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ミシャ・メンゲルベルクの初期の2+1枚

2014-09-01 | JAZZ
前回のハン・ベニンク(ds)に続いて、もう一人のオランダの重鎮であるミシャ・メンゲルベルク(p)がリーダーを務める初期の「2+1枚」の作品を取り上げてみました。

ミシャ・メンゲルベルク(Misha Mengelberg / 1935年6月5日 – ) ウクライナ・キエフ生まれ

1962年、ハン・ベニンクと出会いカルテットを結成、初期はオーソドックスな演奏でしたが、オリジナリティを発揮していくと同時に、フリー・インプロヴィゼイションの世界へ進んで行きました。
70年代半ばにICPテンテットを結成し、伝統の中にも即興性に趣きを置いた色彩豊かなオーケストレーションを展開しています。
また、セロニアス・モンクやハービー・二コルスの音楽にも精通し、2人に関連するアルバムも残しています。

今回のICPオーケストラの演奏会は、体調不良で不参加となりましたが、ミシャが残した最も初期のアルバムです。
いずれのアルバムにも、ハン・ベニンクが参加しています。

「DRIEKUSMAN TOTAL LOSS」 VARAJAZZ 210
   
1. DRIEKUSMAN TOTAL LOSS
2. NATURE BOY
3. IF HAD YOU
4. REMEMBER HERBIE
MISJA MENGELBERG(p) PIET NOORDIJK(as) GARY PEACOCK(b) ROB LANGREREIS(b/No.4 Only) 
HAN BENNINK(DS) 録音1964年12月4日, 1966年6月28日(No.4 Only)

ミシャの最も初期の演奏が聴ける1枚で、セロニアス・モンクの影響を強く受けていることが分かります。
共演者のピート・ノールディク(as)は、オーネット・コールマンやエリック・ドルフィーのようなタイプの奏者で、最初からグイグイ飛ばす一方で、ここでのハン・ベニンクは、最後までフォー・ビートのリズムを刻むアンバランスが面白いです。
このアルバムでは、ゲストのゲーリー・ピーコック(b)にも多くのソロ・スペースが与えられています。


上記のレコーディングから2年余を経過してのセカンド・アルバムで、オランダのアルトーンからの1枚、かって日本のソニーからも発売されたことがありました。
ジャケットには「newport jazz festival 1966」と書かれていますが、この年の7月3日、このグループで、ニューポートでの米国デビューを果たしています。
「MISJA MENGELBERG QUQRTET」 ARTONE MGOS 9467
   
1. PEER’S COUNTING SONG
2. AUNTIE WATCH YOUR STEP
3. TO JOHN HODJAZZ
4. DRIEKUS MAN TOTAL LOSS
5. JORNEY
6. SAMBA ZOMBIE
MISJA MENGELBERG(p) PIET NOORDIJK(as) ROB LANGREREIS(b)
HAN BENNINK(DS) 録音1966年3月4日

全6曲、全てミシャのオリジナルとしてクレジットされていますが、1曲目のスロー・バラード「PEER’S COUNTING SONG」は、ノルウェーの作曲家であるグリークの曲をベースにしたものです。
4曲目の「DRIEKUS MAN TOTAL LOSS」は、オランダのフォーク・ソングからのもので、最初のアルバムでも演っていました。
この曲は、こちらの方が少しテンポを速めて演奏されています。

ミシャ・メンゲルベルクやハン・ベニンクにもこのような演奏をした時期があり、今の耳で聴くと古典的(?)ですが、2枚共に貴重なアルバムです。


「EPISTROPHY」 ICP 015
   
ERIC DOLPHY(bcl) MISHA MENGELBERG(p) JACQUES SCHOLS(b) 
HAN BENNINK(ds)  録音 1964年6月1日

エリック・ドルフィーの「ラスト・デイト」(オランダ・フォンタナ盤)の録音された1日前にリハーサルを兼ねて行われたセッション、ラスト・デイトの方の演奏時間が11分15秒に対し、こちらは17分52秒と大分長くなっています。
このレコード、録音は良くないし、単に記録ということの価値でしかありません。

コメント (2)
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