前回、最終形?を報告しました。
先週、足場や足場を上下させるレールが全て撤去されました。新たに手前に立ったポールは、粉塵飛散防止のネットを張りました。
そして今日です。もうこんな状態になっていました。最終工程はやっぱりあのクレーンは使いません。ユンボで荒々しく解体します。
鉄筋の数がめちゃめちゃ多いです。鉄密度高く頑丈に造ったコンクリを食い千切ります。
肉食恐竜が獲物に噛みついて肉を引き千切るようです。痛みがわが身に伝わるような気持ちで見ています。
粉塵を舞い上げてかぶりつきます。
と、ここでユンボが止まったと思うと、後退して現場を離れました。戻って来ません。時計を見ると、10時58分です。午前の作業はここまでのようです。えっ!? これなら午前中に終わるだろう、最期を見届けられるだろう、と思って見ていました。
これだけが残されました。残りは午後一の作業で簡単に終わるでしょう。私、午後から都心の病院に行かなければなりません。帰りは夜です。見られないの? 最期が、、? こんなに頑張って見てきたのに・・・?見届けるつもりで頑張ったのに・・・?
気落ちしている私の心情を察してか知らずか、隣で監視していた作業員が言いました。「来週からあのクレーンが解体されます」「あの日本一高いやつ?」「そうです」・・・見上げる初冬の空に映えます。
・・・気持ちの整理が付きません。私は、日本一のクレーンの解体を見る気になるだろうか・・・?
改めて、在りし日の煙突に「さよなら」です。煙突を見に行く。 - 荒川三歩