駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

院長の貧乏性

2012年11月03日 | 身辺記

   

 友人や職員は私の金銭感覚をどう思っているだろう。自分としてはケチではないと思っている。しかし、ケチ臭いところもあると告白せねばならない。

 診察室と受付にはティッシューの箱が置いてある。医院ではそういう物が必要な時があり、咄嗟に持ち合わせない人も入るだろうと思うからだ。

 診察を受ける時、秘かにガムを噛んでいる人が居る。これは口臭を消そうとするためで、ガムが噛むたいからとかいうのではないと思う。というのは中年の女性に多いからだ。彼女らは口の中で上手にガムを脇に寄せて、普通に話す技術を持っているので、話している時にガムが口内にあるのはわからない。喉を見ようと口を開けさせようとすると慌ててガムを捨てようとするので、初めてガムを噛んでいたのがわかる。

 そんな時、気の利く看護婦はテッシューを二三枚さっと取って渡す。置いてあるテッシューは安物ではなく一枚でも二枚なのだ。ケチな私は一枚でいいのにと思ってしまう。たかだか小さなガムに三枚ものティッシューは勿体ないと思ってしまうのだ。勿論、声には出さないし、あとから注意したこともない。私の貧乏性が、一枚でいいのにと思わせるわけだ。

 ちなみにガムを診察前に噛んでおくのは、理に叶うエチケットだ。はい、深呼吸をしてと指示しながら時々横を向いてと追加指示をしたくなる息を吐く方も居るからだ。尤も、ガムは呼ばれたら診察室に入る前に出しておくのが本当のladyだろう。

 

コメント (7)
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