ飛ばし、ぶっつけ本番でM109のオートガイド開始。

それでも星の動きが最も少ない天の北極付近ですので、この通り、この赤道儀にしては最高レベルのオートガイドをしてくれました。
ターゲットグラフの中心にガイド星が集中しているし、この精度の高さならガイドグラフの縦軸を1"にしても良かったくらいです (^_^)

M109
EOS Ra ISO6400, 150sec
4枚コンポジット
右下からの光条がM109を照らしているのがわかるでしょうか?
北斗七星のフェクダの光条です。
これは画像処理の仕様がないかもしれません。

ところで、前々からほんの少し気にしていたことなんですが、下の画像は上の写真の四隅を等倍で切り出した画像です。
星の伸び方が不均一。
光軸がずれている証拠です。


乙女座銀河群が子午線に近づいてきたところで、巨大ニュートンを西の空へ向けました。
時間が惜しいので、ガイドアシスタントによる夜空解析を行うかどうか迷いました。
結局、やりました。
乙女座銀河群は星の動きが大きい天の赤道付近だから、オートガイドによる星の追尾エラーが大きくなりがちです。
大量の失敗作を作っては効率が悪すぎるので、夜空解析をして、最適なパラメーター値をえてから勝負に挑むことにしました。

オートガイド直前のキャリブレーション。
当然、天の赤道、子午線付近で行いました。
赤緯軸のバックラッシュがほとんどない動作をしました。

ガイドアシスタントの結果。
今夜はシンチレーションも悪くない。
DEC backlash compensationが660msec!

backlash resultsは、絶好調!
なぜだ?
この赤道儀が苦手な西の空ではないか。
原因は何だ?



巨大ニュートンにちょっと手を加えました。
それは、小亀のBKP130の向きを変えてみたんです。
今回が右の写真。
今までは左の写真の状態でした。
なぜ上下逆にしたかというと、今までの状態だと、巨大ニュートンを子午線の西側、かつ、南の空に向けると、BKP130がスライディングルーフにかかってしまって、写真撮影ができなかったんです。
上下反転させると、巨大ニュートンで撮影できていれば、BKP130でも撮影できる、という状況ができるんです。
この重心の移動が良いことをしてくれたのではないでしょうか?
となると、次回、気になるのは子午線の東側でのバックラッシュがどう変化するかということです。

ガイドアシスタントは、「安心して撮影しなさい!」と太鼓判を押してくれました。
では、早速撮影。
ガイドアシスタントをしていた位置に近かったM90を選択しました。

まずはオートガイドが安定するのを数分間待ちます。
その結果がこれ。
素晴らしいではないですか。
天の赤道付近でこの精度のオートガイドであれば文句なしです (^_^)
安心して、自動撮影を開始し、夜桜撮影に向かいました。


現場に着くと、無人。
街灯が2本。
邪魔だけど、こればかりはどうにもなりません。
密かに「他人の夜桜星景撮影を邪魔しないか?」というのも杞憂に終わりました。

さて、どう撮影しようか?
心の準備なしで来たので、現場で撮影計画を考えるという・・・。
まずは、普通に星景撮影。
星のくるくる写真(star trail photo)を撮る時の設定では、桜並木が真っ黒いシルエットになってしまって、写す価値がありません。



桜並木に露出を合わせるとこんな感じ。
SAMYANG XP 14mm, F4, ISO 3200, 2min
桜並木であることはわかるけど、ちょっと暗いピンクで、うーむ、いまいち。
もうちょっとピンクが明るく写るまで露出したいけど、そうすると夜空が明るくなりすぎる。

一応、数枚、試し撮りして明合成したのがこれ。
悪くはない。
ので、これで行くことにしました。

ところが、写真の神様がいたずらをしました
絞りをF4にしたはずなのですが、何かの拍子にF10になってしまってしまってたんです。
この設定では、桜が真っ黒なシルエットとしてしか写りません。
2.4時間ほど撮影した結果がどうなったかというと。。。
おぉぉ!
キレイに写ったではないか (^_^)

ISO 3200, 120secでは本来、桜が写らないのですが、時折、自動車が通過したことで、いい具合に桜がライトアップされ、星空もいい具合になったということです。
ちなみに、自動車が通過したカットがこれ。
光が強い箇所は、おそらく自動車を運転していた人が、夜桜を見るために停車したんだと思います。


F値が4から10にどうやって変わったのか、まったく理解できません。
最初に星空に露出を合わせた時は、当然ながら、F値ではなく、露出時間の方を短くして撮影していました。
本当に、写真の神様のいたずらだと思ってます。

この間、自動撮影させ続けていたM90は、こんな感じに写りました。
焦点距離2475mm, F5
EOS Ra, ISO 12800, 130sec, 60枚コンポジット合成
60枚コンポジットなだけあって、非常に高画質?
いや、実は、もう一手間、加えてあります。

これが、C-RAW撮影したM90を素直にコンポジット合成して、いつもの僕の画像処理を行った画像です。
トリミングしてあります。
ものすごくノイジーではないですか。
銀河の淡い腕のグラデーションがノイズで割れている。。。
60枚コンポジットして、この程度の画質にしかなりませんでした。
正直、びっくりでした。
子午線の東西どちらか一方のみで、一晩で撮影できる限界は100枚程度かと思います。
地平線に近づくと、大気が厚くなる分だけ、画像が不鮮明になりますから、子午線付近から撮影を開始しても、使えるのは3時間程度が限界でしょう。
これではEOS RaでRAW撮影する限り、どんなに頑張ってもノイジーな画像にしかならないことを意味します。

そこで、やむなく、Adobe Camera RAWのAI ノイズ低減機能を使用してみました。
その結果を60枚コンポジットしたのがこれ。
グラデーションがスムーズで、ノイズ割れがない。
スムーズすぎて、ちょっと気持ち悪いですが、気になるなら、ノイズ低減の程度を低く設定すれば良いだけのこと。

JPEG画像をコンポジットしたようにも見えるのが気になりますが、きっと、JPEGと異なり、ディテールを維持しつつ、ノイズを低減しているのだと思います。
その根拠は「天下のAdobe様のやることですから、安っぽい処理はしていないだろう」しかありませんが。。。
AI ノイズ低減処理は1枚あたり30秒近くかかります。
ので、60枚に30分弱かかりました。
(少し古くなりましたが、core i7 第10世代です)
これだけ待たされてJPEGと大差なかったら詐欺です
天下のAdobeがそんなことをするはずがない!と信じてます。
僕の目が育つことで、いずれは確認できることだと思います。

で、しつこいですが、M90の写真の四隅の等倍画像がこれ。
60枚コンポジットのおかげで、四隅の星の伸びはM109の時と比較してだいぶ均一に見えます。
が、不均一であることは間違いない。
光軸調整が必要なようです。


原因はわかってます。
これがOCAL electronic collimatorでのぞいた斜鏡の画像。
ほんの、ほんの少しですが、赤い円が、斜鏡の輪郭とズレているのがわかるでしょうか。
これが原因だと思います。
ただ、これ、2時間くらいかけて、ここまで調整したんです。
この時は集中力が切れて、「これ以上の調整は無理!」と諦めたんです。

光軸調整に再挑戦して、改善すればいいですが、最悪の場合、現在よりも悪い結果になる可能性があります。
うーむ、悩ましい。
現状、写野の中心部は十分に許容範囲の画質であると思っています。
光軸調整、やるなら本当に気持ちに余裕がある時でないと、やったことを後悔しそうで怖いです。
でも、余裕がある時に、頑張ってみようと思います。
コメント (2)
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2024/03/16 山梨 オリオン大星雲でIRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス調整 スピンドル銀河

2024-03-22 20:36:30 | 天体観測
またしても仕事のあとに出発。

GPV予報が微妙。
22時頃から曇り始め、未明4時前に晴れてくる予報。
どうなんでしょう。
でもまあ、心が行きたいと言っているのですから、行きましょうかね。
本当は学会発表の準備とか仕事の勉強とか資格更新の準備とか、平行して読んでいる本が3冊あったり、録画してあるテレビ番組が2年分あるとか、やることが山積していて頭がおかしくなりそうなんですが、そういうストレスを溜め込んだ時ほど現実逃避がしたくなる。
これは学生時代からずっとそう。
死ぬまで変わらないんじゃないでしょうか。

到着するも、出発が遅れたため、温泉には入れず。
この一週間の、そしてこの日の労働の疲労もあり、月齢6で月が明るく、それに追い打ちをかけるような微妙なGPV予報で気合が入らず、外で赤道儀をセットアップする気力が出ませんでした。
この夜はスライディング・ルーフを開くだけで準備万端の巨大ニュートンのみで行くことにしました。


ピント合わせをしてから最初のオートガイド。
夜が浅いので子午線の西の空。
ガイドアシスタントを控えているので天の赤道付近。
なかなか良いではないか。


ガイドアシスタント
なんか、「ガイドカメラのピント合わせ、もうちょっとちゃんとやれよ」という表示、どうやっても出てしまう。
F15の暗い望遠鏡をガイド鏡として使うということは、そういうことなんでしょうね。
バーティノフマスクを使っているので、これ以上ピントを追い込むことはできません。
そしてDECのバックラッシュは最悪レベルであると。

おぉ。。。
過去最悪レベルのバックラッシュですな。
でもまあ、極軸は追い込んであるのだし、一方向ガイドはできるのだからいいんでないの。
この巨大赤道儀、本当に動作が安定しませんね。
原因は絞り込んであるのですが、素人レベルではどう修理のしようもない。



ガイドアシスタント後のオートガイド。
ガイドアシスタントをかけるのはけっこう時間のロスになります。
それでも、その夜空のシンチレーションを解析して、PHD2に最適な動作修正値を割り出してくれるので、ガイドアシスタント解析をした後はオートガイドの精度が良くなります。
やる価値があると思います。
もっとも、一晩のうちにもシンチレーションが変化するので、怪しいと思ったら繰り返し行う必要があり、それがちょっと鬱陶しく感じることもあるんですけどね。。。



今夜のミッションは終盤を迎えたオリオン大星雲でIRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランスを調整することです。
まずは巨大ニュートン+EOS Raで記念撮影
手抜きではないんです。
月齢6の月が明るいので、こんなもんで勘弁してください。


RaはAWBですが、Camera RAWで現像すると適正色温度は6350Kとな??
前回とは色温度が根本的に異なるではないか。
被写体がだいぶ違うからなぁ。
でも、被写体によって適正色温度が3550Kだったり、6350Kだったりするとなると、手動によるホワイトバランス調整作業は、けっこう手強いのかもしれない。


BKP130にIRフィルター改造EOS 70Dを取り付けて撮影を開始します。
先週末の結果をもとに、4100K A1 G9 ISO 3200からスタートしました。

20:29
4100K A1 G9 ISO 3200 80sec
ヒストグラムのまとまりは悪すぎはしない。
けど、全体的に赤味がかっている。


20:40
4200K A1 G9 ISO 3200 80sec
(拡大表示したままスクリーンショットしてしまったようで。。。)
色温度を4200Kにアップしてみたら、ますます赤味がかってしまった。


20:48
4300K A1 G9 ISO 3200 45sec
露出オーバー気味なので、露出時間を半分に減らしてみました。
4300Kにしてみるとますます赤味がかってしまいます。


20:51
4200K A1 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げたことでヒストグラムはまとまりつつあります。



20:55
4200K A1 G7 ISO 3200 45sec
グリーン(G)値を下げてみたら、ヒストグラムで緑が左側から出てきてしまいました。


21:18
4200K A1 G9 ISO 3200 45sec 02
G9に戻しました。



21:19
4100K A1 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げてみました。
4200Kと比較して大きな変化はないように見えます。



21:22
4000K A1 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げてみると、全体的に青味がかってきました。
(でもまあ、僕の好み的には、これがベストかなぁ。)

21:24
3900 A1 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げると、ますます青味がかってきました。
また、ヒストグラムでブルー(B)が右側から出てきました。

21:26
3900K A3 G9 ISO 3200 45sec
ブルー(B)が主張してきたので、それを抑えるべくアンバー(A)側に少し振ってみました。
ヒストグラムのまとまりがよくなった
写真の色も、若干良くなったように見えます。


21:29
3800K A3 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げてみました。
再びブルー(B)が主張し始めました。


21:33
3700K A5 G9 ISO 3200 45sec
色温度を下げつつ、アンバー(A)側に振ってみました。
グリーン(G)がヒストグラムの左側に出てきてしまった。


21:35
3400K A5 G9 ISO 3200 45sec
色温度を一気に3400Kまで下げてみた。
案の定、ブルー(B)が主張し始めた


21:37
3300K A8 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げて、アンバー(A)側に振ってみた。
ブルー(B)を抑え込めてません。


21:40
3200K A9 G9 ISO 3200 45sec
さらに色温度を下げ、アンバー(A)側に最大限振ってみました。
アンバー(A)を最大値にしてもブルー(B)を抑え込めてないので、3200Kはダメだということがわかります。
でもまあ、個人の好みによっては、この写真の色合いが今までの中でベストとする人もいそうです。


21:57
NGC2237 3200K A9 G9 ISO 6400 45sec
オリオン大星雲が低くなりすぎたため、色温度とホワイトバランス補正をそのままに、バラ星雲にNGC2237向けてみました。
月が明るすぎて、バラが写りません。
そして、この設定では果てしなくブルー(B)が勝ってしまいます。
やはり被写体ごとにホワイトバランスが大きく異なるということでしょう。



このあと22:00過ぎにはバラ星雲も低くなりすぎました。
で、南の空が若干晴れていたので、スピンドル銀河NGC3115に巨大ニュートンを向けてみました。
なぜスピンドル銀河かというと、この巨大ニュートンが南を向いたときに写せる最も低い天体だと思われるからです。
巨大ニュートンをスピンドル銀河に向けてみると、鏡筒の先端がギリギリスライティングルーフにかからない。
というわけで、撮影しようかと思ったら、VIXENのガイド鏡もBKP130も屋根にかかってしまってオートガイドができない。
そういうわけで、ISO 25600 15secでたくさん撮影してコンポジットすることにしました。
天の赤道付近ですので、ノータッチガイドの難易度が一番高い。
15秒露出で70枚撮影して、使えたのは30枚ほどでした。
歩留悪いですね。



トリミングしたスピンドル銀河



このあと獅子座のトリオを狙ってみましたが、いよいよ雲が出てきて、ダメでした。
24時頃に一旦撤収。

AM4:00前から再び晴れる予報だったので、それまで眠って、3:30頃からちょくちょく空を見上げましたが、結局最後まで晴れることはありませんでした。

翌朝、行きつけの森のパン屋さんでパンを買って、帰路に着いたのでした。





で、結局、オリオン大星雲のホワイトバランスはどれが一番良かったのよ?ということが問題です。
僕的には4000K A1 G9 ISO 3200 45secかなぁ。。。
ヒストグラム、見た感じ、両方ともベストというのは一枚もありませんでした。
だから、難しい。


さらに問題を複雑にする困った事情が発見されました。
Camera RAWで現像するときに、EOS 70Dで撮影時に設定した色温度と、Camera RAWでの現像するときに表示される撮影時の色温度が若干ズレるんです。
うーむ。。。

色温度は撮影時にどんな値に設定しても、RAW現像する際にどうとでもなりそうだから、撮影時は大まかに合わせておいて、結局、家に帰ってパソコンで処理する際に微調整するのが良いのかもしれません。

となると。。。50枚コンポジットする時は、予め50枚分、Camera RAWで色温度を弄らなければならないのね。。。

まだ結論ではありませんが、こんなに手間暇かかるのであれば、純正の天体撮影カメラを買うことをお勧めします。

現状、キャノンが天体撮影カメラを販売してないので、如何ともし難い。
そのせいで、EOS Raの中古が50万円で売られてます。
EOS Ra、25万円くらいで買いました。
当時は高いなぁと思ってましたが、こんなことなら3台買っておけばよかったかもしれません。

今までのペースから予測すると、次の「a」シリーズが発売されるのは2025年か、2026年になりそうです。
それまでIRフィルター改造EOS 70Dで遊んでましょう。

あとは、次の「a」シリーズがいくらになるかですよね。
カメラは高額化の一途を辿っています。
次、35万円を覚悟しなくてはならないかもしれません。
場合によっては40万円を超えることもあるでしょう。

それまでお金を貯めておかなくちゃ。。。



おまけですが、この夜のオリオン大星雲の写真をコンポジットしたのがこれ。
そんなに明るい月ではなかったですが、オリオン大星雲と月が近かったので、月明かりの影響が大きかったですね。

そして、これが有名なBKP130の写りの特徴なんでしょうね。
BKP130鏡筒内に飛び出した接眼筒の尻尾の影響が大きいでしょう。
接眼筒がギラギラの銀色なのも良くない。

フランジバックが短いミラーレスの、キャノンのRシリーズにすれば接眼筒をより外側に繰り出すことになるので、解決するかなぁ、とか思ってBKP130の接眼筒を切断せずにいました。

しかし、よくよく考えてみるとBKP130専用コマコレクターを使っているので、RマウントにマウントアダプターをつけないとRaのセンサーからコマコレクターまでのフランジバックが変わってしまうのでダメですね。

これでBKP130の接眼筒を切断する決心がつきました。
あとはそれがいつになるかですが。。。

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2024/03/9, 10 M61, M63, M84, M86, M96 子午線越えの撮影はできない Photoshopで自動整列するなら「位置の変更」がいい

2024-03-21 21:13:01 | 天体観測
仕事が終わってから帰宅し、家族と夕飯を食い、風呂に入ってから出発。
現地入りしたのが23時過ぎ。
速攻、巨大ニュートンを起動します。
この夜は、あまり深く考えずに子午線を超えてきた乙女座銀河群を狙うべく、巨大ニュートンを西の空へ向けました。

起動作業のルーチン
まずは巨大ニュートンとBKP130とガイド鏡のVIXEN f=1200mm D=80mmにそれぞれバーティノフマスクをつけてピント合わせから開始します。

口径50cm f=2475mm 巨大ニュートンの焦点合わせ。
カメラはEOS Ra


ガイド鏡 VIXEN D=80mm, f=1200mmの焦点合わせ
カメラはASI 174 MM mini


BKP130のピント合わせ
カメラはIRフィルター改造EOS 70D


一番最初のキャリブレーション。
西の空


ガイドアシスタント
バックラッシュが大きすぎてDECは一方向ガイドになると。
ガイドカメラのピントが甘いと言われても、バーティノフマスクで合わせてるので、これ以上の改善は無理です。
キャリブレーションをやり直せとのことだけど、これもバックラッシュが大きいから、妥協が必要。
でも、確かにRAステップが13(理論値12)に対して、DECステップが16(理論値6)ですから、何かがいつもと違うはず。
でも、この時はすでに日を越していて時間が惜しかったので、撮影を優先しました。


バックラッシュ測定
西の空なので、こんなものでしょう。


この夜はひたすらM61を狙いました。
なぜかって?
子午線を超えてきたばかりの天体で、適当に望遠鏡を向けただけで、深い意味はありません。
僕はまだ経験が浅く、乙女座銀河群のどれを撮っても新鮮に感じます。
M61、小さいけど綺麗な銀河ですね。
次回はEOS 70Daで挑戦かな?


朝になり、望遠鏡の改良作業。

今までVIXEN f=1200mm D=80mmにはEOS kiss X5をつけていました。
EOS kiss X5はメーカー公証の必要電圧が7.2ボルトですが、実は5ボルト電源でも動作します。
(だからUSB電源1つで動作します)
なので今まで、EOS kiss X5用のカプラーに5Vの電圧を供給していました。

このたび、VIXEN f=1200 D=80mmをガイド鏡として使うことになり、ASI 174MM miniをカメラとして取り付けました。

余ったEOS kiss X5用の電源をBKP130に取り付けたEOS 70Dに回したのですが、EOS 70Dが動作しませんでした。

EOS 6D、EOS Ra、EOS 60Da、EOS 70Dに共通のバッテリーパックLP-E6の定格出力はEOS kiss X5と同じ7.2Vですが、サードパーティー製のDR-E6互換のDCカプラーをUSB電源1つに繋いで電源供給しても動作しません。
動作させるためにはUSB電源を2本繋げなければなりません。

キャノン純正の「DC COUPLER DR-E6」のACアダプター「AC-E6N」や「AC-E6」の定格出力は8Vです。
なので、EOS 70Dに回す電源の電圧を8Vに上げました。

今まで友人任せで、そこら辺の事情はノータッチでしたが、このたび、中身を見せてもらいました。
供給される12ボルト電圧を降圧するチップが組み込まれてました。
DC-DC降圧電源モジュールというチップだそうです。
青いプラスチック部品の上についているボリューム(マイナスネジ)を回すと出力電圧がいじれます。


作業のあとは昼飯。
新しい店を開拓しました。
2年くらい前から気になっていた店。
いつも前を通過してて、知ってはいたのだけれど、なかなか行く機会がありませんでした。
ビーフシチューを美味しくいただきました。
季節の果物を使ったスイーツも売りらしく、デザートにいちごパフェをいただきました。
パフェ食べたの、いつ以来だろう (^_^;)

午後に友人が2人合流し、計4人で観測しました。
この観測小屋、4人までならなんとか布団を敷けます。

今夜も乙女座銀河群を狙います。
日暮からスタンバッていたので、東の空でスタート。
しかし、なかなかスッキリ晴れてくれず、ガスが流れる空となりました。
最初のキャリブレーション
おぉ、やはり東の空の方が正常動作します。

M96
淡いですね。
これは空を選ぶ銀河ですね。
もう少し条件が良い空で狙いたい。


ガイドアシスタントをかけました。
東の空であってもバックラッシュが大きいと。。。
はて、キャリブレーションからわかりませんでした。
うーむ、この赤道儀の動作、把握しきれていません。
シンチレーションは昨夜とほとんど同じレベルであるよう。



M84, M86付近
f=2475mmの視野にずいぶんとたくさんの銀河が収まるんですね。


オートガイドはこんな感じ。
悪くはない。
星が丸く写ってくれてるので、まあよし。

天頂付近に来たM63ひまわり銀河
1度まともな写真が撮りたいと思ってました。
EOS Ra ISO 6400, 140sec, 35枚コンポジット

トリミングして、M63銀河をアップにするとこんな感じでした。
いやぁ、こんなに構造がしっかり見えるんですね。
この夜の夜空、正直、そこまでいいと思ってませんでした。
ここまで解像したら十分満足です。
ただ、、、35枚コンポジットしてもこんなにノイジーなんですね。
スムーズな画像を得るためには最低100枚?
子午線のどちらか一方となると、一晩に撮れるのはせいぜい60枚くらいではないでしょうか。
しかも、ずっといい夜空でなければならない。
かなりハードルが高いですね。

M63撮影中に子午線越えしました。
子午線の東側のガイド
F15の暗いガイド鏡にも関わらず、ライブでM63が見えてしまう。
ASI 174MM mini、いいガイドカメラだと思います。


子午線の西側のオートガイド
日を越したあたりで、ガスが多くて他の友人たちは諦めて寝てしまいましたが、天頂付近のM63のあたりだけが晴れてました。
このグラフを見る限り、シンチレーション、良かったようですね。


撮影終了時の空は若干、シンチレーションが悪化したよう。
ターゲットグラフのバラツキの変化を見るとわかりやすい。
同じ修正動作をしていてもシンチレーションが変わればオートガイドの精度が変化する。
シンチレーション、一晩でものすごく変動しますよね。
この夜のようにガスが流れていたり、雨雲が去ったあととかは、ほんとシンチレーションが一定しません。
天体撮影はものすごく粘り強さを要求される趣味だと思います。


子午線前後の画像を明合成で重ねてみました。
画像が微妙に回転してしまっていて、完全に重ね合わせることができません。
つまり、極軸がズレた。
極軸合わせ自体は、極限まで追い込んであります。
ただ、この望遠鏡が重すぎて、振り回すと極軸が微妙に動きます。
赤道儀の強度の問題というべきか。

それでも東西のガイドアシスタントを見比べると、極軸からのズレは0.1分角とか0.2分角。
かなり精度の高い極軸合わせがなされていると言っていいでしょう。
それにもかかわらず、画像を重ねるとこれだけのズレが観察される。
写真を撮るときは子午線の東西どちらかのみで勝負するしかないということですね。

今回、M63の写真を35枚ほどコンポジットしたのですが、Photoshopの自動整列機能で位置のずれを調整しました。
自動整列機能を使って重ね合わせた画像の位置のずれを調整したのち、「差の絶対値」の機能を使って、その精度を確認してみました。
納得のできる精度だと思います。
これなら安心して位置合わせを任せられる。



ただし、注意があります。
レイヤーを自動整列させる時に下のような画面が出てきます。
通常は「自動設定」を選択するところでしょうが、それでやると周辺部に結構なズレが生じます。
複雑な作業はさせず、単純に平行移動のみで位置調整させる「位置の変更」がいいです。
単純な並行移動のみで対応できないほど画角がズレている場合は、コンポジットを諦めた方がいい画像が得られると思います。



この裏方で、外にVIXEN GP + BLANCA-80EDT + ×0.8レデューサー + IRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス探しをしていた、、、と。
忙しかった。。。

これだけの作業量を並行して行えるのもリモートデスクトップをフル活用しているからに他なりません。
2月に新しいWi-Fiルーターを小屋に取り付けました。
これのおかげで野外のGP+BLANCA-80EDT+EOS 70Dも、巨大ニュートンも、一台のノートパソコンでこたつの中から撮影を監視することができました。
氷点下6度の夜でしたから、リモートデスクトップをフル活用しなかったら体力的にも厳しかったでしょう。



明け方の光景。
ついついこの時刻まで頑張ってしまいますが、全てが中途半端で、毎回不完全燃焼です。
が、人間の能力って限りがあるし、時間も限られる。
夜空に至ってはこちらの都合とは無関係。
そんな条件の中、やれることをやったと思います。


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2024/03/09 IRフィルター改造EOS 70Dのホワイトバランス探し

2024-03-20 15:11:45 | 天体観測
複数の望遠鏡で並列撮影をし始めて、カメラが足りなくなってきました。
まともなのはEOS Raのみ。
EOS 60Daはさすがに厳しくなってきました。
ノイズが半端ないので、ISOを下げて、長時間露出するとなると時間がかかってしまっていけない。
月に何度も遠征できるわけではないので、少しでも効率を上げたい。
EOS 6Dは、僕的にボックス蹴られが気になります。
EOS 6DもEOS 60Daも発売が2012年。
EOS 60Daの元となるEOS 60Dに至っては2010年発売。
6Dも60Daもそろそろサブ機になってもらってもいい頃でしょう。

しかし、カメラが高くなりましたね。
Canonのフルサイズ機 現行機種で一番安いEOS R8で23万円程度。
(RPは除外しました。。。)
ちょっとハードルが高い。

友人にEOS 70Dを勧められました。
中古で購入してIRフィルター改造してはどうかと。
中古が3万円台
改造費用 1.5万円程度。
お試しにはいいのではないかと。
BKP130とかVIXEN ED81Sとかフルサイズがちと厳しい望遠鏡もあることだし。

ヤフオクで入手した直後に室内で試し撮りした写真がコレ

IRフィルター改造後の写真がコレ

星雲が発するHα線が656nmで、IRフィルター改造は「ダストリダクション機能を残して760nm付近までの波長感光を確保します」とのこと。

ヒトの視覚は、波長の長い光を赤色光として感じとるが、その上限は 760 - 830 nm 付近とされ、それより波長の長い光は知覚できない(Wikipediaより)そうなので、赤い光が写り込みやすく改造されていると解釈しています。

それじゃあ、普通のカメラが捉えられる光は、可視光よりも狭いということなのね?

試しにEOS 60Daで撮ってみたのがこれ。
あれれ?
割と普通の色だぞ?
これはどういうことなのか。
改造を請け負ってくれた人に質問したら、過去にEOS 60Daの修理を請け負った際にEOS 60Daの中身をみたら、CMOSの構造(フィルター以外)は通常機と全く同じだったのでCanon基準に基づいて『ホワイトバランス』のみを調整しているのではないかとの個人的な推測を教えてくれました。
(「だったらキャノン、とっとと次の「a」シリーズを出してくれよ」と思ってしまうのは星見屋のわがまま?)


観測小屋の外の風景をIRフィルター改造したEOS 70Dで撮ってみたらこんな感じになりました。
やはり赤っぽい。
ちなみに、オートフォーカスがおかしくなってます。
フィルターを交換するとピントが合わなくなるようです。



ホワイトバランスを適当に調整してみたらこんな感じになりました。
(ピントはマニュアルで合わせました。)
まだ赤っぽいけど、ホワイトバランスを調整すれば普通の色に近づけることができそう。


というわけで、この夜はBLANCA-80EDTに笠井の×0.8レデューサを介してIRフィルター改造したEOS 70Dを取り付け、ホワイトバランス探しをすることにしました。
赤道儀は、モーターを17HS3401S(1アンペア)から17HS8401(1.7アンペア)にパワーアップしたVixen GPです。

被写体は乙女銀河ぐんのM96です。

まずはオートホワイトバランス(AWB)で撮影。
 ISO 3200 120sec 色温度5500K
赤かぶりしてます。
ヒストグラムでRedが分離している。

ISO 3200 120sec 色温度7000K
ヒストグラムでますますRedが分離してしまった

ISO 3200, 120sec 色温度2500K
今度はBlueのヒストグラムが分離

ISO 3200 120sec 色温度4000K
RGBのヒストグラムが集まってきました。

ISO 3200 120sec 色温度4500K
色温度4000KのときRGBの中心にあったRedが右側に出てきました。

ISO 3200 120sec 色温度4200K
だいぶRGBが集約してきました。

ISO 3200 180sec 色温度4200K
露出時間を120secから180secに延したらGreenが左に離れてしまいました。
つまり、同じ被写体であっても、露出時間が異なれば、適切なホワイトバランスが異なるということです。
なんてこったい。
EOS RaやEOS 60Daはこれを自動でやってくれる。
そこら辺がメーカー純正ということなのでしょう。

ISO 3200 180sec 色温度4300K
色温度4200Kとほとんど変わりませんが、Redがほんの少し主張してます。

このあとはホワイトバランス補正を試してみました。
ホワイトバランス補正(カメラ撮影設定画面の「WB補正/BKT設定」で、グリーン(G)-マゼンダ(M)、ブルー(B)-アンバー(A)を調整できます。
G-M、B-A方向にそれぞれ9段階ずつ調整できます。

ISO 3200 180sec 色温度4200K M5
最初にマゼンダ側に5段階、寄せてみました。
そしたら、グリーンのヒストグラムが離れていってしまいました。

これはいかんということで、今度はグリーン側に振りました。
ISO 3200 180sec 色温度4200 G5
RGBのヒストグラムが集まってきました。

もう一息、RGBのヒストグラムを集約するために今度は、
ISO 3200 180sec 色温度4200 G9
さらにいい感じになってきました。


ISO 3200 180sec 色温度4100 G9
今までで一番いい感じかもしれません。
しかし困った。
G9はグリーンの補正の限界値なので、これ以上、グリーンのヒストグラムを右に寄せることができません。
これが調整の限界です。


いい感じになったところで、再び120秒露出を試してみたくなりました。
ISO 3200 120sec 色温度4100 G9
ヒストグラムの具合も写真の色合いも、割といいのではないでしょうか。



今度はブルー(B)-アンバー(A)方向の調整をかませてゆきます。
まずはアンバー(A)側に振ってみました。
ISO 3200 120sec 色温度4100K A3 G9
Redのヒストグラムが右側に出てきました。
写真も赤かぶりしています。


今度はブルー(B)側に振ってみます。
ISO 3200 120sec 色温度4100 B3 G9
今度はブルー(B)のヒストグラムが主張してきて青被りしてしまいました。



ISO 3200 120sec 色温度4100 B1 G9
若干青被りしているように見えます。
結局、ブルー(B)-アンバー(A)方向の調整はせず、ISO 3200 120sec 色温度4100 B0 G9が一番いいように思います。


次は、ISO 3200 120sec 色温度4000K G9
大きくは変わらないような。。。


ISO 3200 120sec 色温度4000 B1 G9
青被りがひどくなった

ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9
一番まし?

ここで再び露出時間を180秒に延してみました。
ISO 3200 180sec 色温度4000 A1 G9
悪くないが、若干黄色がかっているような。。。

ISO 3200 120sec 色温度3900K A1 G9
悪くはないが。。。

気分を変えて、球状星団M3に向けてみました。
ISO 3200 120sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 90sec 色温度4000K A1 G9

ISO 3200 40sec 色温度4000K A1 G9

この夜撮ったオリオン大星雲の撮って出しがこれ。
ISO 3200 75sec AWB


Adobe Camera RAWでRAW画像を開いた時の画面がこれ。
撮影時のAWBの色温度は4250K
色かぶり補正は、グリーン(G)-マゼンダ(M)のようです。


RAW現像してみたのがこれ。
色温度を3550Kにして、グリーン(G)寄りに補正するとRGB3色のヒストグラムが見事に重なりました。


このオリオン大星雲をいつもの画像処理してみたのがこれ
(もうちょっと全体を明るくした方が良かったか)


ん〜、色温度4000K A1 G9ではないのか?
EOS 70Dの色温度は100K単位でしか調整できないので、色温度3550Kは無理。
だけど、次の機会に色温度3500Kと3600Kは試さないわけにはいかないでしょう。

ちなみに、Adobe Camera RAWで現像したのが2024/03/17なので、色温度3550Kを試すのは4月以降になりそうです。

なお、ステッピングモーターを17HS8401に交換してパワーアップしたVixen GPですが、オートガイドが大暴れでした。
レデューサを使ってf=384mmだったのであまり目立ちませんが、少なくとも、モーターがパワーがない17HS3401Sだった時より酷い。
それともウォームギアとホイールの調整の問題か?

あと、BLANCA-80EDTと笠井の×0.8レデューサ、相性がイマイチですね。
四隅の星が僕の許容限度を超えて伸びてます。
次回はKenko Close-up lens No.4で自作したレデューサで撮ってみるか?
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2024/01/12 山梨 電気容量アップ オフアキやめてみた 適正露出をするにはどうするか New Nikkor 200mm F4デビュー

2024-02-04 18:35:49 | 天体観測

仕事が終わってから出発。

到着は夜中になりました。

気温は氷点下6℃

関東平野とは違います。

 

すでに日を越している。

天文薄明が5時として、時間がない。

この状況でやりたいことがありました。

それは巨大ニュートンのガイド方法を変えることです。

今までほとんどオフアキでやってきました。

しかし、オフアキだとオフアキのプリズムの影が写り込むんです。

下の写真の底辺と上辺を比較してください。

底辺の真ん中に影が写り込んでいるのがわかると思います。

M33の撮影でこれが画像処理の足を引っ張るんです。

M33 の淡い腕がこの影にかかると非常に厄介。

 

今回は、オフアキをやめて、巨大ニュートンに乗っけてあるVixenの1200mm F15(口径80mm)のアクロマートをガイド鏡として、オートガイドを試みることにしました。

F15ですので暗い。

果たしてガイド星は見つかるのか?

実際にオートガイドできるのか?

ガイドカメラには、オフアキに使っていたASI 174MM miniを選びました。

1200mmですから元より視野が狭い上、暗い。

ガイドカメラとしてはセンサーが大きく、画素サイズも大きいASI 174MM miniが適任です。

 

日を越しているので東の空が暗い。

今宵は東の空に登ってきたM51、子持ち銀河を狙うことにしました。

 

いつものように子午線の付近、今回は東側、かつ天の赤道付近でキャリブレーションします。

この赤道儀が比較的得意な東の空なので、気持ちよく直交したグラフです。

(キャリブレーションステップ数が微妙ですが)

 

ガイドアシスタント。

1200mm F15とASI 174MM miniで、今回が初めてのガイドアシスタントなので、0.52、0.80という最小移動検知量が何を意味するのか、現時点で判断しかねます。

東の空なのでバックラッシュは(この赤道儀にしては)非常に小さい。

グラフを表示するまでもないでしょう。

 

PHD2のカメラの設定がOn Cameraで、赤道儀の姿勢がPHD2に送られていないので、M51に向けてから再度キャリブレーション。

キャリブレーションステップが理論値から大きく外れています。

 

オートガイドはまあ、許容範囲ということで。

露出時間3秒ですが、捉えられるガイド星の数が少ない。

視野が狭いし、暗いし、仕方がないのかもしれません。

もう少し露出時間を伸ばしても良いですが、改善はあまり期待できなさそう。

とりあえずガイド星をしっかり見つけてくれるだけでよしとしましょう。

でも、次回は露出時間6秒を試してみようかな?

空の状態によってはそれの方がうまくいくこともあるでしょう。

 

M51、子持ち銀河

ISO 6400, 300sec

20枚くらいコンポジットしたと思います。

なかなか良い写りをしてくれました。

が、まだノイジー

 

トリミング

 

撮影終盤、ガイド星を見失った時がありました。

ガイド星を見失った状態でしばらく放置して観察してみた結果がこれです。

綺麗に赤経方向にのみブレている。

ターゲットグラフを見る限り、極軸はほぼ完璧に調整されていると思って良さそう。

ならば次回、DECガイドをOFFにしてみるか?

それを試す価値があると思わせてくれるほど見事なグラフです。

赤経グラフはある程度の規則をもって上下しています。

Mの字状に見えます。

これがこの赤道儀のPeriodic Errorなのでしょう。
PHD2に内蔵されているマックスプランク研究所で発案されたPredictive Periodic Error Correction機能がこれを完璧に捉えてくれると嬉しいのですが、現実のオートガイドを見ていると、それほど頼りになるものではなさそう (^_^;)

 

あっという間に天文薄明になってしまいました。

毛布N warm super 4枚やシーツを一式、洗濯してきたので、気持ちよく眠りにつきました。

 

 

5時間ほど眠って、朝10時過ぎに起床。

今回のメインミッションは観測小屋の電気容量をアップすることです。

前回2024/01/06に望遠鏡3台を稼働させた上で電子レンジを使ったら、ブレーカーが落ちて望遠鏡3台のセットアップをやり直す羽目になったからです。

友人が来るとき、外で2-3台望遠鏡を出していますから、今後も同じ状況になることが予想されます。

 

電気容量アップの申し込み手続きはネット上でできました。

工事は平日でないとダメなので休みをもらいました。

午前11時過ぎに東京電力の作業員が来ました。

ブレーカーのカバーを外して、凝固しました。

携帯電話で会社に連絡をして「⚪︎⚪︎がひとつしかないんですが、容量アップできますか?」みたいなことを聞いています。

半世紀近く前のものですので、無理もない話だと思います。

幸いにして無事、容量アップできました。

ただし、20アンペアまで。

30アンペアにできないか聞いてみたのですが、電柱から小屋への配線が細すぎて、30アンペアにするためには工事が必要だそうです。

ブレーカーも交換しないとダメだとか。

今回はとりあえず20アンペアに容量アップできただけでよしとしました。

 

今まで、あまり深く考えずに電気を使ってました。

20アンペアで、電圧が100ボルトですから、2000Wまで使えることになります。

この際、どれくらい電気を使っているのか、調べてみました。

下の写真は冷蔵庫。

85Wであるようです。

 

500Wの電子レンジの動作電力が1000W

こたつが600W

冷蔵庫 85W

蛍光灯 38W

山善の床暖マット70W

電気毛布(広電) 55W、(山善)40W

合計1793W

 

これに赤道儀の消費電力や、レンズヒーターが加わるわけです。

意外と余裕がない。

というか、よく今まで1500Wでもっていたものだ。

1000Wも食う電子レンジが問題

電子レンジ以外は問題ない。

電子レンジを使わない選択?

ない、ない。

凍える夜に温かくて美味しいコンビニレンチンメニューは幸せ以外の何者でもないのです。

電気毛布は寝る時だけなのでよしとするとして、電子レンジを使う時はコタツを消さないと危ない

巨大ニュートンをコントロールするパソコンの前に敷いてある床暖マットも消すべし。

 

とにかくめでたく電気容量をアップできて、最低限のミッションを完遂。

しかし、新月期なのだし、今夜は晴れる予報なのだし、撮影しない手はないでしょう。

しかし、翌朝8時から職場の待機当番なのです。

翌朝8時までに絶対に帰宅していないといけない

それでも日を越してから帰路につけば良いではないか。

 

 

今宵もしつこくM33から。

前回二晩とも不本意な出来だったので。

 

西の空のキャリブレーショングラフは相変わらずといった感じ。

最小移動検知量は昨夜より少し改善。

今宵の方が良い写真を撮れる可能性があるということ。

にしても・・・・backlash compensation値が420msec?!!

こんな小さな値、東の空でも出たことがあったかどうか。

 

Backlash results。

むっちゃ綺麗なグラフ。

こんなグラフを偶然であっても出せる実力があったのね。。。

しかし、じゃあなぜキャリブレーショングラフの直交エラーが大きいの???

わけわかりませんが、とにかく撮影に突入。

 

M33のオートガイドグラフはこんな感じ。

ご機嫌はなかなかよさそう。

 

オフアキをやめてみた成果はどうかというと、こんな感じ。

オフアキプリズムの影がない! (^_^)

気持ちいいです。

 

画像処理した結果がこれ

前回よりさらに悪くね?

そうなんです。

露出しすぎました。

ISO 6400、360秒露出

前回2024/01/05と2024/01/06の夜は、ISO 6400, 240秒露出でした。

いくらなんでも露出しすぎです。

 

安い液晶画面でみているので、時々こういうミスをする。

こんなミスはもう二度としたくない。

どうすればいいか。

露出をいろいろ変えて、ヒストグラムを比較すれば一番いい露出を決めることができる。

ヒストグラムをどうすれば表示できるか?

撮影に使っているのはWindows 10が入った古いmini PC。
Windows 10に標準搭載されているソフトに写真のヒストグラムを表示できるものはなさそう。

僕が知っている写真のヒストグラムを表示できるフリーソフトといえばCanonのDigital Photo Professionalくらいでしょうか。

重そうなので、果たしてこの古いパソコンで動くかどうか。

次回、試してみることとします。

 

 

この夜はさらにもう一つの挑戦をしていました。

友人のおすすめでNew Nikkor 200mm F4を入手しました。

New Nikkor 200mm F4 ?

知るはずもない。

1974年発売のレンズです。

リンクを参照してください → 第八十七夜 new Nikkor 200mm F4

EOSで使える200mm単焦点レンズって、実はほとんどないんですね。

あってもとても高い。

焦点距離200mmの望遠鏡はなお高い。

New Nikkor 200mm F4なら千円から手に入ります。

とりあえずお試しでヤフオクで¥1100で入手してみた次第です。

New Nikkor 200mm F4 + EOS 60Daを無銘の200mm F4のガイド鏡と並列同架してOnstep GPに載せました。

 

今宵のOnstep GPの機嫌は悪くなさそう。

 

まあ、こんなものでしょう。

 

GPの分解整備ねぇ。

時間の確保ができるかなぁ。

 

成果。

ISO 1600, 300 sec

F4開放で撮影しました。

20枚以上コンポジットしたと思います。

初めての画角。

楽しい (^_^)

次回はISO 3200に上げて、F5.6かF8まで絞ってみようかな?

 

この夜は、機材の動作が安定していたので、リモートデスクトップで、こたつの中から全てを把握できたので、比較的楽な撮影ができました。

 

今回はちゃんと日を越す前に撤収作業に入りました。

AM 1:15に小屋を出発。

セブンイレブンで、セブンスイーツの「とろけるティラミス」を食べて気合を入れました。

AM 3:31 自宅到着。

荷物の片付けをしていたら、子どもが部活の試合で遠征するために早起きしてきたので、家族で朝飯を食べることができました。

流石に二日間連続だったので、昼過ぎまで目が覚めませんでした。

職場からの呼び出しがなかったのが本当に幸いでした。

 

何かとうまくいきませんが、この失敗を今後に活かそうと思ってます。

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2024/01/06 山梨 赤道儀3台同時撮影に挑戦 ブレーカーが落ちた (T_T)

2024-02-04 15:17:50 | 天体観測

昨夜はたくさん失敗を犯しました。

今夜こそスムーズな撮影がしたい。

昨夜不発のVixen GP+EVOSTAR72EDⅡに加えて、日中のうちにEQ6proにBLANCA-130EDTを乗せてセットアップしておきました。

つまり、巨大ニュートンと合わせて、3台の赤道儀を同時に扱おうという作戦です。

初めての作戦になります。

巨大ニュートンと他2台は20mほど離れているし、靴を履いて小屋からでる必要があります。

GP+EVOSTAR72EDⅡはリモートデスクトップでコントロールしましたが、EQ6pro+BLANCA-130EDTは現場のノートパソコンでコントロールしました。

やっていて頭が混乱しないか、ちょっと心配でした。

 

RAW撮影する場合、ノイズがひどいので、画像処理をする上でどうしても枚数が必要になります。

今までのように、一晩のうちに、一つの望遠鏡で次々と被写体を変えてゆく撮影方法ではダメです。

望遠鏡1台あたり、一晩に撮影する被写体を絞り込んで、枚数を稼ぐ必要がある

 

あまり複雑なことは考えたくなかったので、巨大ニュートンはこの夜もM33三角座銀河を狙わせました。

手順は基本的に昨夜と同じです。

 

子午線の西側、天の赤道付近でキャリブレーション。

なかなかよし

 

そのまましばらくオートガイドさせます。

オートガイドのグラフの振れ幅が大きい。

振れ幅が大きいが上下均一に振れているので、今思うと、露出時間を6秒にすべきだったのでしょう。
シンチレーションが悪くて、ガイド星がゆらゆら揺れて、PHD2が振り回されていたのでしょうから。

 

ガイドアシスタントで赤道儀の動作と夜空の解析。

うーむ、最小移動検知量の値が非常に大きい。

この夜のシンチレーションは悪いようです。

ガイド星が画面の端っこすぎてバックラッシュが測定できないとの表示が出ました。

バックラッシュはだいたい見当がつくので、この夜は先を急ぎました。

 

子午線を超えてきたM33に巨大ニュートンを向けてキャリブレーション

よくはないが、最悪ではない

 

オートガイドはこんな感じ。

露出時間は4秒にしました。

シンチレーションの割に、頑張っているのではないでしょうか。

 

 

昨日より枚数を稼いだはずなのに、写りが劣ります。

カメラはいつものEOS Ra

シンチレーションに敗北。

こういう夜は巨大ニュートンを諦めて、巨大ニュートンの背中に乗せてあるBKP130で撮影すべきなのでしょう。

 

あまりに写りが悪いのでちょっと気分を変えて北のM81を狙ってみました。

疲れていたのか、guideグラフを記録するのを忘れました。

写りの良い写真だけセレクトしてコンポジットしたので、少し満足できる写りになりました。

 

 

 

お次はEVOSTAR72EDⅡ。

昨夜不発だっただけに頑張って欲しいところ。

 

まずは木星でピント合わせ。

 

200mm F4のガイドスコープに取り付けたStarlight Xpress LodeStarのピント合わせ

 

キャリブレーション

 

ガイドアシスタント

赤緯軸のバックラッシュはかなり大きい模様
しかし、やはりEVOSTAR72EDⅡにレデューサーをつけて焦点距離357mmですので、シンチレーションには強そうな印象。

まだまだ使い始めたばかりで、過去のデータと写真の積み重ねがないので、なんとも言えませんが。

 

バックラッシュのグラフ

 

EVOSTAR72EDⅡで何を狙おうかと空を見回したのですが、雲が出てきてしまって被写体選びに困りました。

オリオン大星雲を撮らせたのがこれ。

カメラはEOS 60Daです

 

だいぶ西に傾いてしまったM31は結局1枚しか撮れませんでした。

結局、EVOSTAR72EDⅡはこの夜も不発に終わったのでした。

 

EQ6pro+Kasai BLANCA-130EDT+Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサー

昼間のうちにピントを大まかに合わせようとしたら、なんと、Kenko Close-up lens No.4で自作レデューサーを使うと接眼部を伸ばし切ってもピントが合わない!

ピントが合うためにあと1mm足りませんでした。

延長筒を使ってことなきを得ました。

 

ガイドカメラには昨夜、給電が追いつかず動作しなかったASI290MM miniを使用。

今回はちゃんとUSBハブに給電したので動作しました。

 

子午線の東側、天の赤道付近のEQ6proのキャリブレーション

 

天の赤道付近でのオートガイド
焦点距離700mmくらい(?)ですが、それでもグラフが暴れています。

グラフの縦軸のスケールをいつもの2秒にできない。。。

ターゲット表示でも的を絞れていない感じ。

均一にバラけているので、オートガイド自体は正常動作している印象

 

ガイドアシスタント

「極軸が大きくずれているので、修正せよ。」

はて?PoleMasterで極軸を合わせたのですが?

このあと再度、極軸をPoleMasterで調整したのでした。

EQ6proの極軸窓、加工がちょっと雑なんです。

若干、アダプターが微妙に浮く箇所があって、しっくりこない。

やはりこういう結果になるんですね。。。

 

「ガイドカメラのピントをしっかり合わせましょう!」

バーティノフマスクを使ってピントを合わせてるんですけど・・・。

つまり、バーティノフマスクでピントを合わせてあっても、星像がまとまらないほどシンチレーションが悪いということでしょうか。

一応、再度バーティノフマスクを使って、ピント出しをしたのでした。

 

バックラッシュグラフは合格点

まあ、東の空ですから。

でも、なんとなくグラフの線がフニャフニャなのが気になる。

 

というわけで、極軸を再度合わせたり、ガイド鏡のピントを再度調整したりしているうちに、随分時間を失ってしまいました。

結局、M81+M82を狙わせました。

雲が微妙にあって、それくらいしか狙えるものがなかったというのが正直なところです。

結果はこれ

レデューサー、つけるべきではなかったです。

普通に撮影すべきでした。

 

使ったカメラはEOS 6Dですが、BLANCA-130EDTに自作レデューサーをつけると蹴られますね。

延長筒が必要だし、蹴られるし、フルサイズで撮影するのであれば、Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサは使う価値はないというのが結論でしょうか。

 

ほんの少しトリミングをしたのがこれ。

それでも小さい。

 

23時過ぎには雨がパラつきました。

粘りましたが、2時過ぎには雲がたくさん出てきてしまって、撤収を余儀なくされました。

 

雲が流れていて空の状態が安定しなかっただけでも大変だったのですが、実は、今宵のメインイベントというか、一番大きな事件は21:55に起きました。

やっとこさ、3台とも撮影が軌道に乗ったことを確認し、少し遅い夕飯を食べようと、電子レンジを使ったその時です。

ブレーカーが落ちました

 

全て吹っ飛んだとは申しませんが、キャリブレーション当たりからやり直しでした。

これはたまらん。

今まで小屋の電気は15Aの契約でしたが、20Aに増やそうと決意した瞬間でした。。。

 

新しいことを始めるにあたり、これでもかというくらい、トラブルに見舞われまくってます。

めげずに頑張るつもりです。

 

帰り際、近所の神社に立ち寄りました。

今年は良い写真がたくさん撮れますように

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2024/01/05 山梨 M33のRAW撮影、八ヶ岳くるくる写真 失敗いろいろ

2024-01-14 12:41:20 | 天体観測

正月休みも終盤です。

17:30頃、小屋に到着。

 

赤道儀コントロール用のパソコンのモニターの向きを変えたら、急に何も映らなくなりました。

焦りました。

モニターの接続ケーブルを抜き差ししたり、電源を入れ直したりしているうちに10分ほどでモニターが復帰。

原因はわかりませんが、近い将来、本格的に故障することを想定しなければならないでしょう。

モニターがなければ何もできません。

今回、復帰してくれたから良かったですが、復帰しなかったらどうすべきだったか。

 

いくつか選択肢があります。

一つは、今回持ってきたmini PC用の携行型モニターを使うこと。

次に、リモートデスクトップで手持ちのiPhoneかiPadをモニターがわりに使うこと。

(ただし、これを最初からやるためには、パソコンが起動とともにWi-Fiに接続するように予め設定しておかなければなりません)

 

気を取り直して作業を進めます。

まずは明るく輝いている木星でピント合わせです。

手作りしたバーティノフマスクが毎回大活躍

 

 

次に望遠鏡を西の空に向けてから天の赤道と子午線付近でキャリブレーション

なぜ西の空かというと、暗くなって早い時間帯は東の空は街明かりの影響で使えない。

西の空もまだある程度明るいのですが、撮影するなら天頂から西の空と、この望遠鏡では相場が決まっているのです。

キャリブレーション結果で「RAとDECが直交しないよ」との表示が。

よくある原因として、以下の三つの原因を挙げている。

 

・極軸が大きく外れている

・DECの大きなバックラッシュ

・RAの大きなperiodic error

 

この巨大ニュートンの赤道儀、西の空でバックラッシュが大きいので、こういう結果になるのはある程度許容しないといけない。

オートガイドを続けているうちにバックラッシュがなくなって、一方向ガイドに落ち着くので、それを待ってから撮影開始です。

が、やはり気持ちのいいグラフではないので、あと2回、キャリブレーションをやり直しました。

 

キャリブレーションが終わったらそのままガイドアシスタントを起動してPHD2に赤道儀の挙動と夜空のシンチレーションの状態を認識させます

最小移動検知量が比較的小さい値なので、シンチレーションは悪くない。

Backlash compensationが適応される範囲に収まっているので、今夜のこの赤道儀の調子は悪くない。

 

バックラッシュグラフ

西の空なんで、これでもいい方なんです。

 

巨大ニュートンのこの夜の狙いはもう少しで天頂付近で子午線を超えてくるM33にしました。

M33三角座銀河、RAWで撮影するのは初めてのことになります。

M33に向けてからPHD2でキャリブレーションした結果がこれ。

今夜、西の空に向けた赤道儀のご機嫌は良いようです。

 

ガイドグラフはこんな感じ

 

M33 三角座銀河

ISO 6400、240秒、20枚コンポジット

RAWだと比較的細部が残りますが、20枚程度ではノイジーな画像になりますね。

今までJPEGだったので8枚以上コンポジットするメリットをあまり感じずにここまできましたが、20枚でこれだけノイジーとなると、一体何枚コンポジットすればいいんだろう?

本当はもっと撮影できていたはずだったのですが、Star Trail撮影に行ったり、GP赤道儀のセットアップに離れていた間に巨大赤道儀のウェイトが脚立に当たってて、ブレブレ写真を4-5枚撮ってました。

脚立が押されてくれていたからよかったけど、脚立が壁とかに押し付けられて、動けない状態になっていたら赤道儀が壊れていたかもしれなかったので、焦りました。

 

M33を撮影する合間に八ヶ岳一望スポットでStar Trail撮影開始。

21:59にセットしましたが、月の出が0:26に迫っており、今夜はあまり長い時間はできないかもしれません。

 

23:18からM1 カニ星雲を狙います。

しかし、シンチレーションが悪化して、写った星がボヤボヤすぎて、このまま撮り続けるべきか悩みました。

ISO 6400, 240sec、10枚コンポジット

やはりぼやぼやで、カニ星雲の赤い雷みたいな線がほとんど見えませんでした。

しかも、GP赤道儀のセットアップに離れている間にガイド星を見失い、1時間くらい、ブレた写真の山を作っていたという。。。

 

M33とM1撮影中に、Onstep化したGPとEVOSTAR72EDⅡのセットアップにかかってました。

これが難渋した。

なぜか赤緯軸が動かない。

モーター自体はウィンウィン動こうとして、タイミングベルトがプルプルするが、赤緯軸の動作に至らない。

寒さでグリースが硬くなりすぎたか?

あれこれいじっていたら、結局、配線の接触不良だった

手作りOnstep GPは配線の接続部が緩みやすいので、要注意です。

Onstep GPの動作が戻ったことで、撮影をしようかと思ったら、今度はガイドカメラのASI 290MM miniがうんともすんとも言わない。

故障か?!

結構高価なカメラだからショックです。

やむなく手持ちにStarlight Xpress LodeStarに切り替えました。

LodeStarは問題なく使えそうでした。

写真は、M42付近でLodeStarのピントを合わせた時の画像です。

撮影を開始しようかと思ったら、、、明るい月が高くなってました。。。

この夜は、Onstep GP + EVOSTAR72EDⅡは成果ゼロ

 

八ヶ岳一望スポットにEOS 6D + SAMYANG 14mmを回収しに行きます。

レンズを触ると暖かい。

レンズヒーターが暑過ぎる。

こんなに暖かくなくて良い。

次回はレンズヒーターの温度を「低」に設定しよう。

レンズヒーターに使っていた大きめなモバイルバッテリーMPB-32000の残量表示が2%!

EOS 6D用に使っていた大きいモバイルバッテリーMPB-52800の方は寒さにやられて液晶画面が死んでました。

でも、とりあえず撮影は継続できていたよう。

その成果がこれ。

 

部屋に戻ってからASI290MM miniをノートパソコンに接続してみると動作する。

ホッとしました。

何が問題だったのか。

おそらく給電が追いつかなかったのでしょう。

そういえば撮影カメラEOS 60Da、Onstep、ASI290MM miniを繋いだUSBハブ、給電式を使ってなかった。。。

つまり、こういうことです。

 

Q「なぜUSBハブにACアダプタがついているの?」

A「USB機器が電力不足で動作しない場合があるからです」

 

ASI290MM miniの消費電力はLodeStarよりずいぶん大きいということでもあります。

この夜はトラブル続きでまともな撮影ができず。

一つ一つの経験から学び、次に活かしたいと思います。

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2023/12/17 野辺山で天体観測 Onstep GP赤道儀のオートガイド初陣

2023-12-30 18:44:26 | 天体観測

友人の友人が野辺山宇宙電波観測所の近くに天体観測小屋を入手したという。

友だちの友だちはお友だち、ということで行ってきました。

野辺山は標高1340m前後。

ぶっちゃけ、僕が過去に天体観測した地点で、麦草峠と那須岳の峠の茶屋駐車場を除く全てを凌駕する標高です。

僕の天体観測小屋に至っては標高600mなので比較になりません。

空の青さが違う。

 

野辺山宇宙電波観測所の45mパラボナアンテナが八ヶ岳を背景に見えます。

野辺山宇宙電波観測所、僕が高校生の地学部の時に見にきたのが初めてのことでした。

まさかこんな形で再び縁ができようとは。

JAXA 臼田宇宙空間観測所に第一線は譲ったのかもしれませんが、見るたびにパラボナアンテナの向きが変わっており、まだまだ現役のようです。

 

友人の友人の観測小屋はスライディングルーフ小屋と、宿泊小屋の組み合わせ。

素敵です。

入手したばかりで、宿泊小屋とスライディングルーフ小屋の間をLANケーブルで結んだり、邪魔な木を切り倒したりと本格稼働の準備がどんどん整ってきているところでした。

 

標高が高いのはいいことなのですが、厳しい環境でもあります。

16:33の気温が氷点下3度でした。

真夜中には氷点下10度を下回ることを覚悟しないといけない。

今回はフル装備で臨みました。

5年ぶりくらいに白金カイロも持ってゆきました。

 

案の定、寒い!

夜になると車が凍りつきました。

 

この夜は氷点下10度には至りませんでしたが、氷点下8度まで下がりました。

幸にしてこの夜の天体撮影の大半は、休憩小屋の中からできました。

15年前まで借家アパートで使っていた古いWi-Fiルーターを持ってきてリモートデスクトップで撮影したためです。

ただし、外においたノートパソコンに霜が降りて、画面の動作が少しおかしくなりました。

ノートパソコンに死なれると痛すぎる。

この経験、次回に生かす予定です。

 

今回僕が持ち込んだ機材はonstep化したGP赤道儀と中古で入手したEVOSTAR72EDⅡ。

GP赤道儀を中古で入手して、1年半前にOnstep化したにも関わらず、ほとんど使えてませんでした。

唯一使ったのが西村彗星の時でしょうか。

作ったからには使い込んであげないと。

 

僕としてはかなり珍しいことに明るいうちにセットアップできたので、月を撮影してみました。

EVOSTAR72EDⅡの焦点距離は420mm(F5.8)

それに0.85倍レデューサーをつけて357mm(F4.9)。

カメラがEOS 60Daなので1.6倍して、571mm相当の画角になります。

月がずいぶん小さいです。

こんなに焦点距離が短い望遠鏡は初めてなので、新鮮です。

風が強かったこともあり、シャープさに欠けます。

 

暗くなって最初に狙ったのがスバル M45

EOS 60Da

ISO 3200、300秒、8枚コンポジット

うっかりしてて、JPEG撮影

画面右の星が若干楕円形になってます。

スケアリングの問題かと。

 

トリミングしたのがこれ。

EOS 60Da、やはりノイズが多いですね。

 

M45のオートガイド

東の空です。

うーむ、ひどい。

縦軸2秒ではグラフが場外へはみ出してしまいます。

しかし、こんなもんで星がしっかり丸く映るんですね。

短い焦点の望遠鏡って、そんなものなのでしょうか。

今まで超・長焦点でのオートガイドで散々苦労してきた身には驚きでした。

 

適当に撮っても、割とまともに写ることが確認できましたが、やはりここは焦らず基本に立ち返って、PHD2のガイドアシスタントでGP赤道儀の動作解析を行うことにしました。

その結果がこれ。

なに・・・バックラッシュ測定、頓挫?

ガイド鏡の焦点合わせ、最善を尽くしたつもりなのですが。。。

 

なんてこったい。

赤緯軸のオートガイドは実質的に一方向ガイドですな。

南北どちらの方向に一方向ガイドすればいいのか、PHD2が表示してくれない。

こんなんで星がよく丸く写るもんです。

なぜだろう?

 

お次に撮影したのはM42

ISO 3200、180秒、8枚コンポジット

これもうっかりJPEG撮影。

画面右の星が流れているのはスケアリングの問題なので、ご容赦。

スケアリング、多分、カメラ回転装置の問題です。

M4ネジを手で回して固定するだけですし、そのネジが細くてあまり力をこめて回せない。

この夜の結果を受けて、カメラ回転装置は今後、使わない方針となったのでした。

この写野は新鮮です。

オリオン大星雲の周囲に広くガスが広がっているのがうっすらと確認できます。

次回はもう少し露出して、周囲のガスを炙り出したいです。

 

お次は馬頭星雲と燃える木

ISO 3200、300秒、8枚コンポジット

RAW撮影

これまたこの画角は新鮮です。

60Da、やはりノイズが目立つので、次回はRaで撮影してみたいです。

画面左上の星の青い滲みはなんだろう?

 

お次はバラ星雲

ISO 3200、360秒、8枚コンポジット

RAW撮影。

星の密度がすごいですね。

 

この夜は写したい対象が東の空に多かったのですが、GPの動作チェックを西の空でもやりたい。

西の空、子午線付近、天の赤道付近でガイドアシスタントを起動しました。

うーむ、バックラッシュ測定、またしても失敗。

 

これで、東の空でも西の空でもバックラッシュが大きすぎるとの結果になりました。

このパターンは初めてのことです。

今まで僕が経験してきたのは、「東の空はバックラッシュ測定がうまく行くのに、西の空でバックラッシュが大きい」というものでした。

これは、、、どうしたらいいのでしょう?

というか、GPも分解整備しないとダメ?

面倒くさいなぁ。

 

何はともあれ、この状態で果たして西の空で星は丸く映るのだろうか?

それが問題だ。

というわけで、西の空に入ってきたM78にEVOSTAR72EDⅡを向けてみました。

オートガイドのグラフがこれ。

完全なる一方向(南方向)ガイドですな。

 

M78

ISO 3200、360秒

一応、星が丸く写ってます。

オートガイドができているということです。

 

GP赤道儀、バックラッシュがとても大きな個体を掴んだようです。

星は丸く写るよう。

でもこれ、今回、極軸がよく合っていたことが良いことをしてくれていたことは間違いないでしょう。

ガイドアシスタントの解析結果で東の空では>2.1分角、西の空では>0.8分角

これもまた悩ましい測定結果で、東西の空で極軸のズレが変わってくることをどう解釈すれば良いのか。

PHD2のガイドアシスタントの限界?

それとも望遠鏡を大きく振ると極軸がズレる?

 

いずれにせよ、GP赤道儀を実践投入できて、しかも、オートガイドが使えるレベルであることが確認できた記念すべき夜となりました。

 

今回がPoleMasterの初陣でした。

中古で入手したものです。

使いやすいです。

が、またしても予期せぬドタバタ劇が待ってました

それは記事を改めて書こうかと思います。

 

 

野辺山、風が強いです。

吹きっさらしな感じです。

夜、布団の中にいて、台風かと思うような風の音でした。

あと、スキー場の明かりが邪魔をしてくれます。

野辺山は雪があまり降らないので、夜通し人工雪を撒いて整備しているようです。

小屋の前はだだっ広い畑なのですが、1kmとか先のLED街灯が意外なほど眩しい。

望遠鏡にフードをつけた方がいいかもしれません。

 

この夜は空が良くなかった。

M78の写真は撮って出しなのでわかりやすいかと思います。

 

それでも、野辺山に観測地点ができてくれてうれしい限りです。

氷点下の環境で電気が使いたい放題、暖かい小屋があって、ストーブとこたつに当たりながら天体撮影ができるのは最高です。

しかも、24時間営業のコンビニやホームセンターが車で10分以内にある標高1350mなんて、全国探しても他にないんじゃないかな?

これであとは温泉があれば最高ですが、そこは求めすぎということで。

 

今後が楽しみです。

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2023/11/18 山梨 降雪 巨大ニュートンにBKP130取付、Kenko Close-up lens No.4で自作したレデューサーがすごい

2023-11-21 18:48:34 | 天体観測

仕事が終わってから出発し、17日23:50に現地入り。

望遠鏡を稼働させましたが、雲がひっきりなしに流れてきて、全く撮影できず。

八ヶ岳スポットに放置撮影させたスタートレイル写真も雲でダメダメ。

晴れていた分だけだとこの写りです。

やはり月がないから前回より星の数は多いですね。

また来月に再挑戦です。

 

翌日、なんと、昼過ぎに雪が降りました。

短時間でしたが、吹雪いたと言って差し支えないほどの光景でした。

夜半から晴れる予報だけど、これはシンチレーションが厳しいかなぁ。

それにしても寒い。

細身には応える寒さです。

気合を削がれるのを感じました。

 

夜、晴れたとしても作品を狙いに行くような空ではないでしょう。

今回のメインミッションは巨大ニュートンにBKP130を導入することなので、まずはその作業に入ります。

BKP130は、口径130mm, F5, f=650mmのニュートンです。

巨大ニュートンにVIXEN GP赤道儀を取り付けて、それにBKP130を載せます。

GP赤道儀は有線のコントローラーで動かせるように友人が改造してくれています。

なんとも贅沢な装備です。

なお、ピンク色のフェルトのレンズヒーターを巻いてあるのがMGEN-3用のf=240mm, F4のガイド鏡です。

 

 

いろいろ作業をしたあと、凍えた体を温めるために美味しい食事をとりに行きました。

いつもの洋食屋さん。

ここのビーフシチューハンバーグは最高です。

このあと温泉に浸かり、体を温めて小屋に戻ったのが20時頃。

 

小屋に戻ってから、BKP130の光軸調整に手こずりました。

Ocal electronic collimator斜鏡の輪郭赤い円を合わせるのですが、これはいい加減にやるのが正解ですね。

真剣に合わせると痛い目を見ます。

赤い円斜鏡の輪郭に大まかに合わせつつ、本命斜鏡に映った主鏡の輪郭青い円を合わせることです。

斜鏡に映った主鏡の輪郭青い円を合わせることができれば、赤い円は自然と斜鏡の輪郭とだいたい合います。

完璧を目指すのは厳しいですが、大まかに、合います。

今回の光軸調整はこんな感じになりました。

理想的ではないです。

本来なら、主鏡に映った斜鏡のど真ん中に赤いOcal electronic collimatorが来るはずなんですが、今回の調整では赤いOcal electronic collimatorがなんとか主鏡に映った斜鏡の中に収まった、という感じです。

斜鏡の引ネジを数回転「締めるか」「緩めるか」して斜鏡を前後させれば、主鏡に映った斜鏡の真ん中に、赤いOcal electronic collimatorが映るんでしょうけど、今回は力尽きて、これで妥協しました。

一応、主鏡に映った斜鏡の中に赤いOcal electronic collimatorが収まっているので、最低限の用は成すはずです。

また時間のある時に、光軸をさらに追い込みたいと思います。

 

BKP130の光軸調整にひと段落つけたところで、巨大ニュートンを稼働させます。

狙ったのは今が見頃のM31アンドロメダ銀河。

ISO 3200, 180sec, JPEG 1枚撮り

ピントを疑いたくなるようなボヤボヤの写真です。

でもこれ、ちゃんとバーティノフマスクでピント合わせしてあります。

別の言い方をすると、バーティノフマスクなしではピントの山を迷うシンチレーションでした

オートガイドも、巨大ニュートンのオフアキではガイド星がボヤボヤで、PHD2がガイド星を見失ってしまうので、焦点距離240mmのガイド鏡につけたMGEN-3に切り替えました。

こうなると巨大ニュートンは用無しです。

こういう時のために焦点距離の短いBKP130を巨大ニュートンに載せたのです。

 

BKP130で同じM31を狙います。

純正コマコレクターを使ってます。

カメラはEOS 60Da

ISO 3200, 222 sec, JPEG 1枚撮り

1枚撮りです。

シャープではありませんが、巨大ニュートンよりは見れます。

 

友人の勧めで、超久しぶりにKenko Close-up lens No.4で自作したレデューサーを使って、さらに焦点距離の短い写真に挑みます。

自作レデューサーは×0.68になるらしいので、APS-Cであることからそれを1.6倍して、650mm×0.68×1.6=707mm相当の画角になります。

それがコレ。

ISO 1600, 402sec, JPEG 1枚撮り

周辺のコマがひどい。

コレは使えん!と友人に見せたところ、Close-up lensが表裏逆になってるから、ひっくり返してごらん」と。

なぬ。。。

 

なにぃぃい!
画像の端っこまで星が丸いではないか!

ISO 3200, 184sec, 1枚撮り

今までKENKO Close-up lens No.4で自作したレデューサーにはダメ出しをして、丸7年間、お蔵入りさせてました。

ごめんなさい!

とっても優秀なレンズでした。

ダメダメだったのは僕の方でした。。。

 

構図を少し傾けてもう一枚。

ISO 1600, 428sec, RAW 1枚撮り

ひどいシンチレーションなんで、焦点距離707mm相当の画像でもやはり作品にはなりません。

こんなシンチレーションの時は、さらに短い300mm台もしくはそれ以下の焦点距離で作品を狙いに行くべきなのでしょう。

しかし、僕はそんな短い焦点距離で撮影した経験がほとんどないので、コレから先の楽しみということになります。

 

画像処理をPhotoshopでやっていたら、RAW現像の段階でAIによるノイズ除去機能があったので、上の写真に対して使ってみました。

ちょっとノッペリした画像になりますが、1枚撮りでコレはすごいなぁ。

コンポジット合成をするのが面倒臭い時は、こんなのもいいかもしれません。

 

BKP130はネットで検索すると、みなさんずいぶんと改造している様子。

特に接眼筒が眼視に適した長さになっているため、カメラを取り付けると接眼筒が大きく鏡筒内に出てしまうので、接眼筒を切る必要があるみたいです。

ピントをズラしてみると、鏡筒内に突き出た接眼筒が確認できます。

接眼筒の先端をだいたい1cmくらい切って落とせばいいみたいです。

接眼筒を短くしようと思っていながら、なかなかその時間を設けられず、BKP130を購入して2年間も段ボールごと床に放置が続いてましたが、もう面倒くさくなって、無改造のまま使い始めましたが、写真の写りに、僕的には特に不満がないです。

このまま使い続けようかな?(光軸の追い込みはもう少ししますが)

 

BKP130の撮影もひと段落したところで、もう一つ気になることを確認する作業に入りました。

ネット記事で知ったのですが、今まで僕自身もレデューサーとは、屈折とニュートンでは異なるレンズだと思っていたのです。

ところが、どうも同じレデューサーを屈折でもニュートンでも使えるはずだと。。。

レンズの光学的な知識はございませんが、そんなことが可能なのか?と思ってしまったもので、それを確認したく思いました。

もうすでに深夜0時を過ぎていましたが、EQ6proを組み上げて、ED81Sを載せて、自作のKENKO Close-up lens No.4で作ったレデューサーをつけて撮影してみました。

 

比較しやすいように同じM31アンドロメダ銀河を狙ってみました。

カメラはEOS 6D(無改造)

ISO 3200, 180sec, 1枚撮り

撮って出しがこれ

な、なんと。

KENKO Close-up lens No.4で作ったレデューサーは、屈折でもしっかりとレデューサーの仕事をしています。

フルサイズは四隅がケラれて厳しいですが、APS-Cなら普通に使えるでしょう。

 

上の写真をAPS-C程度にトリミングしたのがこれ。

 

M42オリオン大星雲の撮って出しがコレ。

無改造のEOS 6Dなので発色はこんなものです。

 

ちょこちょこっと画像処理してAPS-C程度にトリミングしたのがこれ。

ほんと、いいレデューサーを入手しました。

Kenko Close-up lensが¥3,000くらい。

Tマウントアダプターと延長筒などを合わせても1万円以下。

それでこの性能なら文句なしです。

 

本当に久々のEQ6proだった。

ベルトドライブ化してから長らくお蔵入りでした。

ので、ついでにいろいろデータを取りました。

まずはキャリブレーションの確認。

赤経と赤緯でステップ数に差があるのがちょっと気になる。

ガイドカメラもお蔵入りしていたASI 290MM mini

シンチレーションのことを考えるとbinningした方が良かったか?とも思ったのですが、ガイドアシスタントでその指示は出なかったので、binningする必要はなかったのでしょう。

でもま、普通にオートガイドはできそうな雰囲気です。

 

ガイドアシスタント。

 

お目当てのバックラッシュ測定。

今回は西の空だけです。

東の空が見えないところでやっていたのが残念でした。

とりあえず、バックラッシュを少なくする工夫をした成果が上がっているように見えます。

今回1回だけでは断言できませんが。。。

東の空に向けた時のバックラッシュ測定はまたの機会になりました。

 

オートガイドはこんな感じでした。

ガイド星が流れているのがご容赦。

望遠鏡を動かした後にこの画像をスクショしたので。。。

ひどいグラフに見えますが、でもまあ、シンチレーションの悪い夜はこんなものかもしれません。

写真の星は丸く写っているので、この夜は深く追求しませんでした。

 

EQ6proで撮影している合間に、巨大ニュートンに、東の空に上がってきていたM81を狙わせていました。

ノートリミング、8枚コンポジット(写真の半分以上はボヤボヤ写真でドロップアウトして、上位8枚をコンポジットしました)

EOS Ra

ISO 6400, 200sec

ガイド鏡 240mm F4,

ガイドカメラ MGEN-3

最後の最後にオチが付きました。

この写真、画面右手の星が楕円形になっています。

最初のM31を撮った写真では認めなかった現象です。

つまり、光軸がズレた。

やはりこの巨大ニュートン、向きを変えると主鏡が動くのでしょう。

向きを大きく変えた後は、「光軸がズレているかもしれない」という認識で最初の1枚目の写真を吟味し、今回のような結果であれば、レーザーコリメーターだけで良いので、光軸を確認し、主鏡の調整をする必要があるということです。

まあ、ニュートン式望遠鏡とはそういうものだと、理屈では理解しているつもりなのですが。。。面倒臭い代物だなぁ。

 

 

それにしても、、、です。

MGEN-3、すごいです。

焦点距離240mmのガイド鏡で、BKP130をオートガイドできるのはまだ納得が行きます。

焦点距離2450mmの巨大ニュートンを240mmのガイド鏡でオートガイドできるのには驚くばかりです。

そんなことが可能なのか?!と。

 

前回来た時、巨大ニュートンの乾燥空気装置のエアポンプを強化しました。

が、鏡筒内でエアホースの先から出てくる乾燥空気の勢いが期待したほどではありませんでした。

(もちろん、以前よりかなりいいのですが)

長さ3mのエアホースが細過ぎて抵抗になっているのかもしれません。

次回、エアホースを内径5mmのものに交換してみようと思います。

あと、BKP130用にも乾燥空気装置を作らねば。

 

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2023/010/19 屋根の上から星空くるくる(スタートレイル)写真撮影 再挑戦

2023-11-09 21:55:39 | 天体観測

前回、2023/09/10に自宅屋根の上から星空くるくる写真を撮って以来、チャンスを伺っていました。

前回の撮影では途中から雲が出てきてしまって、良い写真になりませんでした。

気付かされたのは、僕の手持ちのインターバルタイマーが最大399回しか撮影できないよう。

1枚30秒露出とすると、約200分間、つまり、3時間20分間しか撮影できない。

街明かりが落ちてくる22時以降の撮影が望ましいことから、仕事から帰宅してからでも撮影できる。

あとは長時間、雲ひとつない空があれば。。。

 

10月に入り、晴天率が上がってきました。

平日だとこんなに晴れるんですね。

週末になるとダメなことが多いですが。。。

 

2023/10/15

よく晴れてくれましたが、撮影時間1時間では短すぎました。

 

2023/10/16

2時間撮影。

油断して、北極星の位置がちょっとズレました。

また、ほんの少しですが、雲が写ってしまいました。

 

2023/10/17

3時間撮影。

雲が通過してしまいました。

 

2023/10/19

ISOを100にして、露出時間を45秒に伸ばして、5時間撮影

とうとうやりました! (^^)

5時間連続で雲ひとつない夜空だったようです。

 

星の数は少ないですが、夜空が明るい埼玉県南部の市街地であっても、くるくる写真はそこそこ楽しめますね。

今度は他の方角にカメラを向けて再挑戦してみたいです。

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231013(Fri) 久しぶりの遠征 栃木 M31, 33, 42, 45, 馬頭星雲と燃える木, くるくる写真

2023-10-15 19:45:02 | 天体観測

ここ4年間、遠征してません。

ずっと山梨の観測小屋にこもりっきりです。

山梨の巨大ニュートンの動作が安定してきたことで、心に余裕が出てきました。

本当はこの日、遠征に行く予定ではありませんでした。

翌朝8時から待機当番だったからです。

電話が鳴ったら30分以内に職場に到着しなくてはならない。

新月の週末ですが、天気予報を見ると山梨はほぼ絶望的。

栃木方面は晴れる模様。

普通なら、「行こう!」とはならなのですが、赤道儀のハーフピラーを入手してしまった都合、やる気を抑えることができませんでした。

 

職場から呼び出しがあると決まったわけでもない。

例え呼び出されたとしてもAM1時に撤収して帰途につけば2時間ほど眠れる。

行かずに後悔よりも行って後悔!

 

どこに行こう。

栃木方面でよく行っていた場所は標高1278mで街灯もなく、とてもいい空なのですが、風が強いのが難点。

プラス30分かかるけど、前々から気になっていた場所があります。

標高1276m。

おそらく街灯はない。

地形的に前者よりは風が弱いのではないかと思ったのです。

 

待機当番前日に遠征するのは初めての経験。

行く場所も攻めの姿勢で、行ったことの無い場所を選びました。

 

久しぶりの遠征で、忘れ物がないか、いろいろチェックしていたら出発が予定より一時間ほど遅れました。

到着してすぐにセットアップにかかります。

ものすごい天の川です。

こんな天の川を見たのも久しぶり。

山梨の天体観測小屋の標高は600m。

天の川は見えますが、やはり標高1276mには負けます。

小屋が写ってますが、公衆トイレです。

感応式で、人がトイレに入ると電灯がつきます。

綺麗なトイレもあるので、ここは家族で来る場所にいいなと思いました。

子どもはすでに中学生ですが、未だに天の川を見せていません。

今時の子どもは本当に多忙すぎです。

 

今夜の主砲はBLANCA-130EDT。

笠井トレーディングの0.8倍レデューサーをつけてあります。

カメラはEOS Ra

ガイド鏡は無銘の240mm, F4

オートガイドはMGEN-3に丸投げ

 

この組み合わせで、まず狙ったのはこの時期の主役、アンドロメダ銀河M31です。

焦点距離910mm×0.8倍=728mmの画角にちょうどいいかな、と。

ISO 3200, 200sec, 8枚コンポジット

 

アンドロメダ銀河の撮影が軌道に乗ったところで、ようやく晩飯にありつきました。

今回はなんとなく、カレーヌードルが食べたくて仕方がなくなりました。

カレーヌードル、何年ぶりでしょうか。

10年以上ぶりに食べたかもしれません。

美味い!

寒空の下で食べる熱々のカレーヌードル、美味すぎる!!

これ、本当に100円ですか???

 

 

次に、隣のM33三角座銀河

ISO 6400, 180sec, 8枚コンポジット

小さいです。

これはレデューサーを付けてはいけない被写体でした。

 

お次はM45、スバル

まだ低空でしたが、撮りたくて望遠鏡を向けずにいられませんでした。

ISO 6400, 200sec, 8枚コンポジット

 

悪くない、というか、十分にいいのですが、僕の好み的に、もう少し大きく写って欲しい。

というわけで、トリミングしてみたのが、コレ。

 

お次に東の空から上がってきたオリオン大星雲M42

まだまだ低空でしたが、これまた季節ものですので、望遠鏡を向けずにいられなかった。

ISO 6400, 90sec, 8枚コンポジット

 

この夜がMGEN-3の初陣みたいなものでした。

MGEN-3、この半導体不足で一時期、生産が滞りました。

注文したものの、半年間届かず、一旦、注文取り消しにさせて欲しいというメールがKYOEIから届き、半分諦めてました。

が、ある日突然、MGEN-3をお送りできますとのお知らせが届き、喜びました。

この時の値段が9万5千円くらい。

その後、14万円に値上がってました。

滑り込みセーフでした。

MGEN-3、初めて本格的に使用しましたが、この夜は風もなく、シンチレーションも良好であったこともあり、文句のつけどころのないオートガイドでした。

パソコンフリーでここまでできるなら10万出した甲斐があるというものです。

15万と言われると、、ちょっと悩みますが、このお気楽さ、一度慣れると手放せないかも。。。

買う価値はあると思います。

 

ここまで撮影して、日を越しました。

ますます空の状態がよくなっているではありませんか。

もう撤収する予定でしたが、そんな気分は吹っ飛びました。

今まで撮った被写体全てが、さらに理想的な暗い空に浮かんでいる。

もう一度全部撮り直しです。

今度はレデューサーなしで撮ってみよう。

 

レデューサーを外した途端、レデューサーが結露しました。

一瞬、撮った写真が影響を受けてないか、気になりましたが、結果的には影響を受けてなかったようです。

 

乾燥レンズケースに入れて1時間後、みてみると結露はなくなっていました。

 

レデューサーを外してみてびっくり。

なんと、TリングのみでEOS RaをBLANCA-130EDTに接続すると、合焦しない!

な、なんと。

BLANCA-130EDTを手に入れてもう10年くらいでしょうか。

今更気づいたんですか???って感じです。

いかに使えていなかったかがわかるってもんです。

偶然持ってきていたフラットナーをつけたら合焦しました。

 

レデューサーなしのM31

露出と処理は同じです。

 

レデューサーなしのM45、スバル

 

レデューサーなしのM42 オリオン大星雲

 

もうAM3:30でした。

流石に撤収しないとやばい!

でも、撤収できませんでした。

最後に、馬頭星雲と燃える木を狙いました。

 

本当は4枚コンポジットにしたかったのですが、僕に対して「帰りなさい」と言わんばかりにガスが出てきて、2枚が限界でした。

 

撮影の間、サムヤンの24mmをつけたEOS 6Dを放置撮影させてました。

その写真がコレ。

星が多すぎですね。

 

AM4時に急いで撤収作業に入ります。

AM5時前には出発することができました。

 

急いで帰り、AM7時に家に到着。

車から荷物を降ろしていたら、AM7:32に職場から呼び出しの電話が!

Oh, my god !

眠気まなこで職場に向かったのでした。。。

 

 

今回、他にあったイベントとしては、

トイレットペーパーを忘れた!(幸い、公衆トイレにトイレットペーパーがありました。そして今回は使う機会もありませんでした。)

セブンイレブンのカップ入りポテトポタージュ¥170(トップバリューのカレーヌードルより高い!)が美味かった!

ルーフテントを立ち上げようとしたら、リモコンの受信機が故障して、電動で立ち上がらず、やむなく手動展開した。

BLANCA-130EDTのカメラを回転させる筒を絞めるネジを締め込んだら、星が丸くなった。

箸を持ってくるのを忘れたのを途中で思い出して、セブンイレブンまで戻った!

箸を買ったセブンイレブンで楽天の電波が入らなかった!!(当然、山の中では全く電波がなかった)

ルーフテントの中で使う掛け布団を忘れた!

EOS Raのリチウムイオン電池LP-E6がヘタっていて、次から次へと交換した。

今後JPEG撮影はしないと決めたのに、うっかりJPEG撮影してました。最後の方だけRAW撮影。JPEG撮影だと8枚コンポジットで十分ですが、RAW撮影だと最低16枚は必要ですね。

この場所、登山者に人気らしく、夜中の3時頃まで、毎時間数台の車が上がってきてました。

などなど

 

また遠征に行けたらと思います。

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2023/09/17 ASI224MCによる木星とARP273撮影 鏡筒内部の黒塗装

2023-09-24 12:33:00 | 天体観測

世間は3連休だったようですが、こちらは9/16(土)も仕事。

友人たちは先に現地入り。

こんな時に限って仕事がなかなか終わらない。

家を出たのが16:00。

天気予報は曇りなので、焦る必要はないのですが、外で夕食をしようという約束をしていたので、あまり遅れるわけにもいかない。

渋滞を避けつつ、19:00に天体観測小屋に到着。

小屋のブレーカーを起こして蛍光灯のスイッチを入れたが、、、1分間ほど点灯せず。

蛍光灯、切れたかな?と思って、どうしようかと考えたところで蛍光灯が点灯しました。

この蛍光灯、40年以上前のものです。

よく点灯し続けてくれていると思います。

 

小屋の近くの洋食屋さんで集まり楽しい食事を共にしました。

ここのシチューハンバーグはとても美味しい。

この観測小屋、車で10分圏内にいろいろあるので便利です。

その分、空が明るいですが、冬もアクセスが容易というメリットにもなります。

 

夕食後に小屋に戻りましたがあいにくの曇り。

晴れてくれるまで寝て待つことにしました。

24時頃、晴れたと友人が声をかけてくれました。

確かに晴れた。

しかし、長時間の撮影は難しそう。

目に入ったのは木星。

この巨大ニュートンで木星を惑星カメラASI224MCで撮影してみたいとずっと思ってました。

木星であればオートガイドも必要ないですし、撮影時間は短時間。

この状況にうってつけです。

 

はて。。。

なぜ白黒写真になってしまったでしょうか。

SharpCapで撮影、Registax6にてウェブレット変換したのですが。。。

木星の表面に衛星が一つ黒く写ってますが、衛星の輪郭が伸びていて、点になってません。

もしかして、衛星の影が木星表面に映って、このような写りになったとか?

よくわからぬ。

 

木星のあと、何を撮ろう。

三角座が天頂近くにあり、三角座銀河を狙いたい気持ちがありました。

が、本格的な長時間露光をする時間はおそらくないと思われます。

どうせなら何か新しいことに挑戦したい。

 

そうだ!

三角座銀河の脇にあるARP273をASI224MCで狙ってみよう!

2022/10/29にEOS Raで撮影してみたものの、あまりの小ささにガッカリしたので、小さなセンサーで再挑戦してみたいと思っていたのです。

1枚撮りだとこんな感じ。

ゲインが405、露出時間が48秒です。

何故白黒??

 

これを36フレームをオートスタックして、フォトショップでちょこちょこいじったのがこれ。

オートガイドのグラフは決して悪くない、というか、かなり良い方だったのですが、赤経方向の方が赤緯方向よりバラつきました。

この画面横方向が赤経方向です。

星の光条が若干ブレました。

ASI 224MCのセンサーサイズは1/3" 4.8×3.6mmで、フルサイズ換算焦点距離が×7.2です。

2475mm×7.2=17820mm=17.82m

フルサイズのセンサーをつけた場合、望遠鏡の長さが18メートル近くなるような小さな写野です。

これくらいのガイド精度は許容すべきなのか。。。

画面右上のアンプグローがひどい。

許容限界を完全に超えている。

ASI 224MCで撮影するべきではないということです。

 

 

にしても、ARP273

3億光年先の銀河だそうです。

3億年前がどんな時期か、ネットで調べてみました。

石炭紀とペルム紀の切り替わりくらい。

超大陸パンゲアが形成に向かっていた時期

石炭紀なので、まだ樹木のリグニンを分解できる菌類がおらず、死後の植物が腐敗せず、酸素濃度が現在の21%を超えて上昇していた時期。

死んだ植物という形で大量の二酸化炭素が地中に固定されたことで大気中の二酸化炭素濃度が下がり、温室効果が失われて気候が寒冷化して訪れた数百万年に及ぶ氷河期が終焉を迎える頃

まだ恐竜が出現する前の時代です。

そんな時代の光を捉えたということですね。

なんか、素敵です。

 

この後、AM3時過ぎに曇ってしまいました。

3時間ほどの雲の切れ目でした。

 

 

ASI662MC、ポチりました。

ASI 662MC、アンプグロー、ゼロを謳っています。

次回、どんな写りになるか、楽しみです。

 

翌日は完全に曇り。
巨大ニュートンの鏡筒内を黒く塗装しました。
塗料は、ネットでコバ塗りに使用したことが紹介されていた「イマジン ウォールペイント 250ml ザ ブラック ペイント Imagine The Black Paint」を用いました。

 

250mLで足りるとはとても思えなかったのですが、意外といけました。

1回塗りとはいえ、全面塗装できました。

 

反射率1%台との情報もありましたが、光を照らすとこんな感じ。

反射率1%台とはとても思えませんが、でも、塗装前よりもずっと黒くなりました。

 

しかし、塗った後に気づいたのですが、添付文書に結露する場所に用いないで欲しいとの記載が。。。

観測中に筒先が結露することは多々あります。

鏡筒の奥の方が結露したことはないと思いますが。

さて、どうするか。

 

結露防止にヒーターを筒先周囲に巻こうかと検討中。

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2023/09/10 西村彗星C2023 P1

2023-09-10 17:40:17 | 天体観測

8月中旬に発見された西村彗星C2023 P1、なかなか観測できずにおりました。
どんどん太陽に接近しており、2023/09/10が最後のチャンスと皆が騒いでいる。
しかも晴れる予報。

仕事の都合で、遠出ができない。

でも、明け方4時に地平線から上がってくるということは、もうとっくに天文薄明は終わっており、空が明るい。

埼玉県南部の市街地でも山の上でも、大して変わらないのでは?

 

挑戦してみることにしました。

問題は地平線が見える場所を確保すること。

職場から呼び出し電話が来たら即座に機材を放置して職場に向かわなければならない。

となると、自宅しか選択肢がない。

屋根の上に登るしかないでしょう。

Stella Shot2で西村彗星が上がってくる地平の位置を確認すると、我が屋根から捉えることができそうではないか。


Onstep改造したGP赤道儀なら軽いから屋根の上に担ぎ上げることができる。
GP赤道儀の三脚の石突がスレートを割ってしまうと困るので、登山ストックのゴム製の石突をカットしてハメました。
選んだ望遠鏡は頂き物のED81S。
SNSで見ていると西村彗星は尾がかなり長いよう。
ED81Sの焦点距離625mmは長すぎるかもしれないので、0.8倍レデューサーをつけて500mmにしました。

前日の夜のうちに赤道儀をセットアップしました。

しかし、慣れないことをしているので、やたら時間を食ってしまい、セットアップできた時には24時になってました。

ついでなので、三脚にカメラを乗っけて、北極星を中心にインターバルタイマー撮影にも挑戦してみることにしました。

星景写真を始めるためにSAMYANG XP14mm F2.4を用意してありました。
が、野外に放置して寝る気になれなかったので、万が一があっても惜しくないEOS kiss X3+EF-S 10-22mm F3.5-4.5を選択しました。

寝ている間に雲が流れてしまい、残念。

またの機会に挑戦します。

 

朝3:30に起床。

赤道儀を起動。

動作確認に月と木星と金星を撮影してみました。

金星と木星は焦点距離500mmでは流石に短すぎますね。

月でもこんなに小さい

 

画角がどんなものか試しにM45 すばるを試し撮り。

ED81Sに笠井の0.8倍レデューサを噛ませると随分とケラれますね。

すばるはレデューサなしが良さそう。

 

さて、赤道儀の動作確認ができたところで、地平線から上がってきた西村彗星にED81Sを向けました。

地上の電線が写るくらいの低空から撮影開始。

でもしっかり捉えることができました。

結果的にレデューサは必要ありませんでした。

トリミングしてあります。

 

しかし、やはり太陽との距離が近すぎる。

かなり強引な画像処理をしてますが、尾をあぶり出すのは至難の業でした。

SNSに画像を載せている人たち、どうやって尾をあんなに見事に写せているんだろう?

 

西村彗星、肉眼で見えるかなぁと期待したのですが、見えませんでした。

双眼鏡なら見えるでしょう!と思ってましたが、双眼鏡でも見つけることができませんでした。

前半、写真を撮ることに集中していたからかもしれません。

(屋根の上なので、僕が動くと望遠鏡がブレるので、じっとしてました)

双眼鏡を手にした時には結構明るくなってしまっていました。

 

夜明けの空

 

これで、屋根の上での天体撮影を実践したことになります。

命綱を付けてのことですが、それでも危ないので、気軽にやることではありませんが、赤道儀はともかく、三脚でインターバルタイマー撮影は今後も挑戦したいですね。

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2023/06/17 山梨 M101(SN2023ixf) RAWとJPEG撮り比べ M57を惑星カメラで撮影

2023-06-18 18:32:58 | 天体観測

ジメジメした梅雨が続いておりました。

今週末もダメだろうなぁ、と思ってました。

実際、水曜日くらいまで微妙な天気予報でした。

が、木曜日あたりからGPVの予報が晴れに変わった。

金曜日のGPVもこの通り。

 

星見に行きたい!

けど、土曜日は仕事。

終わってから速攻、出発しました。

今週は疲れてました。

仕事で、というか、来月の学会の準備がストレスで。。。走りすぎました。

今日も現実逃避の側面が色濃くあります。

そんな星見ほど楽しかったりして (^_^;)

 

お目当てはやはりM101の超新星SN2023ixf。
他にもNGC4568の超新星SN2023ijdも見たいところですが、余裕なく仕事の後に向かったので、撮影計画が雑で望遠鏡を向けられませんでした。

あらかじめしっかり撮影計画を立てるのであれば、早く沈むNGC4568から撮影すべきでした。

が、まあ、確実にSN2023ixfをゲットして安心したかったというのもあるでしょう。

前回撮影したM101は霞の中でしたから。

 

前回、DECの整備をしたことでオートガイドは絶好調でした。

 

今回のmissionの一つに、M101をRAW+JPEGで撮影して、両者の写りを比較することがありました。

今まで、ずっとJPEGで撮影してきました。

RAW画像は大きすぎるのが理由です。

1枚あたり50MBとか言われると、ちょっと引きます。

バックアップ用のハードディスクがあっという間にいっぱいになってしまいそうで。

それに、今までずっとオートガイドが安定しなかったので、歩留まりが悪すぎてRAW撮影する気になれなかったというのがあります。

でも、今はオートガイドが安定しないことの方が少ない。

というわけで、やってみました。

 

RAW撮影のM101+SN2023ixf

 

同じ画像のJPEG撮影

 

RAW撮影はノイジーですが、細かいところまで写ってます。

JPEGはもっさりした感じでしょうか。

細かいところがあまり写ってません。

Photoshopで星の位置合わせをする際にも違いが。

重ねた画像の「差の絶対値」で位置合わせをするのですが、JPEG画像は真っ黒な画面になるのに対して、RAW画像はざらついたノイズの画面になります。

よく考えれば、そりゃぁ、そうですよね。

2枚の画像を重ねて、データに差がなければ真っ黒になるのですが、本来、2枚の画像が全く同じわけがないですね。

JPEGはデータを省略して簡略化してあるから、異なる画像同士で比較したときの差が小さくなるんですねぇ。

なるほど。

 

おそらく、今後はJPEG撮影することはないと思います。

バックアップのHDDをどうするか、考えなければならなくなりました。

 

次に、M101から程近いNGC5866を狙ってみました。

天頂付近が一番空の状態が良かったですし。

しかし、小さい。

フルサイズのEOS Raでは、いかな焦点距離2500mmをもってしても、こんなものです。

 

等倍にトリミングするとこんな感じ。

構造までよく写ってます。

このようにトリミングすべきなのか、それともセンサーの小さなカメラで撮影するのか。

悩ましいです。

 

 

試しにフォーサーズセンサーのASI294MCで撮影してみました。

あまり大して変わりありませんね。

もっと小さなセンサーにしないと。

 

ASI294MCでそのままM13を狙ってみました。

悪くはないが。。。決定的に違うとは言い難い。

 

次にM57リング星雲を狙ってみるも、これまたパッとしない。

ので、ASI224MC、つまり、惑星カメラに切り替えてみました。

ノートリミングです。

やはりこれくらい大きく写ってくれないと。

 

望遠鏡の動作が安定したので、これからは撮影方法についていろいろ悩んでみたいと思います。

 

と言いたいところですが、まだ望遠鏡の課題も残っています。

朝に望遠鏡を覗いてみると、結露している。。。

乾燥空気をずっと送っているのですが。。。

乾燥空気装置、もう一台、追加するしかないか?

 

あとは、OCAL electronic collimatorで光軸を合わせたい。

光軸を合わせるついでに斜鏡を外して、斜鏡の爪の一つがアロンアルファで固定されているので、それを補強したい。

斜鏡が主鏡に落下して主鏡も斜鏡も割れたら最悪です。

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2023/05/20〜2023/05/22 山梨観光とちょこっと天体観測M13、M51、M101 (超新星2023ixf)

2023-05-28 18:22:23 | 天体観測

新月期です。

土曜日は仕事。

仕事を上がってから山梨に向かいます。

ところが、、、晴れない予報なんです。

行く直前に予報を見ても晴れにはなりませんでした。

なかなか思い通りになりません。

しかし、今回も人生の挑戦をしてみました。

月曜日に有給を取ったのです。

今までは遠慮から取ってこなかったのですが、人生完全に後半戦に入っているにも関わらず、過去に有給の残日数が30日を切ったことがなかった。

昨年、なんとかこれを打破しました。

今年も打破したいと思います。

仕事は大切ですが、所詮それも定年まで。

仕事が人生の全てではありません。

 

土曜日の夜は予報通り、曇りました。

というか、途中から雨。

諦めて早々に寝ました。

翌朝にGPVを確認しましたが、日曜日の夜もあいにくと思わしくない予報。

でも、日中はよく晴れるよう。

通常ならば午前中には帰路につかなければなりません。

うっかり午後出発になると、行楽帰りの大渋滞にハマって3時間は余計にかかります。

しかし、翌日月曜日に有給を取っている。

しっかり睡眠をとった上で、本日もゆっくり過ごせる。

というわけで、友人たちと観光に出かけました。

 

大滝 一の滝

道路脇の駐車場に車を停めて、階段を降りてゆきます。

 

まず二の滝があって、さらに降ってゆきます。

 

新緑が気持ちいいです。

 

沢が爽やか

 

大滝 一の滝

 

滝壺

 

一の滝

 

お次は清泉寮ジャージーハット

富士山が綺麗でした。

 

ソフトクリームが絶品です。

他では食べられない濃厚な味

 

清里駅前を通ったら機関車があったので、寄ってみました。

C56

 

初めて知りましたが、D51とかC56とかの英文字って、動輪の数を表すものだったんですね。

動輪の軸が3つ(大きな車輪が3対)だからC(アルファベットの三番目)。

D51は大きな車輪が4対だからD(アルファベットの四番目)

英文字の次の5の字は石炭と水を積む炭水車があることを示すそうな。

知らなかった。。。

 

駅の標高の表示がありました。

清里、標高1275m。。。

天体撮影、可能であれば標高1000m、贅沢言うなら標高1500mほしいと思ってますが、ここなら街からちょっと離れればそれが叶います。

 

JR野辺山駅

標高1345m

JRの駅で最高の標高。

 

日本の鉄道で最高標高地点

 

最高標高地点を通過する電車。

ハイブリッドと車体にあります。

 

30数年前、僕が高校生時代から単線でした。

赤字なんだろうなぁ。

 

ここまで来たら寄らない手はないでしょう。

野辺山電波天文台。

メインの役割は臼田宇宙空間観測所の64m鏡に譲ったようですが、この45m鏡はまだ現役なのかな?

 

そのあとは天体観測小屋に戻ってDECの分解整備をしました。

前回観測時に、時折、聞き慣れない音がしていたんです。

RA軸でプーリーの固定ネジがよくよく緩んだので、同じことがDECでも起こるに違いないと思い、分解して、プーリーの固定ネジに緩みどめ(HOLD TIGHT)を塗布しました。

 

組み上げる際、DECのギアが軸に対して遊びがあることが判明しました。

どんなにしっかり固定してもギアが軸に固定されません。

若干動きます。

これではバックラッシュが残存してしまいます。

どういう構造をしているのか、不明のまま終了しました。

まあ、現状、DEC動作でそれほど困ってないので、問題ないはずです。

むしろRAの動作の方がいつも誤差が大きい。

DECの動きが荒くなった場合は、極軸を追い込めばオートガイドの修正動作はそこそこ小さくなってくれるので。

 

夜になるも、結局曇り。

時折、星が雲の合間から透けて見える程度。

もうだめかなぁと思っていたら、24時過ぎよりいきなり雲がどきました。

速攻、望遠鏡を起動させ、数枚、撮りました。

「どうせまたすぐに曇ってしまうに違いない」と思っていたので、分解整備した後の動作チェックとして組みしやすいM51から撮影。

 

オートガイド、過去最高の安定感でした。

続いて比較的近くのM101

いけるかなぁと思ったのですが、やはりかすみが出ていてダメでした。

でも、つい最近出現した超新星2023ixfが写ってます。(意図したものではありませんが)

 

撮って出しだとこんな感じなので、仕方がないのですが。。。

 

2023/02/27のM101と比較してみました。

M13球状星団

露出時間がせいぜい60秒程度なのですが、なぜか毎回オートガイドが安定しないという。。。

歩留まりが悪くてなぜか50%程度なのですが、なんせ露出時間が短いので、数打ちゃ当たる方式で。。。

 

他にも諸々撮ったのですが、NGC6210とNGC6543は小さすぎました。

IC5146 まゆ星雲に望遠鏡を向けたときにはAM3時を回ってしまい、背景が明るくなりすぎました。

 

今回はあまり期待していなかったところにいきなり晴れたので、慌てふためいて、撮影計画が雑になりすぎました。

こういうとき、やはり手っ取り早く撮りやすいものから撮ってしまいますね。

いずれにせよ、空がイケてないときは、何をやってもダメです。

が、わざわざ有給を取ってまで山梨まで来ているのに、全く望遠鏡を起動せずに終わるより、こんな感じでドタバタをやった方が気持ちがいいです。

 

にしても、やはり小さな被写体は、センサーが小さいカメラで撮影すべきと今回思った次第です。

あと、画像処理をしていて、条件が悪い空で撮影した場合、JPEG画像は苦しいです。

今まで全てJPEG撮影してきましたが、望遠鏡の動作も安定してきたことだし、そろそろRAW撮影に切り替えてみようかと思った次第です。

果たしてJPEGとRAWで画像処理がどれほど変わるのか?

興味が出てきました。

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