主鏡、すぐに汚くなります。
夜空に晒しているので、仕方がないことと思います。
花粉がよく飛ぶ季節と、黄砂が降り注ぐ夜は、一晩で主鏡表面に細かい粒子が大量に降り積もります。
これをどうするか。
岡山県天体物理観測所のホームページに主鏡洗浄が紹介されています。
「蒸着直後の鏡面反射率は91%(波長670nm)だが、1年間使用するとアルミニウムの酸化、塵挨で60%近くまで低下する。」
「そこで近年は鏡面反射率を維持するために、約1.5か月毎に各鏡の洗浄を行うことにより年間を通して80%以上の反射率を維持している。」
主鏡を洗浄しないと一年間で鏡面反射率が半減するんですね。
巨大ニュートン、主鏡の脇に、主鏡の整備窓があります。
主鏡の整備窓から観察した主鏡表面の状況から、反射率が半減していることは感覚的に十分納得できます。
主鏡を取り外してジャバジャバ水洗いできればいいのですが、25cm鏡ならいざ知らず、46cm鏡となると主鏡を収める金属のセルと合わせて重量30kg超を巨大ニュートンから外して降ろさないといけない。
僕1人では無理です。
(2024年2月の巨大ニュートンの主鏡 洗浄)
でも、何もしないわけにもいかない。
今までやってきたこと。
その1
カメラレンズ用のブロワーでゴミを吹き飛ばす。
カメラレンズならいいんですが、直径46cmの巨大反射鏡となると無力感が半端ないです。
でも、握力が続く限りやってました。
その2
カメラレンズのクリーニングリキッドを垂らして、レンズクリーンペーパーで優しく撫でる。
結論として、これ、やめた方がいいです。
どんなに気をつけても、主鏡表面に細かい傷ができます。
あとは、カメラレンズ用のクリーニングセットで洗浄するには直径46cm鏡は大きすぎるんですよね。
最近、もう一つ、思いつきました。
主鏡に高性能を謳う洗浄スプレーを吹きかけ、それを大風量の電動ブロワーで吹き飛ばす方法です。
高性能洗浄スプレーとは、こういうものをいいます。
岡山天体物理観測所ではレンズクリーナーにOLYMPUS EE-3320を用いているようです。
そしてブロワー(エアダスター)はSANWAの200-CD079
最大風速42m/sec
手の平が風で凹みます。
床に置いた¥500玉がいとも簡単に吹き飛ばされます。
今までちっちゃなゴムのブロワーでやっていたのがアホらしくなります。
ぶっちゃけ、主鏡表面が傷つくのではないか?と一抹の不安を覚えるほど強力な風です。
しかし、この強力な風を持ってしても、ゴミはほとんど取れません (T_T)
高性能洗浄スプレーを主鏡に吹きかけ、それを強力な電動エアダスターで吹き飛ばした結果は下の写真の通り。
途中の画像なので、ゴミが吹き飛ばされた領域がよくわかると思います。
主鏡の端っこ、10時から11時の方向に、高性能洗浄スプレーがまったくかかってない部分が残ってます。
そこの曇り具合を見れば、元がどれだけ汚れていたかわかると思います。
これをやっても、主鏡表面にはまだまだチリがいっぱい乗っかっているのですが、、、まあ、少しはマシになるようです。
今回はこんな感じで終わりました。
最初の状態と比べればかなりマシになったと思ってます。
主鏡の整備窓の少し上側(主鏡の10時から11時の方角)がまだ汚れが目立ちますね。
高性能洗浄スプレー、けっこう値が張ります。
100mLで¥3,000くらい。
電動エアダスターの強力な風で、たぶん、主鏡表面は傷ついてないんじゃないかなぁ、と思うのですが。。。