駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

勝負の分かれ目は

2020年04月21日 | 人生

               

 

 囲碁や将棋のタイトル戦で勝った方の棋士にどこで勝利を意識しましたかという質問をすると大抵アマでも形勢が分かるような終盤を答えることが多い。あれそんなに形勢がはっきりしないと分からないものかと思う。負けた方の棋士にどこでおかしくしたかと聞けば大抵アマには分からない序中盤の場面を挙げることが多い。これもそんな手前の所に問題があったかと不思議に思うことが多い。

 囲碁や将棋は複雑深遠でもコンピュータが人間より強くなったくらいだから、理詰めの世界に思えるがそれでも敗因というのは終盤にはなく、混沌とした中盤以前に勝負の分かれ目があるのだ。

 新型コロナのような難敵と戦うにも同様のことが言えると思う。形勢がはっきりしてから盛り返そうとしても被害が甚大になるのを避けるのは難しい。政治の世界では様々な利害が絡み、序中盤に他のことに目を奪われ易く、しばしば後手を踏んでしまう。厄介なのは政治家には囲碁将棋のプロ棋士のように潔ぎよくなく、はぐらかしたり他を責めて責任転嫁を謀ったりするような人物が少なくないことだ。政策にはプロはあっても、政治は人生に似てブロアマの差はない。あるのは気質の違いくらいのものだ。朝三暮四で騙されないようにしたい。

コメント (2)
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