前回の記事の僕のつぶやき(「GPの分解整備ねぇ。時間の確保ができるかなぁ」)を耳に留めてくれた友人がおりまして、早速、やることになりました。
ほんと、感謝、感謝 (^_^)
ステッピングモーターを外します。
次にDECのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする六角ネジが2本ありますので、その2本を外します。
(その2本の六角ネジの間にあるイモネジは、ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせを緩くするためのイモネジです。)
次にウォームギアが入っているケースをDEC軸に固定している左右の六角ネジ2本を外します。
外すとウォームギアとウォームホイールが露出します。
ちょっとピンボケ写真ですが、RAでも同じものが出てきますので。
DECのウェイトシャフトを外して、その根元にある目盛環を抑えるねじ込みリングを外します。
目盛環を外したところ
DECのクランプを外します。
DECの軸がガタつかないように、ウェイトシャフト側にねじ込みリングがあります。
このねじ込みリング、弛まないようにイモネジがあります。
DEC軸のねじ込みリングには押さえのイモネジが1本ありますので、そのイモネジを緩めてから、ねじ込みリングを外します。
(RA軸のねじ込みリングは押さえのイモネジが3本あります。)
次にアリミゾを固定している六角ネジ2本を外します。
DECのアリミゾが外れるとウォームホイールが露出します。
DEC軸のウェイトシャフト側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。
DECのねじ込みリングが外れたところ。
DECのねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。
ウェイトシャフト側のねじ込みリングを外すとDECの軸とウォームホイールを引き出すことができます。
DEC軸が外れたところ。
DECのウォームホイールのウェイト側にプラスチックリングがあるので外します。
DECのウォームホイールを外します。
DECのウォームホイールのアリミゾ側にもプラスチックリングがあります。
DECのウォームホイールの両端にあるプラスチックリングは全く同じものであるようです。
DECの極軸窓が付いている部品をRAに固定している六角ネジ2本を外します。
DECの極軸窓がついた部品が外れたところ。
RAのウォームギアとウォームホイールの噛み合わせをキツくする2本の六角ネジを外します。
ウォームギアを入れたケースを固定している東側の六角ネジを外します。
ウォームギアを入れたケースを固定する西側の六角ネジを外します。
RAのウォームギアとそのケースが外れて、ウォームホイールが露出します。
極軸望遠鏡は捻れば外れます。
極軸望遠鏡を外すところ
極軸望遠鏡の目盛環を外します。
RAの極軸望遠鏡側を抑えるねじ込みリングが緩まないように3本のイモネジでRA軸に固定されています。その3本のイモネジを緩めます。
極軸望遠鏡側のねじ込みリングをカニ目レンチで外します。
ねじ込みリングが外れたところ。
DECと同様、ねじ込みリングにはプラスチックリングが付いてます。
赤道儀の土台からRA軸を抜き取ります。
DECと同様、RAのウォームホイールの両端にプラスチックリングが付いています。
RAのウォームホイールを外します。
RAのウォームホイールの極軸窓側のプラスチックリングを外します。
パーツクリーナーで部品についた古くて硬くなったグリースを落としてゆきます。
綺麗になったパーツ
古い、硬くなったグリース。
これでは動きが渋かったわけです。
ウォームギアをケースから取り出すためには、まず端っこのナットを外します。
外したナットの付いていた黒い部品を手で回して外します。
ウォームギアが外れます。
ウォームギアの両端に金属のリングが付いてます。
分解したウォームギアとそのケースを並べたところ。
このセットはDECとRAで全く同じ部品が使われています。
あとはグリースアップして、逆の手順で組み立てればいいだけです。
ウォームギアとウォームホイールの噛み合わせ調整だけ少しコツがいりますが、慣れの問題かと。
サクサクと組み上がったのですが、、、組み上げの過程でくるくるに回っていたDECもRAも、組み上がってしばらくしたら、固着して回転しなくなりました。
何が一体どうしたのか、さっぱり理解できませんでした。
どうも低温耐性のシリコングリースが柔らかすぎたようです。
シリコングリースが柔らかすぎて、赤緯軸、赤経軸を回転させているうちに濾し出されて、ウォームホイールが固着してしまったようです。
使ったのは、Shin-Etsu Silicon GREASE、信越化学工業 汎用シリコーングリース 低温潤滑用 です。
今更よくみると、「使用期限2024年9月」と書いてあります。
用途に「輸送機器」「音響機器の各種部品の軸受け」「ギヤ摺動部の潤滑」などと書いてあります。
苦労してRAとDECのウォームホイールを外しましたが、DECのウォームホイールに傷が付いてしまいました。
耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨して傷を消したのですが、組み上げようとしたらウォームホイールがハマらない。。。
なぜだかよくわかりませんでしたが、やむなく再度、耐水紙やすりで、180→320→600→1000→1500と研磨を行って、それでも入らず、もう一回、180→320→600→1000→1500と研磨を行ったところ、すっぽりと入るようになりました。
二度目は普段バイクの整備に使っている デイトナガレージの「万能グリース」を使用しました。
ステアリングヘッド、ホイール等のベアリング分に最適
回転部、軸受の他、潤滑を必要とする箇所に使用してください
と書いてある。
使用温度は-20℃〜120℃
今度はロックしませんでした。
グリースの種類がこんなに致命的に大事だとは存じませんでした。
良い勉強になりました。
詳細なGP赤道儀の分解手順ですね。
自分もGPとGPDを持っているので大変に参考になります。
画像を拝見するとボールベアリング類は使われていないようですね。メタル軸受けですとグリスの選択が重要になってきそうです。
ある程度粘度が高いグリスほ方が良いのかしら?。
参考になれば幸いです^_^
この作業、1人でやると手がグリースまみれになって、写真を撮ることが難しいのですが、2人がかりだったことで、記録できました。
ベアリングを多用しているEQ6と違って、非常にシンプルな作りでした。
加工精度が良いんでしょうね。
グリースは少し粘度が高めが良いのだと思います。
柔らかいシリコングリースでまさかロックするとは思いませんでした。
よい勉強になりました。
これも1人でやってたら凹むところですが、2人でやると気分的に楽でした。
友人に感謝感謝です。
動作して良かったと思います。(^0^;
適合するグリスと言うのはあるようで、例えば車用を赤道儀に使ってはいけません。
聞けば万能と言う物は無くて、以前、関西の望遠鏡メーカで
レーシングカー用のを好んで使っていたと聞きました。
これが普通の車用では満足な性能とならないとかで、
そこまで拘るのが不思議でした。(^0^8
良くあるのが、シリコーンとシリコンの勘違いで、かたや
高分子材料、かたやsi基材と言う事で、性質も用法も
違い、明確に違う物とかです。(^0^;
当然、どこに使うかで使い分けるのですが、グリスの用法は
現物に表示のある通りでないといけませんネ。(^0^v
シリコン、ケイ素と紛らわしいですよね。
シラノールの脱水縮合の数次第で液体、ペースト、樹脂とまるで別の物体のように形態を変えますし、名前がケイ素と同じですから。
シリコングリース、正直、よく知らないですが、もしかしたら、重合の程度によっては、赤道儀に使える性能を発揮するのかもしれません。
確信はないですが、今回用いたシリコングリースは柔らかすぎたように感じています。
赤道儀におすすめのグリース、できたらGPのメーカーであるvixenに教えて欲しいですね^_^;
僕はGPもEQ6proも自分のバイクに使っているバイク用グリースを使ってます。