26日(日)、夕日を背景に始まり、人工照明がまばゆく
光る中でチェッカーフラッグが振られたヤス・マリーナ・
サーキットで開催された2017年FIA F1世界選手権第20戦
アブダビGP決勝レースはメルセデスのボッタスがポール・
トゥ・ウインを飾った。
"ビッグ3"による接戦が予想された予選では最終的にメル
セデスの2台がポールを争う格好となり、僚友を0.172秒
しのいだボッタスがトップタイムをたたき出してポール
ポジションを獲得。ハミルトンが2番手につき、今季王者
のメルセデスがラストレースでフロントローを独占して
いる。3番手にフェラーリのベッテル、4番手にはレッド
ブルのリカルドが並んだ。
週末を通して快晴に恵まれた全長5.554kmを誇るヤス・
マリーナ・サーキットはトワイライトからナイトレース
へと移行するにあたって人工照明が灯される。55周で争
われたレースのスタート時は気温24℃、路面温度31℃、
湿度47%のドライコンディションだった。ピレリはアブ
ダビにソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトを持ち
込み、ソフトとスーパーソフトの1セットがレース用タ
イヤとして指定されている。
シグナルが消灯と同時に全車が無事に発進し、フロント
ローから好発進を決めたメルセデス勢が先頭でターン1を
通過する。ラップ中盤あたりから5番手スタートのライコ
ネン(フェラーリ)がリカルドに襲いかかり、サイド・
バイ・サイドに持ち込んで一時はマシンを前に出すも、
リカルドが必死にこらえてポジションを守っている。タ
ーン12でペレス(フォース・インディア)とポジション
を争った際、コースを飛び出してアドバンテージを得た
疑いでヒュルケンベルグ(ルノー)が審議対象となり、
映像を検証したスチュワードは5秒のタイムペナルティ
を科した。
序盤から好ペースを発揮して1-2態勢を築くメルセデス勢
はボッタスがリードを保ったまま、ハミルトンが後ろから
プレッシャーをかけていき、相乗効果で3番手以下のライ
バルたちにギャップをつけ始めた。
オーバーテイクの機会が少ないと言われるヤス・マリー
ナ・サーキットで激しい攻防戦を繰り広げたのがストロー
ル(ウィリアムズ)とグロージャン(ハースF1)だ。グロ
ージャンがウィリアムズマシンのリアを捕らえ、何度もオ
ーバーテイクを仕掛けていくが、ストロールが1年の集大
成を見せつけるかのように見事な防御を見せて譲らない。
それでも、12周目にはグロージャンが追い抜きを成功さ
せ、ポジションを落としたストロールはその足でピット
ストップに向かい、タイヤをスーパーソフトに履き替えた。
グロージャンとストロールの対決が決着した頃、その少し
前でもう一台のウィリアムズを駆るマッサがマクラーレン
のアロンソとの接近戦に突入。後方から距離を詰めたアロ
ンソは0.6秒差の位置に迫るも、メルセデスエンジンを積
むウィリアムズを追い抜くまでには近づけず、がまんの時
間が続く。
18周目にピットインしたヒュルケンベルグはポジション
争いの相手であるペレスに5秒以上のリードを築いていた
ため、タイムペナルティの影響はないと見られていたが、
右リアタイヤがうまく外れずタイムロスしてしまい、何と
かタイヤ交換を済ませてピットアウトしたところ、ペレ
スの目前でコース復帰を果たした。
また、ヒュルケンベルグの2周後には単独走行になりつつ
あったリカルドがピットストップを敢行し、左リアタイ
ヤの交換に手間取りながらもコースに戻ったが、ガード
レールにマシン右側をこすった直後、「何か違和感があ
る」と訴えてコース外へ。芝生の上に停車してコックピ
ットを離れた。どうやらハイドロリックトラブルに見舞
われたようだ。
その間、ボッタスとアロンソがピットストップを完了し、
アロンソは対マッサのアンダーカットを狙って猛チャー
ジをかける。翌周にはウィリアムズ陣営が動いてマッサ
のタイヤ交換を済ませ、アロンソの前でコース復帰させ
るも、追い抜きの好機と見たアロンソがDRSを生かしな
がらオーバーテイクを仕掛け、一度はマッサがポジショ
ンを死守したものの、最終的にはアロンソがマッサとの
勝負を制している。先行したアロンソはその後、ペース
アップしてマッサにギャップを築いていった。
一方、メルセデスコンビの先頭争いは両者が1回目のピッ
トストップを終えてから激化し、ハミルトンが1秒差以内
につければボッタスがペースを上げてリードを広げ、ま
たギャップが縮まるといった流れに発展。さらに、25秒
ほど後方ではライコネンとフェルスタッペンが4番手を
争った。
第1スティントを引っ張ったフォース・インディアのオ
コンとルノーのサインツは先頭集団が32周目を走る中で
ピットに向かい、ウルトラソフトからスーパーソフトに
履き替えてピットアウトする。しかし、ルノーマシンの
左フロントタイヤは装着が不十分だったようで、サイン
ツはピットレーンのカーブであわやウオールにぶつかり
かけた。そのままコースに出てしまったサインツはすぐ
にコースを飛び出し、そのままコース外にマシンを止め
てリタイアしている。
レース終盤はポイント圏外ながら12番手にいたバンドー
ルン(マクラーレン)からマグヌッセン(ハースF1)、
ウェーレイン(ザウバー)、ハートリーと・ガスリーの
トロ・ロッソ勢、さらにザウバーのエリクソンが加わっ
て6台が1秒から2秒前後の激しい競争を展開する。この
中でバンドールンは少し離れた位置をキープしつつ、後
続のバトルを見守りながらペースをコントロールしてい
た。
残り5周を切ってラップリーダーのボッタスが一気にペー
スアップ。一度、タイヤをロックアップしてしまい、ハ
ミルトンに0.5秒差まで詰め寄られていたが、ファステ
ストラップを連発してリードを5秒に広げてファイナル
ラップに入った。
力強い走りでトップチェッカーを受けたボッタスに続い
てハミルトンが2位フィニッシュを果たし、ベッテルが
3位表彰台に上っている。ライコネンが4位でゴールし、
フェルスタッペンは最終ラップで0.8秒差に接近したも
のの5位となった。
6位以下で入賞したのはヒュルケンベルグ、ペレス、オ
コン、アロンソ、マッサ。アブダビの一戦でF1から引退
するマッサは最後に1ポイントを手にして有終の美を飾っ
ている。
11位でグロージャンが完走を果たし、12位にバンドール
ン、マグヌッセン、ウェーレイン、ハートリー、ガスリー、
エリクソンの6人は結局、ポジションが変わることなく
チェッカーフラッグを受けた。ウィリアムズのストロー
ルが18位に入っている。
マクラーレン・ホンダとして最後の一戦に挑んだアロン
ソは9位入賞を果たし、バンド―ルンは12位で完走しました。
マクラーレンとホンダ、来年はそれぞれのパートナーと
戦って行くのですが、2チームとも頑張って欲しいですね!
光る中でチェッカーフラッグが振られたヤス・マリーナ・
サーキットで開催された2017年FIA F1世界選手権第20戦
アブダビGP決勝レースはメルセデスのボッタスがポール・
トゥ・ウインを飾った。
"ビッグ3"による接戦が予想された予選では最終的にメル
セデスの2台がポールを争う格好となり、僚友を0.172秒
しのいだボッタスがトップタイムをたたき出してポール
ポジションを獲得。ハミルトンが2番手につき、今季王者
のメルセデスがラストレースでフロントローを独占して
いる。3番手にフェラーリのベッテル、4番手にはレッド
ブルのリカルドが並んだ。
週末を通して快晴に恵まれた全長5.554kmを誇るヤス・
マリーナ・サーキットはトワイライトからナイトレース
へと移行するにあたって人工照明が灯される。55周で争
われたレースのスタート時は気温24℃、路面温度31℃、
湿度47%のドライコンディションだった。ピレリはアブ
ダビにソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトを持ち
込み、ソフトとスーパーソフトの1セットがレース用タ
イヤとして指定されている。
シグナルが消灯と同時に全車が無事に発進し、フロント
ローから好発進を決めたメルセデス勢が先頭でターン1を
通過する。ラップ中盤あたりから5番手スタートのライコ
ネン(フェラーリ)がリカルドに襲いかかり、サイド・
バイ・サイドに持ち込んで一時はマシンを前に出すも、
リカルドが必死にこらえてポジションを守っている。タ
ーン12でペレス(フォース・インディア)とポジション
を争った際、コースを飛び出してアドバンテージを得た
疑いでヒュルケンベルグ(ルノー)が審議対象となり、
映像を検証したスチュワードは5秒のタイムペナルティ
を科した。
序盤から好ペースを発揮して1-2態勢を築くメルセデス勢
はボッタスがリードを保ったまま、ハミルトンが後ろから
プレッシャーをかけていき、相乗効果で3番手以下のライ
バルたちにギャップをつけ始めた。
オーバーテイクの機会が少ないと言われるヤス・マリー
ナ・サーキットで激しい攻防戦を繰り広げたのがストロー
ル(ウィリアムズ)とグロージャン(ハースF1)だ。グロ
ージャンがウィリアムズマシンのリアを捕らえ、何度もオ
ーバーテイクを仕掛けていくが、ストロールが1年の集大
成を見せつけるかのように見事な防御を見せて譲らない。
それでも、12周目にはグロージャンが追い抜きを成功さ
せ、ポジションを落としたストロールはその足でピット
ストップに向かい、タイヤをスーパーソフトに履き替えた。
グロージャンとストロールの対決が決着した頃、その少し
前でもう一台のウィリアムズを駆るマッサがマクラーレン
のアロンソとの接近戦に突入。後方から距離を詰めたアロ
ンソは0.6秒差の位置に迫るも、メルセデスエンジンを積
むウィリアムズを追い抜くまでには近づけず、がまんの時
間が続く。
18周目にピットインしたヒュルケンベルグはポジション
争いの相手であるペレスに5秒以上のリードを築いていた
ため、タイムペナルティの影響はないと見られていたが、
右リアタイヤがうまく外れずタイムロスしてしまい、何と
かタイヤ交換を済ませてピットアウトしたところ、ペレ
スの目前でコース復帰を果たした。
また、ヒュルケンベルグの2周後には単独走行になりつつ
あったリカルドがピットストップを敢行し、左リアタイ
ヤの交換に手間取りながらもコースに戻ったが、ガード
レールにマシン右側をこすった直後、「何か違和感があ
る」と訴えてコース外へ。芝生の上に停車してコックピ
ットを離れた。どうやらハイドロリックトラブルに見舞
われたようだ。
その間、ボッタスとアロンソがピットストップを完了し、
アロンソは対マッサのアンダーカットを狙って猛チャー
ジをかける。翌周にはウィリアムズ陣営が動いてマッサ
のタイヤ交換を済ませ、アロンソの前でコース復帰させ
るも、追い抜きの好機と見たアロンソがDRSを生かしな
がらオーバーテイクを仕掛け、一度はマッサがポジショ
ンを死守したものの、最終的にはアロンソがマッサとの
勝負を制している。先行したアロンソはその後、ペース
アップしてマッサにギャップを築いていった。
一方、メルセデスコンビの先頭争いは両者が1回目のピッ
トストップを終えてから激化し、ハミルトンが1秒差以内
につければボッタスがペースを上げてリードを広げ、ま
たギャップが縮まるといった流れに発展。さらに、25秒
ほど後方ではライコネンとフェルスタッペンが4番手を
争った。
第1スティントを引っ張ったフォース・インディアのオ
コンとルノーのサインツは先頭集団が32周目を走る中で
ピットに向かい、ウルトラソフトからスーパーソフトに
履き替えてピットアウトする。しかし、ルノーマシンの
左フロントタイヤは装着が不十分だったようで、サイン
ツはピットレーンのカーブであわやウオールにぶつかり
かけた。そのままコースに出てしまったサインツはすぐ
にコースを飛び出し、そのままコース外にマシンを止め
てリタイアしている。
レース終盤はポイント圏外ながら12番手にいたバンドー
ルン(マクラーレン)からマグヌッセン(ハースF1)、
ウェーレイン(ザウバー)、ハートリーと・ガスリーの
トロ・ロッソ勢、さらにザウバーのエリクソンが加わっ
て6台が1秒から2秒前後の激しい競争を展開する。この
中でバンドールンは少し離れた位置をキープしつつ、後
続のバトルを見守りながらペースをコントロールしてい
た。
残り5周を切ってラップリーダーのボッタスが一気にペー
スアップ。一度、タイヤをロックアップしてしまい、ハ
ミルトンに0.5秒差まで詰め寄られていたが、ファステ
ストラップを連発してリードを5秒に広げてファイナル
ラップに入った。
力強い走りでトップチェッカーを受けたボッタスに続い
てハミルトンが2位フィニッシュを果たし、ベッテルが
3位表彰台に上っている。ライコネンが4位でゴールし、
フェルスタッペンは最終ラップで0.8秒差に接近したも
のの5位となった。
6位以下で入賞したのはヒュルケンベルグ、ペレス、オ
コン、アロンソ、マッサ。アブダビの一戦でF1から引退
するマッサは最後に1ポイントを手にして有終の美を飾っ
ている。
11位でグロージャンが完走を果たし、12位にバンドール
ン、マグヌッセン、ウェーレイン、ハートリー、ガスリー、
エリクソンの6人は結局、ポジションが変わることなく
チェッカーフラッグを受けた。ウィリアムズのストロー
ルが18位に入っている。
マクラーレン・ホンダとして最後の一戦に挑んだアロン
ソは9位入賞を果たし、バンド―ルンは12位で完走しました。
マクラーレンとホンダ、来年はそれぞれのパートナーと
戦って行くのですが、2チームとも頑張って欲しいですね!