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ロイ・ヘインズ を偲んで

2024-11-17 | JAZZ
11月12日に99歳で亡くなったロイ・ヘインズの訃報を知って、手持ちのレコードの中から改めて2枚のレコードを聴きました。

1枚目は、伊藤八十八とロイ・ヘインズの共同プロデュースによるニューヨーク録音で、レコーディング・エンジニアがデヴィッド・ベイカー、マスタリングは小鐵徹という豪華なスタッフによって制作されたアルバムです。

「Love Letters」 Eighty-Eight VRJL 7009

1. The Best Thing for You
2. Stompin' at the Savoy
3. Love Letters
4. Afro Blue
5. How Deep Is the Ocean
6. My Shining Hour
Roy Haynes (ds) 
Kenny Barron (p) Christian McBride (b) Joshua Redman (ts)
John Scofield (g) David Kikoski (p) Dave Holland (b) 
録音 2002年5月22, 23日

演奏は、2つのグループにより曲によって替えており、またトリオとカルテットとして変化を付けています。
その中で、トリオによる演奏は2曲あり、「 Love Letters」は少し早めのテンポにおいて、ジョン・スコフィールドのギターが粋なフレーズを醸し出す後方で、ヘインズがスネアでプッシュしており、ディヴ・ホランドのベース・ソロを経てギターとドラムスの4小節交換となっています。
一方の「How Deep Is the Ocean」では、ケニー・バロン (P) とクリスチァン・マクブライド (b) が参加しており、相変わらず上手いバロンのソロの中でヘインズはブラシで通していて、これが軽くも重くもなくさすがというドラミングであり、彼の名盤とされる「We Three」を彷彿させる1曲となっています。

「The Best Thing for You」は、冒頭からヘインズとマクブライドの意表を突いた2小節交換によるイントロからスタートし、ジョシュア・レッドマンが快調に吹きまくっているし、「Stompin' at the Savoy」では、スコフィールドのギターが大きくフューチャーされています。
全6曲の中でのハイライト的な演奏は、6/8拍子で演奏される「Afro Blue」で、イントロの8小節のドラム・ソロが全体の雰囲気を作り、スコフィールドのギターとドラムスのインタープレイがエキサイティングで、ホランドのベース・ソロにおいても、後方でのドラミングが邪魔になっていません。

このアルバムは、録音も上等で、ヴォリュームを上げても全くうるさく感じず、各奏者の音がバランス良く捉えられていて、ロイ・ヘインズのドラムスが上手く引き出されています。


続いての10インチ盤は、BMGジャパンから1998年に再発されたもので、今から丁度70年前にパリで録音されており、ロイ・ヘインズのリーダー・アルバムとしては2作目となります。
ここではヘインズの初期のドラミングと、この録音当時17歳であったバルネ・ウィランの演奏(初録音)を聴くことが出来ます。

「ROY HAYNES 」 SWING M. 33.337

1. Red Rose
2. A Mountain Sunset
3. Laffin' and Cryin'
4. Minor Encamp
5. Subscription
6. Dillon
Roy Haynes (ds) Barney Wilen (ts) Jay Cameron (bs) 
Henri Renaud (p) Jimmy Gourley (g) Joe Benjamin (b)
録音 1954年10月26日

2人のサックス奏者による重厚なアンサンブルからスタートする「Red Rose」は、テーマの後に各人のソロが披露され、後半では早速ロイ・ヘインズの歯切れの良いドラム・ソロを聴くことができます。
「Laffin' and Cryin'」と「Minor Encamp」では、バルネ・ウィランの見事なソロを聴くことが出来ますが、「Minor Encamp」はデューク・ジョーダンの代表曲でもある「Jordu」で、これは1962年9月録音のウィランのリーダー・アルバムでも取り上げており、今回は2つの演奏も比較して注意深く聴いてみました。
また、ここでのヘインズは、ドラム・セットを駆使してのソロを展開しています。
「Subscription」は、アップ・テンポの演奏で、ヘインズの正確で確実なドラミングが素晴らしいです。
ピアノ・トリオで演奏される「Dillon」では、ドラム・ソロの他に、アンリ・ルノーのピアノ・ソロの後ろでヘインズのバスドラが強調された演奏となっています。

今回取り上げた2枚の間には、50年以上の開きがありますが、ロイ・ヘインズのドラム・スタイルは殆ど変っておらず、最初からオリジナリティを持ったドラマーであったことを改めて再認識した次第です。


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