昨日NHK将棋を半分居眠りしながら見ていた。森内名人が阿久津七段にきっちり勝ったのだが、弱いアマチュアの私には後手の囲いを破り飛車が成り込んだ先手の阿久津七段の方が有利に見えた。佐藤王将の解説ではこうした直接的で単純な攻めは上手くゆかないと感じる、プロはもう少し溜めのある手を考えるものなんですが、ということだった。実際その通りでぎりぎりのところで森内名人が残していた。
どうも直線的に攻める手は反動が大きい上に自分の守りに隙が出来てしまうようで、皮を切った時には肉を切られ、肉を切ったときには骨を切られてしまうことが多いようだ。
どうして直接的な攻めよりも溜のある手の方が勝利に結びつく確率が高いのか非常に興味がある。こうした溜というか紆余曲折があるプロセスを踏んだ方が有利な局面を導きやすいというのは、人間社会の色んな場面でも真実のような気がする。どういうわけだろうか。