8月中旬に発見された西村彗星C2023 P1、なかなか観測できずにおりました。
どんどん太陽に接近しており、2023/09/10が最後のチャンスと皆が騒いでいる。
しかも晴れる予報。
仕事の都合で、遠出ができない。
でも、明け方4時に地平線から上がってくるということは、もうとっくに天文薄明は終わっており、空が明るい。
埼玉県南部の市街地でも山の上でも、大して変わらないのでは?
挑戦してみることにしました。
問題は地平線が見える場所を確保すること。
職場から呼び出し電話が来たら即座に機材を放置して職場に向かわなければならない。
となると、自宅しか選択肢がない。
屋根の上に登るしかないでしょう。
Stella Shot2で西村彗星が上がってくる地平の位置を確認すると、我が屋根から捉えることができそうではないか。
Onstep改造したGP赤道儀なら軽いから屋根の上に担ぎ上げることができる。
GP赤道儀の三脚の石突がスレートを割ってしまうと困るので、登山ストックのゴム製の石突をカットしてハメました。
選んだ望遠鏡は頂き物のED81S。
SNSで見ていると西村彗星は尾がかなり長いよう。
ED81Sの焦点距離625mmは長すぎるかもしれないので、0.8倍レデューサーをつけて500mmにしました。
前日の夜のうちに赤道儀をセットアップしました。
しかし、慣れないことをしているので、やたら時間を食ってしまい、セットアップできた時には24時になってました。
ついでなので、三脚にカメラを乗っけて、北極星を中心にインターバルタイマー撮影にも挑戦してみることにしました。
星景写真を始めるためにSAMYANG XP14mm F2.4を用意してありました。
が、野外に放置して寝る気になれなかったので、万が一があっても惜しくないEOS kiss X3+EF-S 10-22mm F3.5-4.5を選択しました。
寝ている間に雲が流れてしまい、残念。
またの機会に挑戦します。
朝3:30に起床。
赤道儀を起動。
動作確認に月と木星と金星を撮影してみました。
金星と木星は焦点距離500mmでは流石に短すぎますね。
月でもこんなに小さい
画角がどんなものか試しにM45 すばるを試し撮り。
ED81Sに笠井の0.8倍レデューサを噛ませると随分とケラれますね。
すばるはレデューサなしが良さそう。
さて、赤道儀の動作確認ができたところで、地平線から上がってきた西村彗星にED81Sを向けました。
地上の電線が写るくらいの低空から撮影開始。
でもしっかり捉えることができました。
結果的にレデューサは必要ありませんでした。
トリミングしてあります。
しかし、やはり太陽との距離が近すぎる。
かなり強引な画像処理をしてますが、尾をあぶり出すのは至難の業でした。
SNSに画像を載せている人たち、どうやって尾をあんなに見事に写せているんだろう?
西村彗星、肉眼で見えるかなぁと期待したのですが、見えませんでした。
双眼鏡なら見えるでしょう!と思ってましたが、双眼鏡でも見つけることができませんでした。
前半、写真を撮ることに集中していたからかもしれません。
(屋根の上なので、僕が動くと望遠鏡がブレるので、じっとしてました)
双眼鏡を手にした時には結構明るくなってしまっていました。
夜明けの空
これで、屋根の上での天体撮影を実践したことになります。
命綱を付けてのことですが、それでも危ないので、気軽にやることではありませんが、赤道儀はともかく、三脚でインターバルタイマー撮影は今後も挑戦したいですね。